二回試験の不合格者数及び不合格率等

第0 目次

第1  二回試験の不合格者数及び不合格率(再受験者を除く。)
第2  二回試験の科目別不合格者数
第3  二回試験再受験者の不合格率の推移
第4  二回試験に3回落ちた人(=三振した人)の数
第5  二回試験の不合格答案の概要
第6  二回試験落ちにつながる答案
第7  綴りミスが原因で二回試験に落ちた人の数
第8  平成26年度裁判所職員採用試験でミスがあったこと等
第9  67期二回試験に関する不祥事
第10 第69期司法修習生考試の不合格者受験番号の掲示
第11 実務修習及び集合修習の成績が二回試験の合否にどのような影響を与えるかが分かる文書
第12 大学入試における試験問題及び解答例の公表

*0 70期の場合,裁判所HPの「司法研修所」から「司法修習生考試の結果について(平成29年12月12日午後4時更新)」(69期の場合と同じアドレス)へのリンクが張られ,そこに,「平成28年度(第70期)司法修習生考試不合格者受験番号」が掲載されました。
*1 以下の記事も参照してください。
① 二回試験(司法修習生考試)
② 二回試験(司法修習生考試)の応試心得
③ 二回試験等の日程
④ 二回試験不合格時の取扱い,及び弁護士資格認定制度
⑤ 旧司法試験,司法修習及び二回試験の成績分布及び成績開示
⑥ 司法研修所
⑦ 司法修習生の欠席,罷免及び逮捕並びに民間労働者との比較
*2 以下の資料を掲載しています。
① 平成26年度司法修習生考試の会場借用等業務に関する賃貸借契約書(新梅田研修センター)
② 司法研修所会場用の司法修習生考試事務要領(69期二回試験)1/52/53/54/55/5
③ 大阪会場用の司法修習生考試事務要領(69期二回試験)1/52/53/54/55/5
*3 アディーレ法律事務所HPの「修習生に贈る”もう一つの二回試験対策”」に,二回試験落ちを経験した3人の弁護士の体験談が載っています。
*4 二回試験対策として,弁護士法人アディーレ法律事務所に所属していた柴田孝之弁護士(現在は三重弁護士会所属)の「二回試験対策講座」を利用してもいいのかもしれません。
   なお,柴田孝之弁護士は,平成28年11月19日以降,三重県三重郡菰野町(こものちょう)の町議会議員をしています(菰野町HPの「議員名簿一覧」参照)。
*5 地方ロー未修生が一発合格したブログ「司法試験に落ちる人の特徴」(平成29年9月25日の記事)が載っています。
*6 法務省の法曹養成制度改革連絡協議会(第1回協議会は平成27年12月14日)における第6回協議会(平成29年2月8日開催)「司法修習生採用者数・考試(二回試験)不合格者数」に,58期ないし69期二回試験の不合格者数等が載っています。
*7 「司法修習生考試に不合格となった者を再び採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書」としては,「司法修習生採用選考審査基準(平成28年6月1日付け)」以外に存在しません(平成29年度(最情)答申第38号(平成29年10月2日答申))。
*8 70期二回試験の場合,平成30年2月15日に成績が届いたみたいです(公認会計士有資格者jijiたんブログ「司法修習,二回試験の成績表 到着」参照)。
*10 法務の樹海ブログ(ブログ主は71期司法修習生)に「司法修習備忘録②私の二回試験対策 」及び「司法修習備忘録③二回試験当日の行動」が載っています。
平成29年度(第71期)司法修習生考試不合格者受験番号
第69期司法修習生考試の不合格者受験番号の掲示について
第69期司法修習生考試の不合格者受験番号の掲示に関する設営について
69期二回試験不合格者名簿(個人識別情報は黒塗りです。)

第1 二回試験の不合格者数及び不合格率(再受験者を除く。)

○60期以降の二回試験不合格者数及び不合格率は,再受験者を除き,以下のとおりです。
 
1 現行60期の応試者1453人のうち,不合格者数は 67人だから,不合格率は4.61%
      新 60期の応試者 986人のうち,不合格者数は 59人だから,不合格率は5.98%
 
2 現行61期の応試者 569人のうち,不合格者数は 20人だから,不合格率は3.51%
      新 61期の応試者1811人のうち,不合格者数は101人だから,不合格率は5.58%
 
3 現行62期の応試者 263人のうち,不合格者数は  9人だから,不合格率は3.42%
      新 62期の応試者2044人のうち,不合格者数は 70人だから,不合格率は3.42%
 
4 現行63期の応試者 148人のうち,不合格者数は 12人だから,不合格率は8.11%
      新 63期の応試者2016人のうち,不同格者数は 85人だから,不合格率は4.22%
 
5 現行64期の応試者 102人のうち,不合格者数は 10人だから,不合格率は9.80%
      新 64期の応試者2024人のうち,不合格者数は 56人だから,不合格率は2.77%
 
6 現行65期の応試者  74人のうち,不合格者数は  5人だから,不合格率は6.76%
      新 65期の応試者1995人のうち,不合格者数は 38人だから,不合格率は1.90%
 
7   66期の応試者2031人のうち,不合格者数は 39人だから,不合格率は1.92%
 
8   67期の応試者1972人のうち,不合格者数は 38人だから,不合格率は1.93%
 
9   68期の応試者1758人のうち,不合格者数は 30人だから,不合格率は1.71%

10   69期の応試者1784人のうち,不合格者数は 52人だから,不合格率は2.91%
→ 応試者数は,69期二回試験の全体の応試者1816人から,68期二回試験の初回受験の不合格者30人及び2回目受験の不合格者2人を控除することで計算できます(平成28年11月27日現在の司法修習生配属現員表の「配属無し」は32人です。)
   不合格者数は,全体の不合格者数54人から,二回目受験の不合格者数2人を控除することで計算できます。

11   70期の応試者1527人のうち,不合格者数は 15人だから,不合格率は0.98%
→ 応試者数は,70期二回試験の全体の応試者1579人から,69期二回試験の初回受験の不合格者51人及び2回目受験の不合格者1人を控除することで計算できます(平成29年11月27日現在の司法修習生配属現員表の「配属無し」は52人ですから,1人は再受験しなかったこととなります。)。
   不合格者数は,全体の不合格者数16人から,二回目受験の不合格者数2人を控除することで計算できます。

12   71期の応試者1517人のうち,不合格者数は 15人だから,不合格率は0.99%
→ 応試者数は,71期二回試験の全体の応試者1533人から,70期二回試験の初回受験の不合格者15人及び2回目受験の不合格者1人を控除することで計算しています(平成30年11月27日現在の司法修習生配属現員表には「配属無し」の記載がないです。)。
   不合格者数は,全体の不合格者数16人から,二回目受験の不合格者数1人を控除することで計算できます。

* 2二回目受験の不合格者は,司法修習生考試委員会議事録において,「今回の考試不合格によって,次回の考試が3回目の受験となる応試者」と記載されています。

第2 二回試験の科目別不合格者数

   二回試験の科目別不合格者数は,再受験者(=2回目又は3回目の受験者)を含めて,以下のとおりです(「旧司法試験,司法修習及び二回試験の成績分布及び成績開示」参照)。

1 現行60期二回試験の場合,民事裁判で22人,刑事裁判で19人,検察で 5人,民事弁護で34人,刑事弁護で 9人が不可となりました。
      新 60期二回試験の場合,民事裁判で20人,刑事裁判で26人,検察で 4人,民事弁護で32人,刑事弁護で17人が不可となりました。

2 現行61期二回試験の場合,民事裁判で 7人,刑事裁判で12人,検察で12人,民事弁護で10人,刑事弁護で 8人が不可となりました。
      新 61期二回試験の場合,民事裁判で33人,刑事裁判で34人,検察で16人,民事弁護で39人,刑事弁護で 9人が不可となりました。

3 現行62期に回試験の場合,民事裁判で 7人,刑事裁判で 5人,検察で 5人,民事弁護で7人,刑事弁護で6人が不可となりました。
      新 62期二回試験の場合,民事裁判で24人,刑事裁判で15人,検察で26人,民事弁護で11人,刑事弁護で 9人が不可となりました。

4 現行63期二回試験の場合,民事裁判で11人,刑事裁判で12人,検察で 9人,民事弁護で 1人,刑事弁護で 6人が不可となりました。
      新 63期二回試験の場合,民事裁判で25人,刑事裁判で23人,検察で36人,民事弁護で 4人,刑事弁護で 6人が不可となりました。

5 現行64期二回試験の場合,民事裁判で 6人,刑事裁判で 5人,検察で 2人,民事弁護で 3人,刑事弁護で10人が不可となりました。
      新 64期二回試験の場合,民事裁判で11人,刑事裁判で19人,検察で13人,民事弁護で 1人,刑事弁護で19人が不可となりました。

6 現行65期二回試験の場合,民事裁判で 2人,刑事裁判で 0人,検察で 3人,民事弁護で 0人,刑事弁護で 0人が不可となりました。
      新 65期二回試験の場合,民事裁判で14人,刑事裁判で12人,検察で12人,民事弁護で 2人,刑事弁護で 0人が不可となりました。

7 66期二回試験の場合,民事裁判で11人,刑事裁判で13人,検察で17人,民事弁護で 1人,刑事弁護で 6人が不可となりました。

8 67期二回試験の場合,民事裁判で21人,刑事裁判で15人,検察で 6人,民事弁護で 3人,刑事弁護で 1人が不可となりました。

9 68期二回試験の場合,民事裁判で 5人,刑事裁判で10人,検察で12人,民事弁護で 8人,刑事弁護で 2人が不可となりました。

10 69期二回試験の場合,民事裁判で 5人,刑事裁判で 4人,検察で 4人,民事弁護で41人,刑事弁護で 2人が不可となりました。
→ 外部ブログの「69期司法修習生二回試験 不合格者54人中41人が民弁で不可」に掲載されています。

11 70期二回試験の場合,民事裁判で 4人,刑事裁判で 1人,検察で 5人,民事弁護で 5人,刑事弁護で 1人が不可となりました。

12 71期二回試験の場合,民事裁判で 2人,刑事裁判で 2人,検察で 7人,民事弁護で 3人,刑事弁護で 1人が不可となりました。

第3 二回試験再受験者の不合格率の推移

  二回試験の再受験者(=2回目又は3回目の受験者)の不合格率の推移は以下のとおりです。

1 現行60期二回試験における再受験者の場合,応試者15人のうち,不合格者は 4人だから,不合格率は26.67%
      新 60期二回試験における再受験者の場合,応試者69人のうち,不合格者は17人だから,不合格率は24.64%

2 現行61期二回試験における再受験者の場合,応試者73人のうち,不合格者は13人だから,不合格率は17.81%
      新 61期二回試験における再受験者の場合,応試者33人のうち,不合格者は12人だから,不合格率は36.36%

3 現行62期二回試験における再受験者の場合,応試者114人のうち,不合格者は14人だから,不合格率は12.28%
      新 62期二回試験における再受験者の場合,応試者23人のうち,不合格者は 5人だから,不合格率は21.74%

4 現行63期二回試験における再受験者の場合,応試者75人のうち,不合格者は16人だから,不合格率は21.33%
      新 63期二回試験における再受験者の場合,応試者23人のうち,不合格者は 5人だから,不合格率は21.74%

5 現行64期二回試験における再受験者の場合,応試者83人のうち,不合格者は14人だから,不合格率は16.87%
      新 64期二回試験における再受験者の場合,応試者23人のうち,不合格者は 0人だから,不合格率は0%(2回目受験者10人及び3回目受験者13人は全員が合格)

6 65期二回試験における再受験者の場合,応試者57人のうち,不合格者は 3人だから,不合格率は5.26%(うち,2回目受験者57人は3人が不合格者)(3回目受験者は0人)

7 66期二回試験における再受験者の場合,応試者46人のうち,不合格者は 4人だから,不合格率は8.70%(うち,2回目受験者44人は4人が不合格,3回目受験者2人は全員合格)

8 67期二回試験における再受験者の場合,応試者43人のうち,不合格者は 4人だから,不合格率は9.30%(うち,2回目受験者40人は4人が不合格,3回目受験者3人は全員合格)

9 68期二回試験における再受験者の場合,応試者41人のうち,不合格者は 3人だから,不合格率は7.32%(うち,2回目受験者38人は2人が不合格,3回目受験者3人は1人が不合格

10 69期二回試験における再受験者の場合,応試者32人のうち,不合格者は 2人だから,不合格率は6.25%(うち,2回目受験者30人は1人が不合格,3回目受験者2人は1人が不合格
→ 平成28年11月27日現在の司法修習生配属現員表の「配属無し」は32人です。

11 70期二回試験における再受験者の場合,応試者52人のうち,不合格者は 1人だから,不合格率は1.92%(うち,2回目受験者51人は1人が不合格,3回目受験者1人は合格)
→ 平成29年11月27日現在の司法修習生配属現員表の「配属無し」は52人です。

12 71期二回試験における再受験者の場合,応試者16人のうち,不合格者は 1人だから,不合格率は6.25%(うち,2回目受験者15人は1人が不合格,3回目受験者1人は合格)
→ 平成30年11月27日現在の司法修習生配属現員表には「配属無し」の記載がないため,応試者数は推測です。

第4 二回試験に3回落ちた人(=三振した人)の数

1(1)  67期二回試験が終了した後の平成27年1月時点でいうと,二回試験に3回落ちた人(=三振した人)の数は,①59期が1人,②現行60期が1人,③新60期が1人,④新61期が2人,⑤新62期が4人です(平成27年3月11日付の事務連絡参照)。
(2) 平成29年7月4日付の開示文書によれば,同日時点でも,66期までの二回試験に関する資料しか作成されていないみたいです。
(3)ア 68期二回試験で三振確定者が1人,69期二回試験で三振確定者が1人出ていることから,66期及び67期で1人ずつ三振者が出ているかも知れません。
イ 70期及び71期二回試験では,三振確定者は出ていません。
 
2(1)ア 二回試験の三振者のブログとして,「二回試験三振者が弁護士になるまでの道」(最初の記事は平成23年8月12日です。)があります。
   ブログ主につき,①平成21年12月の新62期の二回試験の不合格発表,②平成22年8月の現行63期の二回試験の不合格発表及び③平成22年12月の新63期の二回試験の不合格発表の結果,三振確定者となっていると仮定した場合,ブログ主は新62期となります。
イ 現行64期の二回試験不合格発表は平成23年8月23日でした(シュルジーブログの「【続報】現行64期二回試験結果」参照)から,二回試験の三振者のブログが開設された後の話です。
(2) 同ブログの「二回試験及び司法研修所の情報公開について」によれば,平成23年8月当時,二回試験に3回落ちた人の数は公表されていなかったみたいです。
 
3(1) 二回試験に三振した場合であっても,7年以上,「弁護士法5条2号イが定めるところの」企業法務に従事した場合,弁護士登録ができます(「二回試験不合格時の取扱い,及び弁護士資格認定制度」参照)。
(2) 弁護士資格認定制度を利用するための企業法務の内容としては, ①契約書案等の作成,②裁判手続等のための事実関係の確認,③訴状の作成,④主張等の陳述又は尋問,⑤和解交渉等が必要となります(弁護士法5条2号イ参照)。
(3) ブログ主が平成22年12月の三振確定直後から企業法務に従事していた場合,平成30年度に日弁連が実施する指定研修を受講することで弁護士となる資格を付与してもらえるかもしれません。
平成27年3月11日付の司法行政文書開示通知書
二回試験に3回落ちた人の数(59期~新62期)
司法修習生考試に関する資料(59期ないし66期)

第5 二回試験の不合格答案の概要

〇最高裁判所事務総局が作成した,平成20年7月15日付の「新第60期司法修習生考試における不可答案の概要」によれば,不合格答案に現れた問題点は以下のとおりです。
   ただし,平成29年5月12日付の司法行政文書不開示通知書によれば,新61期以降の司法修習生考試における不可答案の概要が分かる文書は存在しません。
 
1 民事系科目
(1) 民法等の基本法における基礎的な事項についての論理的、体系的な理解不足に起因するとみられる例
○ 「代位」という民法の基本概念及びこれに基づく債権者代位訴訟の構造(被保全債権である貸金債権が譲渡されると原告適格に影響を及ぼすこと)を理解していないもの
○ 民法の基本概念である「相殺」について、債務消滅原因として主張されている相殺(民法第505条)の効果を全く理解しないまま、相殺の抗弁により反対債権と引換給付の効果が生じるにとどまる旨説明したもの
○ 売買契約に際し、解約手付として手付金を支払ったことが記録上明らかであるところ、「解約手付」とは手付金の支払によって手付解除を可能にするものであり、契約法の基本概念として修習中にも十分な指導をしているにもかかわらず、その手付金の支払自体が「履行(の)着手」(民法第557条第1項)に該当するから手付解除ができなくなる旨説明したもの
○ 被告の反論に応じて、主張立証責任を負うべき原告の立場から事実に基づき法律構成を示した再反論が求められているのに、民法上の典型論点である債務不履行責任と瑕疵担保責任の区別ができていないなどのため、単に被告の主張に対する事実の反論を羅列するにとどまり、法律構成に結び付けることができていなかったもの
(2) 事実認定等の基本的な考え方が身に付いていないことが明らかである例
○ 事案において最も重要な書証である借入誓約書に全く触れなかったり、同借入誓約書の真正な成立は認められないと判断しながら、他方でその内容は信用できるとして、この書証を認定の根拠としたもの
○ 重要な間接事実をほとんど挙げることができなかったもの
○ 客観的証拠に着目せず、供述の信用性を吟味しないまま、安易に一方の供述のみに依拠して事実を認定したもの
○ 最終準備書面の起案を求められているのに、これまで自ら全く主張していなかった事実を証拠に基づかず記載したもの
(3) 一般社会通念や社会常識に対する理解ができていない例
○ 2年間有償で買い猫を預かる契約の内容には「猫を生存させたまま返還するまでの債務は含まれない。」との独自の考えに基づき、「猫を死亡させても返還債務の履行不能にはならない」と論じたもの
○ 「実兄が弟に対して保証することはあまりない。」などと、独断的な経験則を平然と記載したもの
 
2 刑事系科目
(1) 刑法等の基本法における基礎的な事項についての論理的、体系的な理解不足に起因するとみられる例
○ 刑法の重要概念である「建造物」や「焼損」の理解が足りずに、放火の媒介物である布(カーテン)に点火してこれを燃焼させた事実を認定したのみで、現住建造物等放火罪の客体である「建造物」が焼損したかどうかを全く検討しないで「建造物の焼損」の事実を認定したもの
○ 判決宣告期日における弁護人の出頭の要否、立証趣旨の明示、目撃者が犯行状況を写真に撮影した場合及び警察官が被害者の被害再現状況を写真に撮影した場合のそれぞれにおける「写真」の証拠能力といった日常的に生起する刑事訴訟の基本的事柄に関する理解が明らかに不足しているもの
(2) 事実認定等の基本的な考え方が身に付いていないことが明らかである例
○ 放火犯人が被告人であるかどうかが争点の事案で、「被告人は犯行を行うことが可能であった」といった程度の評価しかしていないのに、他の証拠を検討することなく、短絡的に被告人が放火犯人であると結論付けるなど、「疑わしきは被告人の利益に」の基本原則が理解できていないと言わざるを得ないもの
○ 事実認定の重要な手法である間接事実から要証事実を推認することができるかどうかの判断過程が見に付いておらず、記録上当然検討しなければならない重要な間接事実に触れなかったり、自己の採る結論に沿わない間接事実について全く論及しなかったり、一応の論及はあるがその検討が極めて不十分であったもの
○ 刑事弁護人の立場を踏まえた柔軟な思考ができずに、被告人が一貫して犯行を否認し、詳しいアリバイを主張しているのに、被告人の主張を無視してアリバイに関する主張をまったくしないもの(さらには被告人のアリバイ供述は信用できないとして、依頼者である被告人の利益に反する弁論をしたもの)、証拠関係の評価をほとんどしていなかったり、証拠に基づいた主張をしていないもの

第6 二回試験落ちにつながる答案

◯下記1記載のHP及びブログによれば,二回試験落ちにつながる答案は下記2のとおりです。ただし,71期二回試験以降,5分間の綴込み時間が設定された(「平成29年度(第71期)司法修習生考試の答案作成等について」(平成30年8月1日付)参照)ことから,綴りミス関係の記載は削除しました。
記1
① 1回で三回試験合格を目指すブログ「二回試験やっちゃいけないことリスト」
② 実験農場-Life is Joke-ブログ「二回試験についての若干のアドバイス」
③ 司法修習ナビゲーションHP「恐怖の二回試験」「これをやると落ちる」
④ 静かに海は広がるブログ「司法修習について(二回試験~注意事項まとめ)」
⑤ togetter.com「二回試験及び白表紙起案についての覚書」
⑥ 法務の樹海ブログ「二回試験対策とNG行動 」(平成30年12月11日付)

記2
0 総論
① 名前書き忘れ
② 途中答案
③ 問題文の読み違い
→ 大事な部分にアンダーラインを引いておいた方がいいです。
      また,答案を書き始める直前にもう一度読んだ方がいいです。
④ 時間ギリギリまで起案し続けたり,何度も差し替えを行ったりする。
→ 綴りこまれた用紙の順番が無茶苦茶になる可能性があります。
⑤ とんでもないことのひらめき
→ みんなが書きそうなことを書くべきであって,それ以外のことは,何かひらめいてそれが正しそうだとしても軽く触れる程度の方がいいと思います。
⑥ 客観的証拠や記録上当然に言及しなければならない重要な間接事実に言及しない。
⑦ 独断的な経験則を平然と記載する。
⑧ 事実と評価を混ぜて書く。
 
1 民裁
① 訴訟物を間違える。
② 最も重要な書証(例えば,直接証拠に該当する類型的信用文書)に言及しない。
③ 「事例で考える民事事実認定」で整理されている「争いのない事実」等の固い事実をまともに書かない。
④ 従前の口頭弁論期日調書において既に撤回された請求や主張について記載する。

2 刑裁
① 無罪判決を書く。
② 被告人の供述が信用できないことを主たる理由として有罪判決を書く。
③ 被告人の供述を無視する。
④ 記録上,検察官及び弁護人が重視している事実を無視する。
⑤ 要証事実又は重要な間接事実について,直接証拠となる供述の信用性を一切検討しない。

3 検察
① 不起訴裁定書を書く。
② 起訴罪名を大間違いする。
③ 「検察終局処分起案の考え方」で示されているルールを無視する。

4 民弁
① 原告代理人と被告代理人を勘違いする。
② 最終準備書面の起案において,これまで全く自ら主張していなかった事実を証拠に基づかずに記載する。
③ 最も重要な書証(例えば,直接証拠に該当する類型的信用文書)に言及しない。
④ 相手方の主張に対する反論を書かない。
⑤ 民裁と同じように書く。
 
5 刑弁
① 被告人が無罪を主張しているのに,有罪であることを前提とする弁論要旨を書く。
② 認定落ちの有罪事案であるのに,無罪の弁論要旨を書く。
③ 被告人のアリバイを無視してアリバイに関する主張をしない。
→ ①ないし③の事態を招くことがないよう,被疑者の言い分を熟読する必要があります。
④ 証拠関係の評価をほとんどしない。
⑤ 刑裁と同じように書く。

第7 綴りミスが原因で二回試験に落ちた人の数

1(1) 新62期のほか,64期以降について,綴りミスが原因で二回試験に落ちた人の数は以下のとおりです(新旧63期については資料がないため,不明です。)。
新62期:3人(平成22年3月1日の第16回司法修習委員会議事録2頁)
現行64期:刑弁で1人
新 64期:刑裁で1人
65期:0人
66期:民裁で1人,刑弁で1人
67期:0人
68期:0人
69期:民弁で1人
70期:0人
(2) 69期二回試験応試心得の「第2 重要事項」には以下の記載があります。
   答案は,試験監督者による講試時間終了宣言時に,答案用紙等の一番上に答案表紙を重ねた上,綴りひもで散逸しないよう結ぶことまで完了しているもののみ有効なものとして回収する。
   考試時間終了宣言後の答案用紙等の綴り込み,綴り直し,挟み込み等は,一切認めない。

2 笠井之彦司法研修所事務局長は,平成22年3月1日の第16回司法修習委員会において以下の説明をしています。
   答案の綴り込みの問題が上げられるので,その取扱いについて御説明する。
   二回試験の答案は,答案用紙等を綴りひもで綴り込んだ上で提出するという方式がとられている。考試終了の合図があった時点で,綴りひもが結ばれていない答案,それから綴りひもによって綴り込まれていない答案用紙は答案としての回収はされず,無効とされる扱いになっている。このような取扱いは,答案用紙の散逸を避けるとともに,終了後の答案用紙の挟み込み等を防止して試験の公正・公平の確保等を図るために必要な措置であるところ,事前に配布される「司法修習生考試応試心得」に太字で明確に記載されているほか,事務連絡文書も別に配布されており,当日も,試験の開始前,その後の綴りひもの配布時,試験終了の15分前及び5分前の4回にわたって注意するなどしており,修習生に対する周知も十分になされている。しかし,新62期においても,考試終了時に答案の綴りひもが結ばれていなかったということで答案としての提出が認められず,結果として不可の判定になった者が3名いた。

3 71期以降の二回試験の場合,試験時間の最後の5分間は紐を綴る時間となりました(司法修習生考試実施要領(平成30年7月2日最終改正)2(5)「各科目6時間30分とし,このうち,答案起案を6時間25分,答案綴込を5分とする。」,及び「平成29年度(第71期)司法修習生考試の答案作成等について」(平成30年8月1日付)参照)。

第8 平成26年度裁判所職員採用試験でミスがあった結果,24人が誤って不合格になったこと等

職員の非違行為について(平成26年11月14日付の最高裁判所人事局長報告)及び平成26年11月19日付の懲戒処分書,処分説明書及び受領書(各2通)を掲載しています。

平成26年10月3日の産経ニュースには,以下のとおり書いてあります。

記事のタイトル
   裁判所職員試験でミス、24人不合格に 最高裁が受験生に謝罪

記事の本文
   最高裁は3日、平成26年度の裁判所職員採用試験で採点処理にミスがあり、24人を誤って不合格としていたと発表した。最高裁は受験生に謝罪。本来、総合職2次試験に合格していたはずの17人については今後、追加で3次試験を行うほか、別の7人は併願していた一般職試験で追加合格とした。

  最高裁によると、ミスがあったのは、大卒程度を対象とした総合職2次試験。6月1日に実施した憲法の記述式試験について、成績順の一覧表を作成した際、得点の入力を誤ったという。9月29日に受験生から最高裁に問い合わせがあり、ミスが発覚した。
  2次試験は受験した159人のうち13人が通過。3次試験を経て、8月8日に3人が最終合格した。最終合格の取り消しはしない。
  最高裁の堀田真哉人事局長は「受験生の皆様に迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます。正確な試験事務の実施という観点から、事務のあり方を洗い直し、再発防止に努めたい」としている。

在任中に死亡した司法研修所教官の出勤状況が分かる文書は存在しないこと
   裁判所職員採用試験HPに掲載されている,50期の鈴木千帆裁判官のメッセージには,「裁判所は,ひとりひとりを大切にする組織です。」と書いてあります。
   しかし,42期の花村良一司法研修所民事裁判上席教官は,平成28年9月29日に死亡しましたところ,死亡した月の出勤状況が分かる文書は存在しないことになっています平成28年11月4日付の司法行政文書不開示通知書平成28年12月2日付の最高裁判所事務総長の理由説明書及び平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申)参照)。

第9 67期二回試験に関する不祥事 

○二回試験の事務委託に関する契約書等は「二回試験(司法修習生考試)」に載せていますところ,67期二回試験は株式会社ヒューマントラストが2782万円7618円で受注したものの,68期以降は株式会社全国試験運営センター(河合塾グループの企業です。)が受注するようになりました(68期二回試験の受注額は3831万463円です。)。
○「司法修習生が取り扱う裁判修習関連の情報のセキュリティ対策について」(平成20年12月25日付の司法研修所長通知)別紙第1(「司法修習生に関連する法規及び通達」参照)には,「万一,USBメモリを紛失した場合,ウィルス感染した場合は,直ちに報告を(報告の遅れは命取り!)」と書いてあります。
平成27年2月13日付の67期二回試験業務実施報告書(平成26年11月21日実施の刑事弁護関係のうち,第24試験室関係文書の抜粋)を掲載しています。
○ヒューマントラストは,最高裁に対し,平成27年2月13日付で報告書及び事実経緯報告書を提出していますが,中身は真っ黒です。
黒猫のつぶやきブログ「問われる二回試験実務の「丸投げ」」には以下の記載があります。

二回試験の試験監督事務では,他の国家試験と同様にアルバイトを使用しており,試験の公正さを確保するため,事務従事者はしっかり事前の研修を受ける必要があります。平成25年の二回試験では,概ね時給1200円から1500円くらいの給料が出ていたそうなのですが,平成26年には試験監督事務が人材派遣会社ヒューマントラストに委託され,二回試験監督のため最高裁から派遣された職員はわずか2人,そしてヒューマントラストの若手社員5人ほどが,約300人の登録アルバイトを仕切るという体制になり,アルバイトの給料も時給1050円に削減されました。
(中略)
このような背景の下で,二日目の「刑事弁護」科目のとき,問題の「事件」が発生しました。
当日,第24番の試験室に試験監督として2名のアルバイトが配置されましたが,事前の研修を受けていたアルバイトは男性監督1人だけで,もう一人は試験当日の朝に急遽呼び出された中年女性でした。女性の方は当然ながら仕事の要領が分からないため,男性監督が実質1人で作業をする破目になりました。
しかもその女性は,どうやら昼頃には仕事が終わるものと誤解していたらしく,昼過ぎになると
「私,帰りたいんですけど!」
と金切り声を上げて叫び始めました。
派遣会社の仕事というものは,具体的な仕事の内容や終業時間が前日に分かるならまだ良い方で,人手が足りないと当日飛び込みで仕事を依頼されることもありますから,こういう事態も時々起こり得るわけです。
もっとも,二回試験は午後も続きますから,当然その中年女性も帰ることはできません。そのまま時間が過ぎ,ちょうど試験が終わって答案を回収する頃になると,その女性もついにキレてしまいました。
「こんなに遅くまで仕事をするとは言ってない。私には予定があるんですっ」
女性はそう大声でわめくと,ついに仕事を放り出して試験室から出て行ってしまいました。残された1人の男性監督も「ちょっとアンタ待ちなさいよ!」と女性を追いかけてしまったため,問題の第24番試験室は試験終了後約1時間にわたり,試験監督がいない状態になってしまいました。
その後,連絡を受けたヒューマントラストの社員が駆けつけ,血相を変えて「封鎖,封鎖!」と叫ぶに至るまで,二回試験の答案は試験監督がいないまま,約1時間にわたり放置されることになりました。同試験室には修習生が何人か残っていたということであり,この混乱のおかげで「命拾い」をした修習生がいた可能性も否定できません。
この事態を受け,最高裁とヒューマントラストの職員は対応を協議しましたが,出された結論はアルバイトの職員に箝口令を敷いて事件の隠ぺいを図るという驚くべきもので,20代と思われる若いヒューマントラストの社員は,事件を目撃したアルバイトを個別に呼び,「ネットなんかに書くなよ。もし表に出たら,必ず犯人を探し出して,仕事の紹介を打ち切るからな!」などと恫喝していたそうです。
それでも週刊文春にこのような記事が載ったのは,そうしたアルバイトの中から内部告発者が出たからに他なりません。黒猫も,事案の性質上このような話をネット上のブログ記事に書いてよいか悩みましたが,この問題は法曹関係者のブログ等でも意外と話題にされておらず,まだ知らない人も多いと思われる一方,著作権法では時事問題に関する論説等の転載は認められており,また本件には法曹資格を判定する二回試験の公正さに疑義が挟まれるいう公益上重大な問題が含まれていることから,ブログでの言及をためらうべきではないとの結論に至りました。

第10 第69期司法修習生考試の不合格者受験番号の掲示

第69期司法修習生考試の不合格者受験番号の掲示に関する文書によれば,会場の設営等は以下のとおりです。
(1) 午後2時頃~
① 本館入口付近では,69期修習生に対し,西館へ向かうよう指示する掲示を行い,本館へは立入禁止となります(午後2時頃から掲示)。
② 午後2時頃から玄関内外に「写真撮影禁止」,「70期修習生立入禁止」等の貼り紙がされたり,電光掲示板に「午後4時から,この掲示板に不合格者の受験番号を掲示する。」旨が表示されたりします。
③ 午後3時50分頃までは,69期修習生がロビー内で待機することが認められています(寒さ,雨天対策)。
(2) 午後3時50分頃
   まもなく発表することが案内され,ロビーにいる69期修習生を玄関内に誘導した上で,自動扉が封鎖されます(以後,69期修習生が西館ロビー内に立ち入ることが禁じられます。)。
(3) 午後4時~ 
①  不合格者受験番号は,発表日当日午後4時から午後6時までの間,西館玄関の2台の電光掲示板に表示されます。
② 左右の電光掲示板には,同じ内容が表示されます。
③ 左右の電光掲示板の周囲には柵が設置されます。
(4) 午後6時
   電光掲示板における不合格者の受験番号の表示が終わります。

第11 実務修習及び集合修習の成績が二回試験の合否にどのような影響を与えるかが分かる文書

平成31年2月13日付の理由説明書には以下の記載があります。

(3) 最高裁判所の考え方及びその理由
ア 「実務修習及び集合修習の成績が二回試験の合否にどのような影響を与えるかが分かる文書(最新版) 」については,「裁判所法第67条第1項の試験の合否の決定に関し,実務修習及び集合修習の成績がどのような影響を与えるかについて分かる文書」と整理し,司法修習生考試実施要領(以下「本件対象文書」という。)を開示した。同文書には,司法修習生に関する規則第16条の定めに従い,司法研修所長が報告した修習成績と司法修習生考試の結果により,司法修習生考試委員会が試験の合否を決定する旨を定めており,それ以外に本件開示申出にかかる司法行政文書を作成又は取得すべき必要性はない。
イ よって,本件対象文書を開示した原判断は相当である。

第12 大学入試における試験問題及び解答例の公表

*11 平成31年度大学入学者選抜実施要項について(平成30年6月4日付の文部科学省高等教育局長の通知)の「第13 その他注意事項」には以下の記載があります。
2 入試情報の取扱い
(1) 個別学力検査における試験問題やその解答については、当該入試の実施以降に受験者や次年度以降の入学志願者が学習上参考にできるようにするため、次のとおり取り扱うものとする。
① 試験問題については、原則として公表するものとする。
② 解答については、原則として公表するものとする。ただし、一義的な解答が示せない記述式の問題等については、出題の意図又は複数の若しくは標準的な解答例等を原則として公表するものとする。
   なお、試験問題中の著作物の権利処理が困難である場合には、著作物名を明示すること等により問題の内容が明らかになるよう努める。
(2) 各大学は、受験者本人への成績開示や、入試方法の区分に応じた受験者数、合格者数、入学者数等の入試情報の積極的開示に努める。また、試験の評価・判定方法については、可能な限り情報開示に努める。
(3) 合格者の氏名や住所、調査書に記載された内容等、各大学が選抜を通じて取得した個人情報については、入学者選抜並びに必要に応じ入学後の学籍管理、学習指導及び学生支援関係業務において利用するものとし、外部への漏洩や目的外の利用等がないよう、その保護に十分留意しつつ、適正な取扱いに努める。
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。