最高裁判所裁判官国民審査

第1の1 最高裁判所裁判官国民審査の制度説明

1 総論
(1) 最高裁判所裁判官国民審査の制度は,既に任命されている最高裁判所の裁判官が,その職責にふさわしいかどうかを国民が審査する制度です(憲法79条2項ないし4項,裁判所法48条及び最高裁判所裁判官国民審査法)。
(2) 最高裁判所裁判官国民審査の制度は,国民が裁判官を罷免すべきか否かを決定する趣旨であって,裁判官の任命を完成させるか否かを審査するものではありません(最高裁大法廷昭和27年2月20日判決最高裁昭和47年7月25日判決参照)。

2 国民審査のタイミング
(1) 最高裁判所の裁判官は任命された後に初めて行われる衆議院議員総選挙の投票日に国民審査を受け,この審査の日から10年を経過した後に初めて行われる衆議院議員総選挙の投票日に更に審査を受けます(憲法79条2項)。
(2) 憲法79条2項に基づき再審査を受けた最高裁判所裁判官は6人だけですし,再審査自体,昭和38年を最後に1度も実施されていません。
(3) 国民審査を受ける前に退官した最高裁判所裁判官は,舌禍事件により昭和23年6月28日に依願退官した庄野理一(元 東弁弁護士),及び昭和26年7月29日に死亡退官した穂積重遠(元 東京帝国大学法学部長)の2人だけです。
(4) 最高裁判所判事に任命されて既に国民審査を受けた者が最高裁判所長官に任命された場合,改めて国民審査を受ける必要はないと解されています(昭和47年3月14日の衆議院法務委員会における真田秀夫内閣法制局第一部長の答弁)。

3 国民審査の投票等
(1) 衆議院議員の総選挙がある人は,国民審査の投票をすることができます。
(2) 審査人である有権者は,投票所において,罷免を可とする裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し,罷免を可としない裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで,これを投票箱に入れなければなりません(最高裁判所裁判官国民審査法15条)。
(3) 罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い最高裁判所裁判官は罷免されます(最高裁判所裁判官国民審査法32条)ものの,これまでに罷免された最高裁判所裁判官はいません。
(4) 衆議院HPに,制定時の最高裁判所裁判官国民審査法(昭和22年11月20日法律第136号)が掲載されています。

4 最高裁判所裁判官国民審査公報
(1) 最高裁判所裁判官国民審査法53条,最高裁判所裁判官国民審査法施行令22条ないし30条,及び最高裁判所裁判官国民審査公報発行規程2条に基づき,最高裁判所裁判官国民審査公報が発行されています。
(2) 最高裁判所裁判官国民審査公報には,審査に付される裁判官の氏名,生年月日及び経歴並びに最高裁判所において関与した主要な裁判その他審査に関し参考となるべき事項が掲載されます(最高裁判所裁判官国民審査法施行令23条)。
(3) 首相官邸HPの「最高裁判所裁判官国民審査の概要について」によれば,審査公報の字数は1000字以内となっていますものの,その根拠となる条文はよく分かりません。

5 最高裁判所裁判官国民審査の場合,在外投票が認められていないこと等
(1) 最高裁判所裁判官国民審査の場合,国民審査に付される最高裁判所裁判官の名前が印刷された投票用紙が必要となりますところ,それを,公示日から投開票日までの間にすべての在外公館に配布することは不可能ですから,在外投票が認められていません(外部HPの「最高裁判事の国民審査 海外でできない超アナログな事情」参照)。
(2) 国政選挙(衆議院議員選挙及び参議院議員選挙)の場合,平成12年5月,比例代表選出議員選挙に関する在外選挙が開始し,最高裁大法廷平成17年9月14日判決を受けた平成18年の公職選挙法の改正により,平成19年6月,衆議院小選挙区選出議員選挙及び参議院選挙区選出議員選挙に関する在外選挙が開始し,平成28年6月,選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられました(外務省HPの「在外選挙制度導入とその後の制度改正」参照)。
(3) レファレンス平成26年6月号の「戦後主要政党の変遷と国会内勢力の推移」を見れば,昭和20年8月から平成25年までの,主要政党の国会内勢力の推移が分かります。

6 最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票の開始日の変更
(1)   平成29年1月1日以降,最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票の開始日は,原則として,衆議院議員総選挙と同様,総選挙の公示日の翌日(通常は選挙期日前11日)となりました(最高裁判所裁判官国民審査法16条の2)(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査関係法令」参照)。
(2) 公職選挙法及び最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律(平成28年12月2日法律第94号)に関する,最高裁判所裁判官国民審査法の新旧対照表を掲載しています。

7 関連ページ
(1) 「裁判官の定年予定日」にあるとおり,最高裁判所裁判官の定年は70歳です(憲法79条5項,裁判所法50条)から,誕生日の前日に定年退官となります。
(2) 最高裁判所長官に関する親任式,及び最高裁判所判事に関する認証官任命式については,「幹部裁判官の後任候補者」を参照してください。
(3) 最高裁判所裁判官の投票行動については,外部HPの「投票行動.com」に載っています。
   また,最高裁判所判事の仕事ぶりについては,外部HPの「裁判官と学者の間で」(藤田宙靖 元最高裁判所判事)が参考になります。
(4) 昭和22年8月4日の最高裁発足の経緯については,外部HPの「最高裁のルーツを探る-裁判所法案起草から三淵コート成立まで-」が参考になります。
   なお,日本国憲法が施行された昭和22年5月3日から同年8月3日までの間,大審院長が最高裁判所長官を代行し,大審院判事が最高裁判所判事を代行していました(裁判所法施行令12条参照)。
(5) 最高裁長官及び東京高裁長官の経歴については,外部HPの「日本司法の支配構造~最高裁長官と東京高裁長官の経歴に着目する~」(2008年10月)が参考になります。
(6)    議員定数不均衡訴訟に関する最高裁判所判決については,「一票の格差に関する最高裁判決の一覧」を参照してください。
(7) 「最高裁判所及び高等裁判所勤務の裁判官の名簿」「最高裁判所長官,最高裁判所判事及び高等裁判所長官の年収及び退職手当等」及び「裁判所の司法行政」も参照してください。

第1の2 最高裁判所裁判官の出身者の枠等

1 第2及び第3の最高裁裁判所裁判官につき,裁判官枠の現職者については赤文字表記とし,弁護士枠の現職者については青文字表記とし,その他の枠の現職者については緑文字表記としています。
   裁判官枠は6人,弁護士枠は4人,その他の枠は5人となっており,その他の枠5人の内訳は,検察官2人,行政官2人及び大学教授1人です(首相官邸HPの「最高裁裁判官の任命について」参照)。

2(1) 法曹制度検討会の,平成14年11月12日の第12回配付資料のうち,「日弁連における最高裁判所裁判官推薦方法」及び「資料1 日弁連最高裁判所裁判官推薦諮問委員会に関する資料」にあるとおり,日弁連は,日弁連内に設置した最高裁判所裁判官推薦諮問委員会の答申に基づき,最高裁判所に対し,弁護士枠の最高裁判所判事候補者を推薦しています。
   その際,候補者に順位を付けているみたいです(平成21年11月17日全部改正後の「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」6条参照)。
(2) 日弁連会長は,日弁連推薦の手続が完了したときは,日弁連推薦にかかる候補者の氏名並びに審議の経過及び内容を日弁連理事会に報告します(「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」7条1項)。
   また,日弁連会長は,最高裁判所裁判官の任命行為が完了したときは,日弁連が推薦し,任命された最高裁判所裁判官の氏名及び推薦理由を会員に公表しています(「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」7条2項)。

3(1) 裁判所HPの「最高裁判所の裁判官」に,現在の最高裁判所裁判官の名簿が載っています。
(2) Internet Archiveに,裁判所HPに掲載されていた過去の「最高裁判所の裁判官」が以下のとおり掲載されています。
① 平成21年1月19日時点のもの
② 平成25年6月9日時点のもの
③ 平成28年1月19日時点のもの

4 Wikipediaの「最高裁判所裁判官」に,昭和22年以降の最高裁判所裁判官 出身別人数の推移,歴代最高裁判所裁判官一覧等が載っています。

5 裁判所HPの「最高裁判所開廷期日情報」に,今後の開廷期日情報が載っています。

第1の3 昭和22年8月4日以降の,弁護士出身の最高裁判所裁判官の氏名の推移

「弁護士出身の最高裁判所裁判官の一覧」を参照してください。 

第2 次の衆議院議員総選挙時に執行される第24回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成30年12月14日までに,次の衆議院議員総選挙が執行される予定です。

2   次の衆議院議員総選挙時に行われる第24回最高裁判所裁判官国民審査において,以下の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われる予定です。

(1) 平成26年12月24日発足の第3次安倍内閣任命分
① 平成27年2月17日任命の
大谷直人最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成34年6月23日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する白木勇最高裁判所判事(22期・第一小法廷)の後任として,平成27年1月23日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 最高裁調査官→東京地裁判事→司法研修所刑事裁判教官→最高裁刑事局第一課長→東京高裁12刑判事→東京地裁16刑部総括→最高裁秘書課長→最高裁刑事局長→最高裁人事局長→静岡地裁所長→最高裁事務総長→大阪高裁長官を経て最高裁判所判事となりました(詳細につきe-hokiの「大谷直人」参照)。
・ 外部HPの「最高裁事務総局とはいかなる役所か」に,最高裁判所事務総長になるまでの大谷直人裁判官の経歴が書いてあります。
   東京高裁管内から出たのは富山地家裁勤務の1回だけです。
・ 投票行動.comの「大谷直人」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 大谷直人最高裁判所判事の履歴書等を掲載しています。
 
② 平成27年4月2日任命の小池裕最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成33年7月3日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する金築誠志最高裁判所判事(21期・第一小法廷)の後任として,平成27年3月3日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 最高裁総務局制度調査室長→東京地裁判事→最高裁総務局第二課長→最高裁総務局第一課長→最高裁審議官→東京地裁10民部総括→最高裁経理局長→水戸地裁所長→東京高裁4民部総括→東京地裁所長→東京高裁長官を経て最高裁判所判事となりました(詳細につきe-hokiの「小池裕」参照)。
・ 投票行動.comの「小池裕」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
 
(2) 平成27年10月7日発足の第3次安部第1次改造内閣任命分
③ 平成28年7月19日任命の木澤克之最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
・ 立教大学法学部卒であり,元 東京弁護士会司法修習委員会委員長・日弁連司法修習委員会委員であり,平成33年8月27日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する山浦善樹最高裁判所判事(26期・第一小法廷)の後任として,平成28年6月17日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 平成4年6月から蔵王産業株式会社の社外監査役をしていました(平成27年6月5日付の,同社の「第59回定時株主総会招集ご通知」39頁参照)が,最高裁判所判事就任に伴い,平成28年6月30日に退任しました(平成28年6月30日付の,同社の「監査役の退任及び補欠監査役の就任に関するお知らせ」参照)。
   同社は,平成28年6月3日付の「第60回定時株主総会招集ご通知」38頁において,第2号議案として補欠監査役1名選任の件を提案していますところ,そこには「なお,本議案における選任の効力は,就任前に限り,監査役会の同意のうえ取締役会の決議によりその選任を取り消すことができるものとさせていただきます。」と書いてありました。
そのため,同日時点では,木澤克之弁護士の最高裁判所判事への就任が予定されていたものの,確定していたわけではなかったのかもしれません。
・ 立教大学校友会HPに「木澤克之氏(1974年法学部法学科卒)の最高裁判所判事就任が決定」が掲載されています。
・ 平成25年以降,岡山県の学校法人加計学園(かけがくえん)の監事をしていました。
   同学園の理事長である加計孝太郎(Wikipediaの記事によれば,立教大学文学部卒業です。)は,平成28年7月21日,安倍晋三首相と食事をしたり,同月22日,安倍晋三首相とゴルフをしたりしています(外部ブログの「【横車を押す】第二の森友「加計学園」の木澤克之監事が最高裁判事に任命されていた」参照。ただし,リンク先の記事と異なり,弁護士枠出身の最高裁判所判事の場合,判事経験がある人はいませんから,この点では慣例に違反した人事ではありません。)。
・ 私の知る限り,高輪1期以降の立教大学出身の裁判官は,元裁判官で5人(21期の元福島家裁所長,25期の小川敏夫元法務大臣,27期の元横浜地裁刑事部部総括,30期の元熊本家裁所長及び32期の元名古屋高裁民事部判事),現職裁判官で3人(29期の木澤克之裁判官,31期の高麗邦彦裁判官及び59期の裁判官)です。
 
(3) 平成28年8月3日発足の第3次安部第2次改造内閣任命分

④ 平成28年9月5日任命の菅野博之最高裁判所判事(32期・第二小法廷)
・ 東北大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成34年7月3日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する千葉勝美最高裁判所判事(24期・第二小法廷)の後任として,平成28年7月26日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 東京地裁民事部第二所長代行→東京地裁民事部第一所長代行→水戸地裁所長→東京高裁17民部総括→大阪高裁長官を経て最高裁判所判事となりました(詳細につきe-hokiの「菅野は博之」参照)。
 
⑤ 平成29年2月6日任命の山口厚最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会弁護士・東京大学大学院法学政治学研究科長・司法試験委員会委員長であり,平成35年11月6日に定年退官が発令される予定です。
・ 司法試験問題漏洩事件(詳細につき,平成28年3月29日付の「これまでの調査及び検討の状況について」(司法試験出題内容漏えい問題に関する原因究明・再発防止検討ワーキングチーム)参照)に際しては,司法試験委員会委員長として,平成27年9月5日付の文書により,論文式試験公法系科目(憲法)第1問を受験するに当たり,事前に入手した出題内容を了知した状況で受験した明治大学法科大学院出身の女性受験生に対して,①平成27年司法試験の受験禁止,及び②今後5年間,司法試験及び司法試験予備試験の受験禁止処分を通知しました。
   また,同年9月8日,青柳幸一司法試験考査委員(明治大学法科大学院法務研究科教授)に対する告発状(罪名及び罰条は国家公務員法違反 同法109条12号,100条1項)を東京地検に提出しました。
・ 定年退官する櫻井龍子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)の後任として,平成29年1月13日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 早稲田大学HPに「山口厚教授(法学学術院)が最高裁判所裁判官に」という記事が掲載されています。
・ togetterの「「山口厚最高裁判所裁判官」にざわつくTL」で,山口厚最高裁判所判事就任に関するツイートがまとめられています。
・ 山口厚最高裁判事は,日弁連が最高裁判事として推薦した7人の候補者に含まれていなかったという意味で,最高裁判事の任命に関する従来の慣例を逸脱したものになっています(外部ブログの「安倍内閣が最高裁人事に介入か 山口厚最高裁判事」参照)。 
・ 平成29年1月13日付の,山口厚最高裁判所判事及び小林昭彦福岡高裁長官任命の閣議書を掲載しています。
・ 山口厚最高裁判所判事及び小林昭彦福岡高裁長官の人事は当初,平成29年1月27日に発令される予定でした。

   しかし,同日に認証式が実施できなかったため,発令が2月6日となりました。 
 
⑥ 平成29年3月14日任命の戸倉三郎最高裁判所判事(34期・第三小法廷)
・ 一橋大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成36年8月11日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する大谷剛彦最高裁判所判事(24期・第三小法廷)の後任として,平成29年2月10日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 平成28年6月21日,ツイッターに不適切なつぶやきをしたり,縄で縛られた上半身裸の男性の画像を投稿したりした岡口基一東京高裁第22民事部判事について,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意処分をしました。
   しかし,平成28年8月2日付の,東京高裁の司法行政文書不開示通知書及び平成28年12月14日付の最高裁判所事務総長の理由説明書によれば,「東京高裁が平成28年6月21日付で岡口基一裁判官を口頭注意処分した際に作成した文書」について,東京高裁は,作成又は取得していないことになっています(「裁判所の情報公開」参照)。
・ 広島高裁事務局長→最高裁人事局参事官→最高裁審議官→東京地裁13刑部総括→最高裁総務局長→東京高裁3刑判事→さいたま地裁所長→最高裁事務総長→東京高裁長官を経て最高裁判所判事となりました(詳細につきe-hokiの「戸倉三郎」参照)。
 
⑦ 平成29年4月10日任命の林景一最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 駐英大使であり,平成33年2月8日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する大橋正春最高裁判所判事(24期・第三小法廷)の後任として,平成29年1月13日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 外務省国際法局長→駐アイルランド大使→外務省大臣官房長→内閣官房副長官補→駐英公使→駐英大使を経て,最高裁判所判事となりました。
・ 平成29年1月13日付の,林景一最高裁判所判事任命の閣議書を掲載しています。

第3の1 平成26年12月14日執行の第23回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成26年11月21日の衆議院解散(通称はアベノミクス解散)に伴う平成26年12月14日施行の第47回衆議院議員総選挙の結果,安倍内閣が継続することとなりました。

2 平成26年12月14日執行の第23回最高裁判所裁判官国民審査公報にリンクを張っています。

3 以下の5人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査の結果」参照)。

(1) 平成24年12月26日発足の第2次安倍内閣任命分
① 平成25年2月6日任命の鬼丸かおる最高裁判所判事(27期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京弁護士会高齢者・障害者の権利に関する特別委員会委員長であり,平成31年2月7日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する須藤正彦最高裁判所判事(22期・第二小法廷)の後任として,平成25年1月18日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 女性5人目の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「鬼丸かおる」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.21%でした。
・ 日本女性法律家協会HPの「鬼丸かおる最高裁判事に聴く」に,最高裁判事の生活,事件処理の手順,女性としての視点・弁護士としての経験,弁護士としての歩み,女性協会員へのメッセージ等が書いてあります。
 
② 平成25年4月25日任命の木内道祥最高裁判所判事(27期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会ハーグ条約問題検討プロジェクトチーム座長であり,平成30年1月2日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する田原睦夫最高裁判所判事(21期・第三小法廷)の後任として,平成25年3月26日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「木内道祥」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.57%でした。
・ 徳島市出身ですから,
徳島新聞社の平成25年4月27日付の記事にインタビューが載っています。
 
③ 平成25年8月20日任命の山本庸幸最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成31年9月26日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する竹内行夫最高裁判所判事(期外・第二小法廷)の後任として,平成25年8月8日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 内閣法制局参事官(第四部)→通商産業省生活産業局繊維製品課長→日本貿易振興会本部企画部長→内閣法制局第一部中央省庁等改革法制室長→内閣法制局第四部長→内閣法制局第二部長→内閣法制局第三部長→内閣法制局第一部長→内閣法制次長→内閣法制局長官を経て,最高裁判所判事に就任しました(首相官邸HPの「第2次安倍内閣閣僚名簿」参照)。
・ 投票行動.comの「山本庸幸」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.42%でした。
 
④ 平成26年4月1日任命の山崎敏充最高裁判所判事(27期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成31年8月31日に定年退官が発令される予定です。
・ 竹崎博允最高裁判所長官の依願退官に伴う玉突き人事として,平成26年3月7日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 最高裁判所秘書課長→最高裁判所人事局長→最高裁判所事務次長→千葉地方裁判所長→最高裁判所事務総長→名古屋高裁長官→東京高裁長官を経て,最高裁判所判事に就任しました(詳細につきe-hokiの「山崎敏充」参照)。
・ 投票行動.comの「山崎敏充」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は9.42%でした。
 
(2) 平成26年9月3日発足の第2次安部改造内閣任命分
⑤ 平成26年10月2日任命の池上政幸最高裁判所判事(29期・第一小法廷)
・ 東北大学法学部卒業であり,元 大阪高等検察庁検事長であり,平成33年8月29日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する横田尤孝最高裁判所判事(24期・第一小法廷)の後任として,平成26年9月19日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 松山地検検事正→法務省大臣官房審議官→法務省大臣官房長→最高検察庁検事→最高検察庁公判部長→最高検察庁刑事部長→次長検事→名古屋高検検事長→大阪高検検事長を経て,最高裁判所判事に就任しました。
・ 投票行動.comの「池上政幸」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。 
・ 罷免を可とする率は9.56%でした。 

第3の2 平成24年12月16日執行の第22回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成24年11月16日の衆議院解散(通称は近いうち解散)に伴う平成24年12月16日施行の第46回衆議院議員総選挙の結果,自民党政権に戻りました。

2(1) 平成24年12月16日執行の第22回最高裁判所裁判官国民審査公報にリンクを張っています。
(2) 外部HPの「最高裁国民審査の”リアル有権者”になろう!」及び「第22回最高裁判所裁判官国民審査の結果をどう見るか」が参考になります。

3   以下の10人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査の結果」参照)。

(1) 平成21年9月16日発足の鳩山内閣任命分
① 平成21年12月28日任命の須藤正彦最高裁判所判事(22期・第二小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 日弁連綱紀委員会委員長であり,平成24年12月26日に定年退官しました。
・ 定年退官する中川了滋最高裁判所判事(16期・第二小法廷)の後任として,平成21年11月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 最高裁判所判事に就任した時点で定年まで約3年しか残っていなかったという意味において異例の人事でした。
・ 投票行動.comの「須藤正彦」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 定年退官の10日前に国民審査を受けました。
・ 罷免を可とする率は8.09%でした。
・ 東弁リブラ2013年4月号に,退官後の記事が載っています。

② 平成21年12月28日任命の千葉勝美最高裁判所判事(24期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 仙台高等裁判所長官であり,平成28年8月24日に定年退官しました。
・ 定年退官する今井功最高裁判所判事(16期・第二小法廷)の後任として,平成21年11月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「千葉勝美」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 平成27年5月発行の「司法の窓」第80号の「15のいす」に,千葉勝美最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 罷免を可とする率は8.14%でした。

③ 平成22年1月6日任命の横田尤孝最高裁判所判事(24期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 次長検事であり,平成26年10月1日に定年退官しました。
・ 定年退官する甲斐中辰夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)の後任として,平成21年11月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「横田尤孝」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.13%でした。

④ 平成22年1月15日任命の白木勇最高裁判所判事(22期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成27年2月14日に定年退官しました。
・ 涌井紀夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)が平成21年12月17日に在官中に死亡したことから,その後任として,平成22年1月12日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「白木勇」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.07%でした。

⑤ 平成22年4月12日任命の岡部喜代子最高裁判所判事(28期・第三小法廷)
・ 慶應義塾大学法学部卒業であり,元 慶應義塾大学法学部教授であり,平成31年3月20日に定年退官が発令される予定です。
・ 定年退官する藤田宙靖最高裁判所判事(期外・第三小法廷)の後任として,平成22年3月19日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 女性4人目の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「岡部喜代子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 学者枠で最高裁判事となった藤田宙靖が退官後に執筆した「最高裁回想録 学者判事の七年半」には,同人の前任者である奥田昌道最高裁判所判事への言及はあるのに対し,同人の後任者である岡部喜代子最高裁判所判事への言及は全くありません。
・ 平成5年4月1日,東京家庭裁判所判事を最後に依願退官していました。
・ 平成27年5月発行の「司法の窓」第80号に,岡部喜代子最高裁判所判事の対談記事が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.56%でした。

(2) 平成22年6月8日発足の菅内閣任命分
⑥ 平成22年6月17日任命の大谷剛彦最高裁判所判事(24期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成29年3月9日に定年退官しました。
・ 定年退官する堀籠幸男(19期・第三小法廷)の後任として,平成22年5月14日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「大谷剛彦」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.02%でした。

(3) 平成22年9月17日発足の第1次菅改造内閣任命分
⑦ 平成22年12月27日任命の寺田逸郎最高裁判所判事(26期・第三小法廷→第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 広島高等裁判所長官であり,平成30年1月9日に定年退官が発令される予定です。
・ 近藤崇晴最高裁判所判事(21期・第三小法廷)が平成22年11月21日に在官中に死亡したことから,その後任として,平成22年12月7日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 竹崎博允最高裁判所長官(21期)の後任として,平成26年3月7日の閣議で,第18代最高裁判所長官への就任が決定しました。
・ 平成26年3月7日付の,寺田逸郎最高裁判所長官任命時の閣議書を掲載しています。
・ 宮内庁HPに,平成26年4月1日の親任式等の写真が載っています。
・ 第10代最高裁判所長官の寺田治郎は,寺田逸郎最高裁判所長官の父親です。 
・ 投票行動.comの「寺田逸郎」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.95%でした。
・ 外部ブログの「最高裁長官の選ばれ方」によれば,寺田逸郎最高裁長官は,竹崎博允 前最高裁長官が推薦した3人の候補者に含まれていたものの,第一の候補者ではなかったという趣旨のことが書いてあります。
・ 外部HPの「(インタビュー)最高裁人事という「慣習」」(2014年4月17日05時00分)(発言者は滝井繁男 元最高裁判所判事)には,以下の記載があります。
   今回、最高裁長官になった寺田逸郎さんは、従来の長官にはいないタイプです。司法エリートの常道である東京や大阪高等裁判所長官の経験がない。最高裁で大きな存在となっているといわれる事務総局とも縁が薄い。一方で法務省の仕事が長く、政治家や私たち弁護士との接触も多い。政治との間合いをわきまえており、政権と渡り合うにも今までにない期待を持てる。前長官の推薦者から任命される慣例が踏襲されたこととあわせ、関係者は一安心でしょうが、最高裁の人事が今のままでいいのかという疑問は残ります。

(4) 平成24年1月13日発足の野田第1次改造内閣任命分
⑧ 平成24年2月13日任命の大橋正春最高裁判所判事(24期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会民事訴訟問題等特別委員会委員長であり,平成29年3月31日に定年退官が発令される予定です。
・ 那須弘平最高裁判所判事(21期・第三小法廷)の後任として,平成23年12月27日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「大橋正春」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 平成28年5月発行の「司法の窓」第81号に,大橋正春最高裁判所判事の対談記事が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.93%でした。

⑨ 平成24年3月1日任命の山浦善樹最高裁判所判事(26期・第一小法廷)
・ 一橋大学法学部卒業であり,元 日弁連司法修習委員会副委員長であり,平成28年7月3日に定年退官しました。
・ 宮川光治最高裁判所判事(20期・第一小法廷)の後任として,平成24年1月20日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
東弁リブラ2016年12月号に,退官後の記事が載っています。
・ 投票行動.comの「山浦善樹」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.15%でした。
 
⑩ 平成24年4月11日任命の小貫芳信最高裁判所判事(27期・第二小法廷)
・ 中央大学大学院修了であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成30年8月26日に定年退官が発令される予定です。
・ 古田佑紀最高裁判所判事(21期・第二小法廷)の後任として,平成24年3月16日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
・ 投票行動.comの「小貫芳信」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.79%でした。

(5) 平成24年6月4日発足の野田第2次改造内閣任命分
(任命なし。)

(6) 平成24年10月1日発足の野田第3次改造内閣任命分
(任命なし。)

第3の3 平成21年8月30日執行の第21回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成21年7月21日の衆議院解散(通称は政権選択解散)に伴う平成21年8月30日施行の第45回衆議院議員総選挙の結果,民主党政権となりました。

2 以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました(総務省HPの「最高裁判所裁判官国民審査の結果」参照)。

(1) 第3次小泉改造内閣任命分
① 平成18年5月25日任命の那須弘平最高裁判所判事(21期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第二東京弁護士会副会長・元 日弁連常務理事であり,平成24年2月10日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「那須弘平」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.45%でした。

(2) 第1次安倍内閣任命分
② 平成18年10月16日任命の涌井紀夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成21年12月17日に死亡退官しました。
・ 投票行動.comの「涌井紀夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.73%でした。

③ 平成18年11月1日任命の田原睦夫最高裁判所判事(21期・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 日弁連司法制度調査会副委員長であり,平成25年4月22日に定年退官しました。
・ 平成24年5月発行の「司法の窓」第77号の「15のいす」に,田原睦夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「田原睦夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.52%でした。

④ 平成19年5月23日任命の近藤崇晴最高裁判所判事(21期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 仙台高等裁判所長官であり,平成22年11月21日に死亡退官しました。
・ 投票行動.comの「近藤崇晴」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.13%でした。

(3) 福田改造内閣任命分
⑤ 平成20年9月3日任命の宮川光治最高裁判所判事(20期・第一小法廷)
・ 名古屋大学大学院法学研究科修士課程修了であり,元 日弁連懲戒委員会委員長であり,平成24年2月27日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「宮川光治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.00%でした。
・ 東弁リブラ2012年6月号に,退官後の記事が載っています。

⑥ 平成20年9月11日任命の櫻井龍子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 九州大学法学部卒業であり,元 労働省女性局長であり,平成29年1月15日に定年退官しました。

・ 女性3人目の最高裁判所判事でした。
・ 最高裁判所判事就任に際し,通称名であり,旧姓の「藤井」が使用できなくなったことから,戸籍名の「櫻井」を使用するようになりました。
・ 罷免を可とする率は6.96%でした。
・ 九州大学HPに「法学部卒業生の,櫻井龍子最高裁判事にインタビューしました!」が掲載されています。
・ 平成28年5月発行の「司法の窓」第81号の「15のいす」に,櫻井龍子最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「櫻井龍子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 御殿場事件(静岡県御殿場市の御殿場駅近くで平成13年9月に発生したとされる集団強姦未遂事件)につき,平成21年4月13日,裁判長として被告人らの上告を棄却しました。

(4) 麻生内閣任命分
⑦ 平成20年10月21日任命の竹内行夫最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 外務事務次官であり,平成25年7月19日に定年退官しました。
・ 平成25年5月発行の「司法の窓」第78号の「15のいす」に,竹内行夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「竹内行夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.72%でした。

⑧ 平成20年11月25日任命の竹崎博允最高裁判所長官(21期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成26年3月31日に依願退官しました。
・ 宮内庁HPに,平成20年11月25日の親任式等の写真が載っています。
・ 投票行動.comの「竹崎博允」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.25%でした。

⑨ 平成21年1月26日任命の金築誠志最高裁判所判事(21期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成27年3月31日に定年退官しました。
・ 平成26年5月発行の「司法の窓」第79号の「15のいす」に,金築誠志最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「金築誠志」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は6.44%でした。
・ 退官後の平成28年6月,JR東日本監査役に就任しました。
 

第3の4 平成17年9月11日執行の第20回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成17年8月8日の衆議院解散(通称は郵政解散)に伴う平成17年9月11日施行の第44回衆議院議員総選挙では,自民党が大勝しました。

2   以下の6人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。

(1) 第2次小泉内閣任命分
① 平成16年1月6日任命の才口千晴最高裁判所判事(18期・第一小法廷)
・ 中央大学卒業であり,元 日弁連倒産法改正問題検討委員会委員長であり,平成20年9月2日に定年退官しました。
・ 平成18年10月発行の「司法の窓」第69号の「15のいす」に,才口千晴最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「才口千晴」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.87%でした。
・ 東弁リブラ2008年12月号に,退官後の記事が載っています。

② 平成16年2月26日任命の津野修最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 京都大学卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成20年10月19日に定年退官しました。
・ 平成19年5月発行の「司法の窓」第70号の「15のいす」に,津野修最高裁判所判事のエッセイが載っています。 
・ 投票行動.comの「津野修」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.63%でした。

(2) 第2次小泉改造内閣任命分
③ 平成16年12月27日任命の今井功最高裁判所判事(16期・第二小法廷)
・ 京都大学卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成21年12月25日に定年退官しました。
・ 平成20年10月発行の「司法の窓」第73号の「15のいす」に,今井功最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「今井功」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.64%でした。
・ 退官後の平成24年6月,みずほ銀行監査役に就任しました。

④ 平成17年1月19日任命の中川了滋最高裁判所判事(16期・第二小法廷)
・ 金沢大学卒業であり,元 第一東京弁護士会会長であり,平成21年12月22日に定年退官しました。
・ 平成20年5月発行の「司法の窓」第72号に,中川了滋最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「中川了滋」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は7.55%でした。

⑤ 平成17年5月17日任命の堀籠幸男最高裁判所判事(19期・第三小法廷)
・ 東京大学卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成22年6月15日に定年退官しました。 
・ 平成22年5月発行の「司法の窓」第75号の「15のいす」に,堀籠幸男最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「堀籠幸男」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.00%でした。

⑥ 平成17年8月2日任命の古田佑紀最高裁判所判事(21期・第二小法廷)
・ 東京大学卒業であり,元 次長検事であり,平成24年4月7日に定年退官しました。
・ 平成23年5月発行の「司法の窓」第76号の「15のいす」に,古田佑紀最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「古田佑紀」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 罷免を可とする率は8.02%でした。 
・ 退官後の平成27年9月,株式会社東芝の社外取締役に就任しました。 
・   株式会社東芝については,平成27年7月20日,粉飾決算を調査した第三者委員会の報告書全文が公表されました。
   それによれば,平成20年4月から平成26年12月までの約7年間で,合計1518億円の利益を水増ししていましたが,東京地検の了解を得られなかったため,証券取引等監視委員会による告発には至りませんでした(外部HPの「「証券界の鬼平」退任 東芝立憲は持ち越し」(平成28年12月の記事)参照)し,歴代3社長が逮捕されることもありませんでした。

第3の5 平成15年11月9日執行の第19回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成15年10月10日の衆議院解散に伴う平成15年11月9日施行の第43回衆議院議員総選挙では,自民党,公明党及び保守新党の与党3党で絶対安定多数を維持したものの,自民党は10議席を減らし,与党全体としては12の議席減となりました。

2   以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成12年7月4日発足の第2次森内閣任命分
① 平成12年9月14日任命の深澤武久最高裁判所判事(13期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 東京弁護士会会長であり,平成16年1月4日に定年退官しました。
・ 平成15年5月発行の「司法の窓」第62号の「15のいす」に,深澤武久最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「深澤武久」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(2) 平成12年12月5日発足の第2次森改造内閣任命分
(任命なし。)

(3) 平成13年4月26日発足の第1次小泉内閣任命分
② 平成13年5月1日任命の濱田邦夫最高裁判所判事(14期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第二東京弁護士会副会長・元 日弁連常務理事であり,平成18年5月23日に定年退官しました。
・ 平成17年5月発行の「司法の窓」第67号の「15のいす」に,濱田邦夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「濱田邦夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

③ 平成13年12月19日任命の横尾和子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 国際基督教大学教養学部卒業であり,元 社会保険庁長官・元 アイルランド大使であり,平成20年9月10日に依願退官しました。
・ 女性2人目の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「横尾和子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
・ 平成9年1月1日に基礎年金番号制度が発足した当時の社会保険庁長官でした。
・ 年金記録問題で社会保険庁長官退任時に受け取った退職金を返還したかどうかは不明です。

④ 平成14年2月21日任命の上田豊三最高裁判所判事(15期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成19年5月22日に依願退官しました。
・ 平成18年5月発行の「司法の窓」第68号の「15のいす」に,上田豊三最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「上田豊三」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑤ 平成14年6月11日任命の滝井繁男最高裁判所判事(15期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会会長であり,平成18年10月30日に定年退官しました。
・ 平成17年10月発行の「司法の窓」第67号の「15のいす」に,滝井繁男最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「滝井繁男」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(4) 平成14年9月30日発足の第1次小泉第1次改造内閣任命分
⑥ 平成14年9月30日任命の藤田宙靖最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東北大学大学院教授であり,平成22年4月5日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「藤田宙靖」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑦ 平成14年10月7日任命の甲斐中辰夫最高裁判所判事(18期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成22年1月1日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「甲斐中辰夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑧ 平成14年11月6日任命の泉徳治最高裁判所判事(15期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 最高裁判所事務総長であり,平成21年1月24日に定年退官しました。
・ 平成19年10月発行の「司法の窓」第71号に,泉徳治最高裁判所判事のエッセイの勝手います。
・ 投票行動.comの「泉徳治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑨ 平成14年11月7日任命の島田仁郎最高裁判所判事(16期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成20年11月21日に定年退官しました。
・ 平成18年10月16日に第16代最高裁判所長官に任命されました。
・ 投票行動.comの「島田仁郎」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(5) 平成15年9月22日発足の第1次小泉第2次改造内閣任命分
(任命なし。)

第3の6 平成12年6月25日執行の第18回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成12年6月2日の衆議院解散(通称は神の国解散)に伴う平成12年6月25日施行の第42回衆議院議員総選挙では,自民党,公明党及び保守新党の与党3党が大きく議席を減らしました。

2   以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成8年11月7日発足の第2次橋本内閣任命分
① 平成9年3月10日任命の山口繁最高裁判所判事(9期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 福岡高等裁判所長官であり,平成14年11月3日に定年退官しました。
・ 平成9年10月31日に第14代最高裁判所長官に任命されました。
・ 裁判官出身の最高裁判所長官のうち,東京高裁長官又は大阪高裁長官を経験せずに最高裁判所長官となったのは,山口繁及び寺田逸郎だけです。
・ 投票行動.comの「山口繁」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

② 平成9年9月8日任命の元原利文最高裁判所判事(7期・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 神戸弁護士会会長であり,平成13年4月21日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「元原利文」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(2) 平成9年9月11日発足の第2次橋本改造内閣任命分
③ 平成9年9月24日任命の大出峻郎最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成13年12月19日に依願退官しました。
・ 投票行動.comの「大出峻郎」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

④ 平成9年10月31日任命の金谷利広最高裁判所判事(12期・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成17年5月16日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「金谷利広」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(3) 平成10年7月30日発足の小渕内閣任命分
⑤ 平成10年9月10日任命の北川弘治最高裁判所判事(11期・第二小法廷)
・ 名古屋大学法学部卒業であり,元 福岡高等裁判所長官であり,平成16年12月26日に定年退官しました。
・ 平成16年5月発行の「司法の窓」第64号の「15のいす」に,北川弘治最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「北川弘治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑥ 平成10年12月4日任命の亀山継夫最高裁判所判事(10期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 名古屋高等検察庁検事長であり,平成16年2月25日に定年退官しました。
・ 平成15年10月発行の「司法の窓」第63号の「15のいす」に,亀山継夫最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「亀山継夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(4) 平成11年1月14日発足の小渕第1次改造内閣任命分
⑦ 平成11年4月1日任命の奥田昌道最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 京都大学法学部教授であり,平成14年9月27日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「奥田昌道」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑧ 平成11年4月21日任命の梶谷玄最高裁判所判事(11期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会会長であり,平成17年1月14日に定年退官しました。
・ 19期の梶谷剛 元日弁連会長は,梶谷玄 元最高裁判所判事の弟です。
・ 平成16年10月発行の「司法の窓」第65号の「15のいす」に,梶谷玄最高裁判所判事のエッセイが載っています。
・ 投票行動.comの「梶谷玄」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(5) 平成11年10月5日発足の小渕第2次改造内閣任命分
⑨ 平成12年3月22日任命の町田顕最高裁判所判事
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成18年10月15日に定年退官しました。
・ 平成14年11月6日に第15代最高裁判所長官に任命されました。
・ 最高裁判所事務総長,司法研修所長及び最高裁判所首席調査官の三役のうち,一つも経験しないまま最高裁判所長官となったのは,町田顕及び寺田逸郎だけです。
・ 投票行動.comの「町田顕」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(6) 平成12年4月5日発足の第1次森内閣任命分
(任命なし。)

第3の7 平成8年10月20日執行の第17回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成8年9月27日の衆議院解散に伴う平成8年10月20日施行の第41回衆議院議員総選挙では,従来の中選挙区制に代わり,小選挙区比例代表並立制が用いられました。

2   以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成5年8月9日発足の細川内閣任命分
① 平成5年9月13日任命の千種秀夫最高裁判所判事(7期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 最高裁判所事務総長であり,平成14年2月20日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「千種秀夫」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

② 平成6年1月11日任命の根岸重治最高裁判所判事(5期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成10年12月3日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「根岸重治」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

③ 平成6年2月9日任命の高橋久子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 東京大学経済学部卒業であり,元 労働省婦人少年局長であり,平成9年9月21日に定年退官しました。
・ 女性初の最高裁判所判事でした。
・ 投票行動.comの「高橋久子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

④ 平成6年2月16日任命の尾崎行信最高裁判所判事(7期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第一東京弁護士会会長であり,平成11年4月18日に定年退官しました。
・ 政治家 尾崎行雄の孫です。
・ 投票行動.comの「尾崎行信」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(2) 平成6年4月28日発足の羽田内閣任命分
(任命なし。)

(3) 平成6年6月30日発足の村山内閣任命分
⑤ 平成6年7月25日任命の河合伸一最高裁判所判事(9期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会副会長であり,平成14年6月10日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「河合伸一」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑥ 平成7年2月13日任命の遠藤光男最高裁判所判事(7期・第一小法廷)
・ 法政大学法学部卒業であり,元 日弁連司法修習委員会委員長であり,平成12年9月12日に定年退官しました。
・ 法政大学出身の最高裁判所判事は,小谷勝重最高裁判所判事に続いて2人目でした。
・ 投票行動.comの「遠藤光男」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(4) 平成7年8月8日発足の村山改造内閣任命分
⑦ 平成7年8月11日任命の井嶋一友最高裁判所判事(11期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 次長検事であり,平成14年10月6日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「井嶋一友」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑧ 平成7年9月4日任命の福田博最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 外務審議官であり,平成17年8月1日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「福田博」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

⑨ 平成7年11月7日任命の藤井正雄最高裁判所判事(9期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成14年11月6日に定年退官しました。
・ 投票行動.comの「藤井正雄」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

(5)  平成8年1月11日発足の第1次橋本内閣任命分
(任命なし。)

第3の8 平成5年7月18日執行の第16回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成5年6月18日の衆議院解散(通称は嘘つき解散)に伴う平成5年7月18日施行の第40回衆議院議員総選挙の結果,55年体制が崩壊して細川政権が誕生しました。

2   以下の9人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 平成元年8月10日発足の第1次海部内閣任命分 
① 平成2年2月20日任命の佐藤庄市郎最高裁判所判事(2期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 日弁連事務総長・元 第一東京弁護士会会長であり,平成6年2月15日に定年退官しました。

(2) 平成2年2月28日発足の第2次海部内閣任命分
② 平成2年5月10日任命の可部恒雄最高裁判所判事(4期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 福岡高等裁判所長官であり,平成9年3月8日に定年退官しました。

③ 平成2年9月3日任命の木崎良平最高裁判所判事(3期・第二小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 大阪弁護士会会長であり,平成6年7月24日に定年退官しました。

④ 平成2年12月10日任命の味村治最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
・ 東京帝国大学法学部卒業であり,元 内閣法制局長官であり,平成6年2月6日に定年退官しました。

(3) 平成2年12月29日発足の第2次海部改造内閣任命分
⑤ 平成3年5月13日任命の大西勝也最高裁判所判事(5期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成10年9月9日に定年退官しました。

(4) 平成3年11月5日発足の宮澤内閣任命分
⑥ 平成4年2月13日任命の小野幹雄最高裁判所判事(7期・第一小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成12年3月15日に定年退官しました。
・ 定年退官後の平成13年から平成27年6月までの間,日本会議会長をしていました。

⑦ 平成4年3月25日任命の三好達最高裁判所判事(7期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成9年10月30日に依願退官しました。
・ 平成7年11月7日に第13代最高裁判所長官に任命されました。

(5) 平成4年12月12日発足の宮澤改造内閣任命分
⑧ 平成5年4月1日任命の大野正男最高裁判所判事(6期・第三小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 第二東京弁護士会所属弁護士・元 日弁連理事であり,平成9年9月2日に定年退官しました。

⑨ 平成5年4月13日任命の大白勝最高裁判所判事 (6期・第一小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 神戸弁護士会会長であり,平成7年2月13日に依願退官しました。 

第3の9 平成2年2月18日執行の第15回最高裁判所裁判官国民審査

1 平成2年1月24日の衆議院解散に伴う平成2年2月18日施行の第39回衆議院議員総選挙は,平成元年4月1日の消費税導入後最初の総選挙でした。

2   以下の8人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ,全員が信任されました。
(1) 昭和61年7月22日発足の第3次中曽根内閣任命分
① 昭和62年1月28日任命の四ッ谷厳最高裁判所判事(1期・第一小法廷)
・ 東京帝国大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成4年2月8日に定年退官しました。

② 昭和62年9月5日任命の奥野久之最高裁判所判事(期前・第二小法廷)
・ 中央大学法学部卒業であり,元 神戸弁護士会会長であり,平成2年8月26日に定年退官しました。

(2) 昭和62年11月6日発足の竹下内閣任命分
③ 昭和63年3月17日任命の貞家克己最高裁判所判事(2期・第三小法廷)
・ 東京帝国大学法学部卒業であり,元 大阪高等裁判所長官であり,平成5年9月12日に定年退官しました。

④ 昭和63年6月17日任命の大堀誠一最高裁判所判事(3期・第一小法廷)
・ 東北大学法学部卒業であり,元 東京高等検察庁検事長であり,平成7年8月10日に定年退官しました。

(3) 昭和63年12月27日発足の竹下改造内閣任命分
(任命なし。)

(4) 平成元年6月3日発足の宇野内閣任命分
⑤ 平成元年9月21日任命の園部逸夫最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
・ 京都大学法学部卒業であり,元 成蹊大学法学部教授であり,平成11年3月31日に定年退官しました。
・ 司法試験及び司法修習を経ずに,昭和45年に東京地裁判事に就任し,その後,最高裁判所行政上席調査官,東京地裁部総括に就任し,昭和60年に依願退官しました。

(5) 平成元年8月10日発足の第1次海部内閣任命分 
⑥ 平成元年11月27日任命の草場良八最高裁判所判事(3期・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京高等裁判所長官であり,平成7年11月7日に依願退官しました。
・ 平成2年2月20日に第12代最高裁判所長官に任命されました。

⑦ 平成2年1月11日任命の橋元四郎平最高裁判所判事(6期・第一小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 東京弁護士会司法修習委員会委員長・元 日弁連事務総長であり,平成5年4月12日に定年退官しました。

⑧ 平成2年1月24日任命の中島敏次郎最高裁判所判事(期外・第二小法廷)
・ 東京大学法学部卒業であり,元 外務審議官・駐中国大使であり,平成7年9月1日に定年退官しました。 

第4 罷免を可とする比率が高かった最高裁判所裁判官

罷免を可とする比率が高かった最高裁判所裁判官は以下のとおりであって,最高裁判所裁判官国民審査によって罷免された最高裁判所裁判官はいません。

1位:下田武三最高裁判所判事(元 駐アメリカ大使)
昭和47年12月の第9回国民審査,罷免を可とする率は15.17%
位:谷口正孝最高裁判所判事(元 東京地方裁判所長)
昭和55年6月の第12回国民審査, 罷免を可とする率は14.84%
3位:宮崎梧一最高裁判所判事(元 第一東京弁護士会所属弁護士)
昭和55年6月の第12回国民審査,罷免を可とする率は14.79%
4位:寺田治郎最高裁判所判事(後の最高裁判所長官)(元 東京高等裁判所長官)
昭和55年6月の第12回国民審査,罷免を可とする率は14.62%
5位:岸盛一最高裁判所判事(元 東京高等裁判所長官)
昭和47年12月の第9回国民審査,罷免を可とする率は14.59%
6位:伊藤正己最高裁判所判事(元 東京大学教授)
昭和55年6月の第12回国民審査,罷免を可とする率は13.25%
7位:小川信雄最高裁判所判事(元 東京弁護士会所属弁護士)
昭和47年12月の第9回国民審査,罷免を可とする率は12.73%
8位:池田克最高裁判所判事(元 大審院次長検事)
昭和30年2月の第3回国民審査,罷免を可とする率は12.49%
9位:奥野久之最高裁判所判事(元 神戸弁護士会所属弁護士)
平成2年2月の第15回国民審査,罷免を可とする率は12.49%
10位:坂本吉勝最高裁判所判事(元 第二東京弁護士会所属弁護士)
昭和47年12月の第9回国民審査,罷免を可とする率は12.43%

第5の1 最高裁判所裁判官の選任等の在り方に関する司法制度改革審議会意見書の記載

平成13年6月12日付の司法制度改革審議会意見書「Ⅲ 司法制度を支える法曹の在り方」には,最高裁判所裁判官の選任等の在り方について,以下の記載があります。
  
  • 最高裁判所裁判官の地位の重要性に配慮しつつ、その選任過程について透明性・客観性を確保するための適切な措置を検討すべきである。
  • 最高裁判所裁判官の国民審査制度について、国民による実質的な判断が可能となるよう審査対象裁判官に係る情報開示の充実に努めるなど、制度の実効化を図るための措置を検討すべきである。

   現行制度においては、最高裁判所裁判官の選任に関して、同裁判所長官については内閣の指名に基づき天皇が任命し、同裁判所判事については内閣が任命することとされているが(憲法第6条第2項及び同第79条第1項並びに裁判所法第39条第1項、第2項)、内閣による指名及び任命に係る過程は必ずしも透明ではなく、同裁判所裁判官の出身分野別の人数比率の固定化などの問題点が指摘されている。こうした現状を見直し、同裁判所裁判官に対する国民の信頼感を高める観点から、その地位の重要性に配慮しつつ、その選任過程について透明性・客観性を確保するための適切な措置を検討すべきである(昭和22年当時、裁判所法の規定に基づき設けられていた裁判官任命諮問委員会の制度も参考となる。)。
   また、最高裁判所裁判官の国民審査制度については、その形骸化が指摘されている。こうした現状を見直し、最高裁判所裁判官に対する国民の信頼感を高める観点から、最高裁判所裁判官の国民審査制度について、国民による実質的な判断が可能となるよう審査対象裁判官に係る情報開示の充実に努めるなど、制度の実効化を図るための措置を検討すべきである。

第5の2 法曹制度検討会における,最高裁判所裁判官人事に関する議論

   第12回(平成14年11月12日)ないし第14回(平成14年12月10日)の法曹制度検討会における各委員の発言内容をまとめた,「最高裁裁判官の選任過程について透明性・客観性を確保するための適切な措置」について(議事整理メモ)には,以下の記載があります。
 
○選任された最高裁裁判官についての説明の在り方などについての意見
・選任過程の透明化もさることながら、選任された裁判官が、国民の目から見て納得できる人かどうかが重要である。実際に選任された裁判官が、信頼に値すると判断できるような十分な説明をして欲しい。最高裁の裁判官はいわば公人であるから、プライバシーを多少犠牲にするくらいの覚悟があってしかるべきである。(第12回・中川委員)
・新たに行われるようになった内閣官房長官の記者会見による説明については、透明化という面で足りるのか、という感じを受ける。また、記者会見の内容がマスコミ報道の中で詳しく述べられているかというと必ずしもそうではない。だれが最高裁の裁判官に任命されることになったかということと、その人の経歴だけが報道されているのが実態であり、国民が、任命に関する透明化された情報を知ることができないという現状が続いているのではないか。(第13回・松尾委員)
内閣として選任過程をどこまで説明できるかということになるが、個人のプライバシーのことも考慮する必要はあるが、最大限の努力をする必要がある。それとともに、国民審査においても、対象となる裁判官についての、これまでよりも一歩も二歩も踏み出した情報提供が可能であり、現状では、そのような側面からの改善が望ましい。(第13回・小貫委員)

第5の3 裁判官任命諮問委員会等

1(1)ア 裁判官任命諮問委員会(制定時の裁判所法39条4項及び5項参照)は,昭和22年7月28日,最高裁判所の裁判官候補者として30名を答申し,昭和22年8月4日,その中の15人が最高裁判所裁判官に任命されました。
   裁判官任命諮問委員会の構成は,衆議院議長1人,参議院議長1人,全国の裁判官から互選された者4人,全国の検察官等から互選された検察官1人,全国の弁護士から互選された弁護士4人,法律学教授2人,学識経験者2人の合計15人でした。
イ   裁判官任命諮問委員会は,昭和23年1月1日,裁判所法の一部を改正する法律(昭和23年1月1日法律第1号)により廃止されました。
   同委員会の廃止は,憲法上内閣の責任の帰趨を明確にするものであるとされました。
(2) 裁判官任命諮問委員会に関する経緯は,首相官邸HPの「第36回司法制度改革審議会文書3「裁判官任命諮問委員会について(審議会事務局)」」が非常に参考になります。

2(1)ア 昭和32年に国会に提出された裁判所法等の一部を改正する法律案(第26回国会閣法第89号)では,最高裁判所長官の指名及び最高裁判所判事の任命については,裁判官任命諮問審議会(内閣の諮問機関:裁判官,検察官,弁護士及び学識経験者から構成)への諮問を経て行うとされていました。
   同法案は第28回国会まで継続審査されたものの,昭和33年4月25日の衆議院の解散(通称は話し合い解散)により廃案となりました。
イ 改正理由は,内閣が最高裁判所長官の指名又は最高裁判所判事の任命を行うに際し,その人選について一層慎重を期するようにする必要があるとのことでした。
(2) 昭和32年の改正法案の内容は,衆議院HPの「「裁判所法の一部を改正する法律案」(第26回国会 内閣提出第89号)(昭和32年)の主な内容」が非常に参考になります。

3(1) 昭和50年代に4回,最高裁判官裁判官任命諮問委員会設置法案が国会に提出されたものの,成立に至りませんでした(首相官邸HPの「過去に提出された最高裁判所裁判官任命諮問委員会設置法案の概略」参照)。
(2)   これらの法案では,委員会の答申内容は公表することが予定されていました。

4 日弁連は,平成15年6月20日,最高裁判所裁判官任命諮問委員会の設置を求める意見書を公表したものの,法律案の提出に至りませんでした。

第5の4 最高裁判所裁判官人事に関する滝井繁男 元最高裁判所判事のインタビュー記事

○外部HPの「(インタビュー)最高裁人事という「慣習」」(2014年4月17日05時00分)(発言者は滝井繁男 元最高裁判所判事・元大阪弁護士会会長となっています。)には,以下の発言があります。
 
① 最高裁の竹崎博允(ひろのぶ)長官が辞任し、後任に寺田逸郎(いつろう)最高裁判事が就任しました。最高裁の意向に沿った、「順当な人事」ということでいいのでしょうか。
   「最高裁長官は、内閣の指名に基づいて天皇が任命すると、憲法に定められています。内閣には、この指名について説明責任があります。しかし、内閣は今回も、なぜこの人を起用したのか、どういうプロセスを経て選んだのかを、全く明らかにしていません。長官以外の最高裁判事は内閣が任命します。長官や判事の人事に、米国ほどではなくても、国会が何らかの形で関わることで透明化を図る必要があります
② 米国の連邦最高裁の判事はどうやって任命されるのですか。
   「大統領が上院の同意を得て任命します。上院の司法委員会では、銃規制や妊娠中絶など、政党間で激しく対立する問題についてどう考えるか、徹底的に質問されます。判事候補に対する聴聞は一大政治イベントになり、メディアでも大きく報道されます。上院の同意が得られなかったなどで、任命されなかった人は過去に27人もいます。大統領と上院が共に選任プロセスに関わる仕組みなのです。政争の場と化するという弊害もありますが、手続きの透明化という観点では優れています」
③ 最高裁の判事や長官の選任を透明化するには、どうすればいいでしょうか。
   「最も簡単なのは、長官や判事が選任された後、なぜその人を選んだのか、国会で首相らに質問して説明を求めることです。国会がつくった法律や政府の行為を無効にできる権限を持ち、国民生活に重要な影響力を持つ最高裁判事らの選任に、国会はもっと関心を持ち、内閣に説明責任を果たすよう迫るべきです。また、カナダで2006年以来行われているように、新任の最高裁判事を議会の委員会に呼んで聴聞するということも検討に値します。その聴聞会は紳士的で、内閣の任命を覆すものではなく、国民に新任判事をお披露目することが主眼のようです」
④    「最高裁判事についての国民の関心の低さは深刻です。三権の長の一人である最高裁長官の名前さえ、一般国民ならまだしも、法科大学院の学生でもほとんど知らない最高裁の判事や長官の任命過程について厳しく追及しない国会やメディアの責任もあるかもしれませんが、国民審査の活性化に向けた議論を始めなければならないと思います

第6の1 最高裁判所大法廷昭和27年2月20日判決

最高裁大法廷昭和27年2月20日判決は以下のとおりです。
ただし,読みやすくなるように,ナンバリング及び改行を行っています。

1(1) 最高裁判所裁判官任命に関する国民審査の制度はその実質において所謂解職の制度と見ることが出来る。
   それ故本来ならば罷免を可とする投票が有権者の総数の過半数に達した場合に罷免されるものとしてもよかったのである。
(2) それを憲法は投票数の過半数とした処が他の解職の制度と異るけれどもそのため解職の制度でないものとする趣旨と解することは出来ない。只罷免を可とする投票数との比較の標準を投票の総数に採っただけのことであって、根本の性質はどこ迄も解職の制度である。このことは憲法79条3項の規定にあらわれている。
   同条2項の字句だけを見ると一見そうでない様にも見えるけれども、これを3項の字句と照し会せて見ると、国民が罷免すべきか否かを決定する趣旨であって、所論の様に任命そのものを完成させるか否かを審査するものでないこと明瞭である。この趣旨は一回審査投票をした後更に10年を経て再び審査をすることに見ても明であろう。

2(1)  一回の投票によって完成された任命を再び完成させるなどということは考えられない。
   論旨では期限満了後の再任であるというけれども、期限がきれた後の再任ならば再び天皇又は内閣の任命行為がなければならない。
   国民の投票だけで任命することは出来ない。最高裁判所裁判官は天皇又は内閣が任命すること憲法6条及び79条の明定する処だからである。
   なお論旨では憲法78条の規定を云為するけれども、79条の罷免は裁判官弾劾法の規定する事由がなくても、国民が裁判官の人格識見能力等各種の方面について審査し、罷免しなければならないと思うときは罷免の投票をするのであって、78条とは異るものである。しかのみならず一つ事項を別の人により、又別の方法によって二重に審査することも少しも差支ないことであるから、79条の存するが故に78条は解職の制度でないということは出来ない。最高裁判所裁判官国民審査法(以下単に法と書く)は右の趣旨に従って出来たものであって、憲法の趣旨に合し、少しも違憲の処はない。
(2)  かくの如く解職の制度であるから、積極的に罷免を可とするものと、そうでないものとの2つに分かれるのであって、前者が後者より多数であるか否かを知らんとするものである。
   論旨にいう様な罷免する方がいいか悪いかわからない者は、積極的に「罷免を可とするもの」に属しないこと勿論だから、そういう者の投票は前記後者の方に入るのが当然である。
   それ故法が連記投票にして、特に罷免すべきものと思う裁判官にだけ×印をつけ、それ以外の裁判官については何も記さずに投票させ、×印のないものを「罷免を可としない投票」(この用語は正確でない、前記の様に「積極的に罷免する意思を有する者でない」という消極的のものであって、「罷免しないことを可とする」という積極的の意味を持つものではない、以下仮りに白票と名づける)の数に算えたのは前記の趣旨に従ったものであり、憲法の規定する国民審査制度の趣旨に合するものである。
   罷免する方がいいか悪いかわからない者は、積極的に「罷免を可とする」という意思を持たないこと勿論だから、かかる者の投票に対し「罷免を可とするものではない」との効果を発生せしめることは、何等意思に反する効果を発生せしめるものではない。解職制度の精神からいえば寧ろ意思に合する効果を生ぜしめるものといって差支ないのである。
   それ故論旨のいう様に思想の自由や良心の自由を制限するものでないこと勿論である。

3 最高裁判所の長たる裁判官は内閣の指名により天皇が、他の裁判官は内閣が任命するのであって、その任命行為によって任命は完了するのである。このことは憲法6条及び79条の明に規定する処であり、此等の規定は単純明瞭で何等の制限も条件もない。所論の様に、国民の投票ある迄は任命は完了せず、投票によって初めて完了するのだという様な趣旨はこれを窺うべき何等の字句も存在しない。
   それ故裁判官は内閣が全責任を以て適当の人物を選任して、指名又は任命すべきものであるが、若し内閣が不適当な人物を選任した場合には、国民がその審査権によって罷免をするのである。この場合においても、飽く迄罷免であって選任行為自体に関係するものではない。国民が裁判官の任命を審査するということは右の如き意味でいうのである。
   それ故何等かの理由で罷免をしようと思う者が罷免の投票をするので、特に右の様な理由を持たない者は総て(罷免した方がいいか悪いかわからない者でも)内閣が全責任を以てする選定に信頼して前記白票を投ずればいいのであり、又そうすべきものなのである(若しそうでなく、わからない者が総て棄権する様なことになると、極く少数の者の偏見或は個人的憎悪等による罷免投票によって適当な裁判官が罷免されるに至る虞があり、国家最高機関の一である最高裁判所が極めて少数者の意思によって容易に破壊される危険が多分に存するのである)。これが国民審査制度の本質である。
   それ故所論の様に法が連記の制度を採ったため、2、3名の裁判官だけに×印の投票をしようと思う者が、他の裁判官については当然白票を投ずるの止むなきに至ったとしても、それは寧ろ前に書いた様な国民審査の制度の精神に合し、憲法の趣旨に適するものである。決して憲法の保障する自由を不当に侵害するなどというべきものではない。

4  総ての投票制度において、棄権はなるべく避けなければならないものであるが、殊に裁判官国民審査の制度は前記の様な次第で棄権を出来るだけ少なくする必要があるのである。
   そして普通の選挙制度においては、投票者が何人を選出すべきかを決するのであるから、誰を選んでいいかわからない者は良心的に棄権せざるを得なくなるということも考えられるのであるが、裁判官国民審査の場合は、投票者が直接裁判官を選ぶのではなく、内閣がこれを選定するのであり、国民は只或る裁判官が罷免されなければならないと思う場合にその裁判官に罷免の投票をするだけで、その他については内閣の選定にまかす建前であるから、通常の選挙の場合における所謂良心的棄権という様なことも考慮しないでいいわけである。
   又投票紙に「棄権」という文字を書いてもそれは余事記入にならず、有効の投票と解すべきものであるとの論があるけれども現行法の下では無理と思う。

第6の2 最高裁昭和47年7月25日判決

最高裁昭和47年7月25日判決は以下のとおりです。
ただし,読みやすくなるように,ナンバリング及び改行を行っています。

1 最高裁判所の裁判官は、天皇または内閣によつて任命されるものであつて、その任命行為によつて任命が完了すること、憲法七九条による国民審査の制度は、その実質において、いわゆる解職の制度であること、そして、国民審査において投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、解除条件の成就により当該裁判官の任命が失効する旨の所論の採用し難いことは、すでに当裁判所の判例とするところである(昭和二四年(オ)第三三二号同二七年二月二〇日大法廷判決・民集六巻二号一二二頁、昭和三九年(行ツ)第一〇七号同四〇年九月一〇日第二小法廷判決・裁判集民事八〇号二七五頁)。
   論旨は、任命自体の審査と任命後の解職とを峻別したうえ、憲法七九条による国民審査は、任命自体について行なわれなければならない旨を強調するけれども、「最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付」されるのであつて(憲法七九条二項)、この任命後最初に行なわれる国民審査においては、任命後の解職の可否いかんという形式のもとで、任命についての審査が行なわれるという実質をもつものということもでき、右の審査の制度を解職制度と解したからといつて、なんら、所論のように、最高裁判所の裁判官の任命に国民の意思を反映させるという趣旨が失われることにはならない。
 
2 所論のような投票所の施設は、むしろ投票人の便宜のためのものにすぎない。そして、具体的に本件において、衆議院議員選挙の投票をした者が、(一)国民審査の投票をしないで場外に出ることを妨げるような強制措置が講ぜられたとか、(二)審査の投票用紙の受領を強制されたとか、(三)審査の投票用紙を投票箱に投入することを強制されたとかの事実は、なんら上告人らの原審において主張せず、したがつてまた原審の確定しないところであり、選挙の投票をした者が審査の投票所を通過することになつていたからといつて、出頭を強制されたことにならないことは、いうまでもないところである。

3 審査の投票用紙に連記された裁判官数名のうち、その一部についてのみ×印の投票をしようとする者が、その他の裁判官については当然白票(積極的に罷免を可とするものでない投票)を投ずるの止むなきに至つたとしても、なんら憲法の保障する自由を侵害するものでないことは、当裁判所の判例とするところであつて(前記大法廷判決参照)、原判決理由二の(三)の判示は相当である。

4 罷免を可とする積極的な意思を有する×印の投票以外のものを、すべて「罷免を可としない投票」として取り扱うことが、なんら所論憲法一九条、二一条に違反するものでないことは、当裁判所の判例とするところであり(前記大法廷判決参照)、本件審査が同法一三条に違反する旨の論旨がその前提を欠くことは、第二点につき説示したところからしても明らかである。
1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)の略歴取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ等はこちらであり,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図はこちらです。