弁護士の守秘義務,弁護士職務基本規程等

第0 目次

第1の1 弁護士の守秘義務及び証言拒絶権等
第1の2 弁護士の守秘義務が解除される場合
第1の3 弁護士に相談することは通常,秘密保持義務の例外になること
第2   司法修習生による審理の傍聴,並びに記録の閲覧及び謄写
第3   一定の文書については,第三者に閲覧等をさせない方がいいこと
第4の1 ブログ等による相手方の批判は止めた方がいいこと
第4の2 検索結果の削除,ヤフー及びグーグルの対応並びに最高裁判例
第5   弁護士職務基本規程等に基づくその他の取扱い
第6   弁護士職務基本規程の条文

*0 河原崎法律事務所HPに「弁護士倫理」(平成2年3月2日日弁連臨時総会決議。平成6年11月22日改正)及び「弁護士職務基本規程」(平成16年11月10日会規第70号)の条文が載っています。
*1 「受任できない事件,事件処理の方針等」も参照してください。
*2 東弁リブラ2017年10月号「インターネット検索サービスの表示削除をめぐる諸問題」が載っています。
*3 衆議院HPに「制定時の弁護士法」が,外部HPの「弁護士法の改正」にその後の弁護士法改正が載っています。
*4 日弁連弁護士倫理委員会が作成した解説「弁護士職務基本規程」第2版(2012年3月発行)は,日弁連審査部審査第二課で販売されています(日弁連HPの「解説「弁護士職務基本規程」第2版」参照)。
*5 日弁連HPの「外国法事務弁護士のためのご案内」「弁護士職務基本規程(外国特別会員への読み替え版)」が載っています。

第1の1 弁護士の守秘義務及び証言拒絶権等

1 弁護士の守秘義務
(1)ア 「弁護士又は弁護士であった者は,その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し,義務を負う。」とされているほか(弁護士法23条本文),「弁護士は,正当な理由なく,依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし,又は利用してはならない。」(弁護士職務基本規程23条)とされており,守秘義務を課せられています。
イ   弁護士職務基本規程23条の「依頼者」には,個別事件を依頼した者のほか,以下の人が含まれます。
① 受任には至らなかった相談者
② 顧問先
③ 事件が終了した過去の依頼者
④ 組織内弁護士の雇用主
(2) 「所属弁護士は,他の所属弁護士の依頼者について執務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らし,又は利用してはならない。その共同事務所の所属事務所でなくなった後も,同様とする。」(弁護士職務基本規程56条)とされています。
   そのため,依頼した弁護士と同じ法律事務所の弁護士もまた,依頼した弁護士の受任事件について守秘義務を負っています。
(3) 「(前略)弁護士(中略)又はこれらの職にあった者が,正当な理由がないのに,その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは,6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」(刑法134条1項)とされており,弁護士には秘密漏示罪が存在します。

2 弁護士の証言拒絶権等
(1) 弁護士は,医師,歯科医師等と同様に,民事裁判において,①職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて証言を拒絶できます(民事訴訟法197条1項2号)し,②文書の提出を拒絶できます(民事訴訟法220条4項ハ)。
   民事訴訟法197条1項2号所定の「黙秘すべきもの」とは,一般に知られていない事実のうち,弁護士等に事務を行うこと等を依頼した本人が,これを秘匿することについて,単に主観的利益だけではなく,客観的にみて保護に値するような利益を有するものをいいます最高裁平成16年11月26日判決)。
(2) 弁護士は,医師,歯科医師等と同様に,刑事裁判において,①業務上委託を受けたため,保管し,又は所持する物で他人の秘密に関するものについては,押収を拒絶できます(刑事訴訟法105条・222条1項本文前段)し,②業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては,証言を拒絶できます(刑事訴訟法149条)。
   ただし,捜索拒絶権まであるわけではありません。
(3) 依頼者と弁護士との間の電話については,裁判官の発する傍受令状(通信傍受法3条1項)をもってしても,捜査機関が傍受することができません(通信傍受法15条)。
   なお,傍受とは,現に行われている他人間の通信について,その内容を知るため,当該通信の当事者のいずれの同意も得ないで,これを受けることをいいます(通信傍受法2条2項)。
(4)ア 弁護士は,各議院から,議案その他の審査又は国政に関する調査のため,証人として出頭及び証言又は書類の提出を求められた場合(憲法62条参照)であっても,業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては,宣誓,証言又は書類の提出を拒むことができます(議院証言法4条2項本文)。
  ただし,本人が承諾した場合はこの限りでありません(議院証言法4条2項ただし書)。 
イ 弁護士に限りませんが,衆議院又は参議院の委員会における参考人として出頭した場合(いわゆる「参考人招致」のことです。)(衆議院規則85条の2,参議院規則186条参照),証言は任意ですし,国会で虚偽の事実を述べても偽証罪による処罰はありません。 

第1の2 弁護士の守秘義務が解除される場合

以下の場合,弁護士の守秘義務が解除されます。
 
1 法律に別段の定めがある場合(弁護士法23条ただし書)
(1) 民事事件において,黙秘の義務を免除された場合(民事訴訟法197条2項)
  例えば,依頼者の承諾がある場合です。
(2) 刑事事件において,本人が承諾した場合,証言の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(刑事訴訟法149条ただし書)

2 正当な理由がある場合(弁護士職務基本規程23条) 
   日弁連の「解説弁護士職務基本規程第2版」(平成24年3月発行)56頁ないし59頁によれば,以下のとおりです。
(1) 依頼者の承諾がある場合
(2) 弁護士の自己防衛の必要がある場合
ア 例えば,依頼事件に関連して弁護士自身が民事,刑事等の係争の当事者となり,あるいは懲戒審理の場や紛議調停の場において自己の主張,立証のため必要不可欠の場合です。
   また,弁護士自身の名誉を守り,重大な誤解を解くために必要な限度内で秘密の開示が許されます。
イ 強制執行妨害罪,証拠隠滅罪,文書偽造罪等の嫌疑が弁護士自身に及んだときは,自らその嫌疑を払拭しなければならなくなるから,証言及び差押え応諾の必要性はその拒否義務に優先することがあり,このような場合,自己防衛上,依頼者の秘密開示が許されます。
   弁護士が弁護士会照会,文書提出命令,捜査関係事項の照会を受けたとき,捜査官の事情聴取を受けるとき,税務調査を受けるときも,これに準じて取り扱われます(弁護士会照会につき日弁連HPの「弁護士会から照会を受けた皆さまへ」参照)。
(3) 公共の利益のために必要がある場合
ア 例えば,生命・身体への重大な危害を防止するために必要がある場合です。
  ただし,「公共の利益」との利益考量を安易に行えば,弁護士の職務やこれに対する信頼を揺るがしかねないことに留意すべきとされています。
イ   犯罪収益移転防止法との関係でいえば,弁護士は,疑わしい取引の届出義務までは負わず,本人確認及び取引記録の保存義務を負うにとどまります。

第1の3 弁護士に相談することは通常,秘密保持義務の例外になること

1 秘密保持義務は,原則として,秘密情報を相手方のどういなく第三者に開示等しないことを内容とする義務でありますところ,以下のような例外が定められているのが通常です(外部HPの「秘密保持契約の実務上の留意点(2014年1月版)」参照)。
   そのため,弁護士に相談することは通常,秘密保持契約における秘密保持義務の例外となります。
 
① 乙から個別に別紙●の様式による書面により開示することの同意を得て開示する場合
② 甲及び甲の関係会社の役員及び従業員、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士その他甲に対して本契約に基づき甲が乙に負うのと同等以上の守秘義務を負う者に対して、合理的に必要な範囲内において、開示する場合
③ 法令又は政府機関、金融商品取引所、金融商品取引業協会、証券業協会の規則その他これらに準ずる定めに基づき甲に開示が要求され、これに応じて合理的に必要な範囲内において、開示する場合
④ [ベンチャー・キャピタル等の場合]甲又は甲組合が、乙の発行する株式、新株予約権付社債または新株予約権等を取得すると決定し乙に書面により通知した場合において、当該決定に関連して合理的に必要な範囲内において、甲は甲組合の出資者に対して秘密情報の全部又は一部を開示する場合

2 外部HPの「M&Aをご検討の方へ」にもあるとおり,守秘義務を負う買主であっても外部の弁護士に相談することは当然に予定されています。

第2 司法修習生等による審理の傍聴,並びに記録の閲覧及び謄写

1 訴訟を提起した場合,守秘義務の意義を理解している実務修習中の司法修習生が審理を傍聴したり,記録を閲覧したりすることがあります。
    依頼した弁護士が司法修習生の傍聴なり記録閲覧なりを断ることはできません。

2 依頼した弁護士は,将来の法律家育成に協力するため,受任事件の記録について,依頼者の明示の同意を得ることなく,①守秘義務の意義を理解している実務修習中の司法修習生,及び②エクスターンシップ制度の下に受け入れた法科大学院生に閲覧及び謄写(=コピー)をさせることがあります。
    現在及び将来において,司法修習生等に受任事件の記録を閲覧及び謄写をされたくない場合,予め依頼した弁護士にその旨を伝えた方がいいです。
    ただし,「弁護士は,事務職員,司法修習生その他の自らの職務に関与させた者が,その者の業務に関し違法若しくは不当な行為に及び,又はその法律事務所の業務に関して知り得た秘密を漏らし,若しくは利用することのないように指導及び監督をしなければならない。」(弁護士職務基本規程19条)とされています。

3 司法修習生は,2年間の臨床研修(医師法16条の2以下参照)を行う医師(=研修医)みたいなものです。
    ただし,研修医は,医師国家試験に合格し,医籍に登録されて,厚生労働大臣の免許を受けた医師であって,医療行為を業として行う資格を有しており(医師法17条),労働基準法9条及び最低賃金法2条所定の労働者に当たります(最高裁平成17年6月3日判決)ものの,司法修習生には,そこまでの職務権限はありません。

4 司法修習生の守秘義務等については,「司法修習生」を参照してください。

第3 一定の文書については,第三者に閲覧等はさせない方がいいこと

1 総論
(1) 「弁護士は,事件記録を保管又は廃棄するに際しては,秘密及びプライバシーに関する情報が漏れないように注意しなければならない。」(弁護士職務基本規程18条)とされています。
   ここでいう「秘密及びプライバシー」に依頼者のそれが含まれることは当然ですが,一定の限度で,相手方の秘密及びプライバシーが含まれることがあります。
   そのため,依頼した事件の報告の一環として送られた控え書類のうち,相手方の秘密又はプライバシーが記載されている文書を,受任事件と関係のない第三者に閲覧させ,又はコピーを交付するようなことは止めた方がいいです。
    特に,書類のコピーを第三者に渡した場合,当該第三者を通じて,更に他の第三者に拡散する可能性があることに留意した方がいいです。
(2) 弁護士職務基本規程18条に基づき,相手方のプライバシーを依頼者に対して秘密にする必要がある場合,相手方の住所等の連絡先(刑事事件の場合につき刑事訴訟法299条参照)を抹消した上で,依頼者に控え書類を交付することがあります。
(3) 大阪弁護士会による照会(弁護士法23条の2)を通じて取得した回答書等の場合,大阪弁護士会との関係で目的外での使用を禁止されていますし,その内容によっては,依頼者にコピーをお渡しできないことがあります(大阪弁護士会弁護士法第二十三条の二に基づく照会手続規則8条)。
(4) 依頼した弁護士からの控え書類により初めて連絡先を知った事件関係者については,依頼した弁護士に無断で連絡を取ることは止めた方がいいです。
 
2 検察官開示記録の取扱い
(1) 依頼者について刑事事件が係属している場合,依頼した弁護士は,検察庁において,当該事件に関する検察官の裁判所提出予定書類のコピー(=検察官開示記録)を取り寄せることができます(刑事訴訟法299条1項,刑事訴訟規則178条の6第1項1号)。
(2) 検察官開示記録を刑事裁判以外の目的で,人に交付し,又は提示し,若しくはインターネットに載せることは禁止されており(刑事訴訟法281条の4),違反があった場合,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(刑事訴訟法281条の5第1項)。
   また,弁護士自身も,検察官開示記録を適正に管理し,その保管をみだりに他人にゆだねてはならないとされています(刑事訴訟法281条の3)。
(3) 刑事事件の裁判所に提出された書類については,①弁護人であれば公訴の提起「後に」刑事訴訟法40条に基づく閲覧及び謄写が可能であったり,②犯罪被害者であれば第1回公判期日「後に」犯罪被害者保護法3条に基づく閲覧及び謄写が可能であったり,③一定の理由があれば判決確定後に刑事訴訟法53条及び刑事確定訴訟記録法に基づく閲覧及び謄写が可能であったりします。
  これに対して,刑事事件の裁判所に提出されなかった書類については,弁護人及び被告人以外の者が閲覧及び謄写をすることはまずできないという意味で,秘密性が一段と高くなります。
  そのため,①弁護人が証拠とすることに同意しなかった書類なり,②検察官が任意で記録開示請求に応じた書類なりといった,刑事事件の裁判所に提出されなかった書類については,依頼した弁護士に無断で第三者に交付することは絶対に止めた方がいいです(刑事訴訟法281条の4第2項「当該複製等に係る証拠が公判期日において取り調べられたものであるかどうか」参照)。
(4) 検察官開示記録を直接,民事訴訟等に利用することは刑事訴訟法281条の4に違反すると考える見解が存在します。

第4の1 ブログ等による相手方の批判は止めた方がいいこと

1 総論
(1) ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損の場合,①その行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,②その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,③上記意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,上記行為は違法性を欠きます。
   仮に上記証明がないときにも,行為者において上記事実の重要な部分を真実と信ずるについて相当な理由があれば,その故意又は過失は否定されます(最高裁平成16年7月15日判決。なお,先例として,最高裁平成元年12月21日判決及び最高裁平成9年9月9日判決参照)。
   つまり,ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損の場合,原則として適法であります。
   しかし,ブログ等の記載により感情的対立が増幅した場合,将来,訴訟上の和解による解決が困難となりますから,ブログ等で相手方の名誉を毀損するような表現は止め方がいいです。
   また,
一般の私人である相手方の昔の前科情報をインターネットで公表した場合,名誉毀損又はプライバシー侵害として,場合によっては不法行為責任を追及される可能性があります(最高裁平成6年2月8日判決参照)。
(2)   インターネットの個人利用者による表現行為の場合においても,他の場合と同様に,行為者が摘示した事実を真実であると誤信したことについて,確実な資料,根拠に照らして相当の理由があると認められるときに限り,名誉毀損罪は成立しないにすぎず,より緩やかな要件で同罪の成立が否定されることはありません(最高裁平成22年3月15日決定。なお,先例として,最高裁昭和44年6月25日大法廷判決参照)。
(3) インターネット上のウェブサイトに記事を掲載した行為についても名誉毀損の不法行為が成立することがあります(最高裁平成24年3月23日判決参照)。
 
2 プロバイダー責任制限法に基づく取扱い
(1)   2ちゃんねる等の匿名掲示板への書き込みであっても,「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダー責任制限法)に基づき,以下の法的手続を経ることにより,書き込みをした人の氏名・住所が判明することがあります。
   そのため,2ちゃんねる等の匿名掲示板への違法な書き込みは絶対に止めて下さい。
① 掲示板の管理者に対して,IPアドレス及びタイムスタンプといった発信者情報「開示」の仮処分命令の申立てをする。
→ ①のプロバイダは,デジタル化された情報を提供する事業者であり,コンテンツプロバイダといいます。
② ①により得られた発信者情報について,経由プロバイダに対して,発信者情報「消去禁止」の仮処分命令の申立てをする。
→ 単にプロバイダといった場合,経由プロバイダのことをいいます。
   (a)インターネットサービスプロバイダ(=ISP)とか,(b)インターネット接続事業者とか,(c)接続事業者などともいいます。
③ 経由プロバイダに対して,発信者の氏名・住所の開示を求める発信者情報開示請求訴訟を提起する(最高裁平成22年4月8日判決参照)。
(2)  プロバイダーは,①掲示板への書き込みによって他人の権利が侵害されていることを知っていたような場合,送信防止措置を講じなければ(=削除しなければ)損害賠償責任を負う反面(プロバイダー責任制限法3条1項1号),②発信者が削除に同意しない旨の返事を7日以内に返さなかった場合,掲示板への書き込みを削除しても損害賠償責任を負いません(プロバイダー責任制限法3条2項2号)。
   そのため,発信者が7日以内に返事を返さなかった場合,2ちゃんねる等の匿名掲示板を除き,プロバイダーは書き込みを削除してくれることが多いです。
(3) ①プロバイダーが発信者情報を開示しなかった場合,故意又は重大な過失がある場合に限り,発信者情報開示請求者に対する損害賠償責任を負うに過ぎません(プロバイダー責任制限法4条4項)し,②プロバイダーが発信者情報を開示した場合,発信者からプライバシー侵害で訴えられるリスクがあります(発信者情報を開示したときの損害賠償責任の制限規定はありません。)。
   そのため,訴訟等の法的手続を取らない限り,プロバイダーは発信者情報を開示してくれないことが多いです。
(4) ①発信者情報開示請求書のひな形を含む,発信者情報開示関係ガイドライン,及び②名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン等の資料は,一般社団法人テレコムサービス協会のHPに掲載されています。

第4の2 検索結果の削除,ヤフー及びグーグルの対応並びに最高裁判例

1 検索事業者に対して検索結果の削除を求める必要性
(1) 2ちゃんねるの場合,個人名・住所・所属・誹謗中傷・私生活情報・電話番号・メールアドレスといったメールで受け付けてもらえる重要削除対象であれば,メールで削除依頼することが考えられます(削除要請(入口)@2ch掲示板)。

(2) 2ちゃんねるがいうところの重要削除対象に該当しない書き込みの場合,2ちゃんねるに対する削除依頼は,専門の弁護士に依頼した方が無難です(ネット誹謗中傷弁護士相談Cafe参照)。
   その代わり,ヤフー及びグーグルに対して検索結果の削除を依頼することで,2ちゃんねるの書き込みが検索結果に出てこないようにすれば,風評被害等をかなりの程度抑えることができます。
 
2 ヤフーの対応

(1) ヤフーは,平成27年3月30日,「検索結果の非表示措置の申告を受けた場合のヤフー株式会社の対応方針について」を発表し,翌日から適用しています(外部HPの「ヤフーの検索結果から削除してもらう方法」参照)。
(2) プライバシー侵害に関する判断として以下の記載がありますから,インターネットの掲示板等に書き込んでいいかどうかの参考になります。

   ヤフーは、被害申告者が非表示を求める情報について、その情報を公表されない被害申告者の法的利益とその情報を公表する理由との比較衡量を行います。個別の事案に応じて考慮する事情としては、被害申告者の属性(公職者か否か、成年か未成年かなど)、記載された情報の性質、当該情報の社会的意義・関心の程度、当該情報の掲載時からの時の経過等を考慮します。
   なお、被害申告者の属性、記載された情報の性質についての考え方は概ね以下のとおりです。
(1)被害申告者の属性
①公益性の高い属性(「表現の自由」の保護の要請が高い属性)
・公職者(議員、一定の役職にある公務員等)
・企業や団体の代表・役員等、芸能人、著名人
②プライバシー保護の要請が高い属性
・未成年者
(2)記載された情報の性質
①プライバシー保護の要請が高い情報
・性的画像
・身体的事項(病歴等)
・過去の被害に関する情報(犯罪被害、いじめ被害)
②公益性の高い情報(「表現の自由」の保護の要請が高い情報)
・過去の違法行為 (前科・逮捕歴)
・処分等の履歴 (懲戒処分等)
③文脈等に依存する情報
・出生やそれに伴う属性
 
3  グーグルの対応
   外部HPの「検索結果から削除したいサイトや情報がある場合の対処法」が非常に参考になります。
 
4 検索事業者に関して検索結果の削除を求めることができる場合
   この点に関して最高裁平成29年1月31日決定は,以下のとおり判示しています。
    検索事業者が,ある者に関する条件による検索の求めに応じ,その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは,当該事実の性質及び内容,当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,上記記事等の目的や意義,上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,上記記事等において当該事実を記載する必要性など,当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので,その結果,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,検索事業者に対し,当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができるものと解するのが相当である。

第5 弁護士職務基本規程等に基づくその他の取扱い

1 弁護士職務基本規程等の説明
(1)   平成17年4月1日に施行された,日本弁護士連合会(=日弁連)の「弁護士職務基本規程」(平成16年11月10日会規第70号)は,弁護士の職務に関する倫理及び行動規範を明らかにしたものです(弁護士職務基本規程の前文参照)。
(2)   従前は①弁護士倫理(昭和30年3月19日日弁連理事会決議),又は②弁護士倫理(平成2年3月2日日弁連臨時総会決議)によって規律されていました。

2 弁護士職務基本規程に基づく取扱い
(1) 「弁護士は,真実を尊重し,信義に従い,誠実かつ公正に職務を行うものとする。」(弁護士職務基本規程5条),「弁護士は,偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし,又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。」(弁護士職務基本規程75条)とされています。
  そのため,依頼した弁護士は,正しいと思われる事実関係と異なる事実関係を主張することはないと思います。
(2) 「弁護士は,不当な目的のため,又は品位を損なう方法により,事件の依頼を誘発し,又は事件を誘発してはならない。」(弁護士職務基本規定10条)とされています。
  「不当な目的」とは,例えば,金銭の利得などもっぱら自己の利益獲得をもくろみ,依頼者又は依頼者となるべき者の利益を省みないことをいいます。
  「品位を損なう方法」とは,例えば,面識のない不特定多数の者や交通事故の被害者等に対し無差別に自己への依頼を働きかける文書を送るなど,弁護士に対する社会的評価や信用を毀損する方法をいいます。
(3) 「弁護士は,係争の目的物を譲り受けてはならない。」(弁護士職務基本規程17条)とされています(弁護士法28条も同趣旨の規定です。)。
(4) 「弁護士は,特別の事情がない限り,依頼者と金銭の貸借をし,又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し,若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。」(弁護士職務基本規程25条)とされています。
  そのため,依頼した弁護士が依頼者に対して金銭の貸し付けを依頼したり,依頼者の借金等を肩代わりしたりすることはないと思います。
(5) 「弁護士は,依頼者との信頼関係を保持し紛議が生じないように努め,紛議が生じたときは,所属弁護士会の紛議調停で解決するように努める。」(弁護士職務基本規程26条)とされています。
  これは,弁護士と依頼者との関係は,秘密保持義務の要請から公開の手続になじみにくい面があること等にかんがみ,弁護士会が主催する非公開の紛議調停の手続で解決するのが望ましいとされたものです。
(6) 「弁護士は,事件の処理に当たり,必要かつ可能な事実関係の調査を行うように努める。」(弁護士職務基本規程37条2項)とされています。
   実際,依頼者の述べるところを鵜呑みにして調査を全くせず事実と異なる主張をしたことにより,依頼した弁護士が相手方から紛議・調停の申立てを受けることがあります。
  そのため,相手方と連絡を取る前に,依頼した弁護士において一定の裏付け調査をすることがあると思います。
(7) 「弁護士は,事件に関して依頼者,相手方その他利害関係人から金員を預かったときは,自己の金員と区別し,預り金であることを明確にする方法で保管し,その状況を記録しなければならない。」(弁護士職務基本規程38条)とされています。
  そのため,依頼した弁護士は,委任契約書において,着手金及び報酬金を振り込んでもらう口座と,概算実費を振り込んでもらう口座を分けていることが多いと思います。
(8) 「弁護士は,相手方に法令上の資格を有する代理人が選任されたときは,正当な理由なく,その代理人の承諾を得ないで直接相手方と交渉してはならない。」(弁護士職務基本規程52条。なお,同趣旨の規定につき大阪弁護士会会則107条)とされています。
  そのため,相手方に弁護士又は認定司法書士が代理人として就任した場合(認定司法書士につき司法書士法3条1項6号),相手方本人に連絡をすることはできなくなります。
(9) 「弁護士は,受任している事件に関し,相手方から利益の供与若しくは供応を受け,又はこれを要求し,若しくは約束をしてはならない。」(弁護士職務基本規程53条)とされています。
   また,「弁護士は,受任している事件に関し,相手方に対し,利益の供与若しくは供応をし,又は申込みをしてはならない。」(弁護士職務基本規程54条)とされています。
  そのため,依頼した弁護士が,受任している事件の相手方は当然ですが,特段の事情がない限り,①将来受任が予定されている事件の相手方なり,②過去に受任して処理を終えた事件の相手方なりとの間で,利益の供与等をすることはないと思います。

第6 弁護士職務基本規程の条文

○平成17年4月1日施行の,弁護士職務基本規程(平成16年11月10日会規第70号)の条文は以下のとおりです。
○日弁連HPに,解説『弁護士職務基本規程』第2版(平成24年3月発行・1540円(税込み))の注文書が載っています。

第一章   基本倫理(第一条ー第八条)

第二章   一般規律(第九条ー第十九条)

第三章   依頼者との関係における規律
第一節   通則(第二十条ー第二十六条)
第二節   職務を行い得ない事件の規律(第二十七条・第二十八条)
第三節   事件の受任時における規律(第二十九条ー第三十四条)
第四節   事件の処理における規律(第三十五条ー第四十三条)
第五節   事件の終了時における規律(第四十四条・第四十五条)

第四章   刑事弁護における規律(第四十六条―第四十九条)

第五章   組織内弁護士における規律(第五十条・第五十一条)

第六章   事件の相手方との関係における規律(第五十二条ー第五十四条)

第七章   共同事務所における規律(第五十五条―第六十条)

第八章   弁護士法人における規律(第六十一条―第六十九条)

第九章   他の弁護士との関係における規律(第七十条ー第七十三条)

第十章   裁判の関係における規律(第七十四条―第七十七条)

第十一章   弁護士会との関係における規律(第七十八条・第七十九条)

第十二章   官公署との関係における規律(第八十条・第八十一条)

第十三章   解釈適用指針(第八十二条)
 
   弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。
   その使命達成のために、弁護士には職務の自由と独立が要請され、高度の自治が保障さている。
   弁護士は、その使命を自覚し、自らの行動を規律する社会的責任を負う。
   よって、ここに弁護士の職務に関する倫理と行為規範を明らかにするため、弁護士職務基本規程を制定する。
 第一章  基本倫理
 (使命の自覚)
第一条 弁護士は、その使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にあることを自覚し、その使命の達成に努める。 
(自由と独立)
第二条 弁護士は、職務の自由と独立を重んじる。
 (弁護士自治)
第三条 弁護士は、弁護士自治の意義を自覚し、その維持発展に努める。
 (司法独立の擁護)
第四条 弁護士は司法の独立を擁護し司法制度の健全な発展に寄与するように努める
(信義誠実)
第五条 弁護士は、真実を尊重し、信義に従い、誠実かつ公正に職務を行うものとする。
 (名誉と信用)
第六条 弁護士は、名誉を重んじ、信用を維持するとともに、廉潔を保持し、常に品位を高めるように努める。
 (研鑽)
第七条 弁護士は、教養を深め、法令及び法律事務に精通するため、研鑽に努める。
 (公益活動の実践)
第八条 弁護士は、その使命にふさわしい公益活動に参加し、実践するように努める。

 第二章   一般規律
 (広告及び宣伝)
第九条 弁護士は、広告又は宣伝をするときは、虚偽又は誤導にわたる情報を提供してはならない。
2 弁護士は、品位を損なう広告又は宣伝をしてはならない。
 (依頼の勧誘等)
第十条 弁護士は、不当な目的のため、又は品位を損なう方法により、事件の依頼を勧誘し、又は事件を誘発してはならない。
 (非弁護士との提携)
第十一条 弁護士は、弁護士法第七十二条から第七十四条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる 相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け、これらの者を利用し、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。
 (報酬分配の制限)
第十二条 弁護士は、その職務に関する報酬を弁護士又は弁護士法人でない者との間で分配してはならない。ただし、 法令又は本会若しくは所属弁護士会の定める会則に別段の定めがある場合その他正当な理由がある場合は、この限りでない。
 (依頼者紹介の対価)
第十三条 弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。
2 弁護士は、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない。
 (違法行為の助長)
第十四条 弁護士は、詐欺的取引、暴力その他違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。
 (品位を損なう事業への参加)
第十五条 弁護士は、公序良俗に反する事業その他品位を損なう事業を営み、若しくはこれに加わり、又はこれらの事業に 自己の名義を利用させてはならない。
 (営利業務従事における品位保持)
第十六条 弁護士は、自ら営利を目的とする業務を営むとき、又は営利を目的とする業務を営む者の取締役、執行役その他 業務を執行する役員若しくは使用人となったときは、営利を求めることにとらわれて、品位を損なう行為をしてはならない。
 (係争目的物の譲受け)
第十七条 弁護士は、係争の目的物を譲り受けてはならない。
 (事件記録の保管等)
第十八条 弁護士は、事件記録を保管又は廃棄するに際しては、秘密及びプライバ シーに関する情報が漏れないように注意しなければならない。
 (事務職員等の指導監督)
第十九条 弁護士は、事務職員、司法修習生その他の自らの職務に関与させた者が、その者の業務に関し違法若しくは不当な 行為に及び、又はその法律事務所の業務に関して知り得た秘密を漏らし、若しくは利用することのないように指導及び監督を しなければならない。

第三章   依頼者との関係における規律
第一節   通則
 (依頼者との関係における自由と独立)
第二十条 弁護士は、事件の受任及び処理に当たり、自由かつ独立の立場を保持するように努める。
 (正当な利益の実現)
第二十一条 弁護士は、良心に従い、依頼者の権利及び正当な利益を実現するように 努める。
 (依頼者の意思の尊重)
第二十二条 弁護士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うも のとする。
2 弁護士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼者の意思の 確認に努める。
 (秘密の保持)
第二十三条 弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない。
 (弁護士報酬)
第二十四条 弁護士は経済的利益事案の難易時間及び労力その他の事情に照らして 適正かつ妥当な弁護士報酬を提示しなければならない。
 (依頼者との金銭貸借等)
第二十五条 弁護士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し、 若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。
 (依頼者との紛議)
第二十六条 弁護士は、依頼者との信頼関係を保持し紛議が生じないように努め、紛議が生じたときは、所属弁護士会の 紛議調停で解決するように努める。

 第二節   職務を行い得ない事件の規律
 (職務を行い得ない事件)
第二十七条 弁護士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第三号に 掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一   相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二   相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三   受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
四   公務員として職務上取り扱った事件
五   仲裁、調停、和解斡旋その他の裁判外紛争解決手続機関の手続実施者として取り扱った事件
 (同前)
第二十八条 弁護士は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行っては ならない。ただし、第一号及び第四号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその 依頼者及び相手方が同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合は、この限りでない。
一   相手方が配偶者、直系血族、兄弟姉妹又は同居の親族である事件
二   受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件
三   依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件
四   依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件

第三節   事件の受任時における規律
 (受任の際の説明等)
第二十九条 弁護士は、事件を受任するに当たり、依頼者から得た情報に基づき、事 件の見通し、処理の方法並びに弁護士報酬及び費用について、適切な説明をしなけ ればならない。
2 弁護士は、事件について、依頼者に有利な結果となることを請け合い、又は保証してはならない。
3 弁護士は、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず、その見込みがあるように装って事件を受任 してはならない。
 (委任契約書の作成)
第三十条 弁護士は、事件を受任するに当たり、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が止んだ後、これを作成する。
 2 前項の規定にかかわらず、受任する事件が、法律相談、簡易な書面の作成又は顧問契約その他継続的な契約に基づくもの であるときその他合理的な理由があるときは、委任契約書の作成を要しない。
 (不当な事件の受任)
第三十一条 弁護士は、依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事件を受任してはならない。
 (不利益事項の説明)
第三十二条 弁護士は、同一の事件について複数の依頼者があってその相互間に利害の対立が生じるおそれがあるときは、 事件を受任するに当たり、依頼者それぞれに対し、辞任の可能性その他の不利益を及ぼすおそれのあることを説明しなければ ならない。
 (法律扶助制度等の説明)
第三十三条 弁護士は、依頼者に対し、事案に応じ、法律扶助制度、訴訟救助制度 その他の資力の乏しい者の権利保護のための制度を説明し、裁判を受ける権利が 保障されるように努める。
 (受任の諾否の通知)
第三十四条 弁護士は、事件の依頼があったときは、速やかに、その諾否を依頼者に通知しなければならない。 

第四節   事件の処理における規律
 (事件の処理)
 第三十五条 弁護士は、事件を受任したときは、速やかに着手し、遅滞なく処理しなければならない。
 (事件処理の報告及び協議)
第三十六条 弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し、依頼者と 協議しながら事件の処理を進めなければならない。
 (法令等の調査)
第三十七条 弁護士は、事件の処理に当たり、必要な法令の調査を怠ってはならない。
2 弁護士は事件の処理に当たり必要かつ可能な事実関係の調査を行うように努める
(預り金の保管)
第三十八条 弁護士は、事件に関して依頼者、相手方その他利害関係人から金員を 預かったときは、自己の金員と区別し、預り金であることを明確にする方法で保 管し、その状況を記録しなければならない。
 (預り品の保管)
第三十九条 弁護士は、事件に関して依頼者、相手方その他利害関係人から書類その他の物品を預かったときは、善良な管理者 の注意をもって保管しなければならない。
 (他の弁護士の参加)
第四十条 弁護士は、受任している事件について、依頼者が他の弁護士又は弁護士法人に依頼をしようとするときは、正当な理由なく、 これを妨げてはならない。
 (受任弁護士間の意見不一致)
第四十一条 弁護士は、同一の事件を受任している他の弁護士又は弁護士法人との間に事件の処理について意見が一致せず、 これにより、依頼者に不利益を及ぼすおそれがあるときは、依頼者に対し、その事情を説明しなければならない。
 (受任後の利害対立)
第四十二条 弁護士は、複数の依頼者があって、その相互間に利害の対立が生じるおそれのある事件を受任した後、 依頼者相互間に現実に利害の対立が生じたときは、依頼者それぞれに対し、速やかに、その事情を告げて、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
 (信頼関係の喪失)
第四十三条 弁護士は受任した事件について依頼者との間に信頼関係が失われ かつ、その回復が困難なときは、その旨を説明し、辞任その他の事案に応じた適 切な措置をとらなければならない。

第五節   事件の終了時における規律
 (処理結果の説明)
第四十四条 弁護士は委任の終了に当たり事件処理の状況又はその結果に関し 必要に応じ法的助言を付して、依頼者に説明しなければならない。
 (預り金等の返還)
第四十五条 弁護士は、委任の終了に当たり、委任契約に従い、金銭を清算したうえ、預り金及び預り品を遅滞なく返還しなければならない。

第四章 刑事弁護における規律
 (刑事弁護の心構え)
第四十六条 弁護士は、被疑者及び被告人の防御権が保障されていることにかんがみ、その権利及び利益を擁護するため、最善の弁護活動に努める。
 (接見の確保と身体拘束からの解放)
第四十七条 弁護士は、身体の拘束を受けている被疑者及び被告人について、必要な接見の機会の確保及び身体拘束からの解放に努める。
 (防御権の説明等)
第四十八条 弁護士は、被疑者及び被告人に対し、黙秘権その他の防御権について適切な説明及び助言を行い、防御権及び弁護権に対する違法又は不当な制限に対し、 必要な対抗措置をとるように努める。
 (国選弁護における対価受領等)
第四十九条 弁護士は、国選弁護人に選任された事件について、名目のいかんを問わず、被告人その他の関係者から報酬その他の対価を受領してはならない。
2 弁護士は、前項の事件について、被告人その他の関係者に対し、その事件の私選弁護人に選任するように働きかけてはならない。 ただし、本会又は所属弁護士会の定める会則に別段の定めがある場合は、この限りでない。

第五章 組織内弁護士における規律
 (自由と独立)
第五十条 官公署又は公私の団体(弁護士法人を除く。以下これらを合わせて「組織」という)において職員若しくは使用人となり、 又は取締役、理事その他の役員となっている弁護士(以下「組織内弁護士」という)は、弁護士の使命及び弁護士の本質である自由と 独立を自覚し、良心に従って職務を行うように努める。
 (違法行為に対する措置)
第五十一条 組織内弁護士は、その担当する職務に関し、その組織に属する者が業務上法令に違反する行為を行い、又は行おうとしている ことを知ったときは、 その者、自らが所属する部署の長又はその組織の長、取締役会若しくは理事会その他の上級機関に対する説明又は 勧告その他のその組織内における適切な措置をとらなければならない。

第六章 事件の相手方との関係における規律
 (相手方本人との直接交渉)
第五十二条 弁護士は、相手方に法令上の資格を有する代理人が選任されたときは、正当な理由なく、その代理人の承諾を得ないで直接 相手方と交渉してはならない。
 (相手方からの利益の供与)
第五十三条 弁護士は、受任している事件に関し、相手方から利益の供与若しくは供応を受け、又はこれを要求し、若しくは約束をしてはならない。
 (相手方に対する利益の供与)
第五十四条 弁護士は、受任している事件に関し、相手方に対し、利益の供与若しくは供応をし、又は申込みをしてはならない。

第七章   共同事務所における規律
 (遵守のための措置)
第五十五条 複数の弁護士が法律事務所(弁護士法人の法律事務所である場合を除く)を共にする場合(以下この法律事務所を「共同 事務所」という)において、その共同事務所に所属する弁護士(以下「所属弁護士」という)を監督する権限のある弁護士は、所属 弁護士がこの規程を遵守するための必要な措置をとるように努める。
 (秘密の保持)
第五十六条 所属弁護士は、他の所属弁護士の依頼者について執務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らし、又は利用してはならない。 その共同事務所の所属弁護士でなくなった後も、同様とする。
 (職務を行い得ない事件)
第五十七条 所属弁護士は、他の所属弁護士(所属弁護士であった場合を含む)が、第二十七条又は第二十八条の規定により職務を行い 得ない事件については、職務を行ってはならない。ただし、職務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。
 (同前ー受任後)
第五十八条 所属弁護士は、事件を受任した後に前条に該当する事由があることを知ったときは、 速やかに、依頼者にその事情を告げて、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
 (事件情報の記録等)
第五十九条 所属弁護士は、職務を行い得ない事件の受任を防止するため、他の所属弁護士と共同して、取扱い事件の依頼者、相手方及 び事件名の記録その他の措置をとるように努める。
 (準用)
第六十条 この章の規定は、弁護士が外国法事務弁護士と事務所を共にする場合に準用する。この場合において、第五十五条中「複数の 弁護士が」とあるのは「弁護士及び外国法事務弁護士が」と、「共同事務所に所属する弁護士(以下「所属弁護士」という。)」とある のは「共同事務所に所属する外国法事務弁護士(以下「所属外国法事務弁護士)という。)」と、「所属弁護士が」とあるのは「所属 外国法事務弁護士が」と、第五十六条から第五十九条までの規定中「他の所属弁護士」とあるのは「所属外国法事務弁護士」と、 第五十七条中「第二十七条又は第二十八条」とあるのは「外国特別会員基本規程第三十条の二において準用する第二十七条又は第二十八条」と 読み替えるものとする。

 第八章   弁護士法人における規律
 (遵守のための措置)
第六十一条 弁護士法人の社員である弁護士は、その弁護士法人の社員又は使用人である弁護士(以下「社員等」という)及び使用人で ある外国法事務弁護士がこの規程を遵守するための必要な措置をとるように努める。
 (秘密の保持)
第六十二条 社員等は、その弁護士法人、他の社員等又は使用人である外国法事務弁護士の依頼者について執務上知り得た秘密を正当な 理由なく他に漏らし、又は利用してはならない。社員等でなくなった後も、同様とする。
 (職務を行い得ない事件)
第六十三条 社員等(第一号及び第二号の場合においては社員等であった者を含む)は、次に掲げる事件については、職務を行っては ならない。ただし、第四号に掲げる事件については、その弁護士法人が受任している事件の依頼者の同意がある場合は、この限りでない。
一 社員等であった期間内に、その弁護士法人が相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件であって、自らこれに関与したもの
二 社員等であった期間内に、その弁護士法人が相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものであって、自らこれに関与したもの
三 その弁護士法人が相手方から受任している事件
四 その弁護士法人が受任している事件(当該社員等が自ら関与しているものに限る)の相手方からの依頼による他の事件
 (他の社員等との関係で職務を行い得ない事件)
第六十四条 社員等は、他の社員等が第二十七条、第二十八条又は第六十三条第一号若しくは第二号のいずれかの規定により職務を行い得ない事件については、職務を行ってはならない。ただし、職務の公正を保ち得る事由が あるときは、この限りでない。
2   社員等は、使用人である外国法事務弁護士が外国特別会員基本規程第三十条の二において準用する第二十七条、第二十八条又は第六十三条第一号若しくは 第二号のいずれかの規定により職務を行い得ない事件については、職務を行ってはならない。 ただし、職務の公正を保ち得る事由があるときは、この限りでない。
 (業務を行い得ない事件)
第六十五条 弁護士法人は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない。ただし、第三号に規定する事件については受任している事件の依頼者の同意がある場合及び第五号に規定する事件についてはその職務を行い得ない社員がその 弁護士法人の社員の総数の半数未満であり、かつ、その弁護士法人に業務の公正を保ち得る事由がある場合は、この限りでない。
一   相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二   相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三   受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
四   社員等又は使用人である外国法事務弁護士が相手方から受任している事件五 社員が第二十七条、第二十八条又は第六十三条第一号若しくは第二号のいずれかの規定により職務を行い得ない事件
 (同前)
第六十六条 弁護士法人は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その業務を行ってはならない。 ただし、第一号に掲げる事件についてその依頼者及び相手方が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一   受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件
二   依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件
三   依頼者の利益とその弁護士法人の経済的利益が相反する事件
 (同前ー受任後)
第六十七条 社員等は、事件を受任した後に第六十三条第三号の規定に該当する事由があることを知ったときは、速やかに、依頼者にその事情を告げ、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
2 弁護士法人は、事件を受任した後に第六十五条第四号又は第五号の規定に該当する事由があることを知ったときは、速やかに、依頼者にその事情を告げ、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。
 (事件情報の記録等)
第六十八条 弁護士法人は、その業務が制限されている事件を受任すること及びその社員等若しくは使用人である外国法事務弁護士が 職務を行い得ない事件を受任することを防止するため、その弁護士法人、社員等及び使用人である外国法事務弁護士の取扱い事件の 依頼者、相手方及び事件名の記録その他の措置をとるように努める。
 (準用)
第六十九条 第一章から第三章まで(第十六条、第十九条、第二十三条及び第三章中第二節を除く)第六章及び第九章から第十二章までの規定は弁護士法人に準用する。

第九章   他の弁護士との関係における規律
 (名誉の尊重)
第七十条 弁護士は他の弁護士、弁護士法人及び外国法事務弁護士(以下弁護士等という)との関係において、相互に名誉と信義を重んじる。
 (弁護士に対する不利益行為)
第七十一条 弁護士は、信義に反して他の弁護士等を不利益に陥れてはならない。
 (他の事件への不当介入)
第七十二条 弁護士は、他の弁護士等が受任している事件に不当に介入してはならない。
 (弁護士間の紛議)
第七十三条 弁護士は、他の弁護士等との間の紛議については、協議又は弁護士会の紛議調停による円満な解決に努める。

第十章   裁判の関係における規律
 (裁判の公正と適正手続)
第七十四条 弁護士は、裁判の公正及び適正手続の実現に努める。
 (偽証のそそのかし)
第七十五条 弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。
 (裁判手続の遅延)
第七十六条 弁護士は、怠慢により又は不当な目的のため、裁判手続を遅延させてはならない。
 (裁判官等との私的関係の不当利用)
第七十七条 弁護士は、その職務を行うに当たり、裁判官、検察官その他裁判手続に関わる公職にある者との縁故その他の私的関係があることを不当に利用してはならない。

第十一章 弁護士会との関係における規律
 (弁護士法等の遵守)
第七十八条 弁護士は、弁護士法並びに本会及び所属弁護士会の会則を遵守しなければならない。
 (委嘱事項の不当拒絶)
第七十九条 弁護士は、正当な理由なく、会則の定めるところにより、本会、所属弁護士会及び所属弁護士会が弁護士法 第四十四条の規定により設けた弁護士会連合会から委嘱された事項を行うことを拒絶してはならない。

第十二章 官公署との関係における規律
 (委嘱事項の不当拒絶)
第八十条 弁護士は、正当な理由なく、法令により官公署から委嘱された事項を行うことを拒絶してはならない。
 (受託の制限)
第八十一条 弁護士は、法令により官公署から委嘱された事項について、職務の公正を保ち得ない事由があるときは、 その委嘱を受けてはならない。

第十三章 解釈適用指針
 (解釈適用指針)
第八十二条 この規程は、弁護士の職務の多様性と個別性にかんがみ、その自由と独立を不当に侵すことのないよう、 実質的に解釈し適用しなければならない。第五条の解釈適用に当たって、刑事弁護においては、被疑者及び被告人の 防御権並びに弁護人の弁護権を侵害することのないように留意しなければならない。
2 第一章並びに第二十条から第二十二条まで、第二十六条、第三十三条、第三十七条第二項、第四十六条から 第四十八条まで、第五十条、第五十五条、第五十九条、第六十一条、第六十八条、第七十条、第七十三条及び 第七十四条の規定は、弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めたものとして解釈し適用しなければならない。
 附則
この規程は、平成17年4月1日から施行する 
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。