裁判所職員の定員

第0 目次

第1 裁判所職員の定員の推移表(昭和26年以降)
第2 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
第3 判事の定員増員の理由
第4 判事及び判事補の実人数等の将来予測
第5 定数配布に関する文書は不開示情報に該当すること
第6 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
第7 衆議院法務委員会の付帯決議
第8 平成3年度からの判事補の増員

*1 「裁判所職員採用試験」も参照して下さい。
*2 平成13年4月当時の最高裁判所事務総局の考えが,首相官邸HPの「裁判所の人的体制の充実について(司法制度改革審議会からの照会に対する回答)」(平成13年4月16日付)に書いてあります。
   5頁には「現在の事件数を前提に,迅速化と専門化への対応,裁判官制度改革への対応を図るために,約500人の裁判官の増員が必要である。」と書いてあります。
*3 以下の資料を掲載しています。
① 裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成29年4月21日法律第17号)に関する法律案審議録
② 下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成21年度から平成30年1月16日まで)
③ 「下級裁判所の裁判官の定員配置について」の一部改正について(最高裁判所事務総長の通達)
・ 平成30年3月19日付
*4 平成26年7月25日に閣議決定された「国家公務員の総人件費に関する基本方針」及び「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」は,内閣官房内閣人事局HPの「国家公務員の人件費と機構・定員に関する方針の策定」に載っています。
*5 日弁連は,平成15年10月23日,裁判官及び検察官の倍増を求める意見書を発表しました。
平成19年度~平成29年度の増員・減員内訳
下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成21年度から平成30年1月16日まで)
裁判所職員の定員に関する根拠法令
裁判所予算定員の推移

第1 裁判所職員の定員の推移表(昭和26年度以降)

1 裁判所職員の定員の推移表(昭和26年度から平成30年度まで)を掲載しています。

2 最高裁の公式発表のデータは,裁判所データブックに載ってあります。

3 裁判所職員は特別職の国家公務員です(国家公務員法2条3項13号)。
  そして,行政機関の職員の定員に関する法律(昭和44年5月16日法律第33号)とは別に,裁判所職員定員法(昭和26年3月30日法律第53号)に基づいて,裁判所職員の定員が定められています。

第2 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明

「平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明」に移転させました。

第3 判事の定員増員の理由

1 はじめに
(1)   平成27年4月15日の衆議院法務委員会において,裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に関して,以下の質疑応答がなされています。
  そのため,平成27年度の判事の定員増員は,任官10年を迎える58期の判事補が判事になれるようにするための定員を確保するためのものであることが分かります。
  また,最高裁としては,判事及び判事補の依願退官の人数を予想することは非常に難しいため,判事及び判事補の実人数の推移の予測を国会で答弁することはできないみたいです。
(2) 「階議員」は階猛(しなたけし)衆議院議員のことであり,「堀田最高裁判所長官代理者」は堀田眞哉(ほったまさや)最高裁判所事務総局人事局長のことです。
   また,平成27年4月15日までに依願退官した58期の判事補は9人であり,死亡退官した58期の判事補は1人です(死亡退官につき,「人事情報置き場」の「人事異動ノート 官吏死亡(2008年10月18日)」参照)。

2 質疑応答部分の抜粋
○階委員 (中略) 今回、三十二人は判事ということになっています。裁判官は、下級裁判所には判事と判事補がおりますけれども、なぜ、判事補には手を触れず、判事だけを増員するのか。
   大臣が言う事件の適正かつ迅速な処理を進めていくためには、特に複雑困難化した事件においては、合議制でやる必要があります。合議制をやるためには、左陪席といって、判事補の若い人が入って、そしてその人が中心となって、証拠を精査して、判決を起案したりしなくちゃいけないわけですよ。ですから、事件の適正かつ迅速な処理を進めるには、判事だけではなくて判事補もふやさないと私は意味がないと思っています。
   なぜ、今回、判事補は増員せず、判事だけを増員するのか、大臣、お答えできますか。では、まず最高裁。
○中村最高裁判所長官代理者 このたび判事補を増員せずに判事の増員をお願いした理由は、複雑困難事件という処理について、合議といいましても、一人前で仕事ができる判事をふやすことがその処方箋として一番効果的だというふうに考えた次第でございます。
   判事補につきましては、今、千人という定員をいただいています。これについて、後から御質問があるかもしれませんが、必ずしも今、充員ができていないというところもございますが、この定員をいただければ合議の充実ということは図っていける、むしろ判事の数が足りないということで、判事の増員をお願いしたというところでございます。
○階委員 政府の方からは全くこういう問題提起はないんですけれども、今回の、判事だけを三十二人ふやすというのは、資料二をごらんになっていただきたいんですね。資料二の左側の方に、判事の定員、それから現在員、欠員というのが並んでおりますけれども、直近、平成二十六年度では四十五人の欠員なんですね。
   一見、欠員が十分ありそうなんだけれども、実は、平成二十七年、ことしの十月に判事補から判事になる十年目を迎える人たち、この人たちが入ったときの人数、平成十七年ですけれども、百二十四人いらっしゃったわけですね。その後、中途でやめられた数は、推測ですけれども、そんなに多くなかったみたいです。他方、それ以外の、今判事をやっている方が退官されたりしている数も、ここ最近ではそんなに多くないということで、私は、この百二十四人のうちの相当の数がこの十月に判事になろうとしておるんだけれども、四十五人という欠員の枠では到底おさまり切れない、だから増員するんじゃないかと思っているんですよ。
   これは正直に言っていただいていいですよ。むしろ正直に言っていただいた方が、我々も裁判官の身分保障というのは大事だと思っていますから、それに向けて増員するという方が、私はまだ納得がいくんですね。さっきみたいな、大臣と最高裁で目標が一致しないとか、あるいは、できる限りとか中途半端なことを言われるよりも、判事の椅子が足りないからどうしても増員しなくちゃいけないんですと言っていただいた方がいいんですよ。
   そこで、もう事前に通告しておりますから、ここはきっちりお答えいただきたいんですけれども、まず、ことし三十二人判事を増員しなければ、ことしの十月に何人ぐらいが判事に昇格できなくなりそうなんですか。見通しを示してください。
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
   増員を行わない場合に、本年十月に判事に任命することができなくなる裁判官の数でございますが、今後、十月までの間に退官いたします判事の人数等が確定しておりませんので、現時点で明示することは困難でございます。
   民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るために増員をお願いしているところでございまして、むしろ、増員ができないということになりますと、事件の適正かつ迅速な処理に支障が出るということの方を懸念しているところでございます。
○階委員 そこをお答えいただかないということは、今までの議論の中で迅速かつ適正な処理ということの具体的な目標も示されない中で、三十二人増員ということはなかなか認めがたいんですよ。
   これは、事前にそう言っていますから、ちゃんと数字を示してください。一定の前提を置いた上でもいいので、十月までにもし増員がされなかった場合、今判事になろうとして待機している人がどれぐらいはみ出してしまうのかということを、ちゃんと数字で答えてください。
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたような事情がございます。十月までに定年退官をする裁判官の数は当然予定できるところでございますが、依願退官をする裁判官の数の予想は非常に難しいところでございまして、その結果といたしまして、先ほども申し上げたとおり、申し上げることができないところでございます。
○階委員 いや、だから、そこは前提を置いていいですよ。定年退官はもうわかっているわけだから、ほかのところは、過去のトレンドとかを見て、例えば、私が聞いているところだと、これは判事じゃなくて判事補ですけれども、最近は、やめる人が年に四、五人とか、そんな感じですよ。判事はもうちょっと多いのかもしれませんけれども、大体、過去のデータから見て、一定の前提を置いて数字は出せるでしょう。
   もし増員しなければ、今、平成十七年に入った百二十四人の方が何人ぐらい判事になれずに余ってしまうのかということを、もう一回きっちりお答えできませんか。お願いします。
○堀田最高裁判所長官代理者 大変申しわけございませんが、先ほど申し上げたようなところで、私どもの経験によりましても、年度の途中での裁判官の退官数というのは非常に予想が困難なところでございまして、その数を明示することについては御容赦いただきたいと存じます。
○奥野委員長 算数で計算してくれと言っているんだから、そんなもの、言えばいいじゃない。大したことじゃないよ。
○階委員 そのとおりですよ。
   過去の数字を踏まえた上で、絶対的な数字を出せと言っているわけじゃなくて、仮置きの数字でいいのでおっしゃってください、何人ぐらい余ってしまうのか。事前に通告していますよ。
○奥野委員長 では、依願退職は外してやればいいじゃない。それは想像できません、それだったら、定年退職でやめる人は何人と、そう言えばいいんでしょう。それも一つの事例だよ。人事局長。
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
   先ほど申し上げたような経緯がございますので、ちょっと、厳密な数字でお答えできませんけれども、今後見込まれます定年退官の数だけの退官であったとした場合に、ちょうど今の定員で任命できる、そういうふうな状態であるというふうな感じでございます。
○奥野委員長 聞こえなかった。もう一回はっきり言って。
○堀田最高裁判所長官代理者 今後の定年退官でございますが、四月から十月までの間に、定年退官の予定数が十九人を予定しているところでございます。
○階委員 そうすると、欠員が四十五で、十九人さらにやめて、六十四ぐらいになりますよね。三十二人ふやさないと、最初に入った百二十四人の相当数が行く場所がなくなっちゃうんじゃないですか。判事になれないんじゃないですか。定員をふやさなくても全員大丈夫だとさっきおっしゃいましたけれども、本当にそれでいいんですか。
○堀田最高裁判所長官代理者 おおむねでございますが、大体そのとおりの人数になるという予想でございます。
○階委員 そうすると、今のような裁判官の身分保障の見地から、判事にはなるべく皆さんが上がれるようにすべきだというふうに私は思っていたんですけれども、そのような配慮も必要ないということですね。
   では、増員しなくても大丈夫だ、裁判官の身分は守られるということでよろしいですね。
○堀田最高裁判所長官代理者 先ほども申し上げたとおり、厳密な数字ではございませんので、増員がなかった場合に必ず全員が判事に任命できるかどうかということについては、確定的に申し上げられないということでございます。
○階委員 今、すごくかた目の数字で議論をしているわけですよ。依願でやめる人はゼロと仮定しているわけだから、さっき言った十九人は、これがミニマムの数字で、これ以上ふえるわけですよ。ということは、空き枠、さっきは、四十五プラス十九で六十四人あれば全員行けますという話だったんだけれども、実際には、六十四どころかもっとふえるはずなんですね、依願退官があるから。だったらなおのこと、余裕でみんな上がれるじゃないですか。だから私は、増員は必要なくなるんじゃないですかと言っているわけですよ。この観点からですよ。
   それでよろしいですか。増員しなくても十分上に上がれるんだ、判事になれるんだということでよろしいですか。
○堀田最高裁判所長官代理者 失礼いたしました、先ほどの御説明、少し不正確な点がございました。
   先ほど申し上げました定年退官が見込まれております数と、これまでの例から大ざっぱに推測をいたしました見込まれる依願退官数を合わせて、増員をしていただくとちょうどということでございます。(階委員「もう一回」と呼ぶ)
   失礼いたしました。定年退官の数と……(階委員「十九人ですね、定年退官」と呼ぶ)はい。(階委員「プラス依願が幾ら」と呼ぶ)それで、今後見込まれます依願退官数を合わせた場合に、ちょうどということでございます。(階委員「増員しなくてもちょうどですか」と呼ぶ)増員をしていただいたときにおおむね充員できるということでございます。
   失礼いたしました。
○階委員 最初からそれを言ってくれればいいんですよ。何でこれだけ時間を浪費させるんですか。それを言えば、我々だって、それは大変なことだと。増員しないと判事補から判事に上がれない人が三十人ぐらい出ちゃう、そう言われたら、我々も、これは考えなくちゃいけないなとなるじゃないですか。なぜそういう話をきちんとしないんですか。私はその姿勢は問題だと思いますよ。

第4 判事及び判事補の実人数等の将来予測

1 平成28年8月11日時点の判事及び判事補の実人数等の将来予測を掲載しています。

2(1) 平成27年4月15日の衆議院法務委員会において,最高裁判所事務総局人事局長は,年度途中の裁判官の退官数というのは非常に予想が困難であると説明しています。
  しかし,判事補からの新任判事の任命がないと仮定した場合の判事の自然減の人数は,直近4年でいえば72人から79人です。
  そして,定年退官者数は予測できるわけですから,自然減の人数から定年退官者数を控除すれば,依願退官者数の予測はできると思います。
  それに,依願退官者数が最も多い3月31日を過ぎた4月以降の場合,依願退官者数の予測はなおさら容易であると思います。
(2) 最高裁は,期別の裁判官を記載した名簿を作成していない(平成28年3月14日付の司法行政文書不開示通知書参照)こともまた,依願退官者数の予測を困難にしているのかも知れません。

3 最高裁は,全司法本部に対し,判事増員の理由について,「現在の事件動向を踏まえた上で,より一層複雑困難化する事件に適切に対処するとともに,今後の裁判部門の充実強化という観点から検討した結果」であるとしています。
  しかし,平成27年4月15日の衆議院法務委員会における最高裁判所事務総局人事局長の答弁にあるとおり,判事増員の本当の理由は,判事増員をすることで任官11年目の裁判官のほとんどを判事に新任できるようにするためであると思います。

第5 定数配付に関する文書は不開示情報に該当すること

   平成28年度(最情)答申第30号(平成28年10月24日答申)には,以下の記載があります。なお,本件対象文書とは,「具体的な職名,級についてどのような考え方に基づいて定数配付を行っているのかが分かる文書(最新版)」のことです。

2 本件対象文書の不開示情報該当性について
(1) 原判断においては,本件対象文書は,全体として法5条6号ニに相当する不開示情報が記録されているものであるとして,標題も含めた全体を不開示としたところ,苦情申出がされたが,最高裁判所事務総長は,原判断を相当としているから,最高裁判所の職員の口頭説明の結果を踏まえ,検討する。
(2) 本件対象文書の見分の結果及び最高裁判所の職員の口頭説明の結果を総合すると,定数配布とは,級別定数の範囲内で適任者を適正に昇格させるために用いられる手法であると認められる。そして,本件対象文書の見分の結果によれば,本件対象文書には,その手法に関する事項の一部が記載されているところ,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,具体的な手法の内容は,ごく一部の職員にしか知られることのない極めて機密性の高い性質のものであり,たとえ標題だけが知られることになったとしても,裁判所の人事管理に関して無用の憶測を呼ぶなどするおそれがあるとのことであり,当該説明が不合理とはいえない。そうすると,人事管理に係る事務という公平性と機密性が要求される事務の性質上,本件対象文書に記録された情報については,標題も含めた全体について,これを公にすると,これを知った者に無用な憶測を生じさせたり,さらには,職員の適正かつ円滑な職務遂行に好ましくない影響が及ぶなどして,裁判所の人事事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
   したがって,本件対象文書に記録された情報は,標題も含めたその全体が法5条6号ニに規定する不開示情報に相当すると認められる。

第6 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見

「全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見」に移転させました。

第7 衆議院法務委員会の付帯決議

「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議」に移転させました。

第8 平成3年度からの判事補の増員

一歩前へ出る司法127頁に以下の記載があります(改行を追加しました。)。

   司法修習終了者が六○○人程度になるには一九九四年四月まで待たなければなりませんが、私は五○○人時代にも判事補採用一○○人を目指したいと考え、一九九一年に九六人まで採用できました。
   翌一九九二年には六五人に落ち込んだものの、一九九三年には九八人採用しました。そして、一九九四年四月に司法修習終了者が五九四人となったところで、判事補一○四人の採用を実現させました。
   ともかく三桁三桁と言い続けて、そこまで行ったんです。また、定員の方も、一九九一年から判事補の定員を増やすということを始めました。毎年、五人、七人、七人、一○人、一二人と、徐々にではありますが、判事補の定員増を図りました。
   毎年一○○人前後の判事補を採用すれば、その人たちが判事になる一○年後には判事の定員が足りなくなるでしょう。そのことは当然に分かっておりますが、一○年後に事務総局にいる人たちが汗をかいて増員すればよいことですし、汗をかくべきだと思っておりました。
   矢口さんは、毎年六○人程度を採用すればよい、そうすれば定員増も必要ないし、処遇の面でも楽であると言っておられました。しかし、それでは発展がありませんね。
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。