一票の格差に関する最高裁判決の一覧

第0 目次

第1の1 総論
第1の2 最高裁が出した,一票の格差に関する違憲状態の判決及び違憲判決の一覧
第2の1 衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧1/2
第2の2 衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧2/2
第3の1 参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧1/2
第3の2 参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧2/2
第4   衆議院議員総選挙当日有権者数の最多選挙区及び最小選挙区
第5   参議院議員通常選挙当日有権者数(議員1人当たり)の最多選挙区及び最小選挙区
第6   一票の格差訴訟における被告等,第1号法定受託事務等及び大阪法務局訟務部

*1 以下の記事も参照してください。
① 最高裁判所裁判官国民審査
② 第24回最高裁判所裁判官国民審査
③ 幹部裁判官の後任候補者
④ 高裁の各種事件数,及び最高裁における民事・行政事件の概況
⑤ 一票の格差是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律等の一覧
⑥ 最高裁判所における違憲判決の一覧
⑦ 衆議院の解散
*2 以下の資料を掲載しています。
① 民事書記官実務必携(平成28年4月1日現在)
② 刑事書記官実務必携(平成28年4月1日現在)1/22/2
③ 公職選挙法違反の統計報告について(平成6年10月27日付の最高裁判所刑事局長通達)
④ (公職選挙関係事件(行政及び刑事事件)の終局の結果連絡及び通知等の様式について(平成26年3月6日付の大法廷首席書記官の通知)
→ 公職選挙関係訴訟の結果は,各小法廷の首席書記官から大法廷首席書記官に連絡されますし,最高裁判所長官から総務大臣及び選挙管理委員会に連絡されます。
*3 一票の一票の格差に関する直近の最高裁判決は,最高裁大法廷平成30年12月19日判決(升永弁護士のグループ)及び最高裁大法廷平成30年12月19日判決(山口弁護士のグループ)であり,平成29年10月22日の衆院選の最大格差1.98倍は合憲であると判示しました。
   また,参議院の一票の格差に関する直近の最高裁判決は,最高裁大法廷平成29年9月27日判決(升永弁護士のグループ)及び最高裁大法廷平成29年9月27日判決(山口弁護士のグループ)であり,平成28年7月10日の参院選の最大格差3.08倍は合憲であると判示しました。

第1の1 総論

0 憲法14条1項の規定は,国会を構成する衆議院及び参議院の議員を選挙する国民固有の権利につき,選挙人資格における差別の禁止にとどまらず(44条ただし書),選挙権の内容の平等,つまり,議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等,つまり,投票価値の平等をも要求しています(最高裁大法廷昭和60年7月17日判決参照)。

1 衆議院及び参議院の選挙区別定数は,総務省HPの
「選挙の種類」に書いてあります。

2(1) 一票の格差(投票価値の平等)に関して,どの最高裁判所裁判官がどのような意見を述べているかについては,一人一票実現国民会議HP「「切り抜き」国民審査とは?」を見れば分かります。
(2) 一人一票実現CMアーカイブに,一人一票実現CM第1弾ないし第5弾の動画が載っています。
 
3(1) 「衆議院及び参議院における一票の格差」(平成23年6月9日付の国立国会図書館ISSUE BRIEF714号)では,一票の格差に関する最高裁の判断枠組みの推移が書いてあります。
   「衆議院及び参議院における一票の格差」(平成29年3月28日付の国立国会図書館ISSUE BRIEF953号)では,一票の格差訴訟最高裁判所判決とそれを踏まえた国会による選挙制度の改正について書いてあります。
(2) 外部HPの「過去の議員定数是正訴訟最高裁判決」では,最高裁大法廷昭和39年2月5日判決から最高裁大法廷平成25年11月20日判決までが一覧表としてまとめられています。
(3)ア   社会実情データ図録HP「国政選挙における一票の格差をめぐる最高裁判決」では,最大格差の推移が図示されています。
イ   国政選挙は,衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙のことです(公益財団法人明るい選挙推進協会HP「選挙制度・投票方法」参照)。
(4) 衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に政見放送その他の選挙運動を認める公職選挙法の規定は,憲法14条1項等に違反するとはいえません(最高裁大法廷平成23年3月23日判決)。

4(1) 投票価値の平等に関する裁判は,当時司法修習生であった越山康弁護士(故人)が昭和37年の参議院議員選挙に関して提訴したことから始まりました。
   平成21年8月30日実施の衆議院議員総選挙以降,越山康弁護士のグループとは別に,全国の弁護士有志が投票価値の平等に関する裁判を提訴するようになりました(外部HPの「一人一票裁判とは?」参照)。
(2) 現在,山口邦明弁護士らのグループ(越山康弁護士の系統です。)と,升永英俊弁護士,伊藤真弁護士,久保利英明弁護士らのグループが別々に,投票価値の平等に関する訴訟を行っています。
   例えば,平成28年7月24日実施の第24回参議院議員通常選挙における平成29年7月19日の口頭弁論期日では,午前中に山口邦明弁護士らのグループが弁論を行い,午後に升永英俊弁護士らのグループが弁論を行いました。
(3) 現代ビジネスHPの「「一票の格差」に数億円投入する「最強弁護士」の素顔」が参考になります。ただし,升永英俊弁護士に対するインタビュー記事でありますところ,プレミアム会員にならないと最初の方しか読めません。

5(1) 一票の格差に関する無効訴訟(公職選挙法204条)の対象となっている選挙区については,当該訴訟が係属している限り,補欠選挙ができません(公職選挙法33条の2第7項)。
(2)
 平成6年4月11日に設置された衆議院選挙区画定審議会は,衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関して調査審議をし,必要があると認めるときは,その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告を行っています(総務省HPの「衆議院小選挙区画定審議会」参照)。

6(1) 一票の格差是正に否定的な意見として,以下のHPがあります。
① 現代ビジネスHPの「ニッポンの難題「一票の格差」の落とし穴〜是正は本当に必要ですか?」
② ハフポストHPの「一票の格差は本当に問題なのだろうか?」
③ BLOGOSの「「一票の格差」という欺瞞」
(2) 一票の格差是正は「地方切り捨て」につながりかねないといわれることがあります。

7 総務省HPの「平成27年国勢調査人口(確定値)に基づく計算結果の概要」(平成28年10月26日付け)によれば,以下のとおりです。
① 衆議院小選挙区
   衆議院小選挙区で一票の格差が2倍を超えたのは32選挙区で,前回調査時(平成22年)の97選挙区から65区減少しました。
   また,最大格差は北海道1区(58万9501人)と宮城5区(27万871人)の間の2.176倍で,前回調査時の2.524倍から0.348ポイント縮小しました。
   主として,前回調査時以降,衆議院小選挙区の定数について「0増5減」が実施されたことによるものです。
② 参議院選挙区
   参議院選挙区の最大格差は埼玉県(議員1人当たり人口:119万3555人)と福井県(同38万8646人)の間の3.071倍で,前回調査時の5.124倍から2.053ポイント縮小しました。
   主として,前回調査時以降,参議院選挙区の都道府県単位を超えた合区を含む「10増10減」が実施されたことによるものです。

8 参議院につき,①平成28年5月9日付の,通常選挙に伴う議員宿舎の入転居について(参議院事務局管理部管理課長の依頼),及び②平成28年6月付の,議員会館からの退室について(HOC議員会館PFI株式会社)を掲載しています。

9 自由と正義2018年12月号5頁及び6頁に以下の記載があります。
   2009年、私(注:筆者である升永英俊弁護士のこと。)は、久保利英明弁護士と共に,全国の各高裁で人口比例選挙(すなわち,一人一票)訴訟を提訴すべく、全国の有志の弁護士に参加を求め、以後今日まで、各地の有志弁護士が、一人一票訴訟に参加している。
   全国の全ての一人一票訴訟に参加している弁護士は、久保利英明弁護士、伊藤真弁護士、私の3名である。
   私どもは、2009~2018年の間に、国政総選挙ごとに、全国の全14の高裁・高裁支部に人口比例選挙裁判を提訴し続け(但し、2009年衆院選のみ、8の高裁・高裁支部に提訴)、92の高裁判決と6の最高裁大法廷判決(すなわち、5の「違憲状態」大法廷判決と1の「留保付合憲」大法廷判決(参院選))を得た。
   これらの92の高裁判決とは、2の違憲無効判決、20の違憲違法判決、46の違憲状態判決、12の留保付合憲判決、12の留保無しの合憲判決である。
   これらの92の高裁判決及び山口邦明弁護士ら及び金尾哲也弁護士ら提訴の高裁判決のうち、5の「違憲違法」判決及び3の「違憲無効」判決は、それぞれ、『憲法は人口比例選挙を要求している』旨判示した。

10(1) 経済同友会HP「投票価値の平等(「一票の格差」是正)実現Webサイト」What's New!に,一票の格差に関する時系列の経緯が載っています。
(2) 国立国会図書館HPレファレンスに以下の記事が載っています。
① 「戦後主要政党の変遷と国会内勢力の推移」(平成26年6月号)
② 「参議院定数配分をめぐる近時の最高裁判例-最高裁平成26年11月26日大法廷判決を中心として-」(平成27年7月号)
(3) 国立国会図書館HP「調査と情報」に以下の記事が載っています。
① 主要国議会の解散制度(平成28年10月18日発行の923号)
② 衆議院及び参議院における一票の格差-近年の最高裁判所判決を踏まえて-(平成29年3月28日発行の953号)
③ 戦後の我が国における主要制度の変遷(平成31年2月28日発行の1043号)
(4) 総務省自治行政局選挙部管理課選挙管理官は,中央選挙管理会が管理する選挙に関する事務を行っています(総務省組織規則27条2項)。
(5) レファレンス平成26年6月号の「戦後主要政党の変遷と国会内勢力の推移」を見れば,昭和20年8月から平成25年までの,主要政党の国会内勢力の推移が分かります。
(6) 参議院HPの「参議院関係法規等」「平成25年版参議院先例録」「平成22年版参議院先例諸表」「平成25年版参議院委員会先例録」及び「平成22年版参議院委員会先例諸表」が載っています。
   衆議院についても同種の文書は存在しますが,HPには掲載されていません。
(7) 総務省HPに「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」(平成25年5月26日に解禁されたもの)が載っています。
(8) 投票行動.com HPに,国会議員ごとの投票行動が載っています。

第1の2 最高裁が出した,一票の格差に関する違憲状態の判決及び違憲判決の一覧

1 総論
(1) 衆議院は参議院と比べて議員の任期が短く(憲法45条本文,46条対照),解散があります(憲法45条ただし書参照)から,参議院よりも一票の格差に関する許容範囲が狭いです。
(2)ア 違憲状態とは,一票の格差が憲法14条1項に違反する状態をいいます。
   違憲とは,一票の格差に関する違憲状態を是正するのに合理的期間を経過した場合をいいます。
イ 弁護士ドットコムニュース「<一票の格差判決>「違憲」と「違憲状態」の違いとは?弁護士がわかりやすく解説」が参考になります。
(3) 最高裁大法廷平成23年3月23日判決以降,一票の格差に関する判断基準が厳しくなりました。
   それ以前は概ね,衆議院の場合は最大格差が3.0倍を超え(最高裁大法廷平成5年1月20日判決参照),参議院の場合は最大格差が6.0倍を超えれば(最高裁大法廷平成8年9月11日判決参照),憲法に違反するといわれていました。

2 最高裁が出した,一票の格差に関する違憲状態の判決
(1) 衆議院議員総選挙に関するもの
   最高裁大法廷平成 5年 1月20日判決(平成 2年 2月18日の総選挙に関するもの)(最大格差3.18倍)
②   最高裁大法廷平成23年 3月23日判決(平成21年 8月30日の総選挙に関するもの)(最大格差2.304倍)
   最高裁大法廷平成25年11月20日判決(平成24年12月16日の総選挙に関するもの)(最大格差2.43倍)
④   最高裁大法廷平成27年11月25日判決(平成26年12月14日の総選挙に関するもの)(最大格差2.13倍)
(2) 参議院議員通常選挙に関するもの
   最高裁大法廷平成 8年 9月11日判決(平成 4年 7月26日の通常選挙に関するもの)(最大格差6.59倍)
   最高裁大法廷平成24年10月17日判決(平成22年 7月11日の通常選挙に関するもの)(最大格差5.00倍)
   最高裁大法廷平成26年11月26日判決(平成25年 7月21日の通常選挙に関するもの)(最大格差4.77倍)

3 最高裁が出した,一票の格差に関する違憲判決
(1)   ①最高裁大法廷昭和51年4月14日判決(最大格差4.99倍)及び最高裁大法廷昭和60年7月17日判決(最大格差4.40倍)だけであり,いずれも衆議院議員総選挙に関するものです。
(2) 公職選挙法219条1項前段は選挙訴訟への行政事件訴訟法31条1項の適用を排除しています。
   しかし,
衆議院議員選挙が憲法14条1項に違反する議員定数配分規定に基づいて行われたことにより違法な場合であっても,選挙を無効とする結果余儀なくされる不都合を回避することを相当とする判示のような事情があるときは,いわゆる事情判決の制度の基礎に存するものと解すべき一般的な法の基本原則に従い,選挙無効の請求を棄却するとともに主文において当該選挙が違法である旨を宣言すべきであるとされています最高裁大法廷昭和60年7月17日判決。いわゆる「事情判決の法理」です。)。

第2の1 衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧1/2

1 昭和47年12月10日実施の第33回衆議院議員総選挙(最大格差4.99倍)
   最高裁大法廷昭和51年4月14日判決は,違憲と判断しました。

2 昭和55年6月22日実施の第36回衆議院議員総選挙衆参同日選)(最大格差3.94倍)
   最高裁大法廷昭和58年11月7日判決は,合憲と判断しました。

3 昭和58年12月18日実施の第37回衆議院議員総選挙(最大格差4.40倍)
   最高裁大法廷昭和60年7月17日判決は,違憲と判断しました。

4 昭和61年7月6日実施の第38回衆議院議員総選挙衆参同日選)(最大格差2.92倍)
   最高裁昭和63年10月21日判決は,合憲と判断しました。

5 平成2年2月18日実施の第39回衆議院議員総選挙(最大格差3.18倍)
   平成4年11月11日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成5年1月20日判決は,違憲状態と判断しました。

6 平成5年7月18日実施の第40回衆議院議員総選挙(最大格差2.82倍)
   最高裁平成7年6月8日判決は,合憲と判断しました。

7 平成8年10月20日実施の第41回衆議院議員総選挙(最大格差2.309倍)
   平成11年10月6日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成11年11月10日判決は,合憲と判断しました。

8 平成12年6月25日実施の第42回衆議院議員総選挙(最大格差2.471倍)
   最高裁平成13年12月18日判決は,合憲と判断しました。

9 平成15年11月9日実施の第43回衆議院議員総選挙(最大格差2.064倍)
   最高裁平成17年9月27日判決は,衆議院議員選挙を無効とする判決を求める訴訟は衆議院の解散(平成17年8月8日)によって,その訴えの利益を失うと判示しました。

10 平成17年9月11日実施の第44回衆議院議員総選挙(最大格差2.171倍)
   平成19年4月25日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成19年6月13日判決は,合憲と判断しました。

第2の2 衆議院議員総選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧2/2

1 平成21年8月30日実施の第45回衆議院議員総選挙(最大格差2.304倍)
(1) 判決内容
ア   平成23年2月23日の口頭弁論を経て,
最高裁大法廷平成23年3月23日判決は,違憲状態と判断しました。
イ 一人別枠方式は違憲状態であると判示したのは12人,一人別枠方式は違憲であると判示したのは2人,一人別枠方式は合憲であると判示したのは1人でした(外部HPの
「最高裁大法廷平成23年3月23日判決について 速報」参照)。
(2) その後の法改正
ア 平成24年11月26日公布の改正衆議院議員選挙区画定審議会設置法により,小選挙区の一人別枠方式を定めた同法3条2項が削除されました。
   なお,改正前の同法3条2項は,「前項の改定案の作成に当たっては、各都道府県の区域内の衆議院小選挙区選出議員の選挙区の数は、一に、公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)第四条第一項 に規定する衆議院小選挙区選出議員の定数に相当する数から都道府県の数を控除した数を人口に比例して各都道府県に配当した数を加えた数とする。」と定めていました。 
イ 総務省の衆議院議員選挙区画定審議会は,内閣総理大臣に対し,平成25年3月28日,衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告を行いました(総務省HPの「衆議院小選挙区選出議員の選挙区の画定案・改定案の勧告」参照)。 
ウ(ア) 平成25年6月28日公布の改正公職選挙法により,17都県42選挙区で選挙区の区割りが変わったほか,5県(山梨,福井,徳島,高知及び佐賀)の定数を3人から2人に減らす0増5減が規定された結果,衆議院の定数が480人(小選挙区300人+比例代表180人)が475人(小選挙区295人+比例代表180人)となりました。
そして,平成25年7月28日施行の衆議院議員小選挙区の区割りが,総務省HPの「衆議院小選挙区の区割りの改定等について」に掲載されています。
(イ) このときの法改正に至るまでの詳細な経緯は,総務省HPの「第22回衆議院議員選挙区画定審議会」(平成25年7月29日開催)に書いてあります。

2 平成24年12月16日実施の第46回衆議院議員総選挙(最大格差2.43倍)
(1) 平成25年10月23日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成25年11月20日判決は,違憲状態と判断しました。
(2) 最大格差2.304倍であった平成21年8月30日実施の第45回衆議院議員総選挙が最高裁大法廷平成23年3月23日判決によって違憲状態であると判断されていました。
   そのため,最大格差2.43倍となった平成24年12月16日実施の第46回衆議院議員総選挙が違憲状態であると判断されることは容易に予想されることでした。
(3)   
「選挙無効訴訟と国会の裁量-衆議院の選挙区割りをめぐる最高裁平成25年11月20日大法廷判決を素材として-」(レファレンス平成26年11月号)で解説されています。
(4) 日弁連は,平成25年11月20日,「衆議院選挙定数配分に関する最高裁判所大法廷判決についての会長声明」を出しました。

3 平成26年12月14日実施の第47回
衆議院議員総選挙(最大格差2.13倍)

(1) 判決内容
ア 高裁判決の内容
・ 平成27年3月26日までに17件の高裁本庁及び高裁支部の判決が出そろい,違憲が1件,違憲状態が12件,合憲が4件でした。

イ 最高裁判決の内容
(ア)   平成27年10月28日の口頭弁論を経て,
最高裁大法廷平成27年11月25日判決は,違憲状態と判断しました。
(イ) 千葉勝美裁判官は,補足意見を付けました。
・   櫻井龍子裁判官及び池上政幸裁判官は,定数配分は合憲であるという趣旨の意見を付けました。
・   大橋正春裁判官は,定数配分は違憲であり,判決確定後6ヶ月経過の後に無効とすべきという反対意見を付けました。
・   鬼丸かおる裁判官は,定数配分は違憲であるという反対意見を付けました。
・   木内道祥裁判官が,定数配分は違憲であり,12の選挙区については無効とすべきという反対意見を付けました。
(2) その後の法改正
ア 平成26年6月19日に設置された衆議院選挙制度に関する調査会は,平成28年1月14日,定数10減及びアダムズ方式導入を柱とする答申を出しました(衆議院HPの
「衆議院選挙制度に関する調査会」参照)。
イ 平成28年5月27日公布の改正公職選挙法により,小選挙区が6人(青森,岩手,三重,奈良,熊本及び鹿児島から各1人),比例代表が4人(東北,北陸信越,近畿及び九州の各ブロックから1人)削減されて,衆議院の定数は465人(小選挙区289人+比例代表176人)となることとなりました。
ウ 総務省の衆議院議員選挙区画定審議会は,内閣総理大臣に対し,平成29年4月19日,衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告を行いました(総務省HPの「衆議院小選挙区選出議員の選挙区の画定案・改定案の勧告」参照)。 
   最大較差が平成27年国勢調査による日本国民の人口で1.956倍(平成32年見込人口で1.999倍)となる19都道府県97選挙区の改定案でした(総務省HPの「衆議院小選挙区の区割りの改定等について」参照)。
エ(ア) 平成29年6月16日公布の改正公職選挙法により,19都道府県97選挙区で選挙区の区割りが変わったほか,小選挙区が6人(青森,岩手,三重,奈良,熊本及び鹿児島から各1人),比例代表が4人(東北,北陸信越,近畿及び九州の各ブロックから1人)削減されて,衆議院の定数は465人(小選挙区289人+比例代表176人)となりました。
   そして,平成29年7月16日施行の衆議院議員小選挙区の区割りが,総務省HPの「衆議院小選挙区の区割りの改定等について」に掲載されています。
(イ) このときの法改正に至るまでの詳細な経緯は,総務省HPの「第36回衆議院議員選挙区画定審議会」(平成29年8月3日開催)に書いてあります。
オ 公示日前日である平成29年10月9日現在,一票の格差は最大で1.98倍です(中日新聞HPの「1票の格差1・98倍 区割り変更で2倍以上解消」参照)。
(3) その他
ア 日弁連は,平成27年11月25日,「衆議院選挙定数配分に関する最高裁判所大法廷判決についての会長声明」を出しました。
イ   
NHK解説委員室HP「時論公論 「1票の格差はどこまで許されるのか」」(平成27年11月26日)で解説されています。

4 平成29年10月22日実施の第48回衆議院議員総選挙(最大格差1.98倍)
(1) 判決内容
ア 高裁判決の内容
・ 平成30年3月30日までに16件の高裁本庁及び高裁支部の判決が出そろい,違憲状態が1件,合憲が15件でした。
イ 最高裁判決の内容
(ア)   平成30年11月28日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成30年12月19日判決は合憲と判断しました。
(イ) 林景一裁判官は,累次の大法廷判決を受けて国会が行った是正努力をも踏まえて,合憲であるという多数意見の結論に同調するという意見を付けました。
・   宮崎裕子裁判官は,定数配分は違憲状態であるという意見を付けました。
・   鬼丸かおる裁判官は,定数配分は違憲であるという反対意見を付けました。
・ 山本庸幸裁判官は,定数配分は違憲であり,一票の価値が0.8を下回る選挙区から選出された議員は,全てその身分を失うものと解すべきであるという反対意見を付けました。
平成25年7月28日施行の,衆議院小選挙区の区割り変更のポスター(総務省HPより)
平成29年7月16日施行の,衆議院小選挙区の区割り変更のポスター1/2(総務省HPより)
平成29年7月16日施行の,衆議院小選挙区の区割り変更のポスター2/2(総務省HPより)

第3の1 参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧1/2

1 昭和37年7月1日実施の第6回参議院議員通常選挙(最大格差4.09倍)
(1)    最高裁大法廷昭和39年2月5日判決は,合憲と判断しました。
(2) 「議員定数、選挙区および各選挙区に対する議員数の配分の決定に関し立法府である国会が裁量的権限を有する以上、選挙区の議員数について、選挙人の選挙権の享有に極端な不平等を生じさせるような場合は格別、各選挙区に如何なる割合で議員数を配分するかは、立法府である国会の権限に属する立法政策の問題であつて、議員数の配分が選挙人の人口に比例していないという一事だけで、憲法14条1項に反し無効であると断ずることはできない。」と判示しました。

2 昭和46年6月27日実施の第9回参議院議員通常選挙(最大格差は5.08倍)
   最高裁昭和49年4月25日判決は,合憲と判断しました。

3 昭和52年7月10日実施の第11回参議院議員通常選挙(最大格差は5.26倍)
   最高裁大法廷昭和58年4月27日判決は,合憲と判断しました。

4 昭和55年6月22日実施の第12回参議院議員通常選挙(最大格差は5.37倍)
   最高裁昭和61年3月27日判決は,合憲と判断しました。

5 昭和58年6月26日実施の第13回参議院議員通常選挙(最大格差は5.56倍)
   最高裁昭和62年9月24日判決は,合憲と判断しました。

6 昭和61年7月6日実施の第14回参議院議員通常選挙(最大格差は5.85倍)
   最高裁昭和63年10月21日判決は,合憲と判断しました。

7 平成4年7月26日実施の第16回参議院議員通常選挙(最大格差6.59倍)
   平成8年6月26日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成8年9月11日判決は,違憲状態と判断しました。

8 平成7年7月23日実施の第17回参議院議員通常選挙(最大格差4.97倍)
   平成10年6月3日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成10年9月2日判決は,合憲と判断しました。

9 平成10年7月12日実施の第18回参議院議員通常選挙(最大格差4.98倍)
   平成12年7月5日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成12年9月6日判決は,合憲と判断しました。

10 平成13年7月29日実施の第19回参議院議員通常選挙(最大格差5.06倍)
(1)   平成15年12月10日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成16年1月14日判決は,合憲と判断しました。
(2) 最高裁大法廷平成16年1月14日判決の多数意見は5行だけであって(判決文4頁参照),残りは以下のとおりでした。
① 補足意見1(裁判官5人)
② 補足意見1の追加補足意見(裁判官島田仁郎)
③ 補足意見2(裁判官4人)
④ 補足意見2の追加補足意見(裁判官亀山継夫)
⑤ 補足意見2の追加補足意見(裁判官横尾和子)
⑥ 反対意見(裁判官6人)
⑦ 追加反対意見(裁判官福田博)
⑧ 追加反対意見(裁判官梶谷玄)
⑨ 追加反対意見(裁判官深澤武久)
⑩ 追加反対意見(裁判官濱田邦夫)
⑪ 追加反対意見(裁判官滝井繁男)
⑫ 追加反対意見(裁判官泉徳治)
(3) 多数意見が結論しか書いていない最高裁判決としては,最高裁大法廷昭和28年7月22日判決ぐらいです(「一歩前へ出る司法」172頁参照)。

11 平成16年7月11日実施の第20回参議院議員通常選挙(最大格差5.13倍)
   平成18年7月12日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成18年10月4日判決は,合憲と判断しました。

12 平成19年7月29日実施の第21回参議院議員通常選挙(最大格差4.86倍)
   平成21年7月8日の口頭弁論を経て,最高裁大法廷平成21年9月30日判決は,合憲と判断しました。

第3の2 参議院議員通常選挙における,一票の格差に関する最高裁判決の一覧2/2

1 平成22年7月11日実施の第22回参議院議員通常選挙(最大格差5.00倍)
(1) 判決内容
ア 高裁判決の内容
   平成23年2月28日までに那覇支部を除く15件の高裁本庁及び高裁支部の判決が出そろい,違憲が3件,違憲状態が12件,合憲が0件でした(外部HPの
「一人一票(参院選)全国の判決日/判決文マップ」参照)。
イ 最高裁判決の内容
   平成24年9月12日の口頭弁論を経て,
最高裁大法廷平成24年10月17日判決は,違憲状態と判断しました。
違憲状態であると判断したのが12人,違憲であると判断したのが3人,合憲であると判断したのは0人でした(外部HPの「最高裁大法廷平成24年10月17日判決について」参照)。
(2) その後の法改正
・ 平成24年11月26日公布の公職選挙法改正において,参議院(選挙区)定数に関する「4増4減」(福島県及び岐阜県の議員数をそれぞれ4人から2人に減らし,神奈川県及び大阪府の議員数を6人から8人に増やすというもの)が規定されました。
   そして,同日施行の参議院選挙区選出議員の定数の変更が,総務省HPの「参議院選挙区選出議員の選挙区の定数の改正」に掲載されています。
・ 公職選挙法の一部を改正する法律(平成24年11月26日法律第94号)附則3項は,「平成二十八年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、参議院の在り方、選挙区間における議員一人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、結論を得るものとする。」と定めています。
(3) その他
・ 第22回参議院議員通常選挙に関して,Chikirinの日記ブログ「格差問題@一票の価値」に,「もしも選挙区割りがなく、得票数の多い順に当選していたらどうなっていたのか」が書いてあります。

2 平成25年7月21日実施の第23回参議院議員通常選挙(最大格差4.77倍)
(1) 判決内容等
ア 高裁判決の内容
・   平成25年12月26日までに16件の高裁本庁及び高裁支部の判決が出そろい,違憲が3件(うち,違憲無効が1件(広島高裁岡山支部平成25年11月28日判決(裁判長は30期の片野悟好裁判官))),違憲状態が13件,合憲が0件でした(外部HPの
「昨夏の参院選は「違憲状態」最高裁が判決」及び「一人一票(2013参院)裁判~1人1票判決へ~」参照)。
・   国政選挙を違憲無効とした判決は,鹿児島2区選挙無効事件に関する大審院昭和20年3月1日判決(平成21年8月16日放送の,NHKスペシャル終戦ドラマ「気骨の判決」で取り上げられました。)以来です。
イ 最高裁判決の内容
・  
最高裁大法廷平成26年11月26日判決は,違憲状態と判断しました。
・ 山本庸幸裁判官(元 内閣法制局長官)の反対意見は,違憲無効を主張しました。
ウ 判決の解説
・    
「参議院議員定数配分をめぐる近時の最高裁判例-最高裁平成26年11月26日大法廷判決を中心として-」(レファレンス平成27年7月号)で解説されています。
(2) その後の法改正
・ 公明党は,平成27年6月15日,参議院選挙区における一票の格差を是正するため,隣接する20選挙区を合区して10選挙区に再編し,格差を2倍未満とする案を発表しました(公明党HPの「参院選挙制度で公明が改革案」参照)。
   これによれば,合区とされる選挙区は,秋田・山形(2人),富山・岐阜(4人),石川・福井(2人),山梨・長野(4人),奈良・和歌山(4人),鳥取・島根(2人),徳島・高知(2人),香川・愛媛(4人),佐賀・長崎(2人),大分・宮崎(4人)です。
・   平成27年8月5日公布の公職選挙法改正において,参議院(選挙区)定数に関する「10増10減」,鳥取・島根及び徳島・高知の合区等が規定されました。
   そして,平成27年11月5日施行の参議院選挙区選出議員の選挙区及び定数の変更が,総務省HPの「参議院選挙区選出議員の選挙区及び定数の改正等について」に掲載されています。
(3) その他
・   日弁連は,平成26年11月26日,「参議院選挙定数配分に関する最高裁判所大法廷判決についての会長声明」を出しました。
・ 全国知事会は,平成28年7月29日,参議院選挙における合区の解消に関する決議を出しました(全国知事会HPの「平成28年8月25日「参議院選挙における合区の解消に関する決議」に係る要請活動について」参照)。

3 平成28年7月24日実施の第24回参議院議員通常選挙(最大格差3.08倍)
(1) 高裁判決の内容等
・   一人一票実現国民会議HPの
「一人一票(2016参院)裁判始まりました!」に,高裁判決の全文,最高裁の弁論期日における弁論要旨等が載っています。
・ 平成28年11月8日までに16件の高裁本庁及び高裁支部の判決が出そろい,違憲が0件,違憲状態が10件,合憲が6件でした(外部HPの「合憲?違憲状態?判断分かれる「一票の格差」特集」参照)。
(2) 最高裁判決の内容等
・ 平成29年7月19日の口頭弁論期日において,「傍聴人の皆様へ 選挙無効請求事件(参議院議員定数訴訟)について」と題する説明資料が配布されました(Youtube動画につき「最高裁で弁論 「一票の格差」巡り参院選無効の訴え(2017/7/19)」参照)。
・ 最高裁大法廷平成29年9月27日判決(升永弁護士のグループ)及び最高裁大法廷平成29年9月27日判決(山口弁護士のグループ)は,合憲と判断しました(Youtube動画につき「「一票の格差」最高裁は「合憲」 去年の参院選」参照)。
(3) その他
   日弁連は,平成29年9月28日,「参議院選挙定数配分に関する最高裁判所大法廷判決についての会長声明」を出しました。
平成27年11月5日施行の,参議院選挙区選出議員の選挙区及び定数の改正等に関するポスター(総務省HPより)
平成29年7月19日の口頭弁論期日で配布された,傍聴人の皆様へ 選挙無効請求事件(参議院議員定数訴訟)について

第4 衆議院議員総選挙当日有権者数の最多選挙区及び最小選挙区

1 平成 8年10月20日執行の第41回衆議院議員総選挙
最多選挙区:神奈川県第14区(44万6970人)
最小選挙区:島根県第3区(19万2999人)
2倍超区数:62選挙区
最大 格差:2.316倍

2 平成12年6月25日執行の第42回衆議院議員総選挙
最多選挙区:神奈川県第14区(47万1445人)
最小選挙区:島根県第3区(19万1241人)
2倍超区数:87選挙区
最大 格差:2.465倍

3 平成15年11月9日執行の第43回衆議院議員総選挙
最多選挙区:千葉県第4区(45万9501人)
最小選挙区:徳島県第1区(21万3689人)
2倍超区数:27選挙区
最大 格差:2.150倍

4 平成17年9月11日執行の第44回衆議院議員総選挙
最多選挙区:東京都第6区(46万5181人)
最小選挙区:徳島県第1区(21万4235人)
2倍超区数:33選挙区
最大 格差:2.171倍

5 平成21年8月30日執行の第45回衆議院議員総選挙
最多選挙区:千葉県第4区(48万7837人)
最小選挙区:高知県第3区(21万1750人)
2倍超区数:45選挙区
最大 格差:2.304倍

6 平成24年12月16日執行の第46回衆議院議員総選挙
最多選挙区:千葉県第4区(49万5212人)
最小選挙区:高知県第3区(20万4196人)
2倍超区数:72選挙区
最大 格差:2.425倍

7 平成26年12月14日執行の第47回衆議院議員総選挙
最多選挙区:東京都第1区(49万2025人)
最小選挙区:宮城県第5区(23万1081人)
2倍超区数:13選挙区
最大 格差:2.129倍

8 平成29年10月22日執行の第48回衆議院議員総選挙
最多選挙区:東京都第13区(47万2423人)
最小選挙区:鳥取県第1区(23万8771人)
最大 格差:1.979倍

第5 参議院議員通常選挙当日有権者数(議員1人当たり)の最多選挙区及び最小選挙区

1 昭和52年7月10日執行の第11回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(111万3463人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(21万1507人)
格差:5.264倍

2 昭和55年6月22日執行の第12回参議院議員通常選挙(衆参同日選挙)
最多選挙区:神奈川県選挙区(117万1382人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(21万7992人)
格差:5.374倍

3 昭和58年6月26日執行の第13回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(123万8208人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(22万2848人)
格差:5.556倍

4 昭和61年7月6日執行の第14回参議院議員通常選挙(衆参同日選挙)
最多選挙区:神奈川県選挙区(132万491人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(22万5601人)
格差:5.853倍

5 平成元年7月23日執行の第15回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(143万1227人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(22万9034人)
格差:6.249倍

6 平成4年7月26日執行の第16回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(152万7439人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(23万1933人)
格差:6.586倍

7 平成7年7月23日執行の第17回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(117万7394人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(23万6919人)
格差:4.970倍

8 平成10年7月12日執行の第18回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(119万7651人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万722人)
格差:4.975倍

9 平成13年7月29日執行の第19回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(123万3477人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万4913人)
格差:5.036倍

10 平成16年7月11日執行の第20回参議院議員通常選挙
最多選挙区:東京都選挙区(126万4178人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万6218人)
格差:5.134倍

11 平成19年7月29日執行の第21回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(119万7275人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万6434人)
格差:4.858倍

12 平成22年7月11日執行の第22回参議院議員通常選挙
最多選挙区:神奈川県選挙区(121万5760人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万2956人)
格差:5.004倍

13 平成25年7月21日執行の第23回参議院議員通常選挙
最多選挙区:北海道選挙区(114万9739人)
最小選挙区:鳥取県選挙区(24万1096人)
格差:4.769倍

14 平成28年7月10日執行の第24回参議院議員通常選挙
最多選挙区:埼玉県選挙区(101万1503人)
最小選挙区:福井県選挙区(32万8722人)
格差:3.077倍

第6 一票の格差訴訟における被告等,第1号法定受託事務等及び大阪法務局訟務部

1 一票の格差訴訟における被告等
(1)   衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙の効力に関する訴訟は,当該都道府県の選挙管理委員会を被告とし,当該選挙の日から30日以内に,高等裁判所に提起することとなります(公職選挙法204条)。
   そのため,一票の格差訴訟における被告は都道府県管理委員会となります。
(2) 総務省自治行政局選挙部管理課訟務専門官は,選挙訴訟等に関する事務を行っています(総務省組織規則27条3項)。

2 選挙無効訴訟の位置づけ
(1) 公職選挙法204条は,選挙人又は公職の候補者のみがこれを提起し得るものと定め,同法205条1項は,上記訴訟において主張し得る選挙無効の原因を「選挙の規定に違反することがあるとき」と定めており,この無効原因は,主として選挙管理の任にある機関が選挙の管理執行の手続に関する明文の規定に違反することがあるとき又は直接そのような明文の規定は存在しないが選挙の基本理念である選挙の自由公正の原則が著しく阻害されるときを指します(最高裁平成29年10月31日判決。なお,先例として,最高裁昭和27年12月4日判決最高裁昭和51年9月30日判決最高裁平成26年7月9日判決参照)。
(2)ア  公職選挙法204条の選挙無効訴訟において,選挙人は,同法205条1項所定の選挙無効の原因として同法9条1項並びに11条1項2号及び3号の規定(受刑者の選挙権及び被選挙権の制限)の違憲を主張することができません(最高裁平成26年7月9日決定)。 
イ 公職選挙法204条の選挙無効訴訟において,選挙人は,同法205条1項所定の選挙無効の原因として同法10条1項2号の規定(参議院議員の被選挙権は年齢満30歳以上の者だけが有すること)の違憲を主張することができません(最高裁平成29年10月31日判決)。
(3) 公職選挙法204条の選挙無効訴訟において,選挙人は,同法205条1項所定の選挙無効の原因として,年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている同法9条1項の規定の違憲を主張することはできません(最高裁平成31年2月28日決定)。

3 第1号法定受託事務等
(1) ①国政選挙,②旅券の交付,③国の指定統計,④国道の管理,⑤戸籍事務,⑥生活保護及び⑦マイナンバー事務は,第1号法定受託事務です(地方自治法2条10項及び別表第一参照)。
   第1号法定受託事務とは,法律又はこれに基づく政令により都道府県,市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち,国が本来果たすべき役割に係るものであって,国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるものをいいます(地方自治法2条9項1号)。
(2) 地方自治体が有するところの,第1号法定受託事務に関する行政訴訟における法務局等(法務局訟務部及び地方法務局訟務部門のことです。)との接点としては以下のものがあります。
① 法務局等に対して報告すること(法務大臣権限法6条の2第1項)。
② 法務局等から助言,勧告,資料提出の要求及び指示を受けること(法務大臣権限法6条の2第3項)。
③ 法務局等に対して訴訟の実施請求をすること(法務大臣権限法7条1項)。
(3) 第1号法定受託事務において当事者となる例は以下のとおりです。
① 自治体が当事者となる例としては,生活保護受給申請を拒否した市町村長の処分に係る取消訴訟があります。
② 自治体の行政庁が当事者となる例としては,衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙に関して,都道府県選挙管理委員会を被告として提起された選挙無効請求訴訟があります。

4 大阪法務局訟務部
(1) 大阪法務局訟務部には訟務部長1人(裁判官からの出向者です。),訟務部副部長5人(うち2人は裁判官からの出向者です。),訟務部付検事(裁判官からの出向者もいます。),訟務管理官,総括上席訟務官,上席訟務官,訟務官及び事務官がいます。
(2)   地方法務局訟務部門には総括上席訟務官,上席訟務官,訟務官及び事務官がいます(大阪法務局管内の地方法務局の場合,総括上席訟務官がいるのは京都地方法務局及び神戸地方法務局だけです。)。
(3) 「出向裁判官の名簿及び判検交流」も参照して下さい。
1(1) 交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
(2) 相談予約の電話番号は「お問い合わせ」に載せています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。