裁判所職員の定員

第0 目次

第1 裁判所職員の定員の推移表(昭和26年以降)
第2 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
第3 判事の定員増員の理由
第4 判事及び判事補の実人数等の将来予測
第5 定数配布に関する文書は不開示情報に該当すること

* 「裁判所職員採用試験」も参照して下さい。

第1 裁判所職員の定員の推移表(昭和26年度以降)

1 裁判所職員の定員の推移表(昭和26年度以降)を掲載しています。

2 最高裁の公式発表のデータは,裁判所データブック2016に載ってあります。

3 裁判所職員は特別職の国家公務員です(国家公務員法2条3項13号)。
  そして,行政機関の職員の定員に関する法律(昭和44年5月16日法律第33号)とは別に,裁判所職員定員法(昭和26年3月30日法律第53号)に基づいて,裁判所職員の定員が定められています。

第2 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明

1 最高裁が作成した平成27年8月31日付の「全司法本部応答メモ」にある記載を,以下のとおり抜粋します(全司法とは,全司法労働組合のことです。)。
  ただし,第4で述べるとおり,(2)①に書いてある判事増員の理由は,本当の理由とは異なると思います。

(1) 平成28年度概算要求(増員関係)について
   国家公務員の定員について,政府は,平成26年7月25日,業務改革を推進して定員の合理化に強力に取り組むこと等を内容とする「国家公務員の総人件費に関する基本方針」を閣議決定し,同日,毎年2%(5年10%)以上を合理化すること等を内容とする「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を閣議決定しており,国の財政状況が逼迫している中,既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にするなど,増員を取り巻く情勢は非常に厳しい状況になっている。
  他方,司法制度改革については,法制度の枠組みが完成し,裁判員制度をはじめとして実施・運用の段階に入っているところ,裁判所としては,これらの制度改革をより実効性のあるものとするため,引き続き種々の見直しを行うとともに,裁判所の人的態勢についても国民の負託に応えていく裁判を実現するための充実強化を図っていく必要がある。具体的には,社会経済情勢の変化等を背景として個々の事件がより一層複雑困難化している民事訴訟事件の審理を充実させるとともに,家事事件について,平成25年1月に施行された家事事件手続法の趣旨に沿った適正な手続を実現するとともに,引き続き増加する成年後見関係事件に適切に対応するためには,裁判部門の処理態勢を更に強化する必要がある。
  そこで,平成28年度は,極めて厳しい財政状況の下ではあるが,裁判官(判事)32人,書記官39人,合計71人の増員要求を行うとともに,速記官から書記官へ5人の振替要求を行った。
   なお,平成28年度については,先に述べた閣議決定を踏まえた協力要請を受けて,裁判所では,定員合理化計画に協力するため,71人の定員削減を予定している。

(2) 質疑応答部分
(増員要求数)
① 裁判官の増員要求数を昨年と同じ判事32人としたのはなぜか。
→ 現在の事件動向を踏まえた上で,より一層複雑困難化する事件に適切に対処するとともに,今後の裁判部門の充実強化という観点から検討した結果,判事32人の増員を要求することとしたものである。

② 裁判官の増員要求数は昨年と同じであるのに,書記官の振替を含めた増員要求数は昨年よりも1人減ったのはなぜか。
→ 書記官は,裁判所の基幹官職として,適正迅速な裁判を実現していく中で重要な役割を果たしていると認識しており,これまでも事件動向等を踏まえながら,必要な人員の確保に努めてきたものである。具体的には,平成9年からの15年間で振替を含めて2600人を超える大幅な増員を行ったほか,平成24年度に80人,平成25年度に48人,平成26年度に44人,平成27年度に39人の増員をして,繁忙庁を中心に配置し,必要な体制整備を行ってきたところであり,平成28年度については,書記官44人を増員すれば,現有人員の有効活用と併せて,より適正かつ迅速な事件処理を行っていけると判断したものである。

③ 司法制度改革審議会で大幅に増員すべきである旨意見されたのであるから,更に大幅な増員要求を行うべきである。
→ 司法制度改革審議会において,裁判官については大幅な増員,裁判所書記官等の裁判所職員については,その質,能力の向上を一層推し進めるとともに,その適正な増加を図っていく必要があると意見されたことはそのとおりであるが,これまでも繰り返し説明しているとおり,国家財政は極めて厳しく,行政省庁は既存業務の増大への対応を定員の再配置により対処するよう求められている状況にある。国家公務員の定員を巡る情勢は,これまでにない極めて厳しいものであり,人員増に対する風当たりはますます強くなっている。
  さらに,書記官については,財政当局から,ここ数年にわたる定員振替による増員効果を指摘されており,事件数の動向の上でも,成年後見関係事件を除いて各種事件で減少又は横ばいとなっているものの,司法制度改革審議会において意見を述べた裁判部門の充実強化に向けた必要な人員の確保という観点を踏まえた要求を行うこととしたものである。

④ 東日本大震災からの復興においては法的紛争が増加すると思われるが,これに対応するための増員要求はしないのか。
→ 復興に関連して様々な法的紛争が提起されることを想定し,これらの紛争を適切に解決できるよう人的態勢を整備しておく必要があると考えており,平成24年4月に,被害の大きかった沿岸部に所在する庁を中心に書記官等の増配置を行ったところである。一方,阪神淡路大震災の経験を踏まえると,震災に伴う法的紛争の増加は一時期に集中し,一定期間経過後には収束に向かうと予想されることから,今回の増員を含めて,現有人員を有効活用することにより,震災による法的紛争の増加に対応することとし,震災を理由とした増員要求を行わないこととしたものである。

⑤ 成年後見関係事件の増加が著しいにもかかわらず,なぜ,家裁調査官の増員を要求しないのか。
→   家事事件は,後見関係事件が引き続き増加傾向にあるものの,少年事件については長期的に見た場合,減少傾向が続いており,平成26年の新受事件数は,近年のピークであった昭和58年に比べて約6分の1程度まで減少しており,家事,少年の事件全体を通じても,平成26年の新受件数の合計は,近年のピークであった昭和59年のそれを約7万件下回っている状況にある。これだけの減少は,財政当局との折衝に当たってかなり大きなインパクトを持つものと言わざるを得ない。その上,家裁調査官については,平成12年度から平成16年度まで毎年5人ずつ増員するとともに,平成15年度から平成18年度まで合計43人の事務官からの振替を行い,平成21年度については,5人の増員を行っており,平成28年度においては,現有人員の有効活用をすることによって,家事事件の適正迅速な処理を図ることができると判断したものである。

⑥ 増員の理由として家庭事件の処理の充実強化を挙げているが,なぜ,家裁調査官ではなく,書記官の増員を要求することになるのか。
→ 大幅な事件増加が続いている成年後見関係事件の処理については,本人の意向聴取等,家裁調査官が担うべき分野については,これまで家裁調査官の増員等によって態勢を整備し,併せて,効率的な事務処理を工夫することにより,事件数が増加する中でも適正な調査が行われるよう努めてきたところである。他方,成年後見関係事件の適正な処理のためには,家裁調査官が行う調査のみならず,書記官による法的な要件の審査,所定の手続の履践,事件関係者に制度を理解させるための説明が必要不可欠である。また,後見等監督事件の適正な処理のためには,後見人等から提出された財産目録,後見監督人から提出された報告書の精査等の事務をはじめ,後見人等や関係職種との連絡・調整などの役割を書記官が担っていくことが求められている。そのため,成年後見関係事件を中心として,家庭事件を適正迅速に処理するためには,書記官の増員が必要であると判断したものである。

⑦ 後見等監督事件は,性質上,長期的に係属することが予想される事件であり,事務量は将来に向けて増加する一方であるが,将来の事務処理態勢についてどう考えているのか。
→ 後見等監督事件については,これまでも,事務処理の合理化や各庁における運用の改善が図られてきたところであるが,後見等監督事件の性質上,長期的に係属し,その事務量が将来に向けて増加することが予想される状況を考えると,今後も事務処理の在り方について,引き続き検討するとともに,家事事件全体の事件動向や事件処理状況等を踏まえながら,適正な人員配置に努めていきたい。

(速記官の振替)
⑧ 速記官の書記官への振替要求を5人にしたのはなぜか。
→ これまで緩やかに録音反訳方式に移行し,速記官として働き続けることを希望する職員の任用等に支障を生じない範囲内で,速記官から書記官への振替要求をしてきたところであるが,平成28年度期首における速記官の現在院見込みを踏まえた上で,振替要求数を検討した結果である。

⑨ 今後も速記官から書記官への振替を要求していくのか。
→ これまで説明してきているとおり,緩やかに録音反訳方式に移行していくという当局の方針に変更はないが,次年度以降の振替要求数についても,期首における速記官の現在院見込み等を踏まえて検討していくことになる。

⑩ 書記官任用研修が終了したのになぜ振替を続けるのか。
→ 速記官から書記官への転官数のみが振替数の要因となるものではなく,振替数については,期首における速記官の現在員見込み等を踏まえて検討していくため,書記官任用研修が終了したからといって,振替が終わることにはならない。

⑪ 書記官任用研修終了後の対応について検討状況を明らかにしてもらいたい。
→ 平成21年度の書記官任用研修の意向調査で同研修の参加を希望しながら,家庭の事情等で平成21年度の研修に参加できなかった者に対して,同人らの事情を踏まえて何らかの対応がとれないか検討しているところであるが,書記官資格付与といった重要な問題であることから,検討のためにはある程度まとまった時間が必要と考えており,まだ検討状況を示せる段階にはない。

(事務官の振替)
⑫ 事務官から書記官への振替要求を行わなかったのはなぜか。
→ 平成24年4月の資料課組織の見直しに伴い,資料課に配置されていた定員については,その一部を書記官に振り替えたほか,事務局を含む繁忙庁の繁忙部署に行こうさせたところであるが,移行後においても,事務処理の簡素化,効率化という観点から更なる事務処理態勢の見直しを図りつつ,裁判部の充実強化という観点から,平成24年から3年にわたって30人を書記官に振り替えてきており,現在の事務官の職場状況等も踏まえ,今年度も振替要求を行わないこととしたものである。

⑬ 今後も事務官から書記官への振替は行わないのか。
→ 今後の事務官から書記官への振替については,事務処理の簡素化,効率化という観点から事務処理態勢の見直しを不断に図りながら,事務官の職場状況等を踏まえて検討していくことになる。

(その他)
⑭   なぜ政府の協力要請に裁判所が応じるのか。
→ 裁判所は行政機関ではないので,政府の定員合理化計画に直ちに拘束されるものではない。しかし,国家公務員の定員を巡る情勢が厳しさを増す中で,引き続き裁判部の充実・強化を図っていくためには,政府からの協力要請を踏まえて,国家の一機関として,他の行政官庁と同様に,事務の効率化等必要な内部努力を行い,定員合理化に協力することは必要と考えている。こうした考えに基づき,事務局部門に限って,従前から削減計画に協力しているものである。
  今後も,司法行政部門について,裁判部門に影響を及ぼすことなく,事務の簡素化,合理化を行うことができる範囲に限って協力していくことになる。

⑮   合理化対象を事務局部門に限定し,裁判部門を除外しているのはなぜか。
→ 裁判所の使命は,適正迅速な裁判を実現することにある。その責務を直接担っている裁判部門については,事件数の動向や事件の難易等を踏まえた上で,上記の使命を果たすために必要な人員の確保を図っていく必要があり,本来的に計画的な人員削減になじまない。

⑯ 政府からの協力要請については,いつどのような形でなされたのか。
→ 平成26年7月25日に内閣官房長官から最高裁判所事務総長に宛てて,書面で協力要請がされた。内容は同日「国家公務員の総人件費に関する基本方針」及び「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」が閣議決定されたので,協力してもらいたいというものである。

⑰ 裁判所の合理化数はどのようにして決めたのか。
→ 内閣からの協力要請を受け,行政府省における削減合理化目標数,合理化率などを見ながら,国家公務員の定員を巡る情勢が厳しさを増す中で,引き続き裁判部の充実・強化を図っていくことについて国民の理解を得るという観点に立ちつつ,事務の効率化等による削減可能数を考慮して,自主的に決めたものである。

⑱ 合理化数がここ数年の65人程度から昨年度と同様の71人としているのはなぜか。
→ 閣議決定においては,業務改革を推進して定員の合理化に強力に取り組むことや毎年2%(5年10%)以上を合理化すること,また,既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にしているところであり,先に述べたような事情を総合考慮すると,昨年同様の合理化協力は不可避と判断したものである。

⑲ 仕事と生活の調和を図り,子育てや介護をしながら活躍できる職場造りをするために,本省を対象として試行的に産前産後休暇や育児時間等の取得実態に応じた定員上の措置(以下「別枠定員」という。)を行うために,今年度,要求を行わなかったのはなぜか。
→ 行政府省においては,別枠定員の措置について,前年度に配置した定員の使用状況や各府省における産前・産後休暇等の取得実態等を踏まえて取組の推進を図ることとし,必要な措置の内容について,予算編成過程における具体化を図るとされている。裁判所において別枠定員の増員要求を行うかどうかについても,本年度,最高裁に配置した別枠定員の活用状況や,行政府省において,今後予算編成の過程で具体化される必要な措置の内容を踏まえつつ,検討を行う必要があると考えており,今回の概算要求においては,別枠定員の要求を行うことを見送ることとしたが,今後,行政府省の動向や最高裁における取組の実績等を踏まえて,検討していくことになる。

2 司法制度改革審議会意見書は,平成13年6月12日に発表されました。
  また,内閣官房の内閣人事局HPにある「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」(平成26年7月25日閣議決定)によれば,毎年2%(5年で10%)以上,定員を合理化することになっています。

第3 判事の定員増員の理由

1 はじめに
(1)   平成27年4月15日の衆議院法務委員会において,裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に関して,以下の質疑応答がなされています。
  そのため,平成27年度の判事の定員増員は,任官10年を迎える58期の判事補が判事になれるようにするための定員を確保するためのものであることが分かります。
  また,最高裁としては,判事及び判事補の依願退官の人数を予想することは非常に難しいため,判事及び判事補の実人数の推移の予測を国会で答弁することはできないみたいです。
(2) 「階議員」は階猛(しなたけし)衆議院議員のことであり,「堀田最高裁判所長官代理者」は堀田眞哉(ほったまさや)最高裁判所事務総局人事局長のことです。
   また,平成27年4月15日までに依願退官した58期の判事補は9人であり,死亡退官した58期の判事補は1人です(死亡退官につき,「人事情報置き場」の「人事異動ノート 官吏死亡(2008年10月18日)」参照)。

2 質疑応答部分の抜粋
○階委員 (中略) 今回、三十二人は判事ということになっています。裁判官は、下級裁判所には判事と判事補がおりますけれども、なぜ、判事補には手を触れず、判事だけを増員するのか。
   大臣が言う事件の適正かつ迅速な処理を進めていくためには、特に複雑困難化した事件においては、合議制でやる必要があります。合議制をやるためには、左陪席といって、判事補の若い人が入って、そしてその人が中心となって、証拠を精査して、判決を起案したりしなくちゃいけないわけですよ。ですから、事件の適正かつ迅速な処理を進めるには、判事だけではなくて判事補もふやさないと私は意味がないと思っています。
   なぜ、今回、判事補は増員せず、判事だけを増員するのか、大臣、お答えできますか。では、まず最高裁。
○中村最高裁判所長官代理者 このたび判事補を増員せずに判事の増員をお願いした理由は、複雑困難事件という処理について、合議といいましても、一人前で仕事ができる判事をふやすことがその処方箋として一番効果的だというふうに考えた次第でございます。
   判事補につきましては、今、千人という定員をいただいています。これについて、後から御質問があるかもしれませんが、必ずしも今、充員ができていないというところもございますが、この定員をいただければ合議の充実ということは図っていける、むしろ判事の数が足りないということで、判事の増員をお願いしたというところでございます。
○階委員 政府の方からは全くこういう問題提起はないんですけれども、今回の、判事だけを三十二人ふやすというのは、資料二をごらんになっていただきたいんですね。資料二の左側の方に、判事の定員、それから現在員、欠員というのが並んでおりますけれども、直近、平成二十六年度では四十五人の欠員なんですね。
   一見、欠員が十分ありそうなんだけれども、実は、平成二十七年、ことしの十月に判事補から判事になる十年目を迎える人たち、この人たちが入ったときの人数、平成十七年ですけれども、百二十四人いらっしゃったわけですね。その後、中途でやめられた数は、推測ですけれども、そんなに多くなかったみたいです。他方、それ以外の、今判事をやっている方が退官されたりしている数も、ここ最近ではそんなに多くないということで、私は、この百二十四人のうちの相当の数がこの十月に判事になろうとしておるんだけれども、四十五人という欠員の枠では到底おさまり切れない、だから増員するんじゃないかと思っているんですよ。
   これは正直に言っていただいていいですよ。むしろ正直に言っていただいた方が、我々も裁判官の身分保障というのは大事だと思っていますから、それに向けて増員するという方が、私はまだ納得がいくんですね。さっきみたいな、大臣と最高裁で目標が一致しないとか、あるいは、できる限りとか中途半端なことを言われるよりも、判事の椅子が足りないからどうしても増員しなくちゃいけないんですと言っていただいた方がいいんですよ。
   そこで、もう事前に通告しておりますから、ここはきっちりお答えいただきたいんですけれども、まず、ことし三十二人判事を増員しなければ、ことしの十月に何人ぐらいが判事に昇格できなくなりそうなんですか。見通しを示してください。
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
   増員を行わない場合に、本年十月に判事に任命することができなくなる裁判官の数でございますが、今後、十月までの間に退官いたします判事の人数等が確定しておりませんので、現時点で明示することは困難でございます。
   民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るために増員をお願いしているところでございまして、むしろ、増員ができないということになりますと、事件の適正かつ迅速な処理に支障が出るということの方を懸念しているところでございます。
○階委員 そこをお答えいただかないということは、今までの議論の中で迅速かつ適正な処理ということの具体的な目標も示されない中で、三十二人増員ということはなかなか認めがたいんですよ。
   これは、事前にそう言っていますから、ちゃんと数字を示してください。一定の前提を置いた上でもいいので、十月までにもし増員がされなかった場合、今判事になろうとして待機している人がどれぐらいはみ出してしまうのかということを、ちゃんと数字で答えてください。
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたような事情がございます。十月までに定年退官をする裁判官の数は当然予定できるところでございますが、依願退官をする裁判官の数の予想は非常に難しいところでございまして、その結果といたしまして、先ほども申し上げたとおり、申し上げることができないところでございます。
○階委員 いや、だから、そこは前提を置いていいですよ。定年退官はもうわかっているわけだから、ほかのところは、過去のトレンドとかを見て、例えば、私が聞いているところだと、これは判事じゃなくて判事補ですけれども、最近は、やめる人が年に四、五人とか、そんな感じですよ。判事はもうちょっと多いのかもしれませんけれども、大体、過去のデータから見て、一定の前提を置いて数字は出せるでしょう。
   もし増員しなければ、今、平成十七年に入った百二十四人の方が何人ぐらい判事になれずに余ってしまうのかということを、もう一回きっちりお答えできませんか。お願いします。
○堀田最高裁判所長官代理者 大変申しわけございませんが、先ほど申し上げたようなところで、私どもの経験によりましても、年度の途中での裁判官の退官数というのは非常に予想が困難なところでございまして、その数を明示することについては御容赦いただきたいと存じます。
○奥野委員長 算数で計算してくれと言っているんだから、そんなもの、言えばいいじゃない。大したことじゃないよ。
○階委員 そのとおりですよ。
   過去の数字を踏まえた上で、絶対的な数字を出せと言っているわけじゃなくて、仮置きの数字でいいのでおっしゃってください、何人ぐらい余ってしまうのか。事前に通告していますよ。
○奥野委員長 では、依願退職は外してやればいいじゃない。それは想像できません、それだったら、定年退職でやめる人は何人と、そう言えばいいんでしょう。それも一つの事例だよ。人事局長。
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
   先ほど申し上げたような経緯がございますので、ちょっと、厳密な数字でお答えできませんけれども、今後見込まれます定年退官の数だけの退官であったとした場合に、ちょうど今の定員で任命できる、そういうふうな状態であるというふうな感じでございます。
○奥野委員長 聞こえなかった。もう一回はっきり言って。
○堀田最高裁判所長官代理者 今後の定年退官でございますが、四月から十月までの間に、定年退官の予定数が十九人を予定しているところでございます。
○階委員 そうすると、欠員が四十五で、十九人さらにやめて、六十四ぐらいになりますよね。三十二人ふやさないと、最初に入った百二十四人の相当数が行く場所がなくなっちゃうんじゃないですか。判事になれないんじゃないですか。定員をふやさなくても全員大丈夫だとさっきおっしゃいましたけれども、本当にそれでいいんですか。
○堀田最高裁判所長官代理者 おおむねでございますが、大体そのとおりの人数になるという予想でございます。
○階委員 そうすると、今のような裁判官の身分保障の見地から、判事にはなるべく皆さんが上がれるようにすべきだというふうに私は思っていたんですけれども、そのような配慮も必要ないということですね。
   では、増員しなくても大丈夫だ、裁判官の身分は守られるということでよろしいですね。
○堀田最高裁判所長官代理者 先ほども申し上げたとおり、厳密な数字ではございませんので、増員がなかった場合に必ず全員が判事に任命できるかどうかということについては、確定的に申し上げられないということでございます。
○階委員 今、すごくかた目の数字で議論をしているわけですよ。依願でやめる人はゼロと仮定しているわけだから、さっき言った十九人は、これがミニマムの数字で、これ以上ふえるわけですよ。ということは、空き枠、さっきは、四十五プラス十九で六十四人あれば全員行けますという話だったんだけれども、実際には、六十四どころかもっとふえるはずなんですね、依願退官があるから。だったらなおのこと、余裕でみんな上がれるじゃないですか。だから私は、増員は必要なくなるんじゃないですかと言っているわけですよ。この観点からですよ。
   それでよろしいですか。増員しなくても十分上に上がれるんだ、判事になれるんだということでよろしいですか。
○堀田最高裁判所長官代理者 失礼いたしました、先ほどの御説明、少し不正確な点がございました。
   先ほど申し上げました定年退官が見込まれております数と、これまでの例から大ざっぱに推測をいたしました見込まれる依願退官数を合わせて、増員をしていただくとちょうどということでございます。(階委員「もう一回」と呼ぶ)
   失礼いたしました。定年退官の数と……(階委員「十九人ですね、定年退官」と呼ぶ)はい。(階委員「プラス依願が幾ら」と呼ぶ)それで、今後見込まれます依願退官数を合わせた場合に、ちょうどということでございます。(階委員「増員しなくてもちょうどですか」と呼ぶ)増員をしていただいたときにおおむね充員できるということでございます。
   失礼いたしました。
○階委員 最初からそれを言ってくれればいいんですよ。何でこれだけ時間を浪費させるんですか。それを言えば、我々だって、それは大変なことだと。増員しないと判事補から判事に上がれない人が三十人ぐらい出ちゃう、そう言われたら、我々も、これは考えなくちゃいけないなとなるじゃないですか。なぜそういう話をきちんとしないんですか。私はその姿勢は問題だと思いますよ。

第4 判事及び判事補の実人数等の将来予測

1 平成28年8月11日時点の判事及び判事補の実人数等の将来予測を掲載しています。

2(1) 平成27年4月15日の衆議院法務委員会において,最高裁判所事務総局人事局長は,年度途中の裁判官の退官数というのは非常に予想が困難であると説明しています。
  しかし,判事補からの新任判事の任命がないと仮定した場合の判事の自然減の人数は,直近4年でいえば72人から79人です。
  そして,定年退官者数は予測できるわけですから,自然減の人数から定年退官者数を控除すれば,依願退官者数の予測はできると思います。
  それに,依願退官者数が最も多い3月31日を過ぎた4月以降の場合,依願退官者数の予測はなおさら容易であると思います。
(2) 最高裁は,期別の裁判官を記載した名簿を作成していない(平成28年3月14日付の司法行政文書不開示通知書参照)こともまた,依願退官者数の予測を困難にしているのかも知れません。

3 最高裁は,全司法本部に対し,判事増員の理由について,「現在の事件動向を踏まえた上で,より一層複雑困難化する事件に適切に対処するとともに,今後の裁判部門の充実強化という観点から検討した結果」であるとしています。
  しかし,平成27年4月15日の衆議院法務委員会における最高裁判所事務総局人事局長の答弁にあるとおり,判事増員の本当の理由は,判事増員をすることで任官11年目の裁判官のほとんどを判事に新任できるようにするためであると思います。

第5 定数配付に関する文書は不開示情報に該当すること

   平成28年度(最情)答申第30号(平成28年10月24日答申)には,以下の記載があります。なお,本件対象文書とは,「具体的な職名,級についてどのような考え方に基づいて定数配付を行っているのかが分かる文書(最新版)」のことです。

2 本件対象文書の不開示情報該当性について
(1) 原判断においては,本件対象文書は,全体として法5条6号ニに相当する不開示情報が記録されているものであるとして,標題も含めた全体を不開示としたところ,苦情申出がされたが,最高裁判所事務総長は,原判断を相当としているから,最高裁判所の職員の口頭説明の結果を踏まえ,検討する。
(2) 本件対象文書の見分の結果及び最高裁判所の職員の口頭説明の結果を総合すると,定数配布とは,級別定数の範囲内で適任者を適正に昇格させるために用いられる手法であると認められる。そして,本件対象文書の見分の結果によれば,本件対象文書には,その手法に関する事項の一部が記載されているところ,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,具体的な手法の内容は,ごく一部の職員にしか知られることのない極めて機密性の高い性質のものであり,たとえ標題だけが知られることになったとしても,裁判所の人事管理に関して無用の憶測を呼ぶなどするおそれがあるとのことであり,当該説明が不合理とはいえない。そうすると,人事管理に係る事務という公平性と機密性が要求される事務の性質上,本件対象文書に記録された情報については,標題も含めた全体について,これを公にすると,これを知った者に無用な憶測を生じさせたり,さらには,職員の適正かつ円滑な職務遂行に好ましくない影響が及ぶなどして,裁判所の人事事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
   したがって,本件対象文書に記録された情報は,標題も含めたその全体が法5条6号ニに規定する不開示情報に相当すると認められる。

1 相談予約の電話番号は06-6364-8525であり,交通事故(検察審査会を含む。)及び債務整理の初回の面談相談は無料であり,相続情報公開請求等の面談相談は30分3000円(税込み)です。
   交通事故及び債務整理については,無料の電話相談もやっています。
 
2 執務時間は原則として平日の午前10時から午後7時30分までですが,事前のご予約があれば,午後8時30分まで夜間相談可能です。
 
3 弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)については,略歴及び取扱事件弁護士費用事件ご依頼までの流れ,「〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル2・3階」にある林弘法律事務所の地図を参照してください。