裁判所支部

第0 目次

第1 裁判所支部
第2 高裁支部
第3 地家裁支部
第4 裁判所支部の運営をめぐる諸情勢
第5 裁判所支部の所在地等
第6 裁判所支部に関する日弁連の考え方が分かるHP等

*1 裁判所HPの「裁判所の管達区域」を見れば,全国の市町村毎にどの高裁,地家裁及び簡裁の管轄になっているかが分かります。
*2 裁判所HPの「各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧」を見れば,全国の高裁,地家裁及び簡裁の電話番号等が分かります。
大阪地家裁堺支部(北東方向から撮影した写真)

第1 裁判所支部

1 高等裁判所,地方裁判所及び家庭裁判所には本庁及び支部の区別があります。
 
2(1)   裁判所支部には,高等裁判所支部(=高裁支部),地方裁判所支部(=地裁支部)及び家庭裁判所支部(=家裁支部)があります(裁判所法22条1項,31条1項・31条の5)。
(2) 支部勤務の裁判官は,最高裁判所が裁判官会議で定めます(裁判所法22条2項,31条2項・31条の5参照)。
   ただし,支部填補(てんぽ)裁判官(支部の仕事を手伝う裁判官というぐらいの意味です。)は,それぞれの下級裁判所が事務分配で定めます(下級裁判所事務処理規則6条1項参照)。
 
3 それぞれの支部の人数については,「現職裁判官の分布表」を参照してください。 

4(1) 国家公務員共済組合連合会(KKR)の裁判所支部の連絡先は,同連合会HPの「裁判所」に掲載されています。 
   各地の裁判所の共済組合係が年金の請求窓口になっています。 
(2) 「下級裁判所事務局の組織」も参照してください。 

第2 高裁支部

1   高等裁判所支部の設置根拠及び権限
(1)   通常の高等裁判所支部(=高裁支部)は,昭和23年3月1日施行の高等裁判所支部設置規則(昭和23年2月20日最高裁判所規則第1号)に基づいて設置されています。
   高裁支部は,地方裁判所が控訴審として下した民事事件の判決(=レ号事件の判決)に対する上告事件を取り扱うことはできません(高裁支部設置規則1条2項)。
(2) 知的財産高等裁判所(=知財高裁)は,東京高裁の特別の支部として設置されています(知的財産高等裁判所設置法2条柱書)。
 
2 高裁支部の設置及び廃止の年月日
(1) 高裁支部の設置年月日
ア   昭和23年3月1日,広島高裁松江支部及び札幌高裁函館支部が設置されました。
イ   昭和23年5月15日,名古屋高裁金沢支部が設置されました。
ウ   昭和23年9月1日,福岡高裁宮崎支部が設置されました。
エ   昭和23年10月1日,広島高裁岡山支部が設置されました。
オ   昭和24年3月10日,仙台高裁秋田支部が設置されました。
カ   昭和47年5月15日,福岡高裁那覇支部が設置されました。
キ 平成17年4月1日,知財高裁が設置されました。
(2) 高裁支部の廃止年月日
   昭和46年7月31日,札幌高裁函館支部が廃止されました。
 
3 かつて存在した札幌高裁函館支部
   明治14年10月6日,函館控訴裁判所が設置され,明治19年5月4日に函館控訴院となったものの,大正10年12月,控訴院が函館から札幌に移転した結果,札幌控訴院となりました。
   つまり,大正10年12月までの函館には,現在の高等裁判所に相当する控訴院が設置されていましたし,昭和23年3月1日から昭和46年7月31日までの間,札幌高等裁判所函館支部が設置されていました。
 
   高裁支部の位置関係
(1)   外部HPの「高裁支部の適正配置」と題する記事が参考になります。
(2) 外部HPの「高等裁判所の管轄区域別(支部別)」では,高等裁判所の本庁支部別の管轄区域ごとに日本地図が着色されています。

5 高裁支部の一覧と管轄区域
(1) 知財高裁
   ①全国の技術型の知財事件(民訴法6条3項・知財高裁設置法2条1号)及び②東京高裁管内の非技術型の知財事件(知財高裁設置法2条1号)については,知財高裁が担当しています。
(2)   名古屋高裁金沢支部
   石川県,富山県,福井県
(3)   広島高裁岡山支部
   岡山県
(4) 広島高裁松江支部
   島根県(地裁・家裁浜田,益田支部,家裁川本出張所地域を除く),鳥取県
(5)   福岡高裁宮崎支部
   宮崎県,鹿児島県,大分県(地裁・家裁佐伯支部地域)
(6)   福岡高裁那覇支部
   沖縄県
(7)   仙台高裁秋田支部
   秋田県,山形県(地家裁の鶴岡支部及び酒田支部地域),青森県(地家裁の弘前支部及び五所川原支部地域)

6 高裁の司法行政ポストの格付け
   高裁の司法行政ポストの格付けは,高裁長官>知財高裁所長>知財高裁部総括>高裁本庁部総括>部が設置されている高裁支部の支部長>高裁支部部総括>部が設置されていない高裁支部の部総括です(外部HPの「高裁支部長就任舎のキャリアパス分析」参照)。

7 高等検察庁支部(=高検支部)
   昭和23年3月1日施行の検察庁法第二条第四項の規定による各高等裁判所支部に対応して各高等検察庁支部を設置する庁令(昭和23年2月21日法務庁令第1号)に基づき,6つの高裁支部に対応して6つの高検支部が設置されています。

第3 地家裁支部

1 地家裁支部の設置根拠
   地方裁判所支部(=地裁支部)及び家庭裁判所支部(=家裁支部)(あわせて,地家裁支部といいます。)は,地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則(昭和22年12月20日最高裁判所規則第14号) に基づいて設置されています。

2 地家裁支部の権限
(1)   地家裁支部は,簡裁の民事事件の判決に対する控訴事件(=レ号事件)及び行政訴訟事件を取り扱うことはできません(地家裁支部設置規則1条2項)。
(2)   レ号事件は必ず合議事件となります(裁判所法26条2項3号)し,行政訴訟事件は通常,合議事件となります(裁判所法26条2項1号参照)。
(3) 平成2年4月1日,改正後の地家裁支部設置規則1条(地裁)及び2条(家裁)が施行された結果,権限甲号の支部(=合議事件取扱支部)及び権限乙号の支部(=合議事件非取扱支部)の区別が廃止されました。
  しかし,そのときに追加された地家裁支部設置規則3条1項(地裁)又は2項(家裁)に基づき,旧乙号支部における合議事件に関する事務を引き続き本庁又は旧甲号支部に取り扱わせることができるようになりました。
  そのため,合議事件を取り扱う支部であるかどうかは現在,それぞれの地家裁の裁判官会議決議に基づく事務分配という形で決まっています。
 
3 地家裁支部の統合及び新設
(1) 平成2年4月1日,全国41の地家裁支部が統合されました(「裁判所~廃止された裁判所」参照)。
(2) 平成5年4月1日に札幌地家裁苫小牧(とまこまい)支部が,平成6年4月1日に横浜地家裁相模原支部が新設されました。
(3) 東京地家裁多摩支部の状況については,東弁リブラ2009年10月号に掲載されている「多摩支部の活動-裁判所本庁化への期待も-」が参考になります。
 
4 本庁及び支部の間の事件回付に対する不服申立てはできないこと
   地方裁判所の本庁と支部間,又は支部相互間の事件の回付は,訴訟法上の手続ではありませんから,回付の措置に対しては,当事者は,訴訟法に準拠する不服申立をすることはできません(最高裁昭和44年3月25日決定)。

第4 裁判所支部の運営をめぐる諸情勢

1(1) 「支部(特に非常駐支部)の運営をめぐる諸情勢」(平成27年2月の最高裁判所の実務協議会(冬期)における,総務局事前配付資料6)を掲載しています。
   裁判所の支部問題に関する,最高裁判所の問題意識がよく分かります。
(2)   最高裁判所の実務協議会(冬期)は,新たに地家裁所長又は高裁事務局長を命ぜられた者が参加する協議会です。
 
2 執行事件の集約
(1) 支部の執行事件の本庁への集約は,下級裁判所支部設置規則3条に基づき,裁判官会議の議決によって行うことができます。
  しかし,当事者の利便性に影響する可能性があることに加え,弁護士会等対外対応,人員配置等で検討すべき点があることから,民事局を窓口として最高裁に協議することになっています。
(2) 執行集約4基準は以下のとおりです。
① 集約対象庁の事務処理に困難があり,かつ,それが外部要因に起因していること。
② 集約庁の事件処理が安定しており,集約対象庁から事件を受け入れても安定した事件処理が係属できると考えられること。
③ 集約対象庁の事件処理について,集約前に比べて,集約後の事件処理の効率が向上すると考えられ,かつ,関係人に不相応な不利益が生じることがないと見込まれること。
④ 集約につき,弁護士会の理解が得られること。
 
3 合議取扱支部
(1) 現在の合議取扱支部は,平成元年の下級裁判所支部設置規則改正に合わせ,一部の庁を除き旧甲号支部を合議取扱支部とすることが各庁の裁判官会議で3条議決されたことによるものです。
  なお,同規則改正以降で,合議取扱化した支部はありません。
(2) その後の下級裁判所支部設置規則改正により合議事件非取扱支部として新設された相模原支部について,市議会での決議や市長の要望書のほか,首都圏弁護士会支部サミットや弁護士会との協議の場において取り上げられる等,従前から,合議取扱化に関する要望等の動きがあります。
 
4 労働審判事件の支部拡大
(1) 労働審判事件については,制度導入の際,労働審判員にふさわしい人材を相当数確保する必要があることに加え,労働審判手続の専門性・特殊性党の観点から,当分の間は地方裁判所本庁において労働審判事件を取り扱うことが相当であると考えられたため,各地方裁判所において,労働審判事件を本庁においてのみ取り扱うこととする旨の3条決議がされました。
  しかし,平成18年4月の労働審判制度の開始以来,各庁において事件処理のノウハウが一定程度蓄積されていることなどから,大規模支部を中心に労働審判事件の取扱庁の拡大が検討され,その結果,平成22年4月から東京地裁立川支部及び福岡地裁小倉支部において,労働審判事件の取扱いが開始されました。
(2) 近時,単位弁護士会の決議や市町村議会の意見書のほか,第一審強化方策地方協議会(=一審強)や弁護士会支部サミットの議題として取り上げられる等,労働審判事件の支部実施についての要望等の動きがあり,平成26年9月以降,最高裁が日弁連と協議を重ねていました。
  その結果,最高裁は,平成28年1月18日,平成29年4月から静岡地裁浜松支部,長野地裁松本支部及び広島地裁福山支部において,労働審判の取扱いを開始することを発表しました(「地域司法の基盤整備に関する会長声明」(平成28年1月18日付の日弁連会長声明)参照)。
 
5 常駐支部の拡大,非常駐支部への填補回数の増加及び出張所への填補回数の増加
   最高裁は,平成26年9月以降の日弁連との協議の結果,平成28年1月18日,平成28年4月から,①松江地家裁出雲支部を常駐支部とすること,②静岡地家裁掛川支部,神戸地家裁柏原支部及び高松地家裁観音寺支部の3支部において裁判官の填補回数を増加させる方向での準備を開始すること,③さいたま家裁飯能出張所及び岡山家裁玉島出張所において裁判官の填補回数を増加させる方向での準備を開始することを発表しました(「地域司法の基盤整備に関する会長声明」(平成28年1月18日付の日弁連会長声明)参照)。

第5 裁判所支部の所在地等

1(1) 裁判所HPの「最高裁判所の所在地」及び「各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧」に,各地の裁判所の本庁支部の所在地及び電話番号のほか,ダイヤルイン番号が記載されています。
(2)   裁判所データブック2015の付録にも,各地の裁判所の本庁支部の所在地,電話番号及びファックス番号が載っています。

2  裁判所HPの「各地の裁判所一覧」に,各地の裁判所HPへのリンクが張られています。

第6 裁判所支部に関する日弁連の考え方が分かるHP等

1 裁判所支部に関する日弁連の考え方につき,日弁連裁判官制度改革・地域司法計画推進本部の以下のHP等が参考になります。
① 「裁判官・検察官の大幅増員を目指して」と題するHP
② 「地域に根ざした法曹の人的・物的施設の拡充を目指して」と題するHP
③ パンフレット「裁判官を増やそう」
④ パンフレット「全国各地に裁判官,検察官の常駐を!」
⑤ パンフレット「裁判所支部を充実させよう」

2(1) 東京地家裁立川支部の現状については,外部HPの「裁判所の「支部」問題」が参考になります。
   東京三弁護士会多摩支部は,東京地家裁立川支部を「本庁」に昇格させるため,色々な取り組みを行っています。
(2) 立川商工会議所は,最高裁判所長官に対し,平成26年3月17日,「東京地方裁判所立川支部及び東京家庭裁判所立川支部の本庁化を求める要望書」を提出しました。

1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。