裁判所の司法行政

第1の1 司法行政を担う裁判官会議,事務総長及び事務局長

0 最高裁判所及び下級裁判所の組織は,裁判部門及び司法行政部門に分かれます。

1 最高裁判所の司法行政の担い手は,最高裁判所裁判官会議であり(裁判所法12条1項),最高裁判所長官がその議長となります(裁判所法12条2項)。
  そして,最高裁判所の庶務を掌る機関として,最高裁判所事務総局が設置されていて(裁判所法13条),そのトップが最高裁判所事務総長となります(裁判所法53条)。

2(1) 各地の高等裁判所の司法行政の担い手は,各地の高等裁判所裁判官会議であり(裁判所法20条1項),高等裁判所長官がその議長となります(裁判所法20条2項)。
  そして,高等裁判所の庶務を掌る機関として,高等裁判所事務局が設置されていて(裁判所法21条),そのトップが高等裁判所事務局長となります(裁判所法59条)。
(2) 高等裁判所事務局には,総務課,人事課及び会計課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条1項)。
(3) 高等裁判所支部には庶務課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項)。
   ただし,知財高裁事務局には庶務第一課及び庶務第二課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条3項)。

3(1)ア 各地の地方裁判所の司法行政の担い手は,各地の地方裁判所裁判官会議であり(裁判所法29条2項),地方裁判所長がその議長となります(裁判所法29条3項)。
   そして,地方裁判所の庶務を掌る機関として,地方裁判所事務局が設置されていて(裁判所法30条),そのトップが地方裁判所事務局長となります(裁判所法59条)。
イ 地方裁判所の裁判官会議につき,判事及び特例判事補がその構成員となります(裁判所法29条3項参照)。
   ただし,判事補は所属の裁判所の裁判官会議に出席して意見を述べることができます(下級裁判所事務処理規則14条2項)。
(2) 地方裁判所事務局には総務課及び会計課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条1項)。
(3) 地方裁判所支部には庶務課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項)。

4(1) 各地の家庭裁判所の司法行政の担い手は,各地の家庭裁判所裁判官会議であり(裁判所法31条の5・29条2項),家庭裁判所長がその議長となります(裁判所法31条の5・29条3項)。
   そして,家庭裁判所の庶務を掌る機関として,地方裁判所事務局が設置されていて(裁判所法31条の5・30条),そのトップが地方裁判所事務局長となります(裁判所法59条)。
イ 家庭裁判所の裁判官会議につき,判事及び特例判事補がその構成員となります(裁判所法31条の5・29条3項参照)。
   ただし,判事補は所属の裁判所の裁判官会議に出席して意見を述べることができます(下級裁判所事務処理規則14条2項)。
(2) 家庭裁判所事務局には総務課及び会計課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条1項)。
(3) 家庭裁判所支部には庶務課が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項)。

5(1) 簡易裁判所の司法行政事務は,簡易裁判所の裁判官が一人のときはその裁判官が,2人以上のときは,最高裁判所の指名する一人の裁判官(=司法行政事務掌理裁判官)がこれを掌理します。
   東京簡裁の場合,専属の東京簡裁司法行政事務掌理裁判官が設置されているのに対し,大阪簡裁の場合,大阪地裁民事上席裁判官(=大阪地裁第1民事部部総括判事)が大阪簡裁司掌裁判官を兼任しています。
(2) 簡易裁判所には庶務課又は事務部が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条2項及び4項)。
   そして,簡易裁判所事務部には,事務部長が設置されています(下級裁判所事務処理規則24条7項)。

6 外部HPの「司法行政からみた裁判官」も参考になります。 
   ただし,リンク先右下5頁に,裁判官が判事3号に昇給する時期は任官してから満21年とありますものの,現在はもっと遅いと思います(「裁判官の年収及び退職手当(推定計算)」参照)。

第1の2 司法行政の監督権

1   司法行政の監督権は,以下のとおり行われています(裁判所法80条)。
①   最高裁判所は,最高裁判所の職員並びに下級裁判所及びその職員を監督します。
②   各高等裁判所は,その高等裁判所の職員並びに管轄区域内の下級裁判所及びその職員を監督します。
③   各地方裁判所は,その地方裁判所の職員並びに管轄区域内の簡易裁判所及びその職員を監督します。
④   各家庭裁判所は,その家庭裁判所の職員を監督します。
⑤   簡易裁判所司法行政事務掌理裁判官(裁判所法37条)は、その簡易裁判所の裁判官以外の職員を監督します。

2 司法行政の監督権は,裁判官の裁判権に影響を及ぼし,又はこれを制限することはできません(裁判所法81条)。

3 裁判所の事務の取扱方法に対して申し立てられた不服は,司法行政の監督権により処分されます(裁判所法82条))(「裁判官の職務に対する苦情申告方法」参照)。

4 最高裁判所,高等裁判所,地方裁判所及び簡易裁判所における司法行政の監督権は,原則として裁判官会議の決議に基づいて行われています。

第1の3 裁判所の予算等

1 裁判所の予算,PB対象経費,社会保障関係費,国債費,租税及び印紙収入の推移表,新規国債,国債残高等の推移表(昭和31年度以降)を掲載しています。
→ PB対象経費は,基礎的財政収支対象経費のことです。

2 平成17年度以降,裁判所の当初予算は以下のとおり推移しています。
  3259億円(平成17年度)→3331億円(平成18年度)→3303億円(平成19年度)→3275億円(平成20年度)
→3247億円(平成21年度)→3231億円(平成22年度)→3200億円(平成23年度)→3146億円(平成24年度)
→2988億円(平成25年度)→3111億円(平成26年度)→3130億円(平成27年度)→3153億円(平成28年度)

3(1) 昭和22年度以降の予算書及び決算書が,財務省HPの「予算書・決算書データベース」に載っています。
(2) 平成11年度以降の予算に関する,概算要求,政府案及び補正予算が 財務省HPの「予算」に載っています。
(3) 特例公債法案及び対応する予算の議決日等が,「戦後初となった大規模な予算の執行抑制」(立法と調査2012年12月号)に載っています。 

第1の4 裁判所所管の一般会計歳出予算各目明細書

1 裁判所所管の一般会計歳出予算各目明細書(当初予算ベース)の推移表(平成21年度以降)を掲載しています。

2 裁判所所管の一般会計歳出予算各目明細書は,裁判所HPの「裁判所の予算」に掲載されています。

第2の1 最高裁判所裁判官会議

1 最高裁判所裁判官会議の運営方法等については,最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年9月22日最高裁判所規程第1号)で定められています。

2 最高裁判所裁判官会議は,昭和38年頃から,毎週1回,原則として水曜日の午前中に開催されています。

3 最高裁判所に設置されている常置委員会は全く開催されていないことに関して,最高裁判所は,以下のとおり説明しています(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))。
   常置委員会は,最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年最高裁判所規程第1号)7条の規定に基づき,裁判官会議を招集することができないときなどに司法行政事務をつかさどるために招集されるもので,常置委員会の構成員は,最高裁判所長官及び小法廷ごとに一人ずつ選出された裁判官である常置委員3人であるが,平成27年1月1日以降は,常置委員会は開催されていない。
  苦情申出人が主張するように,昭和27年12月20日開催の裁判官会議議事録(以下「昭和27年議事録」という。)に,「常置委員会は原則として毎週一回定期(水曜日午後)に開くものとすること。」との記載があるところ,常置委員会は,昭和37年頃までは月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されることはなくなり,その状況は現在も続いている。常置委員会がほとんど開催されなくなった事情は必ずしも明らかではないが,昭和38年頃から,裁判官会議が,昭和27年議事録に記載されている毎月1回(土曜日)ではなく,ほぼ毎週1回原則として水曜日に開催されてきた事情に鑑みると,この毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる。
   なお,平成26年12月3日開催の裁判官会議においては,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する。」としており,当該議決後も常置委員会は開催されていない。

第2の2 最高裁判所事務総局

1(1) 実務上,最高裁判所裁判官会議に属する権限は,最高裁判所事務総局が決定しており,毎週1回,水曜日に開催される最高裁判所裁判官会議は,最高裁判所事務総局の決定を追認するだけの機関であるといわれています。
(2)  平成24年4月以降の最高裁判所裁判官会議の議事録(「裁判官の人事異動一般」参照)を見る限り,最高裁判所事務総局の事務総長,事務総局の局長又は事務総局の課長から説明があった事項について,最高裁判所裁判官会議が否決したり,変更したりした事例は確認できません。
  また,議題が少ない場合,最高裁判所裁判官会議は10分ぐらいで終わっていることがあります。

2 最高裁判所事務総局については,最高裁判所事務総局等の組織を参照してください。

第2の3 審査室会議及び最高裁判所事務総局会議

1 最高裁判所は毎週,審査室会議(月曜)→事務総局会議(火曜)→最高裁判所裁判官会議(水曜)の順番に会議を開いています。

2 審査室会議は,秘書課長が議長となり,各局課の課長等1名が出席する会議で,司法行政上の事項を議題としています。
  ただし,その設置や開催について定めた最高裁判所規程等の定めはなく,局課間の情報交換や出席者の認識の共通を図る機会として開催されているものですから,議事録は作成されていません(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申))。

3 最高裁判所事務総局会議は,最高裁判所事務総長が議長となり,7局長(総務局長,人事局長,経理局長,民事局長兼行政局長,刑事局長及び家庭局長)及び3課長(秘書課長兼広報課長及び情報政策課長)のほか,関係する局の課長が出席する会議で,司法行政上の事項を議題としており,各種事項を決定したり,最高裁判所裁判官会議に付議する事項を決定したりしています。
  最高裁判所事務総局会議の場合,審査室会議と異なり,議事録が作成されています。

第2の4 最高裁判所事務総局会議の議事録

1 以下のとおり,最高裁判所事務総局会議の議事録を掲載しています。
平成28年分
1月19日(第1回) 
1月26日(第2回)
2月2日(第3回)~2月23日(第5回)
→   第3回議事録には,平成28会計年度における協議会等開催計画があります。 
3月1日(第6回)~3月14日(第8回)
3月22日(第9回)~3月29日(第10回)
4月12日(第11回)~4月15日(第12回)
4月19日(第13回)~5月31日(第16回)
6月7日(第17回)~6月28日(第20回)
7月5日(第21回)~9月13日(第27回)
10月4日(第29回)~11月1日(第33回)平成29年4月9日追加
11月8日(第34回)~12月20日(第39回)平成29年4月9日追加
→ 第34回議事録には,平成29会計年度における協議会等開催計画があります。
平成29年分
1月10日(第1回)~1月24日(第3回)平成29年4月23日追加

2 議論の記録は一切なく,議題及び配付資料しかありません。

第3の1 下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務

   下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務は以下のとおりです。

1 規則の制定・改廃(憲法77条3項)

2 裁判事務に関する事項
① 事務分配・裁判官の配置・裁判事務の代理順序(下級裁判所事務処理規則6条1項)
② 開廷日割(下級裁判所事務処理規則9条)
③ 裁判官及び諸機関についての回避の許可(民事訴訟規則12条,13条)
④ 簡易裁判所の事務移転(裁判所法38条)

3 裁判官に関する事項
① 分限の申立て(裁判官分限法6条)
② 裁判官の監督(裁判所法80条3号)
③ 管内の簡裁判事の職務代行の発令(裁判所法36畳1項)
④ 司法行政事務の代理順序(下級裁判所事務処理規則22条)
⑤ 調停主任裁判官の指定(民事調停法7条)
⑥ 執行官監督官・同補佐官の指名(執行官規則4条)

4 一般職員に関する事項
① 最高裁及び高裁が権限を有する以外の自庁の及び管内簡裁の書記官,事務官,技官及び執行官の任免(裁判所法64条)
② ①の書記官,事務官,技官及び執行官の勤務裁判所の指定(裁判所法65条,裁判官以外の裁判所職員の任免等に関する規則4条)
③ 自庁の職員の監督(裁判所法80条3号)

5 その他の事項
① 司法委員の選任(民事訴訟法279条3項)
② 鑑定委員の選任(借地借家法44条2項1号)

第3の2 下級裁判所の裁判官会議から権限を委任された機関

1  司法行政事務は,裁判官会議の議により,その一部を当該裁判官会議を組織する1人又は2人以上の裁判官に委任することができます(下級裁判所事務処理規則20条)。

   そのため,下級裁判所の場合,1年に2回ぐらいしか開催されない裁判官会議は,一定の権限を,2人以上の裁判官の会議体に委任していますし,さらに一定の権限を高裁長官及び地家裁所長に委任しています。

 

2 2人以上の裁判官の会議体として,東京高裁の場合,12人の常置委員(うち,2名は民事部代表常置委員及び刑事部代表常置委員)から組織される常置委員会が設置されています。

   大阪高裁の場合,8人の常任委員(うち,2名は民事上席裁判官及び刑事上席裁判官)から組織される常任委員会が設置されています。

 

3(1) 東京地裁における司法行政の機関としては,裁判官会議のほか,本庁民事部会議,本庁刑事部会議及び立川支部会議並びに常置委員会が設置されています(東京地方裁判所司法行政事務処理規程2条)。

(2)ア   裁判官会議は,所長,所長代行者及び各部に配置された裁判官(判事及び特例判事補をいう。以下同じ。)の全員で組織されています(東京地方裁判所司法行政事務処理規程3条1項)。

イ   本庁民事部会議は,所長,本庁民事部の所長代行者及び本庁民事部に配置された裁判官の全員で組織されています。

   本庁刑事部会議は,所長,本庁刑事部の所長代行者及び本庁刑事部の各部に配置された裁判官の全員で組織されています。

   立川支部会議は,所長,立川支部長及び立川支部の各部に配置された  裁判官の背隠忍で組織されています(以上につき東京地方裁判所司法行政事務処理規程3条2項)。

(3) 常置委員会は,所長,所長代行者,本庁民事部から選出された7人の常置委員,本庁刑事部から選出された7人の常置委員,立川支部長及び立川支部から選出された1人の常置委員で組織されています(東京地方裁判所司法行政事務処理規程4条1項)。 

 

4(1) 大阪地裁における司法行政の機関としては,裁判官会議のほか,常任委員会があります(大阪地方裁判所司法行政事務処理規程2条)。

(2) 裁判官会議は,所長,所長代行者,本庁及び支部の判事及び特例判事補で組織されています(大阪地方裁判所司法行政事務処理規程3条)。

(3) 常任委員会は,所長,所長代行者,堺支部長及び岸和田支部長,民事上席裁判官及び刑事上席裁判官,並びに本庁及び支部の民事部から選出された3人の裁判官及び本庁の刑事部から選出された3人の裁判官から組織されています(大阪地方裁判所司法行政事務処理規程4条)。

第3の3 東京地裁の幹部連絡会及び裁判官会議終了後に行われる概況説明

1 東京地裁の幹部連絡会は,幹部連絡会は,通達等に開催根拠がある会合ではないが,所長,所長代行者(立川支部長を含む。),首席書記官,次席書記官,事務局長,東京簡易裁判所事務部長及び同首席書記官が参加し,各部署の懸案事項,事務処理態勢やその運用状況及び行事予定等の現状を情報共有するために行われている連絡会としての会合であり,この会合で組織として意思決定を行うものではありません。
 
2 裁判官会議終了後に行われる概況説明は,通達等にその実施について定めがあるものではないが,定例裁判官会議後,必ず行われている説明です。
   参加者は,定例裁判官会議出席者と同様,所長,所長代行者(立川支部長を含む。),判事,判事の権限を有する判事補,判事の権限を有しない判事補,事務局長,首席書記官,東京第一検察審査会事務局長,総務課長及び総務課庶務第一係長であり,同人らが各部署の事件動向等について情報共有し,庁全体の現状を把握するために行われる連絡会としての会合であり,この会合で組織としての意思決定を行うものではありません。
 
3 東京地裁の幹部連絡会の報告資料及び裁判官会議終了後に行われる概況説明の資料は, 報告又は説明終了直後に廃棄されています(平成28年度(情)答申第12号(平成28年10月24日答申))。

第4 裁判所に設置されている委員会等

   裁判所HPの「各種委員会」からの引用ですが,司法行政を担うものとして,裁判所には以下の委員会等が設置されています(括弧内は根拠法令です。)。

1 最高裁判所に設置されている委員会
(1) 民事規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(2) 刑事規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(3) 家庭規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(4) 一般規則制定諮問委員会(最高裁判所規則)
(5) 裁判所書記官制度調査委員会(最高裁判所規則)
(6) 裁判所経費審査委員会(最高裁判所規則)
(7) 最高裁判所統計委員会(最高裁判所規則)
(8) 最高裁判所図書館委員会(最高裁判所規則)
(9) 司法修習生考試委員会(最高裁判所規則)
(10) 司法修習委員会(最高裁判所規則)
(11) 簡易裁判所判事選考委員会(最高裁判所規則)
(12) 医事関係訴訟委員会(最高裁判所規則)
(13) 建築関係訴訟委員会(最高裁判所規則)
(14) 下級裁判所裁判官指名諮問委員会(最高裁判所規則)
(15) 判例委員会(最高裁判所規程)
(16) 裁判所書記官等試験委員会(最高裁判所規程)
(17) 家庭裁判所調査官試験委員会(最高裁判所規程)
(18) 裁判所職員倫理審査会(国家公務員倫理法,裁判所職員臨時措置法,最高裁判所規則)
(19) 裁判所職員再就職等監視委員会(国家公務員法,裁判所職員臨時措置法,最高裁判所規則)
(20) 明日の裁判所を考える懇談会
(21) 裁判員制度の運用等に関する有識者懇談会
(22) 裁判の迅速化に係る検証に関する検討会
(23) 裁判官の人事評価の在り方に関する研究会
(24) 裁判員制度広報企画評価等検討会
(25) 最高裁判所長官公邸の整備に関する有識者委員会
(26) 情報公開・個人情報保護審査委員会
(27) ハンセン病を理由とする開廷場所指定の調査に関する有識者委員会
(28) 最高裁判所行政不服審査委員会(最高裁判所規則)

2 高等裁判所に設置されている委員会等
(1) 下級裁判所裁判官指名諮問委員会地域委員会(最高裁判所規則)

3 地方裁判所に設置されている委員会等
(1) 簡易裁判所判事推薦委員会(最高裁判所規則)
(2) 地方裁判所委員会(最高裁判所規則)

4 家庭裁判所に設置されている委員会等
(1) 家庭裁判所委員会(最高裁判所規則)

第5の1 裁判官の法服等

1 裁判官の法服については,「裁判官の制服について」(平成4年7月29日付の最高裁判所事務総長通達)で定められています。

 

2 裁判所書記官の職服については,「裁判所書記官の職服について」(平成4年7月29日付の最高裁判所事務総長通達)定められています。

   ただし,「裁判所書記官の職服に関する規程の運用について」(昭和30年7月18日付の最高裁判所事務総長通達)に基づき,酷暑の時期については,裁判長又は一人の裁判官において,法廷の品位を害さないよう配慮の上,裁判所書記官等の職服の着用につき,しかるべく適宜の取扱いをして差し支えないことになっています。

第5の2 法廷における弁護士の起立問題

   「法廷における弁護士の起立問題について」(昭和27年11月29日付の最高裁判所総務局長事務取扱通知)には,以下の記載があります。

 

   法廷において事件の当事者および関係人が発言に際して起立することは,久しきにわたって確立された慣行であり,今日まできわめて自然に励行されているところであります。

   そして,この慣行は,法廷の品位を保ち,手続が秩序正しく,かつ,円滑に行われる上によい効果をもたらすものであり,いまにわかにこれを改めねばならぬ理由はないものと思料します。ただ証人尋問に際して手控をとる場合等着席のままの発言が便宜である場合,発言者が裁判長の承認のもとに着席して発言することを妨げないことは申すまでもありません。

   なお,さきにこの問題について当方から口頭をもって連絡しましたところも,右と全く同じ趣旨であり,従って各弁護士会あてに発せられた昭和27年11月18日付日弁連総第189号に記載されたところは,当方の趣旨とするところと著しく相違するものであることを,念のため,申し添えます。

第6 裁判所の庁舎等の管理に関する規程及びその運用

1 以下の通達を掲載しています。
① 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和43年6月10日付の最高裁判所事務総長通達)
→ 別紙として,「裁判所の庁舎等の管理に関する規程」(昭和43年6月10日最高裁判所規程第4号)が添付されています。
② 裁判所の庁舎等の管理に関する規程の運用について(昭和60年12月28日付の最高裁判所事務総局経理局長通達)

2 「裁判所構内における注意事項」(リンク先は那覇地家裁のものです。)の根拠条文となっている,裁判所の庁舎等の管理に関する規程12条は以下のとおりです。
   管理者は、庁舎等において次の各号の一に該当する者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。ただし、管理者が第九号又は第十号に該当する者に対し、庁舎等の管理に支障がないものと認め、その行為を許可した場合は、この限りでない。
一 銃器、凶器、爆発物その他の危険物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
二 職員に面会を強要した者
三 立入りを禁止した区域に立ち入り、又は立ち入ろうとする者
四 放歌高唱し、若しくはねり歩き、又はこれらの行為をしようとする者
五 宣伝カーを持ち込み、又は持ち込もうとする者
六 座り込み若しくは通行の妨害になるような行為をし、又はしようとする者
七 寄付を強要し、又は押売りをする者
八 裁判所の禁止に反し写真機、録音機その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
九 旗、のぼり、プラカード、拡声器その他これらに類する物を持ち込み、又は持ち込もうとする者
十 はちまき、ゼツケン、腕章その他これらに類する物を着用する者
十一 前各号に掲げる者のほか、庁舎等の管理に支障がある行為をし、又はしようとする者
2 管理者は、庁舎等の管理のため必要があると認めるときは、庁舎等において、文書、図画、びらその他これらに類する物を頒布し、又は頒布しようとする者に対し、その行為若しくは庁舎等への立入りを禁止し、又は退去を命じなければならない。
3 第九条の規定は、第一項ただし書の許可をする場合に準用する。

第7 期日情報等のウェブサイトへの掲載

   裁判所HPに最高裁判所開廷期日情報等が掲載されていますところ,平成28年3月29日付の最高裁判所事務総局会議資料によれば,期日情報等のウェブサイトへの掲載は,以下のとおりとなっています。

1 最高裁判所の係属事件の期日情報
(1) 掲載対象
   最高裁判所の係属事件で弁論期日・判決期日の指定がされたもの
(2)  掲載情報
   期日等・開廷時刻・事件番号・事件名・弁論と判決の別・開廷場所
(3)  掲載場所等
   期日指定の際,最高裁判所のウェブサイトに広報課が掲載する。
(4)  掲載開始時期
    平成28年4月1日

2   各地方裁判所の裁判員裁判事件の期日情報
(1)  掲載対象
   裁判員裁判事件で裁判員等選任手続期日呼出状を発送した事件
(例外)わいせつ事犯,警備上の支障がある事件などは掲載しない。
(2)  掲載情報
   事件名・事件番号・期日等・開廷時刻・公判回数等・開廷場所
(3)  掲載場所等
   各庁のウェブサイトに各庁で掲載する。
(4)  掲載開始時期
   平成28年5月2日

3   知的財産高等裁判所に係属中の事件の事件情報及び終局結果
(1)  掲載対象
   特許権・実用新案権に係る審決取消訴訟
(2)  掲載情報
   事件番号・事件名・特許番号・判決言渡期日・担当部
  +終局日・終局結果(判決など)・上訴の有無・上訴の結果(上告棄却など)
(3)  掲載場所等
   知的財産高等裁判所のウェブサイトに掲載する。
(4)  掲載開始時期
   平成28年4月1日

第8 最高裁判所における法廷内カメラ取材運用要領

   「最高裁判所における法廷内カメラ取材について(通知)」(平成2年12月6日付の最高裁判所広報課長通知)によれば,平成3年1月1日から,裁判所又は裁判長が相当と認める事件につき,以下の運用要領でカメラ取材が認められるようになっています。

運用要領

1    許可申請 
   法廷内力メラ取材を希望する社は,取材希望事件の開廷期日のおおむね2日(休日及び土曜日を除く。)前までに,広報課に許可申請をする。
2   取材人員 
   カメラ取材のため入廷できる人員は,1社1人とする。
3   撮影機材
   1社が使用できる撮影機材は, 1人で操作できる携帯用小型のビデオカメラ(1台)又はスチールカメラとし,ビデオ撮影用照明機材,録音機材,中継機材等の補助機材は使用できない。
4   撮影時期・時間 
   撮影は,裁判官の入廷開始時からとし,裁判官全員の着席後で開廷宣告前の間における2分以内とし,その開始及び終了は裁判長の命を受けた裁判所職員の合図による。
5   撮影位置 
   撮影位置は,傍聴席後部の裁判長が指定する場所とする。
6   撮影対象
   撮影対象は,入廷中の裁判官並びに裁判官席及び当事者席とし(傍聴席が付随的に入ることは可),次に掲げる撮影は認めない。
(1) 音声を録音すること。
(2)   特定の人物(裁判官を除く。)の拡張・拡大写真を撮影すること (トリミング等の方法により,これらの特定人物を際立たせることを含む。)。
(3)   傍聴席にいる特定の者を個別的に撮影対象とすること。
(4)   弁護人,代理人又は傍聴人が宣伝的行為や法廷の秩序を乱す行為に出た場合に,これを撮影対象とすること(退廷命令の執行を撮影対象とすることを含む。)。
7   撮影中止 
   取材要員は,裁判長又はその命を受けた裁判所職員から撮影中止の指示があった場合には,直ちに撮影を中止し,退廷しなければならない。
8   条件違反の取材に対する措置
   この要領又は裁判長の命じた事項に違反する取材が行われた場合には,裁判長の権限に基づく処置,一定期間の取材停止その他必要な措置を執ることがある。
9   例外的運用 
   事件の性質に応じ,裁判所又は裁判長の判断により,この要領よりも制限的に運用することがある。

第9 憲法週間における最高裁判所判事の視察

1(1) 最高裁判所判事は,毎年5月,憲法週間における最高裁判所判事の視察として,全国各地の下級裁判所を視察しています。

   ただし,最高裁判所事務総局秘書課が視察基本日程(案)を作成する際に使用している事務処理要領等の文書は存在しません(平成27年度(最情)答申第7号(平成28年2月23日答申))。

(2) 平成28年度の日程が書いてある,「憲法週間における最高裁判所判事の視察について」(平成28年2月26日付の最高裁判所事務総局秘書課長の通知) を掲載しています。

 

2(1) 最高裁判所が受領した,平成28年度憲法週間における岡部喜代子最高裁判事の視察に関する文書の大部分(視察基本日程,視察詳細日程,座談会の出席者名簿及び座談会席図,庁内巡視の順番が分かる文書,最高裁判事との懇親会の出席者名簿)は,視察終了直後に廃棄されました(平成28年度(最情)答申第31号(平成28年10月24日答申))。

(2) 神戸地裁の場合,視察終了後2ヶ月以内に,最高裁判所判事の視察に関する文書の大部分(視察基本日程,視察詳細日程,座談会の出席者名簿及び座談会席図,庁内巡視の順番が分かる文書,最高裁判事との懇親会の出席者名簿)が廃棄されました(平成27年度(情)答申代2号(平成28年2月18日答申))。

(3) 視察先の下級裁判所が保管している視察基本日程及び視察詳細日程については,従前はほぼ全て開示されていましたが,現在は全く開示されなくなりました(平成28年度(情)答申代14号(平成28年10月24日答申)))。

(4) 最高裁判所事務総長の説明によれば,最高裁判所判事の視察に関する文書は,内容が軽微かつ簡易であって保存期間を1年以上とする必要のない短期保有文書として取り扱われているそうです。

 

3 憲法週間における最高裁判所判事の視察では,視察先の高等裁判所が,最高裁判所判事に対し,当該高裁及びその管内に関する概況説明資料を提供することがあります。

   しかし,最高裁判所判事に提供された概況説明資料は,最高裁判所の司法行政文書に該当しません(平成28年度(最情)答申代19号(平成28年6月28日答申)))。

 

4 日本裁判官ネットワークHPには,2004年6月1日付で,「60歳代 男性 元裁判所職員」からのメールが掲載されていますところ,その内容は以下のものがあります。

 

   山崎豊子原作「白い巨塔」が再びドラマ化された。ドラマでは,浪速大学病院の教授回診のシーンがたびたび登場する。白衣を着た教授が殿様のように,助教授・講師・インターンを引き連れて病室を練り歩くのだ。あのシーンを見るたびに,裁判所で行われている最高裁判事や高裁長官の視察を思い出し,気が滅入る。
  庁内の図面を広げ,どこをどう歩き,誰が先導するかを1週間もかけて協議する。長官や最高裁判事にお出しするお茶の銘柄は何がよいか,お茶菓子は何がよいかを話し合う。出す弁当の箱は朱塗りの箱がよいか,お吸い物を温めるタイミングはどうか,そんなことまで決めるのである。
  視察コースにドアがあると大変である。ドアを開けておく必要があるというのである。手はどうしたのか,怪我でもされたのかと言いたいところであるが,誰もそうしたことを指摘できる雰囲気ではない。結局,60個近いドアストッパーが集められ,視察コースのドアというドアはすべて開け放たれるのである。そして,先導,そのまた先導,誘導などという形で何人もの職員が動員される。見苦しいという理由で,当事者案内のために職員がパソコンで作りドアに貼り付けた図面は外され,廊下は「特別清掃」で掃き清められる。
  そして,視察が始まり,何事もなかったかのように終わる。そうした視察では,裁判所内にどれだけドアがあり,一般当事者がどれほど不自由をしているかを実感することはできない。また,どれほど,庁内が来庁者にとってわかりにくいかを実感することもできない。
  視察が終わるとドアストッパーは一カ所に集められ,どこかにしまい込まれるのである。長官や最高裁判事のために開け放たれたドアは,一般来庁者に向けては閉ざされる。それがたとえ車椅子の方であろうと・・・ 
    そう,教授回診の際の何気ない一言で,助教授や講師が身を固くするのと同様,長官や最高裁判事の視察の際の何気ない一言で,職員は連日の残業を強いられることなるのである。そのため,「視察」は何にもまして優先して取り組む課題となるのだ。「白い巨塔」は大学病院に限ったことではない。

第10 ハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見

1   平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書のうち,裁判所HPに掲載されているもの以外は,同月27日までに廃棄されました(平成28年度(最情)答申第33号(平成28年10月24日答申))。

2 答申には以下の記載があります。なお,本件開示申出文書というのは,平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書のことです。
   最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書に該当する可能性がある文書としては,①記者会見の日時・場所等を記載した文書,②取材の集合時間・注意事項等を記載した文書,③配布資料があったとした上で,①及び②については,いずれも報道機関に配布することでその目的を果たすことから,報道機関に配布するための部数しか作成しておらず,報道機関等からの問合せがあった際に確認するための控えについても,記者会見終了時点において,事務処理上使用することが予定されておらず,保有する必要がないため,短期保有文書として随時廃棄しており,本件開示申出の時点において存在しないと説明している。
   そこで検討すると,①及び②の文書は,いずれも記者会見の準備のための事務に用いられるものであると考えられるから,その内容が軽微かつ簡易な司法行政文書であるということができる。そうすると,これらについて,保存期間を1年以上にする必要がない短期保有文書として扱っていることは,前記1の各通達に沿った取扱いであり,相当である。そして,①及び②の文書が上記のような文書であることからすると,記者会見の日の2日後である本件開示申出の時点において,①及び②の文書が,いずれも廃棄済みであって存在しないとする説明は合理的であり,これを覆すに足りる事情はない。したがって,これらはいずれも廃棄済みであると認められる。
  また,③の配布資料については,いずれも裁判所ウェブサイトに掲載されたものであるとする最高裁判所事務総長の説明が不合理であるとする事情も見当たらない。したがって,本件開示申出の内容に照らすと,これは,本件開示申出文書に当たらないと認められる。

1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)の略歴取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ等はこちらであり,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図はこちらです。