弁護士雑知識

第1 弁護士雑知識

    以下の事項を記載しています。

1 弁護士依頼時の一般的留意点
→ 交通事故事件について依頼される場合,症状固定前の交通事故被害者の留意点及び症状固定後の交通事故被害者の留意点も参照して下さい。

2 弁護士の守秘義務,弁護士職務基本規程等

3 陳述書

4 証人尋問及び当事者尋問

4の2 尋問調書

5 判決に基づく強制執行

6 弁護士の懲戒

7 弁護士登録制度

8 家事審判

9 仮差押え

10 弁護士会別法律相談件数の推移 

 

第2 日弁連の活動等

1   日弁連HPの「日弁連の活動」に一通り掲載されています。

2 日弁連HPの「民事司法改革と司法基盤の整備」に,平成25年10月22日付の「民事司法改革グランドデザイン」等が掲載されています。

3 衆議院HPに「制定時の弁護士法」が,外部HPの「弁護士法の改正」に,弁護士法の改正法に関する新旧対照表等が全部,載っています。

第3 司法書士法3条に関する最高裁平成28年6月27日判決

最高裁平成28年6月27日判決は,司法書士法3条に関して以下のとおり判示しています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。その上で,司法書士が依頼者との間で締結した委任契約のうち,個別の債権の価額が140万円を超えるものに係る裁判外の和解については代理することができないということで,不法行為による損害賠償として,委任契約に基づく報酬相当額の支払義務を負うと判断しました。
 
1 法は,認定司法書士の業務として,簡易裁判所における民訴法の規定による訴訟手続(以下「簡裁民事訴訟手続」という。)であって,訴訟の目的の価額が裁判所法33条1項1号に定める額を超えないものについて代理すること(法3条1項6号イ),民事に関する紛争であって簡裁民事訴訟手続の対象となるもののうち,紛争の目的の価額が上記の額を超えないものについて,裁判外の和解について代理すること(同項7号)を規定する。
   法3条1項6号イが上記のとおり規定するのは,訴訟の目的の価額が上記の額を超えない比較的少額のものについては,当事者において簡裁民事訴訟手続の代理を弁護士に依頼することが困難な場合が少なくないことから,認定司法書士の専門性を活用して手続の適正かつ円滑な実施を図り,紛争の解決に資するためであると解される。
   そして,一般に,民事に関する紛争においては,訴訟の提起前などに裁判外の和解が行われる場合が少なくないことから,法3条1項7号は,同項6号イの上記趣旨に鑑み,簡裁民事訴訟手続の代理を認定司法書士に認めたことに付随するものとして,裁判外の和解についても認定司法書士が代理することを認めたものといえ,その趣旨からすると,代理することができる民事に関する紛争も,簡裁民事訴訟手続におけるのと同一の範囲内のものと解すべきである。
   また,複数の債権を対象とする債務整理の場合であっても,通常,債権ごとに争いの内容や解決の方法が異なるし,最終的には個別の債権の給付を求める訴訟手続が想定されるといえることなどに照らせば,裁判外の和解について認定司法書士が代理することができる範囲は,個別の債権ごとの価額を基準として定められるべきものといえる。
2 このように,認定司法書士が裁判外の和解について代理することができる範囲は,認定司法書士が業務を行う時点において,委任者や,受任者である認定司法書士との関係だけでなく,和解の交渉の相手方など第三者との関係でも,客観的かつ明確な基準によって決められるべきであり,認定司法書士が債務整理を依頼された場合においても,裁判外の和解が成立した時点で初めて判明するような,債務者が弁済計画の変更によって受ける経済的利益の額や,債権者が必ずしも容易には認識できない,債務整理の対象となる債権総額等の基準によって決められるべきではない。
3 以上によれば,債務整理を依頼された認定司法書士は,当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が法3条1項7号に規定する額を超える場合には,その債権に係る裁判外の和解について代理することができないと解するのが相当である。

第4 弁護士法72条に関する最高裁平成29年7月24日判決

最高裁平成29年7月24日判決は,以下のとおり判示しています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。その上で,司法書士が相手方との間で締結した和解契約自体は無効ではないと判断しました。
   つまり,140万円を超える過払金等について,依頼者が司法書士と締結した委任契約は無効である(最高裁平成28年6月27日判決)ものの,司法書士が相手方と締結した和解契約は有効であるということです(最高裁平成29年7月24日判決)。
 
1 弁護士法72条は,弁護士又は弁護士法人でない者が,報酬を得る目的で法律事件に関して代理や和解等の法律事務を取り扱うことを業とすることができない旨を定めているところ,認定司法書士が,報酬を得る目的で業として司法書士法3条1項7号に規定する額である140万円を超える過払金の返還請求権につき裁判外の和解をすることについての委任契約を締結することは,弁護士法72条に違反するものであって,その委任契約は,民法90条に照らして無効となると解される(最高裁昭和37年(オ)第1460号同38年6月13日第一小法廷判決・民集17巻5号744頁参照)。
   上記の場合,当該委任契約を締結した認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することも,弁護士法72条に違反するものであるが,その和解契約の効力については,委任契約の効力とは別に,同条の趣旨を達するために当該和解契約を無効とする必要性があるか否か等を考慮して判断されるべきものである。
2 弁護士法72条の趣旨は,弁護士の資格のない者が,自らの利益のため,みだりに他人の法律事件に介入することを業とすることを放置するときは,当事者その他の関係人らの利益を損ね,法律事務に係る社会生活の公正かつ円滑な営みを妨げ,ひいては法律秩序を害することになるので,かかる行為を禁止するものと解されるところ(最高裁昭和44年(あ)第1124号同46年7月14日大法廷判決・刑集25巻5号690頁参照),同条に違反する行為に対しては,これを処罰の対象とする(同法77条3号)ことによって,同法72条による禁止の実効性を保障することとされている。
   そして,認定司法書士による裁判外の和解契約の締結が同条に違反する場合には,司法書士の品位を害するものとして,司法書士法2条違反を理由とする懲戒の対象になる(同法47条)上,弁護士法72条に違反して締結された委任契約は上記のとおり無効となると解されるから,当該認定司法書士は委任者から報酬を得ることもできないこととなる。
   このような同条の実効性を保障する規律等に照らすと,認定司法書士による同条に違反する行為を禁止するために,認定司法書士が委任者を代理して締結した裁判外の和解契約の効力まで否定する必要はないものと解される。
   また,当該和解契約の当事者の利益保護の見地からも,当該和解契約の内容及びその締結に至る経緯等に特に問題となる事情がないのであれば,当該和解契約の効力を否定する必要はなく,かえって,同条に違反することから直ちに当該和解契約の効力を否定するとすれば,紛争が解決されたものと理解している当事者の利益を害するおそれがあり,相当ではないというべきである。
   以上によれば,認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが同条に違反する場合であっても,当該和解契約は,その内容及び締結に至る経緯等に照らし,公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り,無効とはならないと解するのが相当である。
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
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2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。