裁判所の司法行政

第0 目次

第1の1  司法行政を担う裁判官会議,事務総長及び事務局長
第1の2  司法行政の監督権
第1の3  裁判所における主なシステム(平成29年10月16日追加
第2の1  裁判所の予算等
第2の2  裁判所所管の一般会計歳出予算各目明細書
第2の3  平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達
第3の1  最高裁判所裁判官会議
第3の2  最高裁判所裁判官会議規程
第4の1  最高裁判所事務総局
第4の2  審査室会議及び最高裁判所事務総局会議
第4の3  最高裁判所事務総局会議の議事録(平成29年12月2日更新
第5の1  下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務
第5の2  下級裁判所の裁判官会議から権限を委任された機関
第5の3  東京地裁の幹部連絡会及び裁判官会議終了後に行われる概況説明
第6    裁判所に設置されている委員会等
第7    裁判官の法服等
第8    法廷における弁護士の起立問題
第9    裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用
第10の1 期日情報等のウェブサイトへの掲載
第10の2 裁判所ウェブサイト運用支援報告書
第10の3 裁判所の情報セキュリティに関するルール
第10の4 裁判所のIT
第11   最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領
第12の1 憲法週間における最高裁判所判事の視察
第12の2 アジア太平洋長官会議
第13   ハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見
第14   最高裁判所経理局長が裁判官である理由に関する国会答弁
第15   各種行事における最高裁判所長官の序列
第16   地方裁判所委員会及び家庭裁判所委員会
第17   裁判官の兼職
第18   小型無人機等飛行禁止法(平成29年10月9日追加
第19   裁判所職員の旧姓使用(平成29年10月16日追加
第20   会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表(平成29年11月25日追加

*1 「裁判所の協議会,事務打合せ等」「最高裁判所事務総局等の組織」「最高裁判所事務総局の事務分掌」及び「裁判所書記官及び家裁調査官の役職」も参照してください。
*2 最高裁判所と辰野株式会社(大阪市中央区南本町)が締結した,平成28年11月4日付の,裁判官制服,書記官職服等の購入契約書を掲載しています(平成29年6月4日追加)。
*3 Youtubeに掲載されている映画「日独裁判官物語」(1999年制作)(1時間2分47秒の動画)では,日本とドイツの裁判官が比較されています。
*4 裁判所の司法行政に関する事項は,国会では法務委員会が取り扱っています(衆議院HPの「各常任委員会の名称,委員数,所管事項」参照)。
*5 現職裁判官による匿名ブログとして,「かけ出し裁判官Nonの裁判取説」があります。
*6 裁判所HPの「調達関連情報」に,「調達情報のニュース」「入札情報(物品・役務)」「入札情報(建設工事等)」及び「公示・公表情報」が載っています。
*7 裁判所HPの「最高裁判所の所在地」に,訟廷事務室裁判関係庶務係,各小法廷の書記官室,広報課,図書館及び秘書課のダイヤルイン番号が載っています。
*8 一般の裁判所職員から見た司法行政については,ASK公務員HP「裁判所事務官・書記官の仕事について知っておきたいこと」が参考になります。
*9 平成24年9月14日,最高裁のサイトがハッキングされ,中国国旗が掲揚された尖閣諸島に差し替えられました(NAVERまとめの「最高裁のwebサイトがサイバー攻撃によって改ざんされる 」参照)。
裁判所機構図
司法行政部門
裁判所の種類及び数

第1の1 司法行政を担う裁判官会議,事務総長及び事務局長

0 最高裁判所及び下級裁判所の組織は,裁判部門及び司法行政部門に分かれます。

1(1) 最高裁判所の司法行政の担い手は,最高裁判所裁判官会議であり(裁判所法12条1項),最高裁判所長官がその議長となります(裁判所法12条2項)。
  そして,最高裁判所の庶務を掌る機関として,最高裁判所事務総局が設置されていて(裁判所法13条),そのトップが最高裁判所事務総長となります(裁判所法53条)。
(2) 最高裁判所裁判官会議は,毎年12月,翌年分の,各小法廷の裁判官の配置,裁判官に差支あるときの代理順序及び各小法廷に対する事務の分配を定めています(最高裁判所裁判事務処理規則4条)。
(3) 裁判所HPに「最高裁判所」が載っています。

2(1) 各地の高等裁判所の司法行政の担い手は,各地の高等裁判所裁判官会議であり(裁判所法20条1項),高等裁判所長官がその議長となります(裁判所法20条2項)。
  そして,高等裁判所の庶務を掌る機関として,高等裁判所事務局が設置されていて(裁判所法21条),そのトップが高等裁判所事務局長となります(裁判所法59条)。
(2) 高等裁判所事務局には,総務課,人事課及び会計課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条1項)。
(3) 高等裁判所支部には庶務課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項)。
   ただし,知財高裁事務局には庶務第一課及び庶務第二課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条3項)。

3(1)ア 各地の地方裁判所の司法行政の担い手は,各地の地方裁判所裁判官会議であり(裁判所法29条2項),地方裁判所長がその議長となります(裁判所法29条3項)。
   そして,地方裁判所の庶務を掌る機関として,地方裁判所事務局が設置されていて(裁判所法30条),そのトップが地方裁判所事務局長となります(裁判所法59条)。
イ 地方裁判所の裁判官会議につき,判事及び特例判事補がその構成員となります(裁判所法29条3項参照)。
   ただし,判事補は所属の裁判所の裁判官会議に出席して意見を述べることができます(下級裁判所事務処理規則14条2項)。
(2) 地方裁判所事務局には総務課及び会計課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条1項)。
(3) 地方裁判所支部には庶務課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項)。

4(1) 各地の家庭裁判所の司法行政の担い手は,各地の家庭裁判所裁判官会議であり(裁判所法31条の5・29条2項),家庭裁判所長がその議長となります(裁判所法31条の5・29条3項)。
   そして,家庭裁判所の庶務を掌る機関として,家庭裁判所事務局が設置されていて(裁判所法31条の5・30条),そのトップが家庭裁判所事務局長となります(裁判所法59条)。
イ 家庭裁判所の裁判官会議につき,判事及び特例判事補がその構成員となります(裁判所法31条の5・29条3項参照)。
   ただし,判事補は所属の裁判所の裁判官会議に出席して意見を述べることができます(下級裁判所事務処理規則14条2項)。
(2) 家庭裁判所事務局には総務課及び会計課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条1項)。
(3) 家庭裁判所支部には庶務課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項)。

5(1) 簡易裁判所の司法行政事務は,簡易裁判所の裁判官が一人のときはその裁判官が,2人以上のときは,最高裁判所の指名する一人の裁判官(=司法行政事務掌理裁判官)がこれを掌理します。
   東京簡裁の場合,専属の東京簡裁司法行政事務掌理裁判官が設置されているのに対し,大阪簡裁の場合,大阪地裁民事上席裁判官(=大阪地裁第1民事部部総括判事)が大阪簡裁司掌裁判官を兼任しています。
(2) 簡易裁判所には庶務課又は事務部が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項及び4項)。
   そして,簡易裁判所事務部には,事務部長が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条7項)。

6 外部HPの「司法行政からみた裁判官」も参考になります。 
   ただし,リンク先右下5頁に,裁判官が判事3号に昇給する時期は任官してから満21年とありますものの,現在はもっと遅いと思います(「裁判官の年収及び退職手当(推定計算)」参照)。

第1の2 司法行政の監督権

1   司法行政の監督権は,以下のとおり行われています(裁判所法80条)。
①   最高裁判所は,最高裁判所の職員並びに下級裁判所及びその職員を監督します。
②   各高等裁判所は,その高等裁判所の職員並びに管轄区域内の下級裁判所及びその職員を監督します。
③   各地方裁判所は,その地方裁判所の職員並びに管轄区域内の簡易裁判所及びその職員を監督します。
④   各家庭裁判所は,その家庭裁判所の職員を監督します。
⑤   簡易裁判所司法行政事務掌理裁判官(裁判所法37条)は、その簡易裁判所の裁判官以外の職員を監督します。

2 司法行政の監督権は,裁判官の裁判権に影響を及ぼし,又はこれを制限することはできません(裁判所法81条)。

3 裁判所の事務の取扱方法に対して申し立てられた不服は,司法行政の監督権により処分されます(裁判所法82条))(「裁判官の職務に対する苦情申告方法」参照)。

4 最高裁判所,高等裁判所,地方裁判所及び簡易裁判所における司法行政の監督権は,原則として裁判官会議の決議に基づいて行われています。

5 大法廷首席書記官等に関する規則に定める大法廷首席書記官,小法廷首席書記官,訟廷首席書記官,首席書記官,知的財産高等裁判所首席書記官,次席書記官,総括主任書記官,主任書記官,主任速記官,訟廷管理官,裁判員調整官及び速記管理官の権限は,裁判所法その他の法令に定める裁判官,裁判所書記官及び裁判所速記官の権限に影響を及ぼし,又はこれを制限することはありません(大法廷首席書記官等に関する規則8条)。

第1の3 裁判所における主なシステム

1 裁判所間を結ぶ情報通信ネットワーク基盤としてJ・NET(司法情報通信システム)があります。

2 最高裁判所のシステムのうち,事務局関係として人事事務処理システムがあり,事件統計関係として,裁判統計データ処理システム及び保管金事務処理システムがあります。

3 高等裁判所関係のシステムとして,裁判事務処理システム(民事)及び高裁事件管理システム(刑事)があります。

4 地方裁判所関係のシステムのうち,訴訟事件関係として,裁判事務処理システム(民事・刑事),音声認識システム,裁判員候補者名簿管理システム及び量刑検索システムがあります。
   執行事件関係として,民事執行事件処理システム,民事執行事件配当管理プログラム及び債権執行事件管理プログラムがあります。
   倒産事件関係として,倒産事件処理システム(破産・通常再生・個人再生)があります。

5 家庭裁判所関係のシステムのうち,家事事件関係として裁判事務処理システム(民事)があり,少年事件関係として少年事件処理システムがあります。

6 簡易裁判所関係のシステムとして,簡裁事件管理システム(民事・刑事)及び督促手続オンラインシステムがあります。

7 検察審査会関係のシステムとして,検察審査員候補者名簿管理システムがあります。
裁判所における主なシステム(平成29年2月時点)

第2の1 裁判所の予算等

1 裁判所の予算,PB対象経費,社会保障関係費,国債費,租税及び印紙収入の推移表,新規国債,国債残高等の推移表(昭和31年度以降)を掲載しています。
→ PB対象経費は,基礎的財政収支対象経費のことです。

2 平成17年度以降,裁判所の当初予算は以下のとおり推移しています。
  3259億円(平成17年度)→3331億円(平成18年度)→3303億円(平成19年度)→3275億円(平成20年度)
→3247億円(平成21年度)→3231億円(平成22年度)→3200億円(平成23年度)→3146億円(平成24年度)
→2988億円(平成25年度)→3111億円(平成26年度)→3130億円(平成27年度)→3153億円(平成28年度)

3(1) 昭和22年度以降の予算書及び決算書が,財務省HPの「予算書・決算書データベース」に載っています。
(2) 平成11年度以降の予算に関する,概算要求,政府案及び補正予算が 財務省HPの「予算」に載っています。
(3) 特例公債法案及び対応する予算の議決日等が,「戦後初となった大規模な予算の執行抑制」(立法と調査2012年12月号)に載っています。 

4 以下のとおり,裁判所の概算要求書にリンクを張っています。
① 平成26年度一般会計歳出概算要求書
② 平成27年度一般会計歳出概算要求書
③ 平成28年度一般会計歳出概算要求書
④ 平成29年度一般会計歳出概算要求書
⑤ 平成30年度一般会計歳出概算要求書

5 関東弁護士会連合会は,平成28年3月16日,「司法予算の大幅増額を求める理事長声明」を出しています。

第2の2 裁判所所管の一般会計歳出予算各目明細書

1 裁判所所管の一般会計歳出予算各目明細書(当初予算ベース)の推移表(平成21年度以降)を掲載しています。

2 裁判所所管の一般会計歳出予算各目明細書は,裁判所HPの「裁判所の予算」に掲載されています。

第2の3 平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達

1 平成29年7月1日施行の裁判所会計事務規程及び関連通達を以下のとおり掲載しています。

① 裁判所会計事務規程(平成29年3月15日最高裁判所規程第4号)
② 用途廃止等の承認申請を必要としない場合について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
③ 経理計画について(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
④ 裁判所会計事務規程に基づく指定等について(平成29年6月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑤ 裁判所会計事務規程に基づく検査員の任命方法等に関する取扱いについて(平成29年6月29日付の最高裁判所経理局長通達)
⑥ 裁判所会計事務規程等に規定する保管金等の処理に関する書類及び帳簿諸票の様式について(平成7年3月29日付の最高裁判所事務総長依命通達)
⑦ 会計検査の実施に関する事務の取扱いについて(平成7年3月30日付の最高裁判所経理局長依命通達)

2 ①修習資金貸与要綱4条等の支出負担行為担当官,及び②修習資金貸与要綱16条2項等の歳入徴収官は,最高裁判所事務総局経理局長のことです(裁判所会計事務規程別表第二参照)。

第3の1 最高裁判所裁判官会議

1 最高裁判所裁判官会議の運営方法等については,最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年9月22日最高裁判所規程第1号)で定められています。

2 最高裁判所は,毎週月曜日に審査室会議を開催し,毎週火曜日に事務総局会議を開催し,毎週水曜日に裁判官会議を開催しています(Electronic Journal HPの「最高裁が事務総局を強化した背景」参照)。

3 最高裁判所裁判官会議は,昭和38年頃から,毎週1回,原則として水曜日の午前中に開催されています。

4 最高裁判所に設置されている常置委員会は全く開催されていないことに関して,最高裁判所は,以下のとおり説明しています(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))。
   常置委員会は,最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年最高裁判所規程第1号)7条の規定に基づき,裁判官会議を招集することができないときなどに司法行政事務をつかさどるために招集されるもので,常置委員会の構成員は,最高裁判所長官及び小法廷ごとに一人ずつ選出された裁判官である常置委員3人であるが,平成27年1月1日以降は,常置委員会は開催されていない。
  苦情申出人が主張するように,昭和27年12月20日開催の裁判官会議議事録(以下「昭和27年議事録」という。)に,「常置委員会は原則として毎週一回定期(水曜日午後)に開くものとすること。」との記載があるところ,常置委員会は,昭和37年頃までは月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されることはなくなり,その状況は現在も続いている。常置委員会がほとんど開催されなくなった事情は必ずしも明らかではないが,昭和38年頃から,裁判官会議が,昭和27年議事録に記載されている毎月1回(土曜日)ではなく,ほぼ毎週1回原則として水曜日に開催されてきた事情に鑑みると,この毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる。
   なお,平成26年12月3日開催の裁判官会議においては,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する。」としており,当該議決後も常置委員会は開催されていない。

第3の2 最高裁判所裁判官会議規程

最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年9月22日最高裁判所規程第1号)は以下のとおりです。
ただし
,裁判官会議は現在,毎週水曜日に開催されています。

第1条 最高裁判所の裁判官会議については、この規程の定めるところによる。
第2条 裁判官会議は、最高裁判所長官が、これを招集する。
第3条 裁判官会議は、毎年一回定期にこれを招集しなければならない。
2 緊急の必要がある場合には、随時これを招集することができる。
第4条 裁判官会議の議に附すべき事項は、あらかじめ、各裁判官にこれを通知しなければならない。但し、緊急やむを得ない場合は、この限りでない。
第5条 裁判官会議は、裁判官九人以上が出席しなければ、会議を開くことができない。
第6条 緊急の必要のため裁判官会議を開くことができない場合には、最高裁判所長官は、応急の措置を講ずることができる。この場合には、遅滞なく、裁判官会議の承認を得なければならない。
第7条 司法行政事務は、裁判官会議の議により、その一部を裁判官会議を組織する一人又は二人以上の裁判官に委任することができる。
2 裁判官が、前項の規定により、その委任された事務を処理したときは、次の裁判官会議にこれを報告しなければならない。
第8条 裁判官会議は、公開しない。
第9条 最高裁判所事務総長は、裁判官会議に出席して意見を述べることができる。但し、裁判官会議において適当と認めたときは、出席を拒み、又は退席させることができる。
第10条 裁判官会議において適当と認めるときは、最高裁判所の裁判官でない者の出席を求めて説明又は意見を聴くことができる。
第11条 裁判官会議の議事は、出席裁判官の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第12条 裁判官会議の議事については、裁判所事務官に議事録を作成させる。
2 議事録には、出席者の氏名、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び出席した最高裁判所事務総長又は裁判所事務官が、これに署名しなければならない。
第13条 最高裁判所長官に差支のあるときは、裁判官会議に関する最高裁判所長官の権限は、司法行政事務について長官を代理する者が、これを行う。
第14条 この規程を改正するには、出席裁判官の三分の二以上の賛成がなければならない。
最高裁判所裁判官会議規程

第4の1 最高裁判所事務総局

1(1) 実務上,最高裁判所裁判官会議に属する権限は,最高裁判所事務総局が決定しており,毎週1回,水曜日に開催される最高裁判所裁判官会議は,最高裁判所事務総局の決定を追認するだけの機関であるといわれています。
(2)  平成24年4月以降の最高裁判所裁判官会議の議事録(「裁判官の人事異動一般」参照)を見る限り,最高裁判所事務総局の事務総長,事務総局の局長又は事務総局の課長から説明があった事項について,最高裁判所裁判官会議が否決したり,変更したりした事例は確認できません。
  また,議題が少ない場合,最高裁判所裁判官会議は10分ぐらいで終わっていることがあります。

2 現代ビジネスHPの「最高裁判所という「黒い巨塔」~元エリート裁判官が明かす闇の実態」によれば,以下の記載があります。
   司法行政部門は、最高裁判所裁判官会議の統轄下にあるが、裁判官会議は、最高裁からみての下級裁判所、すなわち、高裁、地家裁の場合ほどではないにしてもやはり形骸化しており、実際には、最高裁長官とその意を受けた事務総長とが、全司法行政を取り仕切っているといってよい。

3 最高裁判所事務総局については,「最高裁判所事務総局等の組織」を参照してください。

第4の2 審査室会議及び最高裁判所事務総局会議

1 最高裁判所は毎週,審査室会議(月曜)→事務総局会議(火曜)→最高裁判所裁判官会議(水曜)の順番に会議を開いています。

2 審査室会議は,秘書課長が議長となり,各局課の課長等1名が出席する会議で,司法行政上の事項を議題としています。
  ただし,その設置や開催について定めた最高裁判所規程等の定めはなく,局課間の情報交換や出席者の認識の共通を図る機会として開催されているものですから,議事録は作成されていません(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))。

3 最高裁判所事務総局会議は,最高裁判所事務総長が議長となり,7局長(総務局長,人事局長,経理局長,民事局長兼行政局長,刑事局長及び家庭局長)及び3課長(秘書課長兼広報課長及び情報政策課長)のほか,関係する局の課長が出席する会議で,司法行政上の事項を議題としており,各種事項を決定したり,最高裁判所裁判官会議に付議する事項を決定したりしています。
  最高裁判所事務総局会議の場合,審査室会議と異なり,議事録が作成されています。

第4の3 最高裁判所事務総局会議の議事録

1 以下のとおり,最高裁判所事務総局会議の議事録を掲載しています。
平成28年分
1月19日(第1回) 
1月26日(第2回)
2月2日(第3回)~2月23日(第5回)
→   第3回議事録には,平成28会計年度における協議会等開催計画があります。 
3月1日(第6回)~3月14日(第8回)
3月22日(第9回)~3月29日(第10回)
4月12日(第11回)~4月15日(第12回)
4月19日(第13回)~5月31日(第16回)
6月7日(第17回)~6月28日(第20回)
7月5日(第21回)~9月13日(第27回)
9月27日(第28回)平成29年8月14日追加
10月4日(第29回)~11月1日(第33回)平成29年4月9日追加
11月8日(第34回)~12月20日(第39回)平成29年4月9日追加
→ 第34回議事録には,平成29会計年度における協議会等開催計画があります。
平成29年分
1月10日(第1回)~1月24日(第3回)平成29年4月23日追加
1月31日(第4回)平成29年10月16日追加
2月7日(第5回)~3月7日(第9回)平成29年9月10日追加
3月14日(第10回)~3月21日(第11回)平成29年9月10日追加
3月28日(第12回)平成29年12月2日追加
4月11日(第13回)~5月30日(第16回)平成29年10月29日追加

2 議論の記録は一切なく,議題及び配付資料しかありません。

第5の1 下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務

○最高裁判所に対する部総括裁判官(=部長)の指名についての意見上申は当初,裁判所の権限とされていたものの,改正後の下級裁判所事務処理規則4条5項が施行された昭和30年11月17日以降,高裁長官(裁判所法15条,20条1項)及び地家裁所長(裁判所法29条1項・31条の5)の権限とされました。
○下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務は以下のとおりです。

1 規則の制定・改廃(憲法77条3項)

2 裁判事務に関する事項
① 事務分配・裁判官の配置・裁判事務の代理順序(下級裁判所事務処理規則6条1項)
② 開廷日割(下級裁判所事務処理規則9条)
③ 裁判官及び諸機関についての回避の許可(民事訴訟規則12条,13条)
④ 簡易裁判所の事務移転(裁判所法38条)

3 裁判官に関する事項
① 分限の申立て(裁判官分限法6条)
② 裁判官の監督(裁判所法80条3号)
③ 管内の簡裁判事の職務代行の発令(裁判所法36条1項)
④ 司法行政事務の代理順序(下級裁判所事務処理規則22条)
⑤ 調停主任裁判官の指定(民事調停法7条)
⑥ 執行官監督官・同補佐官の指名(執行官規則4条)

4 一般職員に関する事項
① 最高裁及び高裁が権限を有する以外の自庁の及び管内簡裁の書記官,事務官,技官及び執行官の任免(裁判所法64条)
② ①の書記官,事務官,技官及び執行官の勤務裁判所の指定(裁判所法65条,裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則4条)
③ 自庁の職員の監督(裁判所法80条3号)

5 その他の事項
① 司法委員の選任(民事訴訟法279条3項)
② 鑑定委員の選任(借地借家法44条2項1号)

第5の2 下級裁判所の裁判官会議から権限を委任された機関

1  司法行政事務は,裁判官会議の議により,その一部を当該裁判官会議を組織する1人又は2人以上の裁判官に委任することができます(下級裁判所事務処理規則20条)。
  そのため,下級裁判所の場合,1年に2回ぐらいしか開催されない裁判官会議は,一定の権限を,2人以上の裁判官の会議体に委任していますし,さらに一定の権限を高裁長官及び地家裁所長に委任しています。

2 2人以上の裁判官の会議体として,東京高裁の場合,12人の常置委員(うち,2名は民事部代表常置委員及び刑事部代表常置委員)から組織される常置委員会が設置されています。
  大阪高裁の場合,8人の常任委員(うち,2名は民事上席裁判官及び刑事上席裁判官)から組織される常任委員会が設置されています。

3(1) 東京地裁における司法行政の機関としては,裁判官会議のほか,本庁民事部会議,本庁刑事部会議及び立川支部会議並びに常置委員会が設置されています(東京地方裁判所司法行政事務処理規程2条)。
(2)ア   裁判官会議は,所長,所長代行者及び各部に配置された裁判官(判事及び特例判事補をいう。以下同じ。)の全員で組織されています(東京地方裁判所司法行政事務処理規程3条1項)。
イ   本庁民事部会議は,所長,本庁民事部の所長代行者及び本庁民事部に配置された裁判官の全員で組織されています。
  本庁刑事部会議は,所長,本庁刑事部の所長代行者及び本庁刑事部の各部に配置された裁判官の全員で組織されています。
  立川支部会議は,所長,立川支部長及び立川支部の各部に配置された  裁判官の背隠忍で組織されています(以上につき東京地方裁判所司法行政事務処理規程3条2項)。
(3) 常置委員会は,所長,所長代行者,本庁民事部から選出された7人の常置委員,本庁刑事部から選出された7人の常置委員,立川支部長及び立川支部から選出された1人の常置委員で組織されています(東京地方裁判所司法行政事務処理規程4条1項)。

4(1) 大阪地裁における司法行政の機関としては,裁判官会議のほか,常任委員会があります(大阪地方裁判所司法行政事務処理規程2条)。
(2) 裁判官会議は,所長,所長代行者,本庁及び支部の判事及び特例判事補で組織されています(大阪地方裁判所司法行政事務処理規程3条)。
(3) 常任委員会は,所長,所長代行者,堺支部長及び岸和田支部長,民事上席裁判官及び刑事上席裁判官,並びに本庁及び支部の民事部から選出された3人の裁判官及び本庁の刑事部から選出された3人の裁判官から組織されています(大阪地方裁判所司法行政事務処理規程4条)。

第5の3 東京地裁の幹部連絡会及び裁判官会議終了後に行われる概況説明

1 東京地裁の幹部連絡会は,幹部連絡会は,通達等に開催根拠がある会合ではないが,所長,所長代行者(立川支部長を含む。),首席書記官,次席書記官,事務局長,東京簡易裁判所事務部長及び同首席書記官が参加し,各部署の懸案事項,事務処理態勢やその運用状況及び行事予定等の現状を情報共有するために行われている連絡会としての会合であり,この会合で組織として意思決定を行うものではありません。
 
2 裁判官会議終了後に行われる概況説明は,通達等にその実施について定めがあるものではないが,定例裁判官会議後,必ず行われている説明です。
   参加者は,定例裁判官会議出席者と同様,所長,所長代行者(立川支部長を含む。),判事,判事の権限を有する判事補,判事の権限を有しない判事補,事務局長,首席書記官,東京第一検察審査会事務局長,総務課長及び総務課庶務第一係長であり,同人らが各部署の事件動向等について情報共有し,庁全体の現状を把握するために行われる連絡会としての会合であり,この会合で組織としての意思決定を行うものではありません。
 
3 東京地裁の幹部連絡会の報告資料及び裁判官会議終了後に行われる概況説明の資料は, 報告又は説明終了直後に廃棄されています(平成28年度(情)答申第12号(平成28年10月24日答申))。

第6 裁判所に設置されている委員会等

   裁判所HPの「各種委員会」からの引用ですが,司法行政を担うものとして,裁判所には以下の委員会等が設置されています(括弧内は根拠法令です。)。

1 最高裁判所に設置されている委員会
(1) 民事規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(2) 刑事規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(3) 家庭規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(4) 一般規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(5) 裁判所書記官制度調査委員会(最高裁判所規則)
(6) 裁判所経費審査委員会(最高裁判所規則)
(7) 最高裁判所統計委員会(最高裁判所規則)
(8) 最高裁判所図書館委員会(最高裁判所規則)
(9) 司法修習生考試委員会(最高裁判所規則)
(10) 司法修習委員会(最高裁判所規則)
(11) 簡易裁判所判事選考委員会(最高裁判所規則)
(12) 医事関係訴訟委員会(最高裁判所規則)
(13) 建築関係訴訟委員会(最高裁判所規則)
(14) 下級裁判所裁判官指名諮問委員会(最高裁判所規則)
(15) 判例委員会(最高裁判所規程)
(16) 裁判所書記官等試験委員会(最高裁判所規程)
(17) 家庭裁判所調査官試験委員会(最高裁判所規程)
(18) 裁判所職員倫理審査会(国家公務員倫理法,裁判所職員臨時措置法,最高裁判所規則)
(19) 裁判所職員再就職等監視委員会(国家公務員法,裁判所職員臨時措置法,最高裁判所規則)
(20) 明日の裁判所を考える懇談会
(21) 裁判員制度の運用等に関する有識者懇談会
(22) 裁判の迅速化に係る検証に関する検討会
(23) 裁判官の人事評価の在り方に関する研究会
(24) 裁判員制度広報企画評価等検討会
(25) 最高裁判所長官公邸の整備に関する有識者委員会
(26) 情報公開・個人情報保護審査委員会
(27) ハンセン病を理由とする開廷場所指定の調査に関する有識者委員会
(28) 最高裁判所行政不服審査委員会(最高裁判所規則)

2 高等裁判所に設置されている委員会等
(1) 下級裁判所裁判官指名諮問委員会地域委員会(最高裁判所規則)

3 地方裁判所に設置されている委員会等
(1) 簡易裁判所判事推薦委員会(最高裁判所規則)
(2) 地方裁判所委員会(最高裁判所規則)

4 家庭裁判所に設置されている委員会等
(1) 家庭裁判所委員会(最高裁判所規則)

第7 裁判官の法服等

1(1) 裁判官の制服に関する規則(昭和24年4月1日最高裁判所規則第5号)(平成4年7月29日最高裁判所規則第9号(平成4年8月1日施行)による改正後のもの)は以下のとおりです。
① 裁判官は、法廷において、制服を着用するものとする。
② 前項の制服に関し必要な事項は、別に最高裁判所が定める。
(2)ア 平成4年改正前の「裁判官の制服に関する規則」2項の条文は,「前項の制服は、黒色羽二重の地質とし、その制式は、別表の図表の通りとする。」でした。
イ Wikipediaによれば,羽二重(はぶたえ)は,平織りと呼ばれる経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に交差させる織り方で織られた織物の一種であり,絹を用いた場合は光絹(こうきぬ)とも呼ばれます。

2(1) 裁判官の法服については,「裁判官の制服について」(平成4年7月29日付の最高裁判所事務総長通達)で定められています。
(2) 平成4年8月1日付で以下の点が変わりました。
① 裁判官の制服に関する事項は最高裁判所事務総長通達で定められることとなったこと
② 裁判官の制服について「羽二重の地質」という指定がなくなったこと。
③ 裁判官制服(男性用)及び裁判官制服(女性用)の2種類が定められたこと。
(3) 49期の佐藤建弁護士(平成29年4月に任期終了退官)は弁護士法人中村利雄法律事務所HPのリレーコラムで以下のとおり書いています。
   以前は、法服の素材について「黒色羽二重の地質」と定められていましたので(平成4年改正前の同規則2項)、法服を着るたびに、日本の誇る絹織物の素晴らしい手触りを実感することが出来ました。 
   他方、洗濯機では洗えないため、ちょっと汚れが目立つ気もする、というときには、クリーニングをお願いすることになるのですが、衣服の種類をクリーニング屋さんにどう説明するかが悩みの種でした(私は「コート」と分類されていた記憶がありますが、「スモック」(幼稚園児や保育園児のものにしては大きすぎるような気も…)や「ワンピース」(!?)としてクリーニングをお願いした、という話を聞いたことがあります)。
   その後、上記の規則が変わり、素材の指定がなくなりましたので(現在はナイロン製ではないかと思われます)、洗濯(選択)の悩みからは解放されることになりました。

3(1) 裁判所書記官の職服については,「裁判所書記官の職服について」(平成4年7月29日付の最高裁判所事務総長通達)定められています。
(2)   「裁判所書記官の職服に関する規程の運用について」(昭和30年7月18日付の最高裁判所事務総長通達)に基づき,酷暑の時期については,裁判長又は一人の裁判官において,法廷の品位を害さないよう配慮の上,裁判所書記官等の職服の着用につき,しかるべく適宜の取扱いをして差し支えないことになっています。

4(1) 最高裁判所と辰野株式会社(大阪市中央区南本町)が締結した,平成28年11月4日付の,裁判官制服,書記官職服等の購入契約書を掲載しています。
(2) 裁判所の予算との関係でいえば,①ポリエステル100%の裁判官制服130着(税抜き単価1万4250円・税抜き金額185万2500円)及び②ポリエステル100%の書記官職服270着(税抜き単価1万円・税抜き金額270万円)は,「項:最高裁判所,目:裁判官等法服費」に該当するのかもしれません。
   また,守衛及び法廷警備員の上衣,ズボン及びネクタイは,「項:最高裁判所,目:庁費,目の細分:被服費」及び「項:下級裁判所,目:庁費,目の細分:被服費」に該当するのかも知れません。
(3) 裁判所の平成30年度歳出概算要求書によれば,29年度予算としては,「項:最高裁判所,目:裁判官等法服費」が529万4000円,「項:最高裁判所,目:庁費,目の細分:被服費」が181万円,「項:下級裁判所,目:庁費,目の細分:被服費」が782万6000円となっています。
(4) 心と体の健康.com「ポリエステル100%なら家庭で洗濯OK?こんな注意点が! 」が載っています。
(5) AOKI HPの「サイズ表」に,スーツ・ジャケットのサイズ表,スラックスのサイズ表,ワイシャツのサイズ表,コートのサイズ表等が載っています。

第8 法廷における弁護士の起立問題

   「法廷における弁護士の起立問題について」(昭和27年11月29日付の最高裁判所総務局長事務取扱通知)には,以下の記載があります。

  法廷において事件の当事者および関係人が発言に際して起立することは,久しきにわたって確立された慣行であり,今日まできわめて自然に励行されているところであります。
  そして,この慣行は,法廷の品位を保ち,手続が秩序正しく,かつ,円滑に行われる上によい効果をもたらすものであり,いまにわかにこれを改めねばならぬ理由はないものと思料します。ただ証人尋問に際して手控をとる場合等着席のままの発言が便宜である場合,発言者が裁判長の承認のもとに着席して発言することを妨げないことは申すまでもありません。
   なお,さきにこの問題について当方から口頭をもって連絡しましたところも,右と全く同じ趣旨であり,従って各弁護士会あてに発せられた昭和27年11月18日付日弁連総第189号に記載されたところは,当方の趣旨とするところと著しく相違するものであることを,念のため,申し添えます。

第9 裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用

1 以下の通達を掲載しています。
① 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和43年6月10日付の最高裁判所事務総長通達)
→ 別紙として,「裁判所の庁舎等の管理に関する規程」(昭和43年6月10日最高裁判所規程第4号)が添付されています。
② 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和60年12月28日付の最高裁判所事務総局経理局長通達)

2 「裁判所構内における注意事項」(リンク先は那覇地家裁のものです。)の根拠条文となっている,裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条は以下のとおりです。
   管理者は、庁舎等において次の各号の一に該当する者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。ただし、管理者が第九号又は第十号に該当する者に対し、庁舎等の管理に支障がないものと認め、その行為を許可した場合は、この限りでない。
一 銃器、凶器、爆発物その他の危険物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
二 職員に面会を強要した者
三 立入りを禁止した区域に立ち入り、又は立ち入ろうとする者
四 放歌高唱し、若しくはねり歩き、又はこれらの行為をしようとする者
五 宣伝カーを持ち込み、又は持ち込もうとする者
六 座り込み若しくは通行の妨害になるような行為をし、又はしようとする者
七 寄付を強要し、又は押売りをする者
八 裁判所の禁止に反し写真機、録音機その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
九 旗、のぼり、プラカード、拡声器その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
十 はちまき、ゼツケン、腕章その他これらに類する物を着用する者
十一 前各号に掲げる者のほか、庁舎等の管理に支障がある行為をし、又はしようとする者
2 管理者は、庁舎等の管理のため必要があると認めるときは、庁舎等において、文書、図画、びらその他これらに類する物を頒布し、又は頒布しようとする者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。
3 第九条の規定は、第一項ただし書の許可をする場合に準用する。

第10の1 期日情報等のウェブサイトへの掲載

   裁判所HPに最高裁判所開廷期日情報等が掲載されていますところ,平成28年3月29日付の最高裁判所事務総局会議資料によれば,期日情報等のウェブサイトへの掲載は,以下のとおりとなっています。

1 最高裁判所の係属事件の期日情報
(1) 掲載対象
   最高裁判所の係属事件で弁論期日・判決期日の指定がされたもの
(2)  掲載情報
   期日等・開廷時刻・事件番号・事件名・弁論と判決の別・開廷場所
(3)  掲載場所等
   期日指定の際,最高裁判所のウェブサイトに広報課が掲載する。
(4)  掲載開始時期
    平成28年4月1日

2   各地方裁判所の裁判員裁判事件の期日情報
(1)  掲載対象
   裁判員裁判事件で裁判員等選任手続期日呼出状を発送した事件
(例外)わいせつ事犯,警備上の支障がある事件などは掲載しない。
(2)  掲載情報
   事件名・事件番号・期日等・開廷時刻・公判回数等・開廷場所
(3)  掲載場所等
   各庁のウェブサイトに各庁で掲載する。
(4)  掲載開始時期
   平成28年5月2日

3   知的財産高等裁判所に係属中の事件の事件情報及び終局結果
(1)  掲載対象
   特許権・実用新案権に係る審決取消訴訟
(2)  掲載情報
   事件番号・事件名・特許番号・判決言渡期日・担当部
  +終局日・終局結果(判決など)・上訴の有無・上訴の結果(上告棄却など)
(3)  掲載場所等
   知的財産高等裁判所のウェブサイトに掲載する。
(4)  掲載開始時期
   平成28年4月1日

第10の2 裁判所ウェブサイト運用支援報告書

1 裁判所ウェブサイト運用支援報告書を以下のとおり掲載しています。
① 平成27年 1月から同年 6月までの分
② 平成27年 7月から同年 9月までの分
③ 平成27年10月から同年12月までの分
④ 平成28年 1月から同年 3月までの分
⑤ 平成28年 4月から同年 6月までの分
⑥ 平成28年 7月から同年 9月までの分
⑦ 平成28年10月から同年12月までの分
⑧ 平成29年 1月から同年 3月までの分
⑨ 平成29年 4月から同年 6月までの分
⑩ 平成29年 7月から同年 9月までの分

2 掲載している文書は,株式会社NTTデータが最高裁判所に提出した文書です。

第10の3 裁判所の情報セキュリティに関するルール

1 裁判所の情報セキュリティに関するルールとしては,以下のものがあります。
① 事務総長依命通達のレベル
・ 裁判所の保有する情報及び情報システムの取扱いについて(平成19年3月16日付)
② 情報政策課長の通達レベル
・ 情報セキュリティに関する対策基準について(平成19年3月22日付)
・ 非公表情報の裁判所外への提供及び電子メール利用に係る特例について(平成27年7月31日付)
③ 情報政策課長の事務連絡レベル
・ 職員が情報及び情報システムを取り扱う際の情報セキュリティ対策実施要領について(平成27年7月31日付)

2(1) 事務総長依命通達は,政府機関の情報セキュリティ対策のための統一規範に対応し,課長通達は政府機関統一管理基準及び府省庁対策基準策定のためのガイドラインに対応し,政府機関の実施要領は手続書・マニュアル群に対応しています。
(2) 内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)HPの「政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群(平成28年度版)について」に,政府機関の情報セキュリティ対策に関する文書が載っています。
裁判所の情報セキュリティに関するルール
裁判所の情報セキュリティポリシー

第10の4 裁判所のIT(平成29年1月時点)

0 本記事ブロックの記載は,裁判所における情報セキュリティとITについて(情報政策課からの説明)(平成29年1月19日付)に基づいて記載しています。

1 J・NETポータル
(1)ア J・NETポータルは,掲示板としての機能と各種データベースにリンクする機能とがあり,各種業務の情報を必要とする裁判所職員にとって,いわば,玄関(ポータル)の役割を果たすものです。
イ ログイン後の画面にパスワードの有効期限を警告表示する機能があるため,情報セキュリティの確保にも一役買っており,裁判所職員は1日1回以上の閲覧を求められています。
(2) 主なコンテンツは以下のとおりです。
① 最高裁各局課等からのお知らせ
   法律・政令・規則等の制定や改正等の情報,情報セキュリティに関する最新の情報・注意喚起など,広く裁判所職員が共有する必要のある記事が掲載されています。
   記事に付されたID番号のほか,記事掲載部署やフリーワードによる記事検索もできます。
② 高地家簡裁掲示板
   全国の高地家裁本庁ごとの情報共有のために用意されている掲示板であり,本庁及び管内の支部・簡裁単位で掲載記事の閲覧等ができるほか,本庁支部間等の情報期共有に使用されています。
③ 裁判集等データベースⅡ
   最近の主な最高裁判所の判決等や,最高裁判所判例集,最高裁判所裁判集及び高等裁判所裁判集に搭載された判決等を事件番号や裁判年月日等で検索できるデータベースです。
④ 規則集等データベースⅡ
   最高裁判所の規則,規程,通達,通知等を検索できるデータベースです。
⑤ 事件情報データベース
   事件処理をする上で有益な情報を検索・閲覧することができる各種データベースコンテンツであり,民事情報データベース(ミンフォ),刑事情報データベース(ケイフォ),行政・労働・知財情報データベース(G-desk),家事・少年情報データベース(Famil☆in)があります。
⑥ 司法研修所第一部教官室データベース
・ 裁判官研修の予定と概要,研修の講演録や参考資料,CD・DVD教材や司法研究報告書のリスト等,自己研さんに資する情報が多数掲載されています。
・ 平成29年4月以降,各事件局の「事件情報データベース」と画面やシステム構成等が共通化され,「司法研修所情報データベース」としてリニューアルされる予定です。

2 主な事件処理システム
   民事裁判事務支援システム(MINTAS)及び刑事裁判事務支援システム(KEITAS)があります。

第11 最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領

   「最高裁判所における法廷内カメラ取材について(通知)」(平成2年12月6日付の最高裁判所広報課長通知)によれば,平成3年1月1日から,裁判所又は裁判長が相当と認める事件につき,以下の運用要領でカメラ取材が認められるようになっています。

運用要領

1    許可申請 
   法廷内力メラ取材を希望する社は,取材希望事件の開廷期日のおおむね2日(休日及び土曜日を除く。)前までに,広報課に許可申請をする。
2   取材人員 
   カメラ取材のため入廷できる人員は,1社1人とする。
3   撮影機材
   1社が使用できる撮影機材は, 1人で操作できる携帯用小型のビデオカメラ(1台)又はスチールカメラとし,ビデオ撮影用照明機材,録音機材,中継機材等の補助機材は使用できない。
4   撮影時期・時間 
   撮影は,裁判官の入廷開始時からとし,裁判官全員の着席後で開廷宣告前の間における2分以内とし,その開始及び終了は裁判長の命を受けた裁判所職員の合図による。
5   撮影位置 
   撮影位置は,傍聴席後部の裁判長が指定する場所とする。
6   撮影対象
   撮影対象は,入廷中の裁判官並びに裁判官席及び当事者席とし(傍聴席が付随的に入ることは可),次に掲げる撮影は認めない。
(1) 音声を録音すること。
(2)   特定の人物(裁判官を除く。)の拡張・拡大写真を撮影すること (トリミング等の方法により,これらの特定人物を際立たせることを含む。)。
(3)   傍聴席にいる特定の者を個別的に撮影対象とすること。
(4)   弁護人,代理人又は傍聴人が宣伝的行為や法廷の秩序を乱す行為に出た場合に,これを撮影対象とすること(退廷命令の執行を撮影対象とすることを含む。)。
7   撮影中止 
   取材要員は,裁判長又はその命を受けた裁判所職員から撮影中止の指示があった場合には,直ちに撮影を中止し,退廷しなければならない。
8   条件違反の取材に対する措置
   この要領又は裁判長の命じた事項に違反する取材が行われた場合には,裁判長の権限に基づく処置,一定期間の取材停止その他必要な措置を執ることがある。
9   例外的運用 
   事件の性質に応じ,裁判所又は裁判長の判断により,この要領よりも制限的に運用することがある。

第12の1 憲法週間における最高裁判所判事の視察

1(1) 最高裁判所判事は,毎年5月,憲法週間における最高裁判所判事の視察として,全国各地の下級裁判所を視察しています。
  ただし,最高裁判所事務総局秘書課が視察基本日程(案)を作成する際に使用している事務処理要領等の文書は存在しません(平成27年度(最情)答申第7号(平成28年2月23日答申))。
(2) 平成28年度の日程が書いてある,「憲法週間における最高裁判所判事の視察について」(平成28年2月26日付の最高裁判所事務総局秘書課長の通知) を掲載しています。

2(1) 最高裁判所が受領した,平成28年度憲法週間における岡部喜代子最高裁判事の視察に関する文書の大部分(視察基本日程,視察詳細日程,座談会の出席者名簿及び座談会席図,庁内巡視の順番が分かる文書,最高裁判事との懇親会の出席者名簿)は,視察終了直後に廃棄されました(平成28年度(最情)答申第31号(平成28年10月24日答申))。
(2) 神戸地裁の場合,視察終了後2ヶ月以内に,最高裁判所判事の視察に関する文書の大部分(視察基本日程,視察詳細日程,座談会の出席者名簿及び座談会席図,庁内巡視の順番が分かる文書,最高裁判事との懇親会の出席者名簿)が廃棄されました(平成27年度(情)答申代2号(平成28年2月18日答申))。
(3) 視察先の下級裁判所が保管している視察基本日程及び視察詳細日程については,従前はほぼ全て開示されていましたが,現在は全く開示されなくなりました(平成28年度(情)答申代14号(平成28年10月24日答申)))。
(4) 最高裁判所事務総長の説明によれば,最高裁判所判事の視察に関する文書は,内容が軽微かつ簡易であって保存期間を1年以上とする必要のない短期保有文書として取り扱われているそうです。

3 最高裁判所裁判官の旅行命令簿を掲載しています(平成29年6月4日追加)。
① 平成27年度分

4(1) 憲法週間における最高裁判所判事の視察では,視察先の高等裁判所が,最高裁判所判事に対し,当該高裁及びその管内に関する概況説明資料を提供することがあります。
  しかし,最高裁判所判事に提供された概況説明資料は,最高裁判所の司法行政文書に該当しません(平成28年度(最情)答申代19号(平成28年6月28日答申)))。
(2) 大阪高裁において平成29年度最高裁判所判事視察に用いた説明資料は,平成29年7月3日までに廃棄されました(平成29年10月17日付の司法行政文書不開示通知書)。

5 日本裁判官ネットワークHPには,2004年6月1日付で,「60歳代 男性 元裁判所職員」からのメールが掲載されていますところ,その内容は以下のものがあります。

   山崎豊子原作「白い巨塔」が再びドラマ化された。ドラマでは,浪速大学病院の教授回診のシーンがたびたび登場する。白衣を着た教授が殿様のように,助教授・講師・インターンを引き連れて病室を練り歩くのだ。あのシーンを見るたびに,裁判所で行われている最高裁判事や高裁長官の視察を思い出し,気が滅入る。
  庁内の図面を広げ,どこをどう歩き,誰が先導するかを1週間もかけて協議する。長官や最高裁判事にお出しするお茶の銘柄は何がよいか,お茶菓子は何がよいかを話し合う。出す弁当の箱は朱塗りの箱がよいか,お吸い物を温めるタイミングはどうか,そんなことまで決めるのである。
   視察コースにドアがあると大変である。ドアを開けておく必要があるというのである。手はどうしたのか,怪我でもされたのかと言いたいところであるが,誰もそうしたことを指摘できる雰囲気ではない。結局,60個近いドアストッパーが集められ,視察コースのドアというドアはすべて開け放たれるのである。そして,先導,そのまた先導,誘導などという形で何人もの職員が動員される。見苦しいという理由で,当事者案内のために職員がパソコンで作りドアに貼り付けた図面は外され,廊下は「特別清掃」で掃き清められる。
   そして,視察が始まり,何事もなかったかのように終わる。そうした視察では,裁判所内にどれだけドアがあり,一般当事者がどれほど不自由をしているかを実感することはできない。また,どれほど,庁内が来庁者にとってわかりにくいかを実感することもできない。
   視察が終わるとドアストッパーは一カ所に集められ,どこかにしまい込まれるのである。長官や最高裁判事のために開け放たれたドアは,一般来庁者に向けては閉ざされる。それがたとえ車椅子の方であろうと・・・  
   そう,教授回診の際の何気ない一言で,助教授や講師が身を固くするのと同様,長官や最高裁判事の視察の際の何気ない一言で,職員は連日の残業を強いられることなるのである。そのため,「視察」は何にもまして優先して取り組む課題となるのだ。「白い巨塔」は大学病院に限ったことではない。

第12の2 アジア太平洋最高裁判所長官会議

1 アジア太平洋長官会議は2年に1度開催されており,司法分野のアジア太平洋経済協力会議(APEC)ともいわれています(外部ブログの「アジア太平洋最高裁判所長官会議」参照)。

2 平成27年11月にオーストラリアで開催された,第16回アジア太平洋長官会議に関する出席報告書を掲載しています(平成29年5月6日追加)。

3   アジア太平洋長官会議は,「アジア太平洋地域を中心とした高位法曹が集う,法の支配を基本理念とした国際会議」(平成29年5月付の最高裁判所長官談話「憲法記念日を迎えるに当たって」参照)です。

4 第17回アジア太平洋長官会議は,平成29年9月18日から同月21日までの間,最高裁判所で開催されました(裁判所HPの「第17回アジア太平洋最高裁判所長官会議について」参照)。

第13 ハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見

1   平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書のうち,裁判所HPに掲載されているもの以外は,同月27日までに廃棄されました(平成28年度(最情)答申第33号(平成28年10月24日答申))。

2 答申には以下の記載があります。なお,本件開示申出文書というのは,平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書のことです。
   最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書に該当する可能性がある文書としては,①記者会見の日時・場所等を記載した文書,②取材の集合時間・注意事項等を記載した文書,③配布資料があったとした上で,①及び②については,いずれも報道機関に配布することでその目的を果たすことから,報道機関に配布するための部数しか作成しておらず,報道機関等からの問合せがあった際に確認するための控えについても,記者会見終了時点において,事務処理上使用することが予定されておらず,保有する必要がないため,短期保有文書として随時廃棄しており,本件開示申出の時点において存在しないと説明している。
   そこで検討すると,①及び②の文書は,いずれも記者会見の準備のための事務に用いられるものであると考えられるから,その内容が軽微かつ簡易な司法行政文書であるということができる。そうすると,これらについて,保存期間を1年以上にする必要がない短期保有文書として扱っていることは,前記1の各通達に沿った取扱いであり,相当である。そして,①及び②の文書が上記のような文書であることからすると,記者会見の日の2日後である本件開示申出の時点において,①及び②の文書が,いずれも廃棄済みであって存在しないとする説明は合理的であり,これを覆すに足りる事情はない。したがって,これらはいずれも廃棄済みであると認められる。
  また,③の配布資料については,いずれも裁判所ウェブサイトに掲載されたものであるとする最高裁判所事務総長の説明が不合理であるとする事情も見当たらない。したがって,本件開示申出の内容に照らすと,これは,本件開示申出文書に当たらないと認められる。

第14 最高裁判所経理局長が裁判官である理由に関する国会答弁

○堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成29年3月31日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
1 裁判所の司法行政事務は、裁判所法上、裁判官会議で行うものとされているところでございますが、これらの事務の中には、委員御指摘の裁判官の人事のほかにも、裁判所の施設等、裁判事務と特に密接に関係を有するもののほか、最高裁判所規則の立案等、特に法律知識を必要とするものも少なくないということがございますので、裁判官会議を補佐する事務総局において、裁判官の資格、経験を有する者が企画立案等の事務に当たることによって司法行政の実を上げることができるというふうに考えているところでございます。
2 お尋ねの経理の関係でございますが、裁判所の予算におきましては、裁判所の施設を初め、裁判の運営を行うための経費が含まれておりまして、こうした予算の編成、執行においては裁判事務処理に精通した者が求められるという事情がございます。また、裁判所の庁舎として法廷がどうあるべきかといった問題についても、やはり裁判官としての経験を持った者が行う方が適切という面もございます。
   こういった事情から、これらの事務をつかさどる経理局長の職には裁判官をこれまで充ててきているところでございます。

第15 各種行事における最高裁判所長官の序列

1 現在の日本には,各種行事における序列に関する明確な規定はないものの,目安としては,皇族,内閣総理大臣,衆議院議長,参議院議長,最高裁判所長官,閣僚,各国駐日大使,その他副大臣など認証官,国会議員,都道府県知事…となっています(外務省HPの「国際儀礼(プロトコール)~伝統的な国家間のマナー~」)。

2 中野文庫HPの「宮中席次」にも同趣旨の記載があります。

第16 地方裁判所委員会及び家庭裁判所委員会

1 平成13年6月12日付の司法制度改革審議会答申「Ⅲ 司法制度を支える法曹の在り方」には以下の記載があります。
   裁判所運営に国民の健全な常識を反映させていくことは、裁判所に対する国民の理解と信頼を高め、司法の国民的基盤を強化することにつながる。 
現在、各家庭裁判所に家庭裁判所委員会(委員は、法曹三者以外に地方公共団体の職員や学識経験者から選任される。)が設置され、家庭裁判所の運営全般について意見を聴取することとされている。この制度の充実を図ることを含め、地方裁判所においても家庭裁判所委員会と同様の機関を新設することなど、裁判所運営について、広く国民の意見等を反映することが可能となるような仕組みを導入すべきである。 

2(1) 地方裁判所委員会及び家庭裁判所委員会は,裁判所の運営に広く国民の意見を反映させるために設置されています。
(2) 地方裁判所委員会は平成15年8月1日に新たに設置され,従前の家庭裁判所委員会は同日に再出発しました。
(3) 委員の任期は2年であり,再任されることができ,非常勤です。

3 根拠となる規則は地方裁判所委員会規則(平成15年4月2日最高裁判所規則第9号)及び家庭裁判所委員会規則(平成15年4月2日最高裁判所規則第10号)です。

4 大阪の場合,大阪地方裁判所委員会及び大阪家庭裁判所委員会に議事概要等が載っています。

5 日弁連HPの「市民の声を裁判所に!活かそう裁判所委員会-地方裁判所委員会・家庭裁判所委員会Q&A-」が参考になります。

第17 裁判官の兼職

〇最高裁判所は,裁判官が他人の業務に従事する行為に限らず,自ら一定の業務の主体となる行為であっても,裁判所法52条2号の「報酬のあるほかの職務に従事すること」に該当するものとして許可申請の対象となることを前提に,その従事しようとする職務が裁判官としての職務の遂行に支障がないと認められる場合その他裁判所法の精神に反しないと認められる場合に限り,裁判所法52条2号の許可を出しています。
裁判官が他の職務に従事する場合の許可等について(平成3年12月27日付の最高裁判所事務総長通達)のほか,裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の兼業の許可等について(平成4年6月26日付の最高裁判所事務総長通達)を掲載しています。
○最高裁が平成29年10月に不許可とした男性裁判官によるアパート経営(居室は12室)については,元々採算の合うものではなかったという指摘があります(楽待HP「【実践大家コラム】裁判官のアパート経営をシミュレーション!」参照)。
〇最高裁判所から開示を受けた,平成29年9月6日付の最高裁判所行政不服審査委員会平成29年度答申第1号(兼職許可申請不許可処分に関する件),及び平成29年10月25日付の最高裁判所の裁決書を掲載しています。
平成29年度答申第1号(平成29年9月6日答申)「兼職許可申請不許可処分に関する件」には,裁判所法52条2号と3号の関係等に関する一般論として以下の記載があります(ナンバリング及び改行を行っています。)。

1(1) 本件不許可処分の適法性及び妥当性を検討するに当たっては,その前提として,裁判所法52条2号と3号の関係や,これと兼職通達との関係を整理する必要があるので,以下において検討を加えることとする。
   裁判所法52条は,裁判官が在任中することができない行為として,「最高裁判所の許可のある場合を除いて,報酬のある他の職務に従事すること」(同条2号),「商業を営み,その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと」(同条3号)を規定しているところ,処分庁は,裁判官の兼職許可の運用について,「他の職務に従事すること」(同条2号)とは他人の業務に従事する行為には限られず,裁判官が自ら一定の業務の主体となる行為も同号の許可申請の対象となると解した上で,そのように一定の業務の主体となる行為が「商業を営み,その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと」(同条3号)に該当する場合には,同条2号の規定に基づく兼職許可をすることができないという関係にあるものとして解釈運用しているものと認められる(審査庁の説明書面)。
(2)   そこで,このような処分庁の解釈運用につき検討する。
ア   処分庁の上記解釈運用は,裁判官が自ら一定の業務の主体となる行為の全てが直ちに禁止されることにはならず,在任中に行うことが許される業務行為もあり得るものとして,そのような業務行為も裁判所法52条2号が規定する「報酬のある他の職務に従事すること」に含まれ,同号の規定に基づく許可をすることがあり得るというものである。
イ   裁判所法52条2号及び3号の文言を見れば,「他の職務に従事すること」(2号)は他人の業務に従事する行為の意と解し,一方で裁判官が自ら一定の業務の主体となる行為は全て「商業を営み,その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと」(3号)に該当して全面的に禁止されるという解釈も採り得るところではある。
   しかし,このように解した場合には,裁判官が相続等により取得した賃貸不動産や転補により居住できなくなる自宅を維持・管理することを目的とする不動産賃貸などは全面的に禁止となり,あまりに厳しい結果となることが想定されるところである。
   そこで,第2の解釈として,裁判所法52条2号の定める「報酬のある他の職務」が,他人の業務に従事する行為に限られず,裁判官が自ら一定の業務の主体となる行為を含むと解釈することも,文理上許容できないとはいえないものである。このように解する場合には,上記のとおりの裁判官の不動産賃貸などについて,実情に応じて柔軟に対応することが可能となる。
   処分庁の上記解釈運用も,同様の観点から,裁判所法の文理及び趣旨に反しない範囲で,裁判官の一定の経済的活動の必要性にも配慮しようとするものとみることができる。
   つまり,処分庁による許可の処理状況を見ると,裁判官の兼職許可申請(ただし,兼職通達第1の2及び第2に掲げる場合の許可に係る申請を除く。以下同じ。)の件数が年間五十数件程度であり,そのうちのほとんどが,上記のとおりの裁判官による不動産賃貸の例であり,裁判官が自ら一定の業務の主体となる行為を対象とするものであるという実情(審査庁の説明書面(3項),審査庁の提出資料)が認められるところ,処分庁の上記解釈運用はこうした実情に配慮した対応を図るものということができる。
ウ   そうすると,処分庁の上記解釈運用は,一定の合理性があるものとして是認することができ,これを違法又は不当ということはできない。
2(1)   次に,兼職通達は,裁判所法52条2号の規定による許可は,その従事しようとする職務が裁判官としての職務の遂行に支障がないと認められる場合その他裁判所法の精神に反しないと認められる場合に限り行う旨を定めるところ,処分庁は,同条3号に該当するかどうかの判断においても,兼職通達の適用があるものとしているので(審査庁の説明書面),この点について検討を加える。
(2)   裁判所法52条3号の規定は,公務員は全体の奉仕者(憲法15条2項)として常に公共の利益のみを指針として行動しなければならないところ,特に裁判官は,各自独立して各種の争訟事件を審理し,法律を解釈適用して,国家としての判断を示すことをその職務とするものであるから,その職務の性質上,最も公正かつ廉潔であることが求められ,裁判官が私的利益にいざなわれているかのような印象を国民に与える行動があれば,その裁判官による裁判,ひいては裁判制度に対する国民の信頼を失わせることにもなりかねないため,このような事態を生じさせないように,同号が規定する業務を行うことを絶対的に禁止したものと解される。
   同号に該当するかどうかの判断において,従事しようとする職務が裁判官としての職務の遂行に支障がないと認められる場合その他裁判所法の精神に反しないと認められるかどうかを基準とする兼職通達を適用しても,同号が規定する業務を絶対的不許可事由とした法の趣旨を踏まえたものということができるから,同号の該当性の判断において兼職通達を適用することが違法であるとか,不当であるとは認められないものと考えられる。
(3)   なお,審査請求人は,前記のとおり,本件計画の内容を検討するに当たり,人事院規則14-8の規定ないし趣旨に違反しないように配慮したことがうかがわれるが(前記前提となる事実,審査請求書),裁判官には同人事院規則の適用はないことは審査請求人も認めるとおり(審査請求書)であるし,一般職員に比べ裁判官の職務に上記の特性があることからすれば,
裁判所法52条の規定による許可の判断基準と同人事院規則の判断基準とを同一と解すべき理由も見当たらないものであり,上記判断を左右するものではない。

第18 小型無人機等飛行禁止法

1 国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律 (平成28年3月18日法律第9号)(以下「小型無人機等飛行禁止法」といいます。)8条1項に基づき,対象施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね300メートルの地域(以下「対象施設周辺地域」といいます。)の上空においては,小型無人機等の飛行が禁止されています。

2 小型無人機とは,飛行機,回転翼航空機,滑空機,飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち,遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものをいい,例えば,「ドローン」等があります。

3(1) 警察庁HPの「小型無人機等飛行禁止法関係」「対象施設周辺地域全体図(東京都)」が載っています。
(2) 警視庁HPの「小型無人機等の飛行禁止法について」に,対象施設周辺地域を管轄する警察署等が載っています。

4(1) 国は,対象施設,対象施設の指定敷地等及び対象施設周辺地域を国民に周知するため,対象施設,対象施設の指定敷地等及び対象施設周辺地域に関する地図を作成し,インターネットの利用その他の方法により公表するものとされています(小型無人機等飛行禁止法7条)。
   しかし,最高裁判所は,裁判所HPの「小型無人機等の飛行禁止区域について」において,対象施設の敷地に関する図面を裁判所HPに掲載しておらず,その図面を最高裁判所に備え置いて縦覧に供するにすぎません(「1 最高裁判所庁舎の敷地,対象施設周辺地域」の備考1参照)。
(2)ア 最高裁判所庁舎の敷地において,小型無人機等の飛行禁止区域が分かる図面を掲載しています。
イ 最高裁判所庁舎は,大法廷棟,小法廷棟,図書館棟,裁判官棟,裁判部棟,事務北棟及び事務南棟からなります(裁判所HPの「裁判所施設の耐震性に係るリスト」(平成22年7月)参照)。

5 最高裁判所庁舎の敷地及び周辺地域の詳細並びに小型無人機等飛行禁止法8条2項に規定する同意手続きの方法については,最高裁判所事務総局経理局管理課(03-3264-8337)に問い合わせることとなります(裁判所HPの「小型無人機等の飛行禁止区域について」参照)。

第19 裁判所職員の旧姓使用

1 「裁判所職員の旧姓使用について」(平成13年9月14日付の最高裁判所人事局長の通達)及び「裁判所職員の旧姓使用について」(平成13年9月14日付の最高裁判所人事局給与課長及び任用課長事務連絡)を掲載しています。

2(1) ①裁判所職員の旧姓使用について(平成29年7月3日付の最高裁判所事務総長の通達),及び②非常勤職員の旧姓使用について(平成29年7月13日付の最高裁判所人事局長の通達)を掲載しています。
(2) 裁判官を含む裁判所職員は,平成29年9月1日以降,以下の場合に旧姓を使用できることとなりました。
1 職場における呼称
2 職員の配置に関する文書
3 職員録(各裁判所で作成しているもの)
4 原稿執筆
5 協議会に関する文書(職員以外の者が参加する協議会に関するものを除く。)
6 決裁票,供覧票,回覧票
7 司法行政上の連絡文書
8 図書の受入及び貸出に関する文書
9 職員を対象とする試験及び選考に関する文書
10 人事異動通知書(裁判官に関するものを除く。)
11 裁判官第二カード,裁判官第三カード
12 身上報告書
13 辞職願(裁判官の退官願を除く。)
14 出勤簿(登庁簿を含む)
15 人事評価に関する文書
16 研修及び研究会に関する文書(裁判所以外の機関が実施する研修及び研究会に関するものを除く。)
17 外国旅行又は海外渡航の申請,承認及び通知に関する文書
18 兼職又は兼業の申請,承認,許可及び通知に関する文書
19 勤務時間,休日及び休暇並びにその他の職務専念義務免除の申請,承認及び通知に関する文書
20 育児休業,自己啓発等休業及び配偶者同行休業の申請,承認及び通知に関する文書
21 表彰に関する文書
22 職員に対する注意書
23 職員に対する分限処分及び懲戒処分に関する文書
24 旅費支給事務に関する文書
25 裁判事務の分配,裁判官の配置及び裁判官に差し支えのあるときの代理順序を定めた文書
26 裁判関係文書
27 旧姓使用中止届

第20 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表

1 会計検査院第1局司法検査課の実地検査日程表として以下のものを掲載しています。
① 平成29検査年次実地検査日程表

2 会計検査院第1局司法検査課は,裁判所,会計検査院,国家公安委員会,法務省及び日本司法支援センターを担当しています(会計検査院HP「第1局」参照)。
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。