選択型実務修習

目次

第1章の1 選択型実務修習の骨子等
第1章の2 平成27年度法務行政修習プログラム
第2章   選択型実務修習の運用プログラム
第1    定義
第2    修習地
第3    修習先
第4    指導監督体制
第5    修習プランの策定手続
第6    修習成績の評価
第7    その他
(別紙)
第3章   選択型実務修習の運用ガイドラインQ&A
第1    修習地
第2    修習先
第3    指導監督体制
第4    修習プランの策定手続
第5    応募
第6    修習成績の評価
第7    その他
第8    自己開拓プログラムにおいて弁護士事務所を修習先とすることの可否について(通知)
第4章   選択型実務修習の運用イメージ
第5章   第69期司法修習から開拓された新規プログラム 
 

第1章の1 選択型実務修習の骨子等

1(1)   選択型実務修習は,新司法修習においてそれぞれ2ヶ月に短縮された分野別実務修習の補完と深化等を目的に導入されました。
  この選択型実務修習は,弁護実務修習で配属された弁護士事務所をホームグラウンドとして,裁判所,検察庁,弁護士会が提供するプログラムを司法修習生が自主的に選択する制度です。
(2) 個別修習プログラムの場合,配属されている実務修習地でしか受けられないのに対し,全国プログラム及び自己開拓プログラムの場合,配属されている実務修習地以外で受けることができます。

2 選択型実務修習については,①地域によって提供されるプログラムにバラツキがあること,②プログラムを担当する弁護士の負担が大きいこと,③二回試験準備のため出席率が悪いことといった問題点が指摘されています。

3 第69期司法修習生の選択型実務修習プログラム(全国プログラム)への応募状況は,平成28年7月8日開催の第4回法曹養成制度改革連絡協議会の最高裁判所提出資料2を見れば分かります。

4 平成28年11月19日付の司法行政文書不開示通知書によれば, 「第69期司法修習生に対する,選択型実務修習の実施について(通知)」は存在しません。

5(1)  69期実務修習結果簿を掲載しています。
(2) 実務修習結果簿は,各配属庁会の修習終了時に,修習生各自で指導担当官(者)に提出して検印をもらい,回収します。
   そして,司法研修所における集合修習開始日に回収されます。

第1章の2 平成27年度法務行政修習プログラム

1 選択型実務修習の一例として,平成27年度法務行政修習プログラム関係文書を掲載しています。
 
2 平成27年度法務行政修習プログラムのうち,B班の日程は以下のとおりでした。
9月7日(月)
(法務総合研究所第3教室)
9:30~9:45 オリエンテーション
9:50~10:40 刑事局の組織・所管事務(法務省刑事局)
10:50~12:30 法律が成立するまでの手続,新規立法,罰則審査等(法務省刑事局)
12:30~13:30 休憩
13:30~14:00 法律問題演習事前配布・説明(法務省刑事局)
14:10~14:20 法務総合研究所の組織・所管業務について(法務総合研究所)
14:20~15:00 犯罪白書と犯罪情勢について(法務総合研究所)
15:00~15:40 国連アジア極東犯罪防止研修所について(法務総合研究所)
15:50~17:20 出入国管理行政について(法務省入国管理局)
9月8日(火)
(東京法務局8階専用会議室)
9:30~10:20 不動産登記と筆界特定制度について(東京法務局)
10:20~10:40 商業・法人登記制度について(東京法務局)
10:40~11:00 成年後見登記制度について(東京法務局)
11:00~11:30 庁内見学
11:30~13:10 移動・休憩
(法務総合研究所第3教室)
13:10~15:40 民事立法と民事法務行政について(法務省民事局)
15:50~17:20 矯正の現状について(法務省矯正局)
9月9日(水)
(法務総合研究所第3教室)
9:30~12:00 法律問題演習(法務省刑事局)
12:00~13:00 休憩
13:00~14:30 訟務制度について(法務省訟務局)
14:40~16:10 人権擁護行政について(法務省人権擁護局)
16:20~17:50 更生保護行政について(法務省保護局)
9月10日(木)
(法務総合研究所第3教室)
9:30~12:00 債権法の改正について(法務省民事局)
12:00~14:00 移動・休憩
(東京拘置所)
14:00~16:00 施設見学(東京拘置所)
9月11日(金)
(東京入国管理局)
9:30~11:30 業務概況説明及び施設見学(東京入国管理局)
11:30~13:30 移動・休憩
(法務総合研究所第3教室)
13:30~14:30 法制度整備支援の概要(法務総合研究所)
14:40~15:20 オリエンテーション(法務総合研究所)

第2章 選択型実務修習の運用ガイドライン

   本章の記載は,平成18年9月1日当時の選択型実務修習の運用ガイドラインを丸写ししたものです。

第1 定義

   司法修習生指導要綱(甲)に定めるものほほか,このガイドラインの用語については,次のとおりとする。

1 裁判所,検察庁,弁護士会等が,選択型実務修習の期間中,司法修習生に対し提供するプログラムを総称して,修習プログラムという。修習プログラムは,次の各プログラムからなる。

(1) 個別修習プログラム

   修習プログラムのうち,司法修習生が配属された修習地の裁判所,検察庁及び弁護士会が提供するものであって,当該配属修習地の司法修習生のみが修習できるものをいう。

(2) 全国プログラム

   修習プログラムのうち,司法修習生が,配属修習地にかかわらず修習できるものをいう。

(3) 自己開拓プログラム

   司法修習生が,自ら修習先を開拓して設定し,修習するものをいう。

2 ホームグラウンド

   選択型実務修習の期間中,司法修習生が,修習プログラムを修習しないときに,弁護修習を行う弁護士事務所を,「ホームグラウンド」という。

第2 修習地

   選択型実務修習は,原則として,分野別実務修習における配属修習地で行うものとする。ただし,一定の期間及び修習内容に限り,配属修習地外で修習することができる。

   なお,外国での修習は,当面これを認めない。

○ 配属修習地以外での修習の期間は3週間を限度とする。

○ 当面は,配属修習地では履修が不可能な修習内容に限り,配属修習地外で修習することができるものとする(第3の3,4参照)。

第3 修習先

1 (ホームグラウンド)

   ホームグラウンドは,原則として,分野別実務修習で配属された弁護士事務所とする。

(1) ホームグラウンドにおける弁護修習は,選択型実務修習の期間中,最低1週間は,継続して行わなければならない。

(2) 相当な理由があれば,選択型実務修習の2箇月間を通じてホームグラウンドでの弁護修習を行うことができる。

(3) 分野別実務修習で配属された弁護士事務所以外の弁護士事務所をホームグラウンドとしなければならない事情がある場合には,ホームグラウンドを当該弁護士事務所に変更することができる。

 

2 (個別修習プログラム)

   分野別実務修習の配属庁会は,その地の実情もふまえながら,個別修習プログラムを提供する。

   その内容は,分野別実務修習における成果を深化させ,あるいはその補完を図るものや,分野別実務修習では体験できないか,十分な修習を行うことが困難な専門的領域を修習するものを基本とする。例えば,別紙のようなものが考えられる。

○ 現行司法修習において社会修習として実施されている見学ないし体験を個別修習プログラムとする場合には,修習内容が法曹の業務と関連を有するものとなるよう配慮する。

 

3 (全国プログラム)

   知的財産権訴訟の専門部での裁判修習,法務省における法務行政に関する修習(検察修習),又はいわゆる渉外・知財事務所での弁護修習等その修習の性質上特定の地域の配属庁会にしか提供できないようなプログラムについては,全国の司法修習生に当該プログラムを提供する。

 

4 (自己開拓プログラム)

   司法修習生は,民間企業の法務部,地方自治体の法務関係部門等法曹の活動に密接な関係を有する分野の修習先を自ら開拓することができる。

○ 司法修習生指導連絡委員会(以下「指導連絡委員会」という。)は,司法修習生が自ら開拓した修習先での実務修習について,後記第5の3のとおり,選択型実務修習の趣旨に適ったものかどうか,その適否について審査する。判断が困難なものについては,司法研修所と協議する。

○ 指導連絡委員会により実務修習先として承認されると,司法修習生は当該修習先において,自己開拓プログラムとして修習することができる。

 

5 司法修習生が就職を予定している弁護士事務所を,修習プログラムとしての弁護修習先とすることはできないものとする。

第4 指導監督体制

   選択型実務修習は,各配属修習地の弁護士会に委託して行い,司法修習生に対する監督は,当該弁護士会長に委託する。

第5 修習プランの策定手続

   (個別修習プラグラム等の提示)

1 指導連絡委員会は,提供される修習プログラムの内容が確定し次第,司法修習生に対し,各配属庁会を通じて全国プログラム及び個別修習プログラムを提示する。

○ 選択型実務修習が2班に分かれて実施される場合(選択型実務修習から始まる班と集合修習から始まる班に分かれる。)であっても,司法修習生の修習計画の立案と指導連絡委員会による修習計画の審査手続は,両班とも同時に行う。

 

(応募)

2(1) 全国プログラム

・ 司法修習生は,まず,全国プログラムにつき,応募期日までに各配属庁会の指導連絡委員会に応募する(全国プログラムの修習を希望しない司法修習生は,個別修習プログラムにのみ応募すれば足りる。)。

・ 司法修習生は,全選択型実務修習期間(2箇月)を通じて1つのプログラムにのみ応募することができる。

・ 全国プログラムへの応募があった場合には,当該配属庁会の指導連絡委員会は,司法研修所に対し,その旨連絡し,司法研修所は,各全国プログラムの提供者に対し,全国の応募状況を連絡する(なお,条件審査のために必要な関係資料の送付については,応募を受けた指導連絡委員会から,各提供者に直接送付する。)。

・ 各全国プログラムの提供者は,できる限り早期に修習対象者を決定する。この際,各全国プログラムの提供者は,特定の全国プログラムにつき,応募者の前提知識・経験等(例えば,法科大学院や分野別実務修習で一定の基礎知識を習得していることを条件とするなど)を受入れの適否や優先順位を決定する際の条件とすることができる。

・ 各全国プログラムの提供者は,受入決定の結果を,司法研修所を通じて,各配属庁会の指導連絡委員会に通知する。

・ 全国プログラムを修習する修習対象者の決定は,おおむね第2クール終了時に終えるようにする。

 

(2) 個別修習プログラム

・ 司法修習生は,次に,各配属庁会の指導連絡委員会が提示した個別修習プログラムにつき,遅くとも分野別実務修習の第4クールが開始して一定期間経過後(例えば,1週間経過後)までに各配属庁会の指導連絡委員会に応募する。

・ 指導連絡委員会は,募集に当たって,司法修習生に,個別修習プログラムを適切に実施するため,必要があるときは,複数のプログラムについて順位をつけて応募させることができる・

・ 指導連絡委員会は,当該配属庁会に配置される司法修習生数等に照らし,上記日程での事務処理が困難と予想されるときは,応募の開始を前倒し(例えば,第3クールの前半終了時等)することができる。

 

(司法修習生が修習先を自ら開拓する場合)

3 司法修習生が自ら開拓した修習先での実務修習を希望する場合には,応募時に,当該修習先の概要を記載した書面及び修習先の発する司法修習生を受け入れる旨の書面等を書く配属庁会の指導連絡委員会に提出する。

   指導連絡委員会は,提出された書面その他の資料に基づいて,選択型実務修習の目的に沿うものかどうか,その適否について審査し,その結果を司法修習生に速やかに通知する。

○ 指導連絡委員会は,司法研修所に対して,審査後直ちにその結果を報告する。

 

(個別修習プログラムの修習対象者の決定)

4 各配属庁会は,提供する特定の個別修習プログラムについて,応募者が定員を超えた場合には,速やかに抽選その他の公平な方法により修習対象者を決定し,すべての個別修習プログラムにつき,受入れの可否について一定期間以内(例えば,個別修習プログラムの募集から2週間以内)に司法修習生に通知する。

○ 各配属庁会は,特定の個別修習プログログラムにつき,応募者の前提知識・経験等(例えば,法科大学院や分野別実務修習で一定の基礎知識を修得していることを条件とするなど)を受入れの可否や優先順位を決定する際の条件とすることができる。

 

(個別修習プログラムの追加募集)

5 各配属庁会は,定員に達していない個別修習プログラムがある場合には,追加募集をするなどして,修習対象者を追加することができる。

 

(確定)

6 司法修習生は,2から5までの手続きを踏まえ,選択型実務修習期間全体の修習計画を,分野別実務修習の全クールが終了するおおむね2週間前までに,各配属庁会の指導連絡委員会に提出する。

   各配属庁会の指導連絡委員会は,修習計画について本ガイドラインに照らし不相当な点があれば,司法修習生に対し,これに適合するよう修習計画を是正させる。

   修習計画の内容が確定すると,司法修習生はこの計画に従って修習する。

第6 修習成果の評価

1 司法修習生は,選択型実務修習終了時点において,修習の成果等を記載したレポートをホームグラウンドの修習指導担当弁護士を通じて弁護士会に提出する。

 

2 弁護士会長は,上記レポートのほか,修習指導担当弁護士及び各プログラムの修習先からの修習実績についてのコメントなどに基づいて,修習の成果を評価する。

○ 弁護士事務所以外の各プログラムの修習先の修習実績のコメントについては,司法修習生がプログラム提供先に所定の様式の報告書を持参し,プログラムの終了後に,当該提供先が報告書にコメントを記載し,弁護士会に送付する。

○ 修習の成果の評価については,修習内容に照らし,合否のみを判定することとし,立案した計画が履行されていれば合格とし,特に良好な成果を修めた者や,立案した計画の履行が不十分な者など,特記すべき事項があれば,報告書にその旨付記する。

第7 その他

    選択型実務修習が2班に分かれて実施される場合,修習地が東京及び大阪並びにそれら周辺の司法修習生については,集合修習から始まる班に,それ以外の修習地の修習生については,選択型実務修習から始まる班に分かれることを基本とする。

(別紙)

   各配属庁会が提供する標準的な修習プログラムの具体例

 

1 裁判所が提供するプログラム

(1) 通常事件修習   1箇月間程度

   分野別実務修習の深化を目的として,通常事件を扱う地方裁判所の民事部又は刑事部における修習

(2) 特殊事件修習   2週間程度

   特殊事件(保全,民事執行,倒産等の事件)を扱う地方裁判所の部において行う民事裁判修習

(3) 家庭裁判所修習   2週間程度

   家庭裁判所において行う家事・少年事件の修習

 

2 検察庁が提供するプログラム

(1) 捜査・公判補完修習(A)   1箇月間

   身柄事件の取調べ,事件処理,公判請求事件の立証計画や,公判提出書類の起案,証人尋問準備や,控訴審議の検討など,分野別事務修習の補完と深化を目的とする修習

(2) 捜査・公判補完修習(B)   2週間

   同上

(3) 刑事関連施設等見学修習   1週間

   分野別実務修習で実施しない刑事関連施設見学や矯正・保護の実情に関する知識を深化させることを目的とする修習

(4) その他

   (3)の見学修習の希望者が多いときには,2回に分けて実施することも必要で,その場合の予備の1週間に当てることができるほか,各地方検察庁の実情や所属する検察官の個人的な能力(簿記・会計,外国法,条例審査)を踏まえながら各地方検察庁で自由に設定できる(設定しなくてもよい。)プログラム

 

3 弁護士会が提供するプログラム

(1) 分野別実務修習の配属先弁護士事務所(ホームグラウンドとなる弁護士事務所)以外の弁護士事務所での修習   1週間から2週間

(2) 特殊事件(保全,民事執行,倒産,行政,労働,家事,少年等の事件)についての弁護修習   1週間から2週間

(3) 弁護士として関与すべき専門分野(消費者問題,サラ金・クレジット問題,民事介入暴力,交通事故,子どもの人権,高齢者・障害者問題,犯罪被害者支援など,ほとんどの弁護士会で対応可能な分野)や弁護士会活動,弁護士倫理等に関する修習   1週間以内

   抗議・ゼミナールの実施,当該分野における法律相談の立会(弁護士会や担当弁護士事務所等),当該分野での事件処理(担当弁護士事務所等)等を集中的に研修させる。

(4) 法律相談センター,公設事務所(対応する地方裁判所の支部等がある場合には,そこでの修習も含む),あっせん仲裁センター,住宅紛争審査会等の公益的活動の修習   1週間以内

(5) 日本司法支援センター,新聞社,放送局(報道・社会部),銀行協会,商工会議所,民間企業(法務部門),国民生活センター,消費者センター,自治体の法律関係部門等における修習   1週間以内

※ (2)及び(3)については,登録制にしておき,適する時期,事件が判明したとき,弁護士会が修習生に担当弁護士を割りあてるという方法が考えられる。この場合,ほかの個別修習プログラムとの競合があれば,その調整を図るものとする。

 

4 各配属庁会が共同で提供するプログラム -模擬裁判-   1週間から2週間

   民事事件又は刑事事件の模擬裁判は,実演及び講評を3日間程度で行い,他の期間を模擬裁判の準備期間に充てる。

第3章 選択型実務修習の運用ガイドラインQ&A

1(1)   本章の記載は,平成18年9月1日当時の選択型実務修習の運用ガイドラインQ&Aを丸写ししたものです。

(2)   Q&Aには,「選択型実務修習 参考書式集」が添付されています。

   また,「選択型実務修習の参考書式集の改訂について」(平成23年1月19日付の司法研修所長通知)により一部改正がなされています。

 

2 選択型実務修習の運用ガイドラインQ&Aの位置づけは以下のQ&Aのとおりです。

 

Q1 「選択型実務修習の運用ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)」とはどのような性質のものか。
A ガイドラインは,指導要綱(甲)第2章第2の2に基づいて,選択型実務修習の実施に関する細則を定めたものです。
   したがって,ガイドラインの枠組みの範囲内で選択型実務修習を実施していただくことになります。この枠組みの範囲内で各庁における運用の指針や実施細目を作成することはもとより差し支えありません。

第1 修習地

Q2  「配属修習地以外での修習の期間は3週問を限度とする」のはなぜか。
A 選択型実務修習は,配属修習地における分野別実務修習の成果の深化と補完を図ることを第一次的な目的としており,また実務修習は,実務修習を委託した地で行うものとしている本来的な趣旨からすると基本的には配属修習地で修習すべきものと考えられるからです。
   したがって,選択型実務修習2箇月間のうち,配属修習地における修習が,少なくとも半分を超えるべきであると考えられ,配属修習地外における修習は3週間を限度とすることとしました。
Q3 「配属修習地では履修が不可能な修習内容」とはどのようなものか。
A 制度的に,履修が不可能な場合をいいます。
   例えば,裁判修習では,法律上,専属管轄とされ,東京・大阪の各地裁にしか係属していない特許権,実用新案権等のいわゆる知的財産権に関する訴訟の事件処理について修習しようとする場合がこれに当たり,全国プログラムとして提供され, 配属修習地を離れて修習することができます。これに対し,医療,労働の分野など, 各配属修習地で修習できるものについては,配属修習地では履修が不可能な場合には当たらないので,それらの集中部や専門部制をとっている庁における修習をするために,配属修習地を離れることはできません。
   検察修習についても,裁判修習と同様であり,上記のような集中部,専門部制をとっていない庁で修習している場合に,そうした部制をとっている他庁でのその種の事件処理の修習をするために配属修習地を離れることはできません。
   したがって,裁判修習及び検察修習については,全国プログラムとして提供される修習内容を修習するときに限り,配属修習地外で修習することができます。
   弁護修習については,法制上履修が不可能な修習内容という概念は想定しえないこと,また,そうした制限を設けることも相当ではないので,全国プログラムとして提供されているもの及び自己開拓プログラムについて,配属修習地以外で修習できます。
   なお,単に修習を希望する分野の事件が当該配属修習地において希少なことにより修習が事実上困難な場合や,単に事件数が多いということで大規模庁での修習を希望する場合などは,配属修習地以外で修習できる場合に該当しません。

 
Q4 外国での修習を当面認めないのはなぜか。
A 弁護士会会長による監督の限界という問題があるほか,選択型実務修習の趣旨・目的に適うような外国における修習の在り方については,現時点においては,なお調査,検討すぺき点が多いと考えられるからです。

第2 修習先

Q5 ホームグラウンドは,原則として,分野別実務修習で配属された弁護士事務所とするのはなぜか。
A 分野別実務修習の期間における裁判修習と弁護修習のバランスの調整及び今後の弁護士業務の多様化に対応する観点から,選択型実務修習を制度的に弁護士実務に比重を置いたものとする必要があるところですが,その際には弁護修習の際に配属された弁護士事務所を本拠地(ホームグラウンド)とするのが最も適当と考えられるからです。

 

Q6 「ホームグラウンドにおける弁護修習は,選択型実務修習の期間中,最低1週間は継続して行わなければならない。」とあるが,継続は絶対的な条件か。
A 少なくとも1週間は継続することで充実した弁護修習声行い,選択型実務修習を弁護士実務に比重を置くものとする制度趣旨を全うしようとするものです。
   しかし,各司法修習生の個別修習プログラム等の選択の方法によっては,1週間継続してホームグラウンドで弁護修習を行うことが困難な場合が生じることも考えられるので,個別具体的な事情に鑑みて,1週間継続することを絶対的な条件とするわけではありません。

 
Q7 「選択型実務修習の2箇月間を通じてホームグラウンドでの弁護修習を行うこと」 につき「相当な理由」がある場合とはどのような場合か。
A 例えば,配属先の弁護士事務所(ホームグラウンド)に大きな倒産事件が係属した場合,民事の大規模事件で集中証拠調ぺが予定されている場合,刑事事件で公判前整理手続や裁判員制度下の集中的な審理等が予定されている場合等,司法修習生が選択型実務修習の2箇月間を通して,ホームグラウンドで修習することが,分野別実務修習の成果の深化と補完を図るという選択型実務修習の目的から相当な理由 ‘があるといえるような場合です。

 

Q8 「分野別実務修習で配属された弁護士事務所以外の弁護士事務所をホームグラウンドとしなければならない事情」とはどのような場合か。
A 分野別実務修習で配属された弁護士事務所の指導担当弁護士の死亡や病気,他の弁護士会への登録替え等の事情により,指導担当弁護士の指導が期待できなくなるような場合をいいます。

 
Q9 弁護士事務所の狭隘や,一度に複数の司法修習生を受け入れるこどが困難であることを理由として,ホームグラウンドを他の弁護士事務所に変更することは認められるか。
A 基本的には認められません。
   弁護士事務所の司法修習生用の机と椅子を入れるスペースがなくー組しか入らないような場合には,打合せ用の机等を使うなど,備品面では柔軟な対応をする必要があります。 また,個別修習プログラムの選択の仕方などで工夫する余地もあるでしょう。
   なお,事務所の建て替え等により,極端に狭陸の状況にあるなど,個別の事情によっては,弁護士会会長等の判断によって他の弁護士事務所に変更することもやむを得ないと思われます。

 
Q10 ホームグラウンドとなる弁護士事務所が,司法修習生の就職予定先であった場合の取扱いをどうすべきか。
A 就職予定先で弁護修習をすることは,選択型実務修習の期間を試用期間として活用しているのではないかとか,就職予定先弁護士事務所が司法修習生を修習の範囲を超えて事実上弁護士業務に従事させているのではないかなどといった批判があり得るところです。しかし,弁護士会の実情によっては代替事務所の確保が困難であったり,仮に代替事務所が確保できたとしても,その弁護士と司法修習生の間で新たに信頼関係を形成しなければならないとするのは他の司法修習生と比ぺても酷であるなどの面もあります。
   このようなことから,就職予定先弁護士事務所をホームグラウンドとすることを禁止することまではしていませんが,ホームグラウンドの弁護士事務所が就職予定先である場合には,配属された司法修習生に個別修習プログラムを積極的に選択するよう指導する等により,前記の弊害を防止する配慮をしていただく必要があります。
   なお,ガイドライン第3の5のとおり,個別修習プログラムとしての弁護修習先として,就職予定先の弁護士事務所を選択することはできません。これは,前述の弊害が生ずるおそれがより大きくなることを考慮してのものです。

 
Q11 修習プログラムについて,ガイドライン別紙に掲げるものをすべて用意しなければならないか。
A ガイドラインは選択型実務修習の実施に関する枠組みを定めたもの(Ql参照) ですから,別紙に掲げられているプログラムをすべて用意しなければならないということではありません。
   別紙のプログラムは,おおむねどの配属庁会でも実施が可能なプログラムを例示していますが,特に弁護士会が郷、するプログラムは,各弁護士会によって実情は様々であり,ガイドラインに記載したものの一部を用意したり,あるいは別紙に掲げられていないプログラムを設けることも差し支えありません。

 
Q12 現行型司法修習において,社会修習として実施されている見学ないし体験を個別修習プログラムとする場合,その修習内容を「法曹の業務と関連を有するものとなるよう配慮する。」としたのはなぜか。
A 新司法修習では,法科大学院教育との連携を前提として,法曹としての基本的なスキルとマインドの養成に焦点を絞った教育を行うものとされておりますので,設間のような個別修習プログラムを設定するときは,それが「スキルとマインド」の養成を目的としたもので,換言すれば「法曹の業務と関連を有するもの」でなければならないとしたものです。

 
Q13 現行型司法修習において社会修習として実施されているもので,法曹の業務と関連を有するものとは具体的にどのようなプログラムが考えられる力、
A 現行型司法修習において社会修習として実施されている見学等のうち,刑務所等の刑事施設や少年院等の更生保護施設,あるいはADRの見学等は,法曹の業務との関連性があるものと考えられます。
   また,社会の実相に触れるものとして実施してきた福祉施設等における社会修習については,法曹の業務と関連する事項をテーマとする個別修習プログラムとして提供し,その一環として施設見学等を実施するのであれば可能です。例えば,允護士として関与すべき専門分野として「高齢者・障害者に関する法律問題」を個別修習プログラムとして提供し,講義や問題研究を組み込んだ上で,そのカリキュラムの一環として,福祉施設の見学等をすることが考えられます。
   これに対し,法曹の業務と関連性が薄いもの(例えば,ホテルの従業員,デパートの店員のー日体験等)は個別修習プログラムになり得ないことになります。

 

Q14 全国プログラムについて,ガイドラインに掲げるもの以外は考えていないのか。
A 当面は,全国プログラムの性質上,一度に多人数を受け入れることの可否等を勘案し,着実に実施できるものと考えられるところから始め,ガイドラインに掲げた全国プログラムについてのみ,実施することとなります。
   将来的には,今後検討の上,全国プログラムとして実施することが相当なものがあれば,順次採用・提供をしていくことになると思われます。

 
Q15 高裁,高検,連合会単位等一定地域の司法修習生を対象とする修習プログラムは提供できないのか。
A 選択型実務修習は新しい試みであり,地域の実情に応じた実現可能なものから始め,徐々に豊かな内容に育てていく必要があります。このため,将来的には,設間のような修習プログラムをー定の要件等を設けて行う可能性はあると考えています・が,まずは,配属修習地における個別修習プログラムを着実に実施することが肝要であるため,高裁,高検;連合会単位等ー定地域の司法修習生を対象とする修習プログラムは当面行わないこととしています。

 
Q16 自己開拓プログラムを「法曹の活動に密接な関係を有する分野」に限るのはなぜか。
A 自己開拓プログラムは,あくまで選択型実務修習のー環として個別修習プログラムや全国プログラムでは提供されない分野での修習についてその選択の幅を広げるために認めるものですから,それは法曹としての基本的なスキルとマインドの養成を図るのに有意義な分野における修習である必要があるからです。
   したがって,「法曹の活動に密接な関係を有する分野」とは,法曹の活動そのものではないが,法律的業務や法律と関連した問題を扱う業務(具体例はQ17参照) に関する分野がこれに該当します。

 
Q17 自己開拓プログラムの修習先として,「民間企業の法務部,地方自治体の法務関係部門等」とあるが,ほかにどのような部門が考えられるカ、
A 例えば,司法書士事務所,弁理士事務所,税理士事務所,不動産鑑定士事務所及び土地家屋調査士事務所などのいわゆる隣接職種,民間ADR機関,報道機関の社会部などが考えられます。

 
Q18 就職予定先である弁護士事務所の顧間先である企業の法務部を自己開拓プログラムの修習先とすることは可能か。
A 特に禁ずるものではありませんが,専ら就職予定先の弁護士が関与する事件の修習をするなどの事実上の弁護士業務を行ったり,実質的に試用期間的な内容の修習を行ったりしないような配慮をする必要があります。

 
Q19 自己開拓プログラムの修習先として,弁護士事務所は認められるカ、
A 分野別実務修習における司法修習生の弁護士事務所への配属は,弁護士会及び司法修習生指導連絡委員会(Q20参照)の管理下にあることが制度上予定されています。また,選択型実務修習中は,分野別実務修習で配属された弁護士事務所をホー ムグラウンドとするとしています。しかし,設間のような事例は,弁護士と司法修習生との合意により,修習先としての弁護士事務所が定まることになり,これは制度の予定していないところです。
   将来的に,選択型実務修習の運用の実情,特に個別修習プログラム,全国プログラムとして提供される弁護士事務所の状況等によっては,弁護士事務所を自己開拓プログラムの修習先として認める余地もあり得なくはないところですが,少なくとも当面は,選択型実務修習が開始当初であり,今後の運用状況を見極める必要もあることから,自己開拓プログラムの修習先としての弁護士事務所は,認められません。

 
Q20 司法修習生指導連絡委員会(以下「指導連絡委員会」という。)とは何カ、
A 配属庁会においては,司法修習生の指導に関して相互に連絡をとり,また司法研修所と緊密な連携を保つため,配属修習地ごとに指導連絡委員会を設ける,とされています。
   指導連絡委員会は,修習の効果を上げるため,分野別実務修習の内容,順序,選択型実務修習の実施,修習に関する費用の使用方法等について連絡協議をすることになっており,(以上につき,「司法修習生指導要綱(甲)」第6参照)主に配属庁会の長と修習指導担当者により構成されます。
   選択型実務修習は,弁護士会に委託するものの,その策定手統は,各配属庁会に跨ることから,プログラムの提示,審査等いずれの手続も,指導連絡委員会が行うことになります。

 
Q21 自己開拓プログラムの修習先として妥当かどうかの判断について,司法研修所の協議窓口はどこか。
A 司法研修所事務局企画課企画第二係ですが,原則として各指導連絡委員会の判断に委ねられておりますので,妥当性の判断についての事前の協議は,判断が困難な場合にのみ行うこととしてください。
   なお,具体的な判断事例や承認した修習先については,司法研修所に報告していただき,各指導連絡委員会ヘフィードバックしていきたいと考えていますので,その場合の相談窓口も司法研修所事務局企画課企画第二係となります。

第3 指導監督体制

Q22 なぜ選択型実務修習は弁護士会に委託して行い,司法修習生に対する監督は弁護士会会長に委託するのか。
A 選択型実務修習は,制度的に弁護修習に比重を置いたものとするとしていることから,ホームグラウンドを弁護士事務所としたものです(Q5参照)。
   したがって,その実施は,弁護士会に委託して行い,司法修習生に対する指導監督も弁護士会会長に委託することが適当と考えられるからです。

 
Q23 裁判所や検察庁でのプログラムを修習している場合や,自己開拓プログラムの修習先で民間企業や自治体で修習している場合も,弁護士会会長が監督するのか。
A 裁判所や検察庁でのプログラム(全国プログラムを含む。)で修習している場合や,自己開拓プログラムの修習先で修習している場合であっても,監督権者は,配属修習地の弁護士会会長となります。

   例えば,この監督権が働く場面としては,司法修習生に関する規則で規定する報告に関するもののほか,「司法修習生の規律等について」に定められた司法修習生からの身上変更届及び緊急連絡先の届出の受理事務がありますが,これらはまさに前記監督権に基づくものとして,弁護士会が直接司法修習生との間でやりとりをすることになります。
   これに対し,当該プログ‘ラム修習中における司法修習生の行状等に問題がある場合や,外国旅行申請及び欠席承認申請等,弁護士会会長が申請に対してその許否をすべき性質の事務については,個別修習プログラムの提供先の指導担当者等ないし事務局が,弁護士会(長)の補助者的な地位で協カをしたり,受理の窓口となってもらうことが相当です(欠席承認申請につき,Q24参照)。
   なお,自己開拓プログラムの修習先及び全国プログラムの修習先の場合は,個別修習プログラムのような監督の補助を修習先に求めるのは相当ではありませんから,弁護士会会長が直接監督権を行使することになります(なお,全国プログラムを提供する裁判所・弁護士会等(以下「全国プログラム提供者」という。)が必要に応じて,弁護士会会長の補助者として,協カすることを妨げるものではありません。)。

 
Q24 選択型実務修習中の欠席管理は,どのように行うのか。
A.① 個別修習プログラムの場合
   裁判所や検察庁での個別修習プログラムの修習中に欠席を要する事由が生じた場合には,司法修習生には,個別修習プログラムの提供先の事務局に欠席承認申請書を提出させ,当該プログラムの指導担当責任者にその事実を連絡した上,速やかに弁護士会に送付します。
   個別修習プログラムの場合,配属庁会が近接していることや,個別修習プログラムの提供者は司法修習生の欠席処理事務に慣れていること及び司法修習生の利便性を考慮すると,前述の処理が相当であると考えられます。
② 全国プログラム及び自己開拓プログラムの場合
   司法修習生に全国プログラム郷t者又は自己開拓プログラムの修習先へ欠席する旨を連絡させ,かつ,欠席承認申請は配属修習地の弁護士会に提出させることになります。なお,提出方法はファクシミリ送信による方法でも可能とします。
   全国プログラム及び自己開拓プログラムについては,その提供先が必ずしも裁判所,検察庁又は弁護士会ではないため,前述の個別修習プログラムの場合のような申請の窓口の役割を担わせることは先方へ負担をかけ,また,混乱が生じる可能性があること及び配属修習地の弁護士会と修習先が場所的に離れていること等を考慮すると前述の処理が相当であると考えられます。

第4 修習プランの策定手続

Q25 個別修習プログラムの日程については,各プログラムの提供者が自己の都合だけで作成してよいか。
A ―定の時期にプログラムが集中してしまうことのないよう,指導連絡委員会を通じて,各々の提供するプログラムの日程調整を行ってください。

 

Q26 司法修習生全員に対する必修の個別修習プログラムを策定することは可能か。
A 選択型実務修習は司法修習生が主体的に選択することを主眼としたものですから,必修の個別修習プログラムの策定はできません。
   もっとも,司法修習生がプログラムを選択するに当たり,ー定のパターンのプログラムの組み合わせを提案したり,選択に迷っている司法修習生に対し,特定の個別修習プログラムの存在を示唆したりするなど,司法修習生の主体的な選択を害することのない範囲で指導・助言することはもとより差し支えありません。

 
Q27 個別修習プログラムは,日単位で策定することも可能か。
A 1つのプログラムの日数の合計が1週間となる組み合わせのプログラムの策定は可能であるとは考えられますが,例えば,5週間のうち毎週月曜日とするようなプログラムを設定してしまうと,他の個別修習プログラムとの競合が極めて起きやすくなり,選択の幅を狭める結果になることから望ましくはありません。

 
Q28 随時日程が入る事件を個別修習プログラムとして提供できるか。
A 弁護修習における特殊事件(保全,民事執行,倒産,行政,労働,家事,少年等の事件)及び弁護士として関与すべき専門分野(消費者問題,サラ金・クレジット問題,民事介入暴カ,.交通事故,子どもの人権,高齢者・障害者問題,犯罪被害者支援などのほとんどの弁護士会で対応可能な分野)や弁護士会活動,弁護士倫理等に関する修習については,登録制にしておき,適する時期,事件が判明したとき, 弁護士会が司法修習生に担当弁護士を割り当てるという方法が考えられます。 その場合には,他の個別修習プログラムとの競合等の問題も生じることから,ホー ムグラウンドでの修習の時期に割り当てる等の工夫が必要です。

 
Q29 全国プログラムの提示手続はどうなるの力、
A 司法研修所が全国プログラム提供者と配属庁会の仲介をします。概要は,「選択型実務修習イメージ」(別紙I)のとおりです。
   なお,応募に際し申込書と共に司法修習生から各配属庁会の指導連絡委員会に提出された関係資料は,同委員会から全国プログラム提供者に直接送付します。
   提示は,第1クールの分野別実務修習を実施している配属庁会から個別修習プログラムと併せて司法修習生に配布する方法で行います。

 
Q30 全国プログラムが全体を通じてーつのプログラムしか応募できないのはなぜか。
A 全国プログラムは,全国プログラム提供者の都合で特定の期間における参加人員を限ったものにならざるを得ません。したがって,多くの司法修習生に参加の機会を与えるため,ーつのプログラムしか応募できないものとしています。

 
Q31 全国プログラムについての司法修習生からの間い合わせについてはどこが対応するのか。
A 司法研修所事務局企画課企画第ニ係が窓口として対応します。

 
Q32 個別修習プログラムは,全国プログラムと同時に提示しなければならないか。
A 同時に提示することにより,司法修習生が,各プログラムの選択について,全体の期間を通じてのスケジュールを立てやすくなると考えていますので提供は同時にしてください。

 

Q33 個別修習プログラムの提示手続はどうなるのか。
A 提示手続は「選択型実務修習イメージ」(別紙1)のとおりです。 
なお,具体的な実施要領等の参考書式を示しますので,参考にしてください(参考書線1-i以下参照。)。

 
Q34 自己開拓プログラムの修習先から承諾を得るまでの手続はどうなるか。
A 自己開拓プログラムを希望する司法修習生は,修習先に,選択型実務修習及び自己開拓プログラムの趣旨を伝えた上,承諾書(参考書式集2-2参照)を得ます。 承諾書は,自己開拓プログラムの修習先での修習申出書に添付して,各配属庁会の指導連絡委員会に提出します。
   承諾書の内容は,自己開拓プログラムの修習先の代表者による,司法修習生が選択型実務修習を修習先で実施することについての承諾であり,記名・押印を求めることが相当です。

第5 応募

Q35 申込書の提出(応募の窓ロ)については,裁判所,検察庁,弁護士会それぞれに行うのか。
A 申込書の宛先は指導連絡委員会となりますが,具体的な申込書の提出については, 提出時点で各司法修習生が修習している各配属庁会の担当部署が窓口となります。 なお,申込書は各配属庁会がそれぞれとりまとめて相互に送付することになりますので,あらかじめ必要部数を提出させることでもよいと思われます。

 
Q36 全国プログラムの応募が,個別修習プログラムの応募に先立って実施されるのはなぜか。
A 選択型実務修習のプログラムは,分野別実務修習における成果の深化と補完を図ったり,分野別実務修習では体験できない専門的領域を修習するものが基本ですが,全国プログラムは,基本的に後者の目的を達成するために提供されるものです。 個別修習プログラムの多くは前者を目的としている性質上,分野別実務修習をおおむね経験した後でないと主体的な選択が困難であるのに対し,全国プログラムの選択については,そのような時期的な考慮をする必要性が低いことから個別修習プログラムに先立って,応募することとしています。また,全国プログラムは,受入可能人員に比べて応募数が多くなることも予想され,受け入れられなかった司法修習生が,その期間の個別修習プログラムを応募することにより,なるぺく多く選択ができるようにする必要があるとの理由もあります。

 
Q37 個別修習プログラムの募集に当たっては,必要があるときは複数のプログラムについて順位をつけて募集させることができるとしたのはなぜか。
A 希望をなるべく複数募ることにより,応募が集中して希望するプログラムへの受入れが認められず,ホームグラウンドでの弁護士事務所の修習しかできない司法修習生が生ずるのを,可能な限り防止し,司法修習生が主体的に修習内容を選択,設計できるようにするという選択型実務修習の在り方に資するためです。また,定員に満たないプログラムについて,追加募集することは事務処理にかけられる期間の点で不便が大きいことから(Q41を参照),それを避けるため,あらかじめ,司法修習生に,複数のプログラムに希望順位をつけて応募させる取り扱いができるものとしたものです。

 
Q38 個別修習プログラムは第4クールに応募することを原則とするのはなぜカ、
A 個別修習プログラムは,分野別実務修習における成果の深化と補完を図ったり, 分野別実務修習の課程では体験できない領域を修習することを目的としており,分野別実務修習を一通り経験した後でないとー般に選択が困難な面があると考えられるからです。

 
Q39 「応募の開始を前倒し(例えば,第3クールの前半終了時等)」することができるものとしたのはなぜか。
A 配属される司法修習生の人数や,プログラムの数などに鑑みて,第4クールに入ってから応募を受け付けていては事務処理が間に合わないと予想される場合など,その実施に支障を来すことが明らかな場合には,応募の開始を前倒しする工夫も必要と考えられるからです。

 
Q40 修習対象者の決定に当たり,修習希望者が定員を超えた場合の決定方法として 「抽選その他の公平な方法により」とあるが,具体的にはどのようなものカ、
A 抽選のほか,分野別実務修習の課程では体験できない領域における実務修習をする個別修習プログラムについては,当該分野についての基礎知臓等を有しているか否かを条件とすること(例えば,大学や法科大学院で一定の単位を修得していること,司法試験の選択科目を選択したことなど)が考えられます。
   また,分野別実務修習の深化を目的とする個別修習プログラムについては,分野別実務修習の成果や達成度などを考慮することも考えられます。その他,分野別実務修習では適当な事件の係属がなかったために経験できなかった修習がある場合 (例えば,他の班では保全事件の体験ができたが,別の班では体験できなかった場合など)に,優先的に修習させることもあるかと思います。

 
Q41 個別修習プログラムの追加募集を行う際の留意事項はあるか。
A プログラムの確定・実施までの期間が短いため,追加募集を行う場合もできる限り電話で通知をするなどの簡易な方法で迅速に実施するようにしてください。
   なお,複数のプログラムにつき順位をつけて応募させる運用を活用(Q37を参照。)することにより,追加募集を行わないことでも構いません。

 

Q42 修習計画書には何を記載させるか。
A 修習の目的のほか,選択型実務修習の全期間について,ホームグラウンドでの修習を含む修習プログラム,修習期間及び修習先を記載します。

 
Q43 修習計画書の「不相当な点」を判断するポイントは何か。
A 選択型実務修習の制度趣旨及びガイドラインを逸脱したものでない限り,司法修習生が作成した修習計画の内容を尊重することになります。
   判断するポイントとして,具体的には,配属修習地外の場所での修習期間が3週間を超えていないか,ホームグラウンドにおける弁護修習が最低1週間継続して計画されているか,2箇月間すべてをホームグラウンドで修習することに合理的な理由があるか等を確認することになります。

 
Q44 「不相当な点」があるとして是正を必要とする場合に,司法修習生が是正しない場合にはどうなるのか。
A 不相当な点の内容が全体に占める割合等にもよりますが,選択型実務修習の趣旨に適った修習をしなかったこととなります。

第6 修習成績の評価

Q45 司法修習生が修習の成果等を記載したレポートを提出してから弁護士会会長が修習の成果を評価するまでどのような手続になるのか。
A 「選択型実務修習結果報告の流れ」(別紙2)のとおりです。


Q46 修習の成果等を記載したレポートはどのようなものカ、
A 修習のレポートは修習プログラムごとに作成することになりますが,各修習内容の成果及び感想を簡潔に記載し,修習先のプログラム指導担当責任者が記名・検印する程度のものを考えています(参考書式集3一1参照)。

 
47 個別修習先からの修習実績についてのコメントはどのようなものか。
A Q46のレポートとは別に,司法修習生が持参する選択型実務修習結果意見書(参考書式集1-7参照。)にコメントを記載してもらい,指導担当弁護士を介して弁護士会に直接送付してもらいます。


Q48 指導担当弁護士は,修習の成果について,弁護士会にどのような報告をすればよいか。
A 指導担当弁護士は,司法修習生から提出されたレポート,修習先のプログラム指導担当責任者からのコメントが記載された選択型実務修習結果意見書及びホームグラウンドでの修習全般を通じて意見を付し,弁護士会会長宛に送付します。

 
Q49 弁護士会会長は,司法研修所に対し,どのような報告をすればよいか。
A 弁護士会会長は,レボート,修習先及び指導担当者のコメントに基づいて,修習の成果を判断することになります‘司法研修所へは,司法研修所におけるクラスごとにその合否のほか欠席日数を報告します。 また,特記すべき事項があればその旨付記します(別紙3参照)。

   なお,選択型実務修習結果の報告の通知に関する文書については,司法研修所長より,各弁護士会会長にします。

 

Q50 修習の成果の評価に関し,正当な理由のある欠席によりその間のプログラムを履修しなかった場合には,どのように評価するのか。
A 分野別実務修習,司法研修所における集合修習を含んだ全修習期間のうち病気その他の正当な理由によって修習しなかった45日以内の期間はこれを修習した期間とみなす(司法修習生に関する規則6条)ことになりますから,原則として計画が履修されたものとして,評価して差し支えありません。

   ただし,選択型実務修習期間中,修習を要する日の2分の1を超える欠席をした場合には,原則としてその評価は不可と取り扱う(司法修習生の規律等について第5の10)ことになります。

第7 その他

Q51 配属修習地外の修習地における修習(全国プログラム)をする場合,旅費,宿泊費等は支給されるか。
自己開拓プログラムの修習先についてはどうカ、
※未定

第8 自己開拓プログラムにおいて弁護士事務所を修習先とすることの可否について(通知)

   「自己開拓プログラムにおいて弁護士事務所を修習先とすることの可否について」(平成19年6月22日付の司法研修所長通知)には,以下の記載があります。

Q19 自己開拓プログラムの修習先として,弁護士事務所は認められるか。
A 分野別実務修習における司法修習生の弁護士事務所への配属は,制度上,弁護士会及び司法修習生指導連絡委員会(Q20参照)の責任の下に決定・運営されることになっており,また,選択型実務修習中は,分野別実務修習で配属された弁護士事務所をホームグラウンドとするとされており,設問のようなことを認めることは,当該弁護士事務所と司法修習生との合意により,修習先としての弁護士事務所が定まることを認めることになることから,上記のような制度上の仕組みやホームグラウンド事務所の趣旨に抵触し,原則として認められません。
   しかし,個別修習プログラム及び全国プログラムでは提供されていない領域や分野について,ホームグラウンドの弁護士事務所では十分な修習を行うことが困難であり,司法修習生が自ら開拓してきた弁護士事務所でその領域や分野についての修習をすることが可能でその意義があると明らかに認められる場合には,司法修習生指導連絡委員会による厳格な審査を経るなどした上で,これを例外的に許容する余地もあるものと思われます。日本司法支援センター(法テラス)の事務所及び公設事務所であれば,このようなものとして異論がないものと思われ,自己開拓プログラムの修習先として認めることは差し支えないと考えられます。
   ただし,この場合であっても,司法修習生が就職を予定している弁護士事務所を修習先とすることはできません。
(注)実施時期については,平成19年度11月期採用(新第61期)司法修習生からとします。

第4章 選択型実務修習の運用イメージ

   平成23年1月19日付の司法研修所長の書簡には,以下の記載があります。

 

選択型実務修習の運用イメージ

 
1 司法修習生による取組目標等の設定
(1) 司法修習生は,選択型実務修習修習計画書(選択型実務修習の参考書式集1-5(以下「修習計画書」という。))を使用して選択型実務修習全体の計画を立てるとともに,選択した修習プログラム及びホームグラウンド修習について想定する修習内容及び取組目標をそれぞれ記載する。これらの修習内容及び取組目標は,選択型実務修習の趣旨に従い,司法修習生の関心や問題意識を踏まえて定めるものとする。具体的な記載例は以下のとおりである。
(記載例)
ホームグラウンド修習・・・①弁護実務修習の深化・補完に努めるとともに,現在進行中の裁判員裁判対象事件(○○被告事件)の公判前整理手続の傍聴や証拠意見書の起案等を通して,同手続に対する理解を深める。②大規模消費者訴訟(○○事件)の既済記録に基づき,法律上・事実認定上の争点についてのレポートを作成する。③顧間先の法律相談に立ち会い,必要な調査等を行うなどして,紛争予防という観点からの企業法務における弁護士の活動を集中的に修習する。
刑事模擬裁判・・・検察官や弁護人の訴訟活動又は裁判官の訴訟指揮を具体的な事例に則して一通り体験することにより,実務修習中に触れる機会があった様々な実務上の取扱いの法的意味等を確認し,法科大学院で学んだ刑事訴訟手続に対する理解を実務的な観点から深化させる。
(2) 司法修習生は,ホームグラウンド修習における修習内容及び取組目標を定めるに当たって,あらかじめホームグラウンド修習の指導担当弁護士(以下 「指導担当弁護士」という。)との間で,面談や電話,メール等の方法により,十分な意思の疎通を図ることが望まれる。

 
2 指導担当弁護士等による司法修習生の取組目標等の把握及び達成状況の確認
   指導担当弁護士を含むプログラム指導担当責任者は,選択型実務修習の開始前に司法修習生が修習計画書に記載した修習内容及び取組目標を確認し,各修習プログラム及びホームグラウンド修習における指導を行うに当たって十分に配慮するものとする。
   特に,ホームグラウンド修習に関しては,指導担当弁護士において,選択型実務修習の終了に際し,司法修習生と面談を行うなどして,ホームグラウンド修習にかかる取組目標の達成状況等を確認する運用も考えられる。

 
3 司法修習生の自己評価及び指導担当弁護士による評価等
   司法修習生は,選択型実務修習結果レポート(選択型実務修習の参考書式集3-1)を作成するに当たり,修習計画書に記載した取組目標の達成状況という視点から自己評価を行うものとし,指導担当弁護士を含むプログラム指導担当責任者は,上記自己評価の内容をも十分考慮した上,選択型実務修習結果意見書(選択型実務修習の参考書式集1-7)の「修習結果についての意見」欄を記載するものとする。

第5章 第69期司法修習から開拓された新規プログラム

「選択型実務修習の内容充実の取組」によれば,第69期司法修習から,以下の新規プログラムが開拓されたようです。

 

(1) 国・地方自治体・福祉等

① 国の機関

   衆議院法制局,参議院法制局,消費者庁

→ 合計で募集人数5名

② 地方自治体

   新潟市,栃木市,松阪市,大津市,明石市

→ 合計で募集人数10名

③ 福祉機関

山形市,練馬区,立川市,豊中市,高知市の各社会福祉協議会

→ 合計で募集人数12名

 

(2) 企業

   七十七銀行(仙台),小松製作所(東京),三井住友銀行(東京),ヤフー(東京),小林製薬(大阪),パナソニック(大阪),両備ホールディングス(岡山),九州路客鉄道(福岡)

→ 合計で募集人数16名

1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。