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判事5号以上の裁判官の給料と,指定職以上の国家公務員の給料との比較
第0 目次
第2 判事5号以上の裁判官の給料と,指定職以上の公務員の給料との比較
第3 裁判官の給料と他の国家公務員の給料との整合性に関する答弁例
第4 裁判官の昇給
第5 指定職未満の裁判所一般職の級(参考)
第6 人事院規則9-42(指定職俸給表の適用を受ける職員の俸給月額)(廃止法令)
第7 給料関係の外部HP
第8 裁判官の「報酬」,検察官の「俸給」及び国家公務員の「給与」の違い
第9 裁判官及び検察官に超過勤務手当等が支給されない理由
第10 裁判官報酬法及び検察官俸給法が別に存在する理由
*0 以下の記事も参照してください。
① 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
② 裁判官のボーナス及び地域手当
*1 以下の資料を掲載しています。
① 裁判官の報酬以外の給与に関する規則(平成29年3月17日最高裁判所規則第1号)
② 裁判官以外の一般職員(裁判所書記官,裁判所事務官,家裁調査官等)の給与(平成30年1月1日現在)
③ 裁判官の報酬等の支給定日に関する規則(昭和36年4月8日最高裁判所規則第2号)
④ 指定職俸給表の準用を受ける職員の俸給月額に関する規則(昭和48年9月26日最高裁判所規則第8号)
*2 内閣官房HPに「人事統計報告」(毎年10月下旬に最新版に更新されています。)及び「幹部公務員の給与体系の概要」が載っています。
*3 中央省庁ごとの指定職のランキングについては,外部ブログの「法務省事務方の序列を指定職俸給表の順に調査してみた件」等に載っています。
*4 給料.comに「国家公務員の俸給表〔指定職俸給表〕」が載っています。
*5 官職要覧ブログの「裁判所の官職」,「法務省の官職」及び「検察庁の官職」が非常に参考になります。
*6 国立国会図書館HPのレファレンス平成24年7月号に「公務員人件費をめぐる議論」が載っています。
*7 NAVERまとめに「【大学受験・官僚への道】東大だけじゃない!官公庁局長クラスの出身大学2018年 」が載っています。
第1 裁判官の給料比較(総論)
(2) 指定職俸給表は,その官職の職務と責任の度が特に高度であり,かつ,一般の職員に適用される扶養手当,住居手当といった属人的な給与がなじまない官職について,職務給の理念に沿って官職ごとに給与を定めることが望ましいことから,昭和39年に設定されました(首相官邸HPの「指定職俸給表について」参照)。
第2 判事5号以上の裁判官の給料と,指定職以上の公務員の給料との比較
3 東京高裁長官の報酬月額(月額143万4000円,年収約2783万円)
(金融庁)
(金融庁)
(金融庁)
東京高裁及び大阪高裁以外の事務局次長(6人)
東京地裁事務局長
東京,大阪,名古屋,広島,福岡,仙台及び札幌の家裁の首席家裁調査官(7人)
→ 警察官の階級としては通常,警視監(定員が38人であることにつき警察法施行規則165条及び別表第一)に該当します。
(法務省の場合)
第3 裁判官の給料と他の国家公務員の給料との整合性に関する答弁例
検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求するなどの検察権を行使する等、その職務は、司法権の適正円滑な運営を図る上で極めて重大な職責を有し、準司法官的な性格を有するものであり、その職責については、他の一般政府職員とは異なった著しい特殊性が認められ、その職責及びその準司法官的性格にかんがみれば、裁判官に対する待遇に準じた待遇を受けるべきものである。
お尋ねの裁判官及び検察官の給与の額については、それぞれの職務と責任の特殊性に照らしてふさわしいものであること、超過勤務手当の支給がないこと、その重責にふさわしい適材確保の必要性等も満たすべきものであること等を考慮しつつ、民間企業の給与水準とのバランスにも配慮して、裁判官の報酬については裁判官の報酬等に関する法律によって、検察官の俸給については検察官の俸給等に関する法律によってそれぞれ定められていると理解しており、それぞれの給与の額は適正・妥当なものであると考えている。
従来から、裁判官につきましては、憲法によって報酬あるいは身分といったものについて強い保障を受けるとともに、職務の執行についてもその独立性が強く保障されているわけでございます。一般の勤労者のように、使用者と対等の立場に立って経済的地位の向上あるいは労働条件の改善を図る必要がない、こういった理由から、裁判官に、労働組合を結成し、またはこれに加盟する権利は認められない、このように理解されてきたものと承知しております。
なお、それぞれの俸給の年額でございますが、検事総長につきましては約二千九百万、次長検事及び東京高検検事長以外の検事長が約二千四百万、東京高検の検事長が二千六百万、それから一号俸の検事正等が約二千三百万円というところでございます。
まずその人数から申し上げますと、法務本省の内部部局で申し上げますと、七月一日現在で局長以上の役職についているのは裁判官出身者二名、それから検察官出身者六名でございます。
次に、俸給の比較というところでございますが、これは同じポストに検察官以外の一般職職員がついた場合との格差ということで、やや、こういう言い方はあれですけれども、そうしてみればという話なものでございますので、なかなか比較しにくいところがございます。給与の場合、どうしてもそれぞれの者が背負ってきているものというようなものもございますし、俸給体系自体が異なりますので、単純に比較は難しいということを前提に御説明をさせていただきたいと思うんですが、局長級の一般職の俸給としては、通常、指定職の俸給表の四号あるいは五号ぐらいだろうと言われております。
検察官につきましても、局長級のポストにだれがつくかによって号俸は必ずしも一定ではございませんが、高い方で仮に比較するといたしますと、検事一号と指定職五号とでは月収で二十万近い差があるというのが実情でございます。(大口委員「年収では」と呼ぶ)年収は、済みません、ちょっと今、手元にそのあれがございませんが、その倍数を掛けるぐらいの数になると思います。十六ぐらい掛ければいいと思いますけれども。
他方で、裁判官出身者を含めて、検事、これは検察庁にいる検事の職にある者を法務事務官という形で転官させるということなりますと、検察官の身分保障との関係で、人事行政上非常に難しくなるというようなこともございまして、法令上も、一部の検事を検事のまま法務省の職員に充てることができるというふうにされております。そこで、給与につきましても、現在御審議いただいております検察官の俸給等に関する法律が適用されるというようなことになっております。
これは、検察庁法二十五条によりまして、検察官につきましては、その意に反して官を失うことがなく、また俸給を減額されることはないという身分保障が定められているというところ、今申し上げましたような事務官に転官させるということになりますと、一時的であれ検事の身分を失うというようなこともございますので、そのような点からなかなか実態上は難しいということもございまして、現在、申し上げるような検察官の俸給法の適用のままというふうにしております。また、実際上も、このような形で行えないと、なかなか異動が難しいというような実態にあるということでございます。
それから、検察官でございますけれども、検察官は、司法権の発動を促し、その適正円滑な運営を図る上で極めて重大な職責を担う準司法官的性格を有する特殊な官職であるとされております。また検察官は、原則として裁判官と同一の試験及び養成方法を経る者でございます。これらの点などから、試験、任免、身分保障等についても検察庁法に特例が定められておるところであります。このように、検察官の職務等の特殊性から、検察官の給与については、一般の政府職員とは別個に、裁判官の給与に準じて検察官俸給表が制定されているものと承知しております。
第4 裁判官の昇給
1 判事3号以上への昇給及び簡易裁判所判事3号以上への昇給の決定は最高裁判所裁判官会議の議決による事項です。
これに対して,それ以外の報酬の決定は,最高裁判所長官の決裁による事項です(「裁判所の人事行政事務の実情について」(平成27年5月26日の最高裁判所事務総局会議資料)2頁参照)。
2 平成14年7月16日付の裁判官の人事評価の在り方に関する研究会報告書における「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には,以下の記載があります。
(1) 裁判官の給与体系
裁判官の給与体系については,裁判官の報酬等に関する法律に定められており,報酬については,判事補は12号から1号までの12の,また,判事は8号か ら1号及びいわゆる特号まで9の刻みとなっている。簡易裁判所判事については,17号から1号及び特号までの18の刻みとなっている。
現在の報酬制度については,号の刻みが細かすぎて,裁判官の職務にふさわしくないのではないかという議論が従来からあるが,裁判官といえども次第に経験を積んでよ り責任の重いポストに就いていくという面があり,判事の場合であれば,10年から30数年までの経験差とそれに応じた職務の差があるので,相当数の段階は設けざるを得ないという考え方に基づくものである。また,社会全般に年功序列型賃金が行われてきた中で,一般公務員の給与体系の上に,これと連動した形で報酬額を定めることによって,報酬のレベルが確保されるとともに,社会的実情に則した報酬体系となっていたともいえる。この点については,審議会意見において,「裁判官の報酬の進級制(昇給制)について,現在の報酬の段階の簡素化を含め,その在り方について検討すべきである。」と指摘されており,今後検討すべき課題となっている。
裁判官の報酬は,一般公務員のそれよりも高い水準にあるが,それは,裁判官の地位,職責の重要性や,超過勤務手当が支給されず,その分が報酬に組み入れられていることなどによる。
(2) 昇給の実情
以上のように細かい刻みで昇給していくことが,裁判官の独立に影響してはならないことはいうまでもないことであり,任官後,判事4号まで(法曹資格取得 後約20年間)は,長期病休等の特別な事情がない限り,昇給ペースに差を設けていない。判事3号から上への昇給は,ポスト,評価,勤務状態等を考慮し,各高等裁判所の意見を聞いた上,最高裁判所裁判官会議において決定されている。
3(1) 最高裁の裁判官会議の配付資料として保管されている裁判官昇給候補者名簿のうち,昇給号棒,官職名,氏名,期別及び備考は不開示情報となっています(平成28年度(最情)答申第13号(平成28年6月3日答申))。
(2) 裁判官昇給候補者名簿は,人事事務担当者等の一部の関係職員以外には知られることのない性質の文書であります。
第5 指定職未満の裁判所一般職の級(参考)
第6 人事院規則9-42(指定職俸給表の適用を受ける職員の俸給月額)(廃止法令)
平成二十三年五月二十日時点において、指定職俸給表の適用を受ける職員について、その俸給月額が人事院規則九―四二(指定職俸給表の適用を受ける職員の俸給月額)別表の規定に基づく人事院指令によって定められている官職及びその号俸をお示しすると、次のとおりである。
各府省共通の官職
① 本府省の官房長、局長及び政策統括官 五号俸又は四号俸
② 本府省の総括審議官及び技術総括審議官 四号俸又は三号俸
③ 外局の次長(⑫に掲げるものを除く。) 四号俸から二号俸まで
④ 本府省の局次長、部長、審議官(⑬に掲げるものを除く。)及び参事官 三号俸又は二号俸
⑤ 外局の部長及び審議官並びに管区機関(数府県の地域を管轄区域とする相当の規模を有する地方支分部局をいう。)の長(⑬に掲げるものを除く。) 三号俸から一号俸まで
その他の官職
⑥ 内閣府審議官、総務審議官、財務官、国税庁長官、文部科学審議官、厚生労働審議官、農林水産審議官、経済産業審議官、国土交通審議官及び海上保安庁長官 七号俸
⑦ 国立感染症研究所長及び原子力安全・保安院長 六号俸
⑧ 迎賓館長、国際平和協力本部事務局長、国立教育政策研究所長、国立医薬品食品衛生研究所長及び国立保健医療科学院長 五号俸
⑨ 内閣法制局部長及び宮内庁部長 五号俸又は四号俸
⑩ 内閣官房内閣総務官 五号俸から三号俸まで
⑪ 内閣官房内閣審議官 五号俸から一号俸まで
⑫ 経済社会総合研究所次長、日本学術会議事務局長、官民人材交流センター官民人材交流副センター長、警察大学校長、警視庁副総監、消費者庁次長、法務総合研究所長、外務省国際情報統括官、外務省研修所長、国税不服審判所長、文部科学省国際統括官、国立障害者リハビリテーションセンター総長、農林水産技術会議事務局長、国土地理院長、海難審判所長及び北海道開発局長 四号俸
⑬ 内閣官房内閣衛星情報センター次長、内閣法制局総務主幹、公務員研修所長、国家公務員倫理審査会事務局長、内閣府政府広報室長、原子力安全委員会事務局長、宮内庁式部副長、皇宮警察本部長、大阪府警察本部長、金融庁金融国際政策審議官、証券取引等監視委員会事務局長、総務省地域力創造審議官、自治大学校長、法務省訟務総括審議官、外務省儀典長及び外務報道官、在ニューヨーク日本国総領事館総領事、財務省政策評価審議官及び会計センター所長、関東財務局長、近畿財務局長、東京税関長、大阪税関長、税務大学校長、東京国税局長、大阪国税局長、関東信越厚生局長、中央労働委員会事務局長、東北農政局長、関東農政局長、経済産業省地域経済産業審議官及び商務流通審議官、関東経済産業局長、特許庁特許技監、国土交通省建設流通政策審議官及び運輸安全政策審議官、国土交通大学校長、関東地方整備局長、近畿地方整備局長、関東運輸局長、近畿運輸局長、運輸安全委員会事務局長、海上保安庁警備救難監並びに海上保安大学校長 四号俸又は三号俸
⑭ 経済社会総合研究所総括政策研究官、科学警察研究所長、消防大学校消防研究センター所長、科学技術政策研究所長、検疫所長、国立ハンセン病療養所長、国立社会保障・人口問題研究所長、農林水産政策研究所長、国土技術政策総合研究所長、国土技術政策総合研究所副所長、気象研究所長及び気象大学校長並びに大臣官房付等の一時暫定官職 四号俸から二号俸まで
⑮ 内閣官房内閣衛星情報センター部長、公務員研修所副所長、食品安全委員会事務局長、公益認定等委員会事務局長、再就職等監視委員会事務局長、北方対策本部審議官、国際平和協力本部事務局次長、日本学術会議事務局次長、官民人材交流センター審議官、沖縄総合事務局長、宮内庁皇室経済主管、公正取引委員会審査管理官、警察庁首席監察官、警察大学校副校長、特別捜査幹部研修所長、国際警察センター所長及び警察政策研究センター所長、警視庁警務部長及び公安部長、証券取引等監視委員会事務局次長、自治大学校副校長、公害等調整委員会事務局長、消防大学校長、最高検察庁事務局長、東京高等検察庁事務局長、外務省監察査察官、財務総合政策研究所次長、財務局金融商品取引所監理官及び金融安定監理官、税務大学校副校長、国税不服審判所次長、国税不服審判所支部首席国税審判官、文化庁文化財鑑査官、国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局長、都道府県労働局長、中央労働委員会事務局次長、農林水産技術会議事務局研究総務官、経済産業研修所長、原子力安全・保安院次長、審議官及び首席統括安全審査官、国土交通省総括監察官、国土交通政策研究所長、国土交通政策研究所副所長、国土交通大学校副校長、航空保安大学校長、地方整備局副局長、北海道開発局次長並びに海上保安庁参事官 三号俸又は二号俸
⑯ 科学警察研究所副所長、道府県警察本部長(⑬に掲げるものを除く。)、国立教育政策研究所次長、国立医薬品食品衛生研究所副所長、国立保健医療科学院次長、国立感染症研究所副所長、農林水産政策研究所次長及び環境調査研修所国立水俣病総合研究センター所長 三号俸から一号俸まで
⑰ 沖縄総合事務局次長、宮内庁京都事務所長、警察大学校附属警察情報通信学校長、皇宮警察本部副本部長、都道府県警察情報通信部長、警視庁部長(⑮に掲げるものを除く。)、大阪府警察本部警務部長、公害等調整委員会事務局次長、矯正研修所長、高等検察庁事務局長(⑮に掲げるものを除く。)、日本国大使館参事官、日本国総領事館総領事(⑬に掲げるものを除く。)、日本政府代表部参事官、特許庁首席審判長、国土地理院参事官及び北海道開発局部長 二号俸又は一号俸
第7 給料関係の外部HP
1(1) 平成28年7月1日現在の検察官在職状況統計表等は,PDFデータとして,内閣官房内閣人事局HPの「人事統計報告」に掲載されています。
(2) 平成21年7月1日以降の検察官在職状況統計表等は,エクセルデータとして,総務省統計局が運営している「政府統計の総合窓口」にある,「提供統計一覧」に掲載されています。
2(1) 地方公共団体の職員の給料については,総務省HPの「地方公共団体給与情報等公表システム」を参照してください。
(2) 地方公務員の給与体系,給料表の仕組み及び給与改定の手続については,総務省HPの「地方公務員の給与の体系と給与決定の仕組み」を参照してください。
3 地方公共団体の職員平均給与月額ランキングについては,日本☆地域番付HPの「全国・全地域の職員平均給与月額番付」を参照してください。
4 民間企業及び公務員の給料については,「給料.com」を参照してください。
5 世帯平均所得については,ガベージニュースの「世帯当たりの平均所得金額推移をグラフ化してみる(2016年)」(2016年7月20日の記事)を参照してください。
6 アルバイトの時給動向については,ガベージニュースの「アルバイトの時給動向をグラフ化してみる(2016年)」(2016年10月22日の記事)を参照してください。
第8 裁判官の「報酬」,検察官の「俸給」及び国家公務員の「給与」の違い
(言葉の違い)
・ 諸手当を除いた基本的な給与のことを,裁判官について「報酬」といい,検察官について「俸給」といっているが,その意味するところに差異はない。
・ 検察官については,一般の公務員の例に従って,一般職の職員の給与に関する法律における「俸給」という用語が用いられている。この「俸給」に諸手当を加えたものが「給与」という概念と理解。
・ 他方,裁判官については,憲法が裁判官の身分保障の一環として,裁判官は「すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は,在任中,これを減額することができない」と定めていることから,憲法と同様の「報酬」という用語が用いられているものである。
(一般職の職員の給与に関する法律の用語等)
・ 一般職の職員の給与に関する法律では,「給与」という用語のほか,「俸給」という用語が用いられている。
・ 「給与」は,諸手当を除いた基本的な給与である「俸給」(本改正法案における裁判官の「報酬」,検察官の「俸給」に対応するもの)のほか,地域手当,扶養手当,住居手当等の諸手当を含んだ概念である。
・ そのほか,公務員の基本的な給与は,国会議員については「歳費」,地方公務員については「給料」と呼ばれている。
(一般の民間企業の給与体系を基にした比較を用いる理由)
・ 裁判官の報酬及び検察官の俸給の改定については,その職務と責任の特殊性を繁栄させつつ,国家公務員全体の給与体系の中でのバランスを維持するという観点から,一般職の国家公務員の給与に関する人事院勧告の重要性を尊重する方法によることが,給与水準の改定の方法として合理的
第9 裁判官及び検察官に超過勤務手当等が支給されない理由
(裁判官について)
・ 裁判官については,事件の適正,迅速な処理のために,夜間など一般職の職員の勤務時間外においてもこれに対処するということが要求される場合も少なくなく,一般職の職員と同様の勤務時間を観念することが困難。
・ そこで,裁判官については,時間外手当的な要素も考慮した上で,その職務と責任の特殊性を踏まえた報酬が設定されていることから,裁判官の報酬等に関する法律第9条第1項ただし書において,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給しないこととしている。
(検察官について)
・ 他方,検察官については,(一般職の職員の勤務時間,休暇等に関する法律の適用を受けるものの),事件の適正迅速な処理等のために,夜間などの勤務時間外においても対処することが要求されており,時間外に勤務した時間等を計測して給与上の措置を講ずるにはなじみ難い面がある。
・ 検察官については,裁判官の準じた俸給水準を設定しつつも,そのような特殊性を踏まえ,検察官の俸給等に関する法律第1条第1項ただし書において,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給しないこととしている。
(参考)
・ 一般の政府職員においても,管理・監督の地位にある一定範囲の職員(指定職俸給表適用職員等)については,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給をしないこととしている。
(検察官に労働基準法等の適用がないこと)
・ 検察官は,一般職の国家公務員に位置付けられるところ,一般職の国家公務員については,国家公務員法附則第16条の規定により,労働基準法や労働安全衛生法の諸規定は適用されないものと承知。
第10 裁判官報酬法及び検察官俸給法が別に存在する理由
(前提)
・ 裁判官及び検察官については,それぞれ「裁判官の報酬等に関する法律」及び「検察官の俸給等に関する法律」によって,一般の政府職員(注)とは別個の給与体系が定められているところ。
(注)特別職給与法及び一般職給与法が適用される政府の職員を意味する。
(裁判官に独自の報酬体系が設定されている理由)
・ 裁判官については,その職務と責任の特殊性等から,憲法の規定により,「すべて定期に相当額の報酬を受ける」(憲法第79条第6項,第80条第2項)とされており,これを受けて,一般の政府職員と異なる独自の給与体系が定められている。
(検察官に独自の給与体系が設定されている理由)
・ 検察官については,司法権の発動を促し,その適正円滑な運営を図る上で重要な職責を有するという準司法官的な性格を有する上,原則として裁判官と同一の試験及び養成方法を経るものであること等から,その俸給月額についても,他の一般職の国家公務員とは別個に,裁判官の報酬月額に準じて定めるべきものとされている。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
2 予約がある場合の相談時間は平日の午後2時から午後8時までですが,事務局の残業にならないようにするために問い合わせの電話は午後7時30分までにしてほしいですし,私が自分で電話に出るのは午後6時頃までです。