最高裁判所長官,最高裁判所判事及び高等裁判所長官の年収及び退職手当等

第1 最高裁判所長官の年収及び退職手当(推定計算)

1 最高裁判所長官の年収

   地域手当18%を考慮した最高裁判所長官の年収は,3978万6195円と思います。

 

2 最高裁判所長官の退職手当

(1) 最高裁判所裁判官退職手当特例法2条に基づき,最高裁判所裁判官の勤続期間1年につき,2.4月の退職手当が支給されます。

   また,同法3条2項・国家公務員退職手当法7条6項に基づき,1年未満の勤続期間は端数切り上げとなります。

   そのため,例えば,5年1ヶ月の間,最高裁判所に在職した最高裁判所長官が70歳で定年退官した場合,最高裁判所勤務時に関する推定退職金だけで205万円×2.4×6×1.08(調整額の加算)=3188万1600円になると思います。

(2) ちなみに,平成17年11月7日法律第117号による改正前の平成18年3月31日までは,最高裁判所裁判官の勤続期間1年につき,6.5月の退職手当が支給されていました。

第2 最高裁判所判事の年収及び退職手当(推定計算)

1 最高裁判所判事の年収

   地域手当18%を考慮した最高裁判所判事の年収は2901万4811円と思います。

 

2 最高裁判所判事の退職手当

(1) 最高裁判所裁判官退職手当特例法2条に基づき,最高裁判所裁判官の勤続期間1年につき,2.4月の退職手当が支給されます。

   また,同法3条2項・国家公務員退職手当法7条6項に基づき,1年未満の勤続期間は端数切り上げとなります。

   そのため,例えば,5年1ヶ月の間,最高裁に在職した最高裁判所判事が70歳で定年退官した場合,最高裁判所勤務時に関する退職手当だけで149万5000円×2.4×6×1.08(調整額の加算)=2325万240円になると思います。

(2) ちなみに,平成17年11月7日法律第117号による改正前の平成18年3月31日までは,最高裁判所裁判官の勤続期間1年につき,6.5月の退職手当が支給されていました。

第3 高等裁判所長官の年収及び退職手当(推定計算)

1 高等裁判所長官の年収
   地域手当を考慮した,高等裁判所長官の年収は以下のとおりと思います。
東京高等裁判所長官(地域手当18%):2783万929円
大阪高等裁判所長官(地域手当15%):2514万5016円
名古屋高等裁判所長官(地域手当12%):2451万6341円
広島高等裁判所長官及び福岡高等裁判所長官(地域手当10%):2409万7224円
仙台高等裁判所長官(地域手当6%):2325万8990円
札幌高等裁判所長官及び高松高等裁判所長官(地域手当3%):2263万315円
 
2   高等裁判所長官の退職手当
(1)   東京高等裁判所長官が65歳で定年退官した場合の退職手当は,7680万1025円(退職手当の調整額は基本額の8%)であると思います。
(2) その他の高等裁判所長官が65歳で定年退官した場合の退職手当は,7112万3961円(退職手当の調整額は基本額の8%)であると思います。

第4の1 裁判官の年収(任官年数別)

   2015年(平成27年)12月1日時点の,任官年数ごとの下級裁判所の裁判官の年収は以下のとおりと思われます。

   ただし,任官21年目の47期以上については昇給に差が付くようになりますし,判事1号が適用されている可能性が高い地家裁所長につき,38期が1人,37期が8人,36期が7人,35期が18人いますから,あくまでも参考程度にしてください。

 

1 判事の年収

① 任官34年目(34期)~任官40年目(28期)(判事1号)

      約1984万円(地域手当0%)~約2325万円(地域手当18%)

② 任官29年目(39期)~任官33年目(35期)(判事2号)

      約1747万円(地域手当0%)~約2047万円(地域手当18%)

③ 任官24年目(44期)~任官28年目(38期)(判事3号)

      約1630万円(地域手当0%)~約1909万円(地域手当18%)

④ 任官19年目(49期)~任官23年目(45期)(判事4号)

      約1381万円(地域手当0%)~約1618万円(地域手当18%)

⑤ 任官16年目(53期)~任官18年目(50期)(判事5号

      約1192万円(地域手当0%)~約1397万円(地域手当18%)

⑥ 任官14年目(55期)~任官15年目(54期)(判事6号)

      約1070万円(地域手当0%)~約1253万円(地域手当18%)

⑦ 任官13年目(56期)(判事7号)

      約969万円(地域手当0%)~約1135万円(地域手当18%)

⑧ 任官11年目(57期)~任官12年目(58期)(判事8号)

      約871万円(地域手当0%)~約1020万円(地域手当18%)

 

2 判事補の年収

① 任官8年目(現行61期)~任官10年目(59期)(判事補1号)

      約774万円(地域手当0%)~約905万円(地域手当18%)

② 任官7年目(現行62期及び新61期)(判事補2号)

      約711万円(地域手当0%)~約832万円(地域手当18%)

③ 任官6年目(現行63期及び新62期)(判事補3号)

      約653万円(地域手当0%)~約767万円(地域手当18%)

④ 任官5年目(現行64期及び新63期)(判事補4号)

      約611万円(地域手当0%)~約717万円(地域手当18%)

⑤ 任官4年目(新64期)(判事補5号)

      約567万円(地域手当0%)~約665万円(地域手当18%)

⑥ 任官3年目(65期)(判事補6号)

      約555万円(地域手当0%)~約648万円(地域手当18%)

⑦ 任官2年目(66期)(判事補7号)

      約541万円(地域手当0%)~約629万円(地域手当18%)

⑧ 任官1年目(67期)(判事補9号)

      約508万円(地域手当0%)~約584万円(地域手当18%)

第4の2 裁判官の年収(役職別)

   任官年数及び人事異動の状況からすると,役職ごとの下級裁判所の裁判官の年収はおおよそ,以下のとおりと思います。

 

1 高等裁判所の部総括判事(=裁判長,部長),地方裁判所の所長又は家庭裁判所の所長の年収

      約1984万円(地域手当0%)~約2325万円(地域手当18%)(判事1号)

→ 東京地裁の所長代行者は36期から38期までであり,大阪地裁の所長代行者は36期ですが,判事1号と判事2号のどちらであるかはよく分かりません。

 

2 地方裁判所又は家庭裁判所の部総括判事(=裁判長,部長)の年収

      判事2号の場合,約1747万円(地域手当0%)~約2047万円(地域手当18%)

      判事3号の場合,約1630万円(地域手当0%)~約1909万円(地域手当18%)

      判事4号の場合,約1381万円(地域手当0%)~約1618万円(地域手当18%)

      判事5号の場合,約1192万円(地域手当0%)~約1397万円(地域手当18%)

→ 東京地裁の部総括判事は37期から44期までいて,大阪地裁の部総括判事は38期から45期までいますが,これらは判事2号又は判事3号と思います。

      48期の地家裁部総括判事は8人,49期の地家裁部総括判事は10人いますが,これらは判事4号と思います。

      50期の地家裁部総括判事が2人,51期の地家裁部総括判事が1人,52期の地家裁部総括判事が3人,53期の地家裁部総括判事が1人いますが,これらは判事5号と思います。

 

3 高等裁判所の陪席裁判官の年収

      上限として,判事2号の場合,約1747万円(地域手当0%)~約2047万円(地域手当18%)

      下限として,判事8号の場合,約871万円(地域手当0%)~約1020万円(地域手当18%)

→ 任官11年目の新任判事が高裁の陪席裁判官になることがあります。

 

4 地方裁判所又は家庭裁判所の陪席裁判官の年収

      上限として,判事4号の場合,約1381万円(地域手当0%)~約1618万円(地域手当18%)

      下限として,判事補9号の場合,約508万円(地域手当0%)~約584万円(地域手当18%)

第5 裁判官の昇給の実情

1 裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には,以下の記載があります。

 

(1) 裁判官の給与体系

   裁判官の給与体系については,裁判官の報酬等に関する法律に定められており,報酬については,判事補は12号から1号までの12の,また,判事は8号か ら1号及びいわゆる特号まで9の刻みとなっている。簡易裁判所判事については,17号から1号及び特号までの18の刻みとなっている。

   現在の報 酬制度については,号の刻みが細かすぎて,裁判官の職務にふさわしくないのではないかという議論が従来からあるが,裁判官といえども次第に経験を積んでよ り責任の重いポストに就いていくという面があり,判事の場合であれば,10年から30数年までの経験差とそれに応じた職務の差があるので,相当数の段階は設けざるを得ないという考え方に基づくものである。また,社会全般に年功序列型賃金が行われてきた中で,一般公務員の給与体系の上に,これと連動した形で報酬額を定めることによって,報酬のレベルが確保されるとともに,社会的実情に則した報酬体系となっていたともいえる。この点については,審議会意見において,「裁判官の報酬の進級制(昇給制)について,現在の報酬の段階の簡素化を含め,その在り方について検討すべきである。」と指摘されており,今後検討すべき課題となっている。

   裁判官の報酬は,一般公務員のそれよりも高い水準にあるが,それは,裁判官の地位,職責の重要性や,超過勤務手当が支給されず,その分が報酬に組み入れられていることなどによる。

(2) 昇給の実情

   以上のように細かい刻みで昇給していくことが,裁判官の独立に影響してはならないことはいうまでもないことであり,任官後,判事4号まで(法曹資格取得 後約20年間)は,長期病休等の特別な事情がない限り,昇給ペースに差を設けていない。判事3号から上への昇給は,ポスト,評価,勤務状態等を考慮し,各高等裁判所の意見を聞いた上,最高裁判所裁判官会議において決定されている。

 

2 以上の文中にある「判事特号」については,平成18年4月1日付で廃止されました。

第6 裁判官及び行政機関職員の定年

1 裁判官の定年

   最高裁裁判官の定年は70歳であり(憲法79条5項,裁判所法50条),高等裁判所,地方裁判所及び家庭裁判所の裁判官の定年は65歳であり,簡裁判事の定年は70歳です(憲法80条1項ただし書,裁判所法50条)。

   そのため,定年退官との関係で,平成27年12月1日現在,昭和20年12月1日までに生まれた現職の最高裁裁判官(理論上は22期が上限となります。),及び昭和25年12月1日までに生まれた現職の下級裁判所裁判官(理論上は27期が上限となります。)はいないこととなります。

 

2 行政機関職員の定年

(1) 国家公務員の定年は原則として60歳です(国家公務員法81条の2第2項本文)。

   検事総長の定年は65歳であり,その他の検察官の定年は63歳です(検察庁法22条)。

   事務次官,外局の長官,会計検査院事務総長,人事院事務総長,内閣法制次長,内閣府審議官,警察庁長官,警視総監,財務官等の定年は62歳となっており,在外公館に勤務する職員等の定年は63歳となっており,金融庁長官,国税不服審判所長等の定年は65歳となっています(人事院規則11-8別表)。

(2) 国歌公務員は,定年に達した日以後の最初の3月31日に定年退官します(国家公務員法81条の2,自衛隊法44条の2)。

(3) これらの点につき,人事院HPにある「国家公務員の定年制度等の概要」が分かりやすいです。

 

3 幹部裁判官の定年退官の予定

   裁判官の定年を見れば,幹部裁判官が具体的にいつ,定年退官する予定であるかが分かります。

1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)の略歴取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ等はこちらであり,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図はこちらです。