受任できない事件,事件処理の方針等

第0 目次

第1 受任できない事件
第2 調整型の職務は取り扱わないこと
第3 間接的受任はお断りすること
第4 代理人を辞任する場合
第5 事件処理の方針
第6 依頼者の意思の尊重
第7 弁護士法と違反している者と提携することはないこと

* 「弁護士の守秘義務,弁護士職務基本規程等」も参照してください。

第1 受任できない事件

1 一般的な場合
(1) 弁護士法25条,並びに弁護士職務基本規程27条,28条及び57条に基づき,以下の類型の事件は受任できません。
① 相手方の協議を受けて賛助し,又はその依頼を承諾した事件(弁護士法25条1号,弁護士職務基本規程27条1号)
→ 例えば,私のほか,他の所属弁護士(当事務所の場合,林功弁護士及び土井博弁護士を指します。)(以下「所属弁護士」といいます。)が,依頼者の相手方の事件を既に受任している場合です。
② 相手方の協議を受けた事件で,その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの(弁護士法25条2号,弁護士職務基本規程27条2号)
→ 例えば,所属弁護士が依頼者の相手方からの法律相談を既に受けている場合です。
③ 現在受任している事件の相手方からの依頼による他の事件(弁護士法25条3号,弁護士職務基本規程27条3号)
→ 弁護士法及び弁護士職務基本規程の上では,依頼者が同意した場合は除きますが,私の方針として,このような事件は絶対に受任しません。
   なお,「現在受任している事件」とは,現に受任している事件をいい,過去において受任し,既に終了している事件は含まれません(最高裁昭和40年4月2日判決)。
④ 相手方が所属弁護士の配偶者,直系血族,兄弟姉妹又は同居の親族である事件(弁護士職務基本規程28条1号)
→ 弁護士職務基本規程の上では,依頼者が同意した場合は除きますが,私の方針として,このような事件は絶対に受任しません。
⑤ 受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者(=受任弁護士等の顧問先)を相手方とする事件(弁護士職務基本規程28条2号)
→ 弁護士職務基本規程の上では,依頼者が同意した場合は除きますが,私の方針として,このような事件は絶対に受任しません。
⑥ 依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件(弁護士職務基本規程28条3号)
→ 例えば,(a)同一の債務者に対して債権を有する複数債権者から債権の回収に関して受任する場合,及び(b)同一グループに属する複数の相続人を依頼者とする遺産分割事件があります。
→ 弁護士職務基本規程の上では,依頼者が同意した場合は除きます。
   ただし,私の方針として,(a)については,同一の貸金業者に対する過払金返還請求事件を除き,このような事件は受任しません。
   また,(b)については,同一グループに属する複数の相続人の全員から,民法108条の双方代理に該当し,かつ,利益相反が顕在化した場合は既に発生した弁護士報酬を返還することなく辞任してもよい旨の同意書を得られた場合を除き,このような事件は受任しません。実際,大阪家庭裁判所の運用上も双方代理の申述書の提出を求められます。
⑦ 依頼者の利益と私の経済的利益が相反する事件(弁護士職務基本規程28条4号)
→ 弁護士職務基本規程の上では,依頼者が同意した場合は除きますが,私の方針として,このような事件は絶対に受任しません。
(2) 遺産分割事件において,私が両方の相続人を受任できるほど利害対立がないとはいえないものの,利害対立がそれほど深刻なものではない場合,私の知人弁護士を紹介します。
   この場合,私と気心の知れた弁護士が他の相続人の代理人に就任しますから,円滑な意思疎通の元に受任事件を処理することができます。
   ただし,この場合,なれ合いの可能性があることを否定できませんから,なれ合いの可能性を少しでも警戒するのでしたら,他の相続人の方で,独自ルートで別の弁護士を探して下さい。
(3) 顧問先の従業員が顧問先の紹介により私に事件を依頼される場合(例えば,勤務先の紹介により自己破産又は個人再生を依頼される場合),顧問先と従業員との間で紛争が発生し,又は発生するおそれがあるときは顧問先の利益を優先して事件解決に当たることについての同意を得られない限り,事件を受任しません。
   また,顧問先が従業員に貸し付けているお金の回収の話であるといった,明らかに顧問先と従業員との間で利益が相反している場合,相談自体をお断りしています。
(4) 顧問先とその窓口担当者との間で仲間割れが発生した場合,原則として,顧問先の社長の側に立って事件解決に当たりますものの,窓口担当者との間に深い人間関係が既に形成されていた場合,既に発生した弁護士報酬を返還することなく辞任することがあります。
 
2 相手方の代理人弁護士に対する懲戒請求等は原則として受任しないこと
(1) 弁護士は,他の弁護士等との関係において,相互に名誉と信義を重んじる必要がありますし(弁護士職務基本規程70条),他の弁護士等との間の紛議については,協議又は弁護士会の紛議調停による円満な解決に努める必要があります(弁護士職務基本規程73条)。
   そのため,相手方の代理人弁護士に対する懲戒請求又は損害賠償請求については,①確実な証拠があり,かつ,②私と依頼者との間に特に高度の信頼関係がある場合でない限り,受任しないこととしています。
  また,相手方の代理人弁護士が大阪弁護士会所属の弁護士である場合,①及び②の場合であっても,ほぼ例外なく受任しないこととしています。
(2) 弁護士に対する懲戒請求において虚偽の事実を述べた場合,虚偽告訴罪(刑法172条)が成立します。
(3) 懲戒請求が,弁護士懲戒制度の趣旨目的に照らし相当性を欠くと認められる場合,違法な懲戒請求として不法行為を構成します(最高裁平成19年4月24日判決)。
(4) 弁護士が懲戒請求書を作成した場合,その記載内容がいかなる場合であっても,弁護士としての品位を失うべき非行に当たらないとは解されないのであって,弁護士職務基本規程70条において,他の弁護士等との関係において,相互に名誉と信義を重んじることとされていることから,対象弁護士を侮辱する表現やその人格に対する誹謗中傷等については,弁護士としての品位を失うべき非行に当たる場合があります(自由と正義24年12月号111頁参照)。
  なお,「自由と正義」は,日弁連が昭和25年から会員向けに毎月発行している機関誌です。
(5) 弁護士が相手方の代理人弁護士の悪評をブログ等に記載した場合において,ブログ等の記載が事実でなかったときは,「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」(不正競争防止法2条1項14号)に該当するものとして,差止請求(不正競争防止法3条)及び損害賠償請求(不正競争防止法4条)の対象となります(東京地裁平成24年12月6日判決参照)。
(6) 弁護士が,弁護士会に対し,懲戒事由があることを事実上及び法律上裏付ける相当な根拠に関する調査及び検討をすることなく,特定の弁護士について懲戒請求をした場合,弁護士としての品位を失うべき非行に該当します(自由と正義25年2月号96頁参照)。

第2 調整型の職務は取り扱わないこと

1   弁護士は,裁判外において,いまだ紛争が顕在化していない複数人間の利害を調整するために職務を行う場合があります。
   例えば,①二当事者間の契約締結の調整,②離婚を含めた夫婦関係の調整,③遺産分割協議の調整,④共同事業その他の法律関係の清算に伴う金銭の分配調整があります。
   このような複数当事者間の利害の調整役は,当事者の代理人として行うものではありませんから,双方代理となるものではありませんし,利益相反となるものでもありません。

2   以下のデメリットがあることから,私は調整型の職務は取り扱わないこととしています。
① 調整役の弁護士は,すべての当事者に対する関係で公平かつ公正でなければならず,すべての当事者から信頼を得ていなければ,調整役の任務を果たすことができません。
   そのため,調整役の弁護士は誰の味方もできないこととなりますから,依頼者からすれば,お金を払っているのに弁護士が自分の味方をしてくれないこととなる結果,依頼者の不満につながります。
② 調整が失敗して当事者間の利害の対立が鮮明となった場合,弁護士は速やかに調整役を辞任する必要があり,その後は,いずれの当事者の代理人にもなることができないと解されています(弁護士職務基本規程32条,42条参照)。
   そのため,調整役の弁護士は,調整が失敗した場合,事件を途中で放り出す形になってしまいます。

第3 間接的受任はお断りすること

   弁護士が直接,依頼者に会うことなく,第三者を介在させて事件を受任するという間接的受任には以下の弊害がありますから,依頼者本人との面談は必ず行うこととしています(債務整理事件処理の規律を定める規程3条及び4条参照)。
① 事件の処理方法について第三者に対してのみ経過報告をし,もっぱら第三者を介して指示を受けていた場合,依頼者の意思が無視される危険があります。
② 受任事件を処理した結果回収した金員等を第三者に引き渡したときは,その第三者の受領代理権の問題を生じやすいことはもちろんのこと,その第三者による横領等の危険があります。
③ 第三者に事件の内容を説明することは,秘密保持義務(弁護士法23条,弁護士職務基本規程23条)違反の問題が生じかねません。
④ 第三者がいわゆる事件屋又は紹介屋の類である場合,弁護士法72条が禁止する非弁護士との提携につながりかねません。
⑤ 第三者を介して報酬を受領した場合,(a)弁護士職務基本規程12条が禁止する報酬分配,又は(b)同規程13条が禁止する依頼者紹介の対価の意味合いが生じる危険があります。
   また,依頼者の支払額と受領した報酬額との間に相違が生じた場合,弁護士費用を巡る紛争が生じる危険があります。

第4 代理人を辞任する場合

1 代理人を辞任する一般的な場合
(1) 「弁護士は,受任した事件について,依頼者との間に信頼関係が失われ,かつ,その回復が困難なときは,その旨を説明し,辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。」とされています(弁護士職務基本規程43条)。
    そのため,私は,依頼者との信頼関係が回復困難な程度に破壊された場合,受任事件を辞任することにしています(委任契約の解除につき民法651条参照)。
(2) 以下の①ないし④の事態が生じた場合,依頼者との信頼関係が回復困難な程度に破壊されたことを理由に,委任契約書に基づき受任弁護士が辞任することがあります。
    この場合,着手金及び発生済みの弁護士報酬は一切返金しません(民法648条3項参照)。
① 依頼者が法令の定め又は裁判所の指示に従わなかった場合
② 依頼者が受任弁護士の合理的な指示に著しく違反した場合(交付している重要事項説明書に記載している指示事項はすべて,合理的な指示事項と考えています。)
③ 依頼者の説明内容に重大な虚偽が含まれた結果,委任事項に関して当初想定した事態から著しい事情の変化があった場合
④ 依頼者と1ヶ月以上,連絡が取れなくなった場合
(3) ①依頼者が病気,交通事故等により判断能力が著しく低下し,かつ,②依頼者の判断を補助するような,親族その他の人の協力を得られる見込みが全くない場合,委任事務を遂行することができなくなりますから,そのような事態が発生することがないようにして下さい。
 
2 依頼者が反社会的勢力に該当する場合
(1)   全国銀行協会の暴力団排除条項参考例にかんがみ,私は,依頼者が以下のいずれかの事由に該当する場合,依頼者との信頼関係が回復困難な程度に破壊されたことを理由に即座に辞任することがありますし,この場合において依頼者に損害が生じたときでも,一切賠償しません。
① 依頼者が暴力団,暴力団員,暴力団準構成員,暴力団関係企業,総会屋等,社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等その他の反社会的勢力に該当する場合
② 依頼者が,私に対し,自ら又は第三者を利用して以下のいずれかの行為をした場合
(a) 暴力的な要求行為
(b) 法的な責任を超えた不当な要求行為
(c) 私の業務遂行に対する不満の発露として,脅迫的な言動をし,又は暴力を用いる行為(刑法233条及び234条参照)
(d) 風説を流布し,偽計を用い,又は威力を用いて私の信用を毀損し,又は私の業務を妨害する行為
(2) 暴力団,暴力団員,暴力団準構成員,暴力団関係企業,総会屋等,社会運動等標ぼうゴロ,特殊知能暴力集団等の用語の定義は以下のとおりです。
① 暴力団
→ その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的にまたは常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいいます。
② 暴力団員
→ 暴力団の構成員をいいます。
③ 暴力団準構成員
→ (a)暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって,暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの,又は(b)暴力団若しくは暴力団員に対し資金,武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し,若しくは関与するものをいいます。
④ 暴力団関係企業
→ (a)暴力団員が実質的にその経営に関与している企業,準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行うなど暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し,若しくは関与する企業又は(b)業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいいます。
⑤ 総会屋等
→ 総会屋,会社ゴロ等企業等を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり,市民生活の安全に脅威を与える者をいいます。
⑥ 社会運動等標ぼうゴロ
→ 社会運動若しくは政治活動を仮装し,又は標ぼうして,不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり,市民生活の安全に脅威を与える者をいいます。
⑦ 特殊知能暴力集団等
→ ①ないし⑥に掲げる者以外の,暴力団との関係を背景に,その威力を用い,又は暴力団と資金的なつながりを有し,構造的な不正の中核となっている集団又は個人をいいます。

第5 事件処理の方針

1  総論
(1) 「弁護士は,事件の受任及び処理に当たり,自由かつ独立の立場を保持するように努める。」(弁護士職務基本規程20条)とされていますから,依頼された弁護士は,受任事務を遂行するにあたって,委任の趣旨の範囲内において広い裁量権が認められています。
    もちろん,「弁護士は,良心に従い,依頼者の権利及び正当な利益を実現するように努める。」義務を負います(弁護士職務基本規程21条)。
(2) 「弁護士は,事件を受任したときは,速やかに着手し,遅滞なく処理しなければならない。」(弁護士職務基本規程35条)とされていますから,委任契約書を締結し,着手金及び概算実費の入金を確認できた時点で,速やかに受任事件の処理に着手します(委任契約書に特約がある場合は除きます。)。
(3) 委任契約書における委任者と弁護士費用の負担者とが異なる場合において両者の意見が対立した場合,私は,特段の事情がない限り,委任契約書における委任者の意見を尊重して事件処理を行います。
   そのため,弁護士費用を誰か他の人に負担してもらう場合,このことをよくよくご理解願います。
(4) 相手方と交渉する場合,受任弁護士が正当な代理人であることを相手方に示すため,原則として,相手方に委任状の写しを簡易書留郵便により送付してから交渉を始めることとしています。
(5) 行政書士が代理人として就任したに過ぎない場合,法令上の資格を有するわけではない点で,非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止を定めた弁護士法72条に違反しますから,無視して本人と交渉することにしています。
   なお,弁護士法72条に違反した場合,2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます(弁護士法77条3号)。
(6) 相手方又はその代理人との裁判外の交渉で合意を得ることができないか,又は合意を得られる見込みがないときは,速やかに訴訟提起することにしています。
   私としては,裁判外での粘り強い交渉よりも,法的根拠のある主張を速やかに裁判所で展開する方が,依頼者が希望する結果を速やかに実現できることが多いと考えています。
   また,交通事故といった一定の事件類型の場合,裁判外で交渉するよりも速やかに訴訟提起した方が請求できる損害賠償額が高いことが普通です。

 

2 交渉・対話に当たっての三つの注意点
   私は,受任事件を終局的に解決するため,交渉・対話に当たって以下の三つの注意点を意識しています。
① 常に「誠実」かつ「冷静」であること
   「誠実」とは,依頼者との関係で誠実であることは極めて当然のことですが,それだけでなく,相手方との関係でも,馬鹿にしたり,見下したりしないで,依頼者の利益を最優先に考えながらも真摯に向かい合うということです。
   「冷静」とは,相手方との関係で,興奮したり,怒りにまかせた言動をしたりすることを避けるということであり,「冷ややかな態度」をとるということではありません。
② 依頼者との関係で責任を持てる範囲を明確にすること
   私が責任を持つことができるのは,受任事件に関する法律事務(弁護士法3条1項)に限られます。
   依頼者から種々雑多な要望がある場合,私がどこまで対応するかについては,あくまでも委任契約書に基づいて決めさせていただきます。
③ 相手方との関係で相手方の立場にも最低限の理解は示すこと
   相手方の主張が受け入れられないものであっても,相手方の人格に対して否定的評価を記載するなどしていたずらに相手方を刺激した場合,相手方が極度に恨みを抱くなどする結果,受任事件を終局的に解決できなくなるおそれがあります。
   (a)当事者間の感情的な対立が激しい離婚事件・遺産分割事件,(b)精神疾患が疑われる者を相手方とする事件,及び(c)暴力団関係者を相手方とする事件の場合,③の注意点が特に重要となります。

第6 依頼者の意思の尊重

1 総論
(1) 「弁護士は,委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うものとする。」(弁護士職務基本規程22条1項)とされています。
   そのため,訴訟上又は訴訟外の和解を行ったり,重要な事件処理の方針を決めたりする際は必ず依頼者の意思を確認し,依頼者の意思に反して受任事件を処理することは絶対にありません。
(2) 「弁護士は,必要に応じ,依頼者に対して,事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し,依頼者と協議しながら事件の処理を進めなければならない。」(弁護士職務基本規程36条)とされていますから,電子メール又は書面により,場合によっては電話又は面談により,依頼者に対する報告をなるべくこまめに行います。
(3) 相手方又は裁判所に提出する書面については,原則として依頼者のチェックを受けたものに限ります。
    ただし,①定型的な書面を提出するに過ぎない場合,②緊急を要する場合,又は③依頼者が事前にチェックする必要がないと判断した場合はこの限りでありません。
   なお,依頼者がメール(携帯メールを含む。)もFAXも使っていない場合,依頼者のチェックを受けるために郵送が必要になる点で2,3日の日数を要することとなりますから,事前のチェックを省略し,事後報告にとどめる場合が多くなります。

2 依頼者の意思に沿えない,一般的な場合
   以下の事項に該当する場合,私は依頼者の意思に沿うことはできません。
① 詐欺的取引,暴力その他違法若しくは不正な行為を助長し,又はこれらの行為を利用することを目的とする事項(弁護士職務基本規程14条参照)
② 依頼の目的又は事件処理の方法が明らかに不当な事項(弁護士職務基本規程31条)
→ 例えば,(a)正当な理由がないのに相手方を精神的に追い込むだけの目的で次々と訴訟を起こしたり,(b)相手方の住所が判明しているのに,住所不明と偽って公示送達を申し立てたりすることをいいます。
③ 不当な目的のために裁判手続を遅延させる事項(弁護士職務基本規程76条)
→ 例えば,(a)相手方の苦痛を長引かせる一念から,裁判手続の遅延を策したり,(b)相手方を精神的に困憊(こんぱい)させ,又は相手方を経済的に追い込み,それに乗じて不当に自分に有利な解決策を図る意図で裁判手続の遅延を策したりすることをいいます。

第7 弁護士法と違反している者と提携することはないこと

1 「弁護士は,弁護士法第72条から第74条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け,これらの者を利用し,又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。」(弁護士職務基本規程11条。なお,同趣旨の規定につき大阪弁護士会会則108条2項)とされています。
   そして,禁止される提携の対象は,弁護士法27条と異なり,①弁護士法72条ないし74条の規定に違反する者に限らず,「違反すると疑うに足りる相当な理由のある者」にまで広げられていますし,②「事件の周旋」に限らず,「依頼者の紹介」にまで広げられています。
   そのため,私は,弁護士法に違反している者と提携することは絶対にありません。

2 弁護士法72条から74条までの規定に違反している者の内容は以下のとおりであり,①ないし③に該当する場合,2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられ,④ないし⑥に該当する場合,100万円以下の罰金に処せられます。
① 弁護士又は弁護士法人でないのに,報酬を得る目的で,業として,訴訟事件その他一般の法律事件に関して,鑑定,代理,和解等の法律事務を取り扱う者(弁護士法72条本文前段違反)
② 弁護士又は弁護士法人でないのに,報酬を得る目的で,業として,法律事件に関する法律事務の取扱いを周旋する者(弁護士法72条本文後段違反)
③ 他人の権利を譲り受けて,訴訟等の手段によって,その権利を実行することを業とする者(弁護士法73条違反)
④ 弁護士又は弁護士法人でないのに,弁護士又は法律事務所の標示又は記載をする者(弁護士法74条1項違反)
⑤ 弁護士又は弁護士法人でないのに,利益を得る目的で,法律相談その他法律事務を取り扱うことを標示又は記載した者(弁護士法74条2項違反)
⑥ 弁護士法人でないのに,その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いた者(弁護士法74条3項違反)

3 「弁護士は,その職務に関する報酬を弁護士又は弁護士法人でない者との間で分配してはならない。ただし,法令又は本会若しくは所属弁護士会の定める会則に別段の定めがある場合その他正当な理由がある場合は,この限りでない。」(弁護士職務基本規程12条)とされています。
   そのため,私は,依頼者から受領した弁護士報酬を弁護士以外の者(他士業を含む。)に配分することは,正当な理由等がない限りありません。

4 「弁護士は,依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。」(弁護士職務基本規程13条1項。なお,同趣旨の規定につき大阪弁護士会会則111条1項)とされています。
   そのため,私は,依頼者の紹介を受けることがあっても,紹介をした人に対し,謝礼その他の対価(ただし,通常の社会的儀礼の域を超えない季節の贈答や飲食費の負担は除く。)を支払うことはありません。

5 「弁護士は,依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない。」(弁護士職務基本規程13条2項。なお,同趣旨の規定につき大阪弁護士会会則111条2項)とされています。
   そのため,私は,依頼者に対し,受任事件について別の弁護士,司法書士,税理士等の専門家を紹介したときであっても,当該別の専門家から謝礼その他の対価(ただし,通常の社会的儀礼の域を超えない季節の贈答や飲食費の負担は除く。)を受け取ることはありません。

6 紹介料等の授受は,公認会計士,司法書士,土地家屋調査士等が自分で行う場合についても明文で禁止されています(公認会計士につき日本公認会計士協会の倫理規則12条,司法書士につき日本司法書士会連合会の司法書士倫理13条,日本土地家屋調査士会連合会の土地家屋調査士倫理規程11条)。
   そのため,私は,この観点からしても,事件を紹介してきた公認会計士,司法書士,土地家屋調査士等に対して紹介料を支払うことはありません。
1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。