二回試験不合格時の取扱い,及び弁護士資格認定制度

第0 目次

第1 二回試験不合格時の一般的な取扱い
第2 二回試験の不合格体験に関するブログ
第3 二回試験不合格と,修習資金貸与金の期限の利益との関係
第4 司法修習生の罷免事由別の人数
第5 司法修習生が罷免された場合の不服申立方法
第6 52期までの二回試験に関する国会答弁
第7 平成16年4月1日施行の,弁護士資格の特例の改正
第8 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の合計
第9 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移

*0 平成30年1月13日,私のブログに「終局区分別既済事件数の推移表」を移転させました。
*1 「二回試験(司法修習生考試)」「二回試験(司法修習生考試)の応試心得」「二回試験等の日程」「二回試験の不合格者数及び不合格率」「二回試験不合格時の取扱い,及び弁護士資格認定制度」及び「旧司法試験,司法修習及び二回試験の成績分布及び成績開示」も参照してください。
*2 法務省HPに「企業・官公庁の実務に精通した弁護士を育てる!弁護士資格認定制度」と題するパンフレットが載っています。
*3 togetterまとめに「二回試験不合格関連」が載っています。
70期二回試験不合格者に対する罷免の辞令書
二回試験不合格者が再採用を希望する際に提出する,受験歴申告書

第1 二回試験不合格時の一般的な取扱い

1 27期までの取扱い
   病気・出産等の理由で二回試験を受けられなかった修習生だけが追試を受けることができたのであって,一科目でも不合格となった場合,不合格となりました。
   ただし,この場合,司法修習生の身分を引き続き有し,かつ,給料をもらった上で次の二回試験を受験していたようです。
 
2 28期から52期までの取扱い
(1)   いずれかの科目で不合格となった場合,合格留保者ということで,追試において不合格となった科目だけを受験すれば足りました。
   この場合,司法修習生としての身分を失いませんから,司法修習生の身分を引き続き有し,かつ,給料をもらった上で追試を受けていました。
(2) 追試でも合格留保となった場合,司法修習生の身分を引き続き有し,かつ,給料をもらった上で次の二回試験を受験していました「二回試験(司法修習生考試)」に掲載している昭和62年3月26日の参議院法務委員会における質疑応答参照)。
(3) 28期から52期までの間,合格留保となった数は,28期が5人,29期が7人,30期が5人,31期が6人,32期が11人,33期が9人,34期が9人,35期が7人,36期が1人,37期が3人,38期が4人,39期が6人,40期ないし43期が0人,44期が4人,45期が1人,46期が1人,47期及び48期が0人,49期が3人,50期が5人,51期が0人,52期が3人でした。
   また,不合格となった人はいませんでした(二回試験等の推移表(昭和24年以降)参照)。
(4)   外部ブログの「「留保者へのカンパ問題について-59期修習生諸君へ」」には以下の記載があります。
   私が聞いた話では(あくまで噂ですが)、2回試験で合格留保になった司法修習生は、追試まで引き続き司法修習生の身分があり、本来は、給与も支給されるはずのところ、司法研修所側から、「合格留保になったような者が、これ以上、税金から給与を支給されるなど許されない」(?)と強烈に「指導」され、給与支給を辞退させられてしまう(一応、任意で)ため、追試までの生活費を皆でカンパしてあげる、ということでした。

3 53期から59期までの取扱い
(1)   一科目だけ不合格となった場合,合格留保者ということで,追試において不合格となった科目だけを受験すれば足りました。
   この場合,司法修習生としての身分を失いませんから,司法修習生の身分を引き続き有するものの,無給状態で追試を受けていました。
(2) 二科目以上不合格となって不合格者となった場合,又は追試でも合格できずに不合格者となった場合,司法修習生を罷免された上で,次の期の二回試験においてすべての科目を受け直していました。
(3) 53期から59期までの間,合格留保となった数は,53期が19人,54期が16人,55期が11人,56期が11人,57期が46人,58期が31人,59期が107人でした。
   また,二科目以上不合格となって不合格者となった数は,55期が1人,57期が3人,58期が1人,59期が10人でした(二回試験等の推移表(昭和24年以降)参照)。
 
4 60期ないし68期の取扱い
(1)   一科目でも不合格となった場合,不合格者ということでいったん司法修習生を罷免された上で,次の期の二回試験においてすべての科目を受け直さなければならなくなりました(外部ブログの「司法修習二回試験の追試廃止は筋違いではないか」参照)。
(2) 「私は,この度,一身上の都合(考試不合格)により,司法修習生を退職したいと思いますので,ご許可くださいますようお願いします。」という文言を含む退職願を提出した場合,司法修習生に関する規則18条3号により罷免となり,退職願を提出しなかった場合,史跡不良を理由に司法修習生に関する規則18条2号により罷免となりました。

5 69期以降の取扱い
(1) 60期ないし68期と同様, 一科目でも不合格となった場合,不合格者ということでいったん司法修習生を罷免された上で,次の期の二回試験においてすべての科目を受け直さなければならなくなりました。
(2) 69期二回試験の合格発表翌日にあった最高裁判所裁判官会議(平成28年12月14日)において,「平成27年度(第69期)司法修習生考試不合格者名簿」登載の者は全員,同日付で罷免されました。

第2 二回試験の不合格体験に関するブログ

1 新61期二回試験不合格者の場合
(1)ア 外部ブログの「人生\(^o^)/オワタの二回試験落ち日記」平成20年12月23日の記事によれば,新61期二回試験に不合格となったブログ主は,以下の文言が記載された「不合格通知書」を送付されたみたいです。
平成19年11月期採用(新61期)司法修習生考試不合格通知書
あなたは,平成19年11月期採用(新61期)司法修習生考試において不合格となりました。
なお,同考試において,不可と判定された科目は下記のとおりです。
刑事裁判
イ また,以下の文言が記載された退職願を平成20年12月25日までに簡易書留で送付したみたいです。
退職願
私は,この度,一身上の都合(考試不合格)により,司法修習生を退職したいと思いますので,ご許可くださいますようお願いします。
(2) 平成20年12月24日の記事によれば,二回試験不合格者が退職願を出さなかった場合,成績不良による罷免となるみたいです。
   この場合,二回試験受験のために再び採用されるためには面接や書面の提示など,面倒くさい処理をしなければならないことになるみたいです。
(3) 平成20年12月29日の記事によれば,不合格者に対してあらかじめ連絡が来ることはないみたいです。
(4)ア 平成20年12月18日の記事によれば,二回試験に落ちた場合,①内定先への報告,②司法研修所教官への報告,③司法研修所に対する成績開示請求及び④親兄弟への連絡を行うべきとのことです。
イ   平成20年12月19日の記事によれば,ブログ主は,二回試験に合格するまでの間,内定先の事務所でアルバイトとして働くことになったみたいです。
   ただし,二回試験に落ちた場合は通常,内定取消しになると思います。
(5) 平成21年1月13日の記事によれば,二回試験に落ちた新61期司法修習生は,平成21年1月5日付で罷免されたみたいです。
   また,同年4月13日から同月24日までの間に,①司法修習生採用申込書②戸籍抄本又は住民票の写し③登記されていないことの証明書④退職証明書⑤資格の登録抹消証明書を送付すれば,現行62期として採用されたみたいです。
(6) 平成21年1月14日付の記事によれば,「裁判所法第68条及び司法修習生に関する規則第18条第3号により罷免する。」という辞令書により罷免されたみたいです。
(7) ブログ主は現行62期司法試験に合格して弁護士になったみたいです。
 
2 新63期二回試験不合格者の場合

(1) 外部ブログの「やってもうた・・・。まさかの二回試験不合格。。。雪辱を誓う新63期司法修習生のブログ」平成23年1月12日の記事によれば,新63期二回試験に不合格だったブログ主は,①「事務連絡 罷免通知書1通を送付しますので,別添受領書を1月28日までに当係に返送してください。」という書面,②「司法研修所長殿 1月7日付罷免辞令書1通を受領しました」という書面,及び③「裁判所法第68条及び司法修習生に関する規則第18条第3号により罷免する。」という辞令書を受け取ったみたいです。
   また,同年4月11日から同月22日までの間に,司法修習生に再び採用されるための書類を提出していたみたいであり,現行第64期司法修習生考試1日目の日付で再採用されたみたいです。
(2)   平成23年7月1日の記事によれば,以下の文言を含む再採用の通知をもらったみたいです。
   あなたは、平成23年7月25日付けで司法修習生に採用(平成22年度4月期司法修習生の修習過程に編入)されることが決定しました。 なお、裁判所法67条2項の「修習のため通常必要な期間」はすでに終えているので、給与は支給されないこととされました。
(3) ブログ主は現行64期二回試験に合格して弁護士になったみたいです。
 
3 65期二回試験不合格者の場合
(1) 外部ブログの「65期二回試験不合格者備忘録」平成25年1月15日の記事によれば,65期の二回試験不合格者の場合,同年9月2日から17日までの間に,司法修習生に再び採用されるための書類を提出していたみたいです。
(2)   ブログ主が66期二回試験に合格したかどうかは分かりません。

第3 二回試験不合格と,修習資金貸与金の期限の利益との関係

1 司法修習生を罷免された場合,原則として,修習資金の貸与金について期限の利益を失います(司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則8条2項1号・6条2号)。
   ただし,二回試験に不合格となったことを理由として罷免された場合,当該罷免の時点で司法修習生への再採用を希望していれば,例外的に期限の利益を失いません(司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則8条2項1号括弧書き・修習資金貸与要綱21条3項1号)。

2 二回試験に不合格となった司法修習生が3回目の二回試験までに合格できなかった場合,修習資金の貸与金について期限の利益を失います(修習資金貸与要綱21条3項2号)。

3(1) かつて司法修習生であった者が,考試を再度受験するために司法修習生に再採用されることを希望する場合,司法研修所を経由して最高裁判所に採用選考の申し込みを行う必要があります(「司法修習生採用選考申込み(考試再受験希望者)について」参照)。
(2) 70期二回試験不合格者の場合,平成30年8月24日(金)から9月7日(金)までの間に,通常の採用選考申込書類及び受験歴申告書を提出する必要があります(消印有効)。

第4 司法修習生の罷免事由別の人数

平成29年6月14日付の司法行政文書不開示通知書によれば,第59期司法修習生について,罷免事由別に司法修習生を罷免された人の数が分かる文書は存在しません。

2(1) 平成29年6月14日付の開示文書によれば,60期から68期までの司法修習生について,修習期別・罷免事由別の人数は以下の通りです。
現行60期:3号の罷免のうち,考試不合格が 70人,その他が9人
新 60期:3号の罷免のうち,考試不合格が 76人,その他が5人
現行61期:3号の罷免のうち,考試不合格が 33人,その他が5人
新 61期:3号の罷免のうち,考試不合格が113人,その他が6人
現行62期:3号の罷免のうち,考試不合格が 23人,その他が0人
新 62期:3号の罷免のうち,考試不合格が 75人,その他が3人
現行63期:2号の罷免のうち,考試不合格が  1人
                  3号の罷免のうち,考試不合格が 27人,その他が2人
新 63期:3号の罷免のうち,考試不合格が 89人,その他が7人
現行64期:3号の罷免のうち,考試不合格が 24人,その他が1人
新 64期:3号の罷免のうち,考試不合格が 56人,その他が4人
現行65期:3号の罷免のうち,考試不合格が  5人,その他が0人
新 65期:3号の罷免のうち,考試不合格が 41人,その他が8人
      66期:3号の罷免のうち,考試不合格が 43人,その他が9人
      67期:3号の罷免のうち,考試不合格が 42人,その他が5人
      68期:3号の罷免のうち,考試不合格が 33人,その他が7人
      69期:2号の罷免のうち,考試不合格が 54人
                  3号の罷免のうち,考試不合格が  0人,その他が5人
(2) 68期までの二回試験の場合,二回試験の不合格者は退職願を提出して司法修習生に関する規則18条3号で罷免されていました。
   しかし,69期二回試験の場合,二回試験の不合格者は退職願を提出するまでもなく,司法修習生に関する規則18条2号で罷免されるようになりました。
3(1)   70期までの司法修習生に関する規則18条は以下のとおりです。
   最高裁判所は,司法修習生に次に掲げる事由があると認めるときは,これを罷免することができる。
一 品位を辱める行状,修習の態度の著しい不良その他の理由により修習を継続することが不相当であるとき。
二 病気,成績不良その他の理由により修習を継続することが困難であるとき。
三 本人から願出があったとき。
(2) 71期以降の司法修習生に関する規則17条(従前の18条)は以下のとおりです。従前の18条1号は17条2項となりました。
1 法第六十八条第一項の最高裁判所の定める事由は、次に掲げる事由とする。
一   成績不良又は心身の故障により、修習を継続することが困難であるとき。
二   禁錮以上の刑に処せられたとき。
三   後見開始又は保佐開始の審判を受けたとき。
四   破産手続開始の決定を受けたとき。
五   本人から願出があつたとき。
六   第二号から前号までに掲げるもののほか、第一号に掲げる事由に準ずる事由
2 法第六十八条第二項の最高裁判所の定める事由は、品位を辱める行状、修習の態度の著しい不良その他これらに準ずる事由とする。

4 考試不合格を理由とする罷免人数には,二回試験再受験者の不合格者数が含まれます。
   そのため,二回試験に三振した場合,二回試験不合格を理由に3回,司法修習生を罷免されることとなります。

第5 司法修習生が罷免された場合の不服申立方法

1 「司法修習生の欠席,罷免及び逮捕並びに民間労働者との比較」を参照してください。
 
2 二回試験に不合格となったにもかかわらず,退職願を提出しなかった場合,「成績不良により修習を継続することが困難であるとき。」(司法修習生に関する規則18条2号)を理由として罷免されますところ,答案のつづりミス等の場合にまで2号に該当するというのは変な気がします。
   そのため,二回試験不合格により罷免された司法修習生が最高裁判所に対して審査請求をした場合,最高裁判所の罷免処分が是正される可能性がないわけではない気がします。
   しかし,仮に最高裁判所の罷免処分が是正されたとしても,司法修習生として兼業禁止等の義務が残るため許可がない限りアルバイト等ができない反面,修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間(裁判所法67条の2第1項)を経過している点で修習資金すら貸与してもらえませんから, 最高裁判所の罷免処分を争う実益はない気がします。

3(1) 国家試験における合格,不合格の判定は学問又は技術上の知識,能力,意見等の優劣,当否の判断を内容とする行為であるから,その試験実施機関の最終判断に委せられるべきものであって,その判断の当否を審査し具体的に法令を適用して,その争いを解決調整できるものとはいえません(最高裁昭和41年2月8日判決参照)。
(2) 東京地裁平成29年1月17日判決の裁判要旨は以下のとおりです。
① 社会保険労務士試験不合格処分の取消訴訟は,国家試験の合否に係る処分の効力に関するものであって当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関するものであり,合格基準の策定過程に違法がある旨,社会保険労務士となるのに必要な知識及び能力の有無とは関係のない事柄が考慮された旨が主張されている本件においては,学問又は技術上の知識,能力,意見等の優劣,当否を本質的な争点とし,その争点に係る判断がその帰趨を左右する必要不可欠のものであるとはいえず,法律上の争訟に当たる。
② 社会保険労務士試験不合格処分の取消請求が,社会保険労務士試験において,いかなる手続によりいかなる合格基準を決定するかは,処分行政庁の広範で専門的かつ技術的な裁量に委ねられているものと解されるところ,当該社会保険労務士試験の合格基準につき特段不合理な点はうかがわれず,合格基準の策定について,処分行政庁が裁量権を濫用,逸脱したものとはいえないとして,棄却された事例 
(3)   二回試験の合格基準の策定過程に違法があるとか,法曹三者となるのに必要な知識及び能力の有無とは関係のない事柄が考慮されたといった事情が二回試験にあると認めてもらうことは無理と思います。
   そのため,二回試験の不合格処分自体を争うことは無理と思います。

第6 52期までの二回試験に関する国会答弁

○昭和62年3月26日の参議院法務委員会における質疑応答は以下のとおりです。裁判所法の一部を改正する法律(平成10年5月6日法律第50号)(平成11年4月1日施行)による裁判所法改正前,つまり,52期までの二回試験の場合,二回試験で合格留保となった人に対しても給与が支給されていました。
 
1 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   きょうは、量だけじゃなしに質の問題を取り上げる予定でおったんですけれども、時間が五分になってしまいました。質の向上の問題として司法試験の問題もありますでしょう、これもこの前取り上げましたけれども。きょうは司法研修所における司法修習制度、これを取り上げたいと思うんです。
   先ほど申しました意見書の中にも、「いわゆる二回試験では、ほとんど不合格者が見られないが、この考試は法曹としての不適格者を排除するよう十分厳正に行なわれているかどうかという問題がある。」というふうに書かれております。いわゆる二回試験で不合格になった人、普通の言葉で言えば落第ですけれども、落第した人は毎年どのくらいおりますでしょうか。
2 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   私ども二回試験と申しておりますけれども、二年間の修習を終えた後で行われる司法修習生に対する試験でございますが、過去五年間をとってみますと、昭和五十七年に九名、五十八年に七名、五十九年に三名、六十年に三名、六十一年に四名、これだけの、二回試験の際における私どもの申します合格判定留保者でございますが、出ております。
3 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   合格留保された者は、結局どうなりますか。追試験みたいなことをやるんですか。そして、結局最終的に排除される人がいるのかどうですか。
4 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   合格判定留保になりますと、追試験が行われます。大体、二月程度後に改めて不合格の科目について試験を行うわけでございます。多くの場合はこれに合格いたしまして、そして、そのころ修習終了ということになるわけでございますが、中にはそのときに合格できなくて、今度は翌年のまた試験を受ける、このようになる人もございます。そうやってその翌年の試験にも受からないというケースもございますけれども、最終的には翌年の試験さらにはまた追試験というのを受けて、最後は何とか合格しておられるというのが普通でございます。
5 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   翌年の追試験ですね。そうすると、三年間いるわけなんですけれども、残りの一年間も給与は出るんですか。
6 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   追試を受けまして、これに合格しなくて卒業が一年延ばしになる人の場合は、これは司法修習生の身分が継続いたしますので、その間も給料は支給いたします。
7 関嘉彦参議院議員(民社党)の質問
   給与をもらって勉強できるんだったら、私はなるだけ長く留年したいと思うんですけれども、不合理だとはお考えになりませんですか。――私は、別に法律のことを聞いているわけじゃない。常識としておかしいとお思いになりませんかということを聞いているわけです。
8 櫻井文夫最高裁判所事務総局人事局長の答弁
   司法修習生には、その修習期間中に国庫から給与を支給するということが裁判所法の定めにございまして、これはその身分が続く間は支給することになっているわけでございます。
   常識的におかしいと思わないかどうかという点につきましては、これは余りに長期間試験に受からないがために長期間の給与を受けるというのは、これは不合理であると感ぜられる場合もあり得るであろうというふうに思います。

第7 平成16年4月1日施行の,弁護士資格の特例の改正

1(1) ①司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律(平成15年7月25日法律第128号),②裁判所法の一部を改正する法律(平成16年3月31日法律第8号)及び③弁護士法の一部を改正する法律(平成16年3月31日法律第9号)に基づき,平成16年4月1日,弁護士資格認定制度が創設されました。
(2) 法務省HPの「弁護士資格認定制度」に詳しい説明が書いてありますし,「認定申請の手引」等が掲載されています。
(3) 法務省HPの「企業・官公庁の実務に精通した弁護士を育てる!弁護士資格認定制度」と題するパンフレットによれば,法務大臣の指定する研修というのは,日弁連が主催する研修であって,期間は約2か月,研修費用は約20万円みたいです。

2 弁護士資格認定制度につき,平成16年度法務年鑑172頁(リンク先のPDF185頁)に以下の記載があります。
   平成16年4月1日に改正弁護士法が施行され,司法修習を終えていなくても弁護士資格を与える特例の対象が広げられ,①司法修習生となる資格を得た後に,簡易裁判所判事,国会議員,内閣法制局参事官,大学の法律学の教授等,弁護士法第5条第1号に列挙された職のいずれかに在った期間が通算して5年以上になる者,②司法修習生となる資格を得た後に,自らの法律に関する専門的知識に基づいて弁護士法第5条第2号に列挙された事務のいずれかを処理する職務に従事した期間が通算して7年以上になる者,③検察庁法第18条第3項に規定する考試を経て任命された検事(いわゆる特任検事)の職に在った期間が通算して5年以上となる者等については,法務大臣の指定する研修を修了して同大臣の認定を受ければ,弁護士となる資格を付与されることとなった。
   同資格認定制度導入に伴い,①試験・経験要件の審査事務,②研修修了要件の審査事務,③認定の通知・官報公告に関する事務,④研修の指定に関する事務,⑤予備審査に関する事務等の処理を(注:法務省大臣官房司法法制部が)行っている。

3 弁護士資格認定制度の創設を含む,司法制度改革における弁護士法の改正につき,平成27年度法務年鑑79頁(リンク先のPDF92頁)に以下の記載があります。
  弁護士制度については,今般の司法制度改革において,平成15年及び同16年の2度にわたり弁護士法が改正され,①弁護士資格の特例の拡充・整理,②弁護士の公務就任の自由化,③弁護士の営利業務の従事に関する許可制の届出制への変更,④弁護士の報酬基準の撤廃,⑤弁護士の懲戒手続の透明化・迅速化・実効化,⑥弁護士法第72条(非弁護士による弁護士業務の禁止規定の規制範囲に関する予測可能性の確保等の措置が講じられた。
   このうち,①は,従前から存在していた弁護士資格の特例について,次のような拡充及び整理を行ったものであるが,ここで資格の要件とされた法務大臣の認定に関する事務(弁護士資格認定事務)は,司法法制部(注:法務省大臣官房司法法制部)において担当している。
a 弁護士資格の特例の拡充
・ 司法試験合格後5年以上国会議員の職に在った者
・ 司法試験合格後7年以上企業法務担当者や公務員として所定の法律関係事務に従事していた者
・ 5年以上いわゆる特任検事(副検事を3年以上経験し,政令で定めた試験に合格して検事になった者)の職に在った者
以上の者に対して,所定の研修を修了し,かつ,法務大臣の認定を受けることを要件として弁護士資格を付与する。
b 弁護士資格の特例の整理
・ 5年以上大学の法律学の教授・助教授の職に在った者に対して弁護士資格を付与していた制度について,司法試験合格,研修の修了及び法務大臣の認定を要件として追加する。
・ 司法試験合格後5年以上簡易裁判所判事,内閣法制局参事官等の職に在った者に対して弁護士資格を付与していた制度について,研修の修了及び法務大臣の認定を要件として追加する。

第8 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の合計

○法務省が作成した「弁護士資格認定実績件数調べ(平成29年12月31日現在)」によれば,平成16年度から平成29年度までの認定者数の合計は以下のとおりです。
国会議員(法5条1号):7人
裁判所事務官等(法5条1号):2人
企業法務(法5条2号イ):23人
公務員(法5条2号ロ):86人
特任検事(法5条3号):74人
大学教授等(附則3条2項):41人
合計:233人

第9 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移

○弁護士資格認定制度に基づく認定者のうち,企業法務経験者の人数の推移は,2人(16年)→0人(17年・18年)→2人(19年)→1人(20年)→0人(21年)→2人(22年)→0人(23年)→1人(24年)→2人(25年)→5人(26年)→2人(27年)→1人(28年)です。
〇法務省HPに掲載されている「法務年鑑」によれば,法務省大臣官房司法法制部審査監督課が所管している,弁護士資格認定制度に基づく認定者の推移は以下のとおりです。

1 平成16年度(申請者53人(うち,4人が申請取下げ),認定47人,却下2人)(平成16年度法務年鑑173頁(リンク先のPDF186頁))
国会議員経験者 :5人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :3人
特任検事経験者 :37人
大学教授等経験者:0人

2 平成17年度(申請者24人(うち,3人が申請取下げ),認定18人,却下3人)(平成17年度法務年鑑194頁(リンク先のPDF209頁))
国会議員経験者 :1人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :6人
大学教授等経験者:2人
 
3 平成18年度
(申請者29人(うち,6人が申請取下げ),認定22人,却下1人)(平成18年度法務年鑑189頁(リンク先のPDF201頁))
国会議員経験者 :1人
裁判所事務官等 :1人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :5人
大学教授等経験者:6人
 
4 平成19年度
(申請者27人(うち,5人が申請取下げ),認定20人,却下2人)(平成19年度法務年鑑194頁(リンク先のPDF209頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :7人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:8人
 
5 平成20年度
(申請者24人(うち,2人が申請取下げ),認定21人,却下1人)(平成20年度法務年鑑180頁(リンク先のPDF192頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :1人
公務員経験者  :7人
特任検事経験者 :1人
大学教授等経験者:12人
 
6 平成21年度
(申請者22人(うち,4人が申請取下げ),認定17人,却下1人)(平成21年度法務年鑑171頁(リンク先のPDF183頁))
国会議員経験者 :6人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :0人
大学教授等経験者:2人
 
7 平成22年度
(申請者19人(うち,3人が申請取下げ),認定16人)(平成22年度法務年鑑197頁(リンク先のPDF206頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :8人
特任検事経験者 :5人
大学教授等経験者:1人
 
8 平成23年度
(申請者9人(うち,0人が申請取下げ),認定9人,却下0人)(平成23年度法務年鑑217頁(リンク先のPDF230頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :0人
公務員経験者  :5人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:1人
 
9 平成24年度
(申請者15人(うち,2人が申請取下げ),認定13人,却下0人)(平成24年度法務年鑑186頁(リンク先のPDF199頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :1人
公務員経験者  :9人
特任検事経験者 :2人
大学教授等経験者:1人
 
10 平成25年度
(申請者20人(うち,4人が申請取下げ),認定16人,却下0人)(平成25年度法務年鑑175頁(リンク先のPDF187頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :6人
特任検事経験者 :4人
大学教授等経験者:4人
 
11 平成26年度
(申請者7人(うち,0人が申請取下げ),認定7人,却下0人)(平成26年度法務年鑑208頁(リンク先のPDF225頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :5人
公務員経験者  :2人
特任検事経験者 :0人
大学教授等経験者:0人
 
12 平成27年度
(申請者10人(うち,0人が申請取下げ),認定10人,却下0人)(平成27年度法務年鑑90頁(リンク先のPDF103頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :2人
公務員経験者  :5人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:0人

13 平成28年度(申請者9人(うち,0人が申請取下げ),認定9人,却下0人)(平成28年度法務年鑑92頁及び93頁(リンク先のPDF105頁及び106頁))
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :1人
企業法務経験者 :1人
公務員経験者  :4人
特任検事経験者 :3人
大学教授等経験者:0人

14 平成29年度(申請者9人(うち,1人が申請取下げ),認定8人,却下0人)
国会議員経験者 :0人
裁判所事務官等 :0人
企業法務経験者 :5人
公務員経験者  :3人
特任検事経験者 :0人
大学教授等経験者:0人
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